ニュース
「リネージュ」、原作解説付き! 「革命戦争 後編」インタビュー
原作主要キャラクターと共に戦う新「攻城戦」。新クラス実装情報も!
(2014/11/7 17:00)
エヌシージャパンは、Windows用MMORPG「リネージュ」において、アップデート「革命戦争 後編 ~赤き獅子の進撃~」を実施する。
「革命戦争 後編 ~赤き獅子の進撃~」は、8月に実施されたアップデート「革命戦争 前編 ~赤き獅子の帰還~」の続編にあたり、前後編を通して原作漫画の主人公デポロジューら騎士団に焦点を当てたアップデートとなっている。
今回の目玉となっているのは、攻城戦に第3の勢力としてデポロジューが率いるNPC勢力「赤き騎士団」が登場し、ランダムに攻城戦を行なうというもの。城の所有権を持つ血盟所属でない一般プレーヤーは「赤き騎士団」に一時的に登録することで、「赤き騎士団」の仲間として、強力なNPCと共に攻城戦に参加できる。「革命戦争」の前編では攻城戦がリニューアルされたが、後編では攻城戦がさらに進化した格好だ。
原作の登場キャラクターと共に戦える、という部分が今回のポイントとなっているのだが、原作漫画については日本ではあまり知名度がない。というのもこの原作漫画、日本語化されていないことに加えて、エヌシージャパンとしても「リネージュ」の原作については積極的にPRしてこなかった。
しかし今回のアップデートは原作漫画なしには語れないということで、エヌシージャパン「リネージュ」プロデューサーの中村直樹氏にインタビューを行ない、原作漫画の内容に踏み込む形でアップデートの内容を解説していただいた。
超強力NPC勢力が「攻城戦」に参加。ソロプレーヤーも活躍のチャンス!
まずゲームシステム面におけるアップデートを整理しておくと、現在3つの城の支配権を争って実施されている攻城戦において、毎回1つの城に「赤き騎士団」が攻勢を加えることとなる。
攻城戦は毎週日曜日の20時から21時に実施されているが、19時30分の時点でゲーム内メッセージに「赤き騎士団」が攻める城が発表され、プレーヤーは20時までに「ウッドベック村」にいるNPCデポロジューに話しかけることで「赤き騎士団」に参加できる。
攻城戦が開始されれば、そのプレーヤーは「赤き騎士団」の一員としてNPCと共に攻撃を行なってガーディアンタワーを破壊し、「赤き騎士団」所属プレーヤーの誰かがクラウンを獲得することで攻城戦の勝利となる。
「赤き騎士団」が勝利した場合は城は「赤き騎士団」の支配下に置かれ、次の攻城戦時には「赤き騎士団」が防衛する城に攻め入ることができる、という流れになっている。
中村氏によれば、このシステムは、ソロで活動しているプレーヤーや、これまで攻城戦に参加してこなかったプレーヤーに対して、より気軽に攻城戦に参加してもらいたい狙いがあるという。
「赤き騎士団」に参加すると、レベルに応じてステータスが上昇する攻城地域内で有効なエンチャントが発動して誰でも活躍できるようになるほか、勝利することで城税収の50%が「赤き騎士団」所属プレーヤーで山分けとなる。さらに活躍度に応じて、その中の1人が最大で1,000万アデナ(ざっとプレイ時間にして約50時間分)もらえる。
さらに「赤き騎士団」所有の城は外城門と内城門が開かれ、誰でも城内専用ダンジョンなどを利用できるようになる。これまで攻城戦などに参加してこなかったプレーヤーも城内専用のコンテンツにアクセスできるようになるので、「赤き騎士団」をきっかけとして新たな勢力を立ち上げたり、攻城戦の戦略を考えたりしてほしいと中村氏は述べた。
なお「赤き騎士団」は、状況によって攻撃手段を変えるものの、ある程度はパターン化されているという。「赤き騎士団」が負け続けたり勝利し続けたりすると自動的に難易度が調整されるそうだが、中村氏いわく「テストしているスタッフが悲鳴を上げているほど強い(笑)」そうで、「日本の得意な研究意欲をぜひ発揮して攻略方法を編み出してほしい」ということだ。
新攻城戦には強すぎる「守護騎士」が登場! 人物背景と能力を解説
そして、この「赤き騎士団」による攻城戦をさらに楽しむために、原作漫画の要素が大きく加わっている。
そもそもの原作の物語を説明しておくと、アデン王の血筋を受け継ぐ主人公デポロジューとその5人の守護騎士たちが、全編を通しての敵役となるケンラウヘルに挑戦していくストーリーとなっている。
今回の「後編」では、デポロジューの「守護騎士」に特にスポットが当っている。攻城戦で「赤き騎士団」が攻め入る場合、守護騎士からゾウ、イシルロテ、クリストの3人の誰かが超強力なNPCとして登場し、それぞれ独特な動きで守備側の血盟を苦しめることとなる(「赤き騎士団」が守備側の場合は登場しない)。
まずゾウは、元々普通よりも少し能力が高い程度のウィザードだったが、ケンラウヘル軍の魔女「ケレニス」に対抗するため、黒魔術を習得するという男性。物語当初は柔和で弱気な性格だったが、黒魔術を学ぶと額に黒い星を浮かび上がらせ、性格も冷徹なものへと激変。しかしその分能力も高まり、最終的にはケレニスと相打ちスレスレで勝利するキーキャラクターとなった。
なおゲーム内では、黒魔術の能力と視力を失ったバージョンのゾウが変身スクロールとして以前より登場している。今回は黒魔術をバリバリ使う最強状態で登場し、黒い竜巻に岩の塊のような隕石、また設置型の黒い炎を使うなど、「プレーヤーが使えないスキルだらけの、1番やっかいな存在」になるという。
次にイシルロテは、デポロジューの許嫁であり物語のヒロイン。見た目は高貴な雰囲気があるが、実はお転婆で、デポロジューが行方不明になった時は男装で城を抜けだしてみたり、デポロジューが他の女性にうつつを抜かすとプリプリ怒ってみたり、原作では表情豊かなキャラクターとなっている。
攻城戦では攻撃力もそれなりに高いが、回復スキルやサポートスキルを扱い、プレーヤーを手助けする。ちなみにグラフィックスやアニメーションは他の守護騎士に比べて最も力が入っており、その辺りも注目だそうだ。
そしてクリストは、アデンとは別の大陸から来ているという設定の浅黒い肌を持つ人物。原作ではそこまで活躍するシーンはないそうだが、クリストの父親もかつてデポロジューの部下だったという関係性がある。
ゲームではアサシンのようなスタイルで、1対1では最強を誇るが、集団に対してはそこまで威力を発揮しないという。
なお守護騎士の残る2人については、すでにグラフィックスはできあがっているものの、どういう性質のNPCにするかを韓国の開発側で検討中の段階だそうだ。
参考までにそれぞれの人物の紹介もしておくと、ジリアンは満月の夜だけ女性になる特異体質の持ち主であり、一時はデポロジューがジリアンの女性版に恋する展開もあるという複雑なキャラクター。一方でデポロジューを守るため一時的にケンラウヘルの元へ下るという忠義に厚い面も持っており、美形度1番(中村氏談)という見た目も合わさって、ファンの人気は高い。
最後の1人、アートーンは一本気かつ真面目な人物で、原作では発明家気質であり、鉄砲を得物として扱う。デポロジューと喧嘩をして怪我をさせてしまうほど情熱的な人物となっている。
なお5人の守護騎士については簡単な説明が「革命戦争 前編 ~赤き獅子の帰還~」のページに記載されているので、こちらも合わせてご覧いただきたい。
今回のアップデートは原作を知っておくとより楽しめるが、残念ながら日本語で読めるものは出ていない。どうしても内容が知りたいという場合には、現在のところ韓国語版がネットショップなどで購入するか、ストーリーが纏められたファンサイトを覗くくらいしか手段がないという。
今後日本語版が出版される可能性について尋ねると「機会があればぜひやりたい」とのこと。現在では原作に関する著作権や利用権、出版権についてもすべてNCsoftが所有しているため、下準備はできている状態だそうだ。エヌシージャパンとしては日本での漫画家を起用し、リメイクに近い形で出版できないかを考えているという。
「日ノ本」は一旦休憩。来年は新クラスの実装を最優先に!
アップデートではこのほか、「リネージュ」に30日以上ログインしていないアカウントに「勇士の箱」をプレゼントする「ホームカミングプログラム」が実装される。
「ホームカミングプログラム」はいわゆる休眠復帰報酬を常時贈呈するというもの。対象者は公式サイトからログインする必要があるものの、復帰者専用の村や狩場が使用できるようになるアイテムや、その他装備や消耗品がもらえる。
なお今後のアップデート方針としては、韓国版の状態に追い付くためのコンテンツ追加を積極的に行なっていくという。日本では独自のコンテンツとなる「日ノ本」最終章が予定されていたが、本来のアップデートから1年半ほどのタイムラグができてしまったという理由から、「日ノ本」は順延する形となる。
中村氏のプランでは1つの区切りを「新クラスの追加」までとしており、まずは「狩場のリニューアル」、「ドラゴンレイドのリニューアル」を年明けに行ない、その後「春の終わりから夏の初めにかけて新クラスの実装ができるよう調整している」とした。
そのため、「日ノ本」最終章はさらにその後となり、現時点では「早くても来年の秋」の実装を考えている。「日ノ本」のコンテンツに関しては中村氏がコンテンツの内容をすべて決めているということでなかなか手一杯のようだが、まずは「新クラスを早めに持ってこられるようにしたい」という。中村氏は、「皆様の応援のおかげでサービス開始から13年、まだまだ頑張っていくのでよろしくお願いします」と語った。