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「WoT」アジア頂上決戦「Wargaming.net League APAC シーズン2 グランドファイナル」開催
日中韓の最強チームが集結。大会前日チームインタビューの模様をお届け!
(2014/10/24 13:04)
Wargaming.netが展開するオンラインタンクバトルゲーム「World of Tanks」のアジアパシフィック地域チャンピオンを決める大会、「Wargaming League APAC シーズン2 グランドファイナル」が10月24日から25日の2日間にかけて開催される。
本大会はWargaming.netが1年を通して開催中の公式リーグ「Wargaming.net League (以下『WGL』)」の一環で、8月から9月にかけて開催された2014年のリーグ戦第2シーズンで上位を獲得したアジア・パシフィック地域の3チームが集い、オフライン会場での直接対決で雌雄を決するというものだ。
今回は“Charlotte Tiger”が日本のチームとして初出場を果たしたほか、前大会王者の韓国セミプロチーム“ARETE”、初出場の中国プロゲーマーチーム“Elong”の3チームが参戦。本稿では大会前日記者会見の模様をお伝えする。
「Wargaming League シーズン2 グランドファイナル」とは?
世界規模で運営されている「Wargaming League」の中で、アジア・パシフィック(APAC)地域では日本と東南アジア各国及びオセアニア/オーストラリアを含むアジアサーバーと、韓国のみで独立している韓国サーバー、中国のみで成立している中国サーバーの、3つのリージョンがある。
このうち中国サーバーは独自の運営構造を持っているため、アジアの頂点を決めるという位置づけの本大会ではアジアサーバーと韓国サーバーの上位チームが参戦するというフォーマットを採用。ただしアジアサーバーは総勢150チーム以上と規模が大きく、参戦するのはリーグ戦の上位2チーム。総勢50チーム程度と規模の小さい韓国サーバーからは上位1チームが参戦、というレギュレーションになっている。
そのうち韓国サーバーを代表して参戦するチーム“ARETE”は、去る7月19日に開催された「WGL APAC シーズン1 グランドファイナル」で優勝。ディフェンディングチャンピオンとしてシーズン2のグランドファイナルに臨む。
アジアサーバーを代表するのは、どちらも初参戦となる日本の“Chalotte Tiger”と中国の“Elong”だ。日中韓と極東アジアの3大国から代表チームが集う格好となったわけだが、これはあくまで、8月~9月にかけて開催されたアジアサーバーのリーグ戦にて“Charlotte Tiger”が1位、“Elong”が2位というポジションを獲得したからに他ならない。
参考までに、7月の前大会に出場したのは韓国の“ARETE”、シンガポールの“PvP Superfriends”、各国混合チームの“Team Efficiency”、という顔ぶれであった。
1年に3つのシーズンに分けて開催される「WGL」のうち、各シーズンのグランドファイナルで勝利したチームは、1年に1度開催される世界大会「WGL Grand Final」(前大会はポーランドのワルシャワで開催された)への出場へ大きく近づくことができる。また、今大会単独の優勝賞金も6万ドル(日本円で約600万円)相当と大きく、プロ、セミプロレベルのチームが全力で獲りに来る大会である、というのも納得だ。
なお本大会はシーズン1から2回連続の韓国開催となったが、Wargaming Asia eSports責任者のDeon Pek氏によれば、当初2回の韓国開催はマーケティング的な理由により既定路線であったそうで、シーズン3からは別の国で開催する予定であるとのことだ。
日本から出場の“Charlotte Tiger”の活躍に注目!出場チームインタビュー
今回「Wargaming League APAC シーズン2 グランドファイナル」に出場する3チームは、まず24日に総当り戦を行ない、その結果をもとに25日のノックアウトトーナメントに挑む。その開催を前にして各チームへの合同インタビューが行なわれた。以下その模様をお伝えする。
ARETE(韓国)
──地元韓国でのホーム戦となるが、自信のほどは?
アジアサーバーとは違い、韓国サーバーは韓国人しかいないのでチームを組みやすく、練習試合もやりやすいが、他の国との練習がしづらいのが難点。ホームだから単純に有利というわけではないと思う。今の目標はディフェンディングチャンピオンとして勝ち、そしてWGLグランドファイナルに出場して世界王者になること。
──多くのEスポーツで韓国陣が上位になることが多いが、「WoT」でもそうなると思うか?
その可能性はもちろんあるが、毎日真剣に練習した結果であって、韓国人だからという理由ではないと思う。もちろん背景には政府や市場の姿勢もあるが、ARETEは基本的にアマチュアなのでプロチームのようなサポートは受けていない。ただ最近はRazerがマウスやキーボードの提供をしてくれている。
──練習や、今回対戦するライバルの研究はできた?
皆ゲームのほかに仕事があるので、柔軟なスケジュールを作り、できるだけ全員が参加できるようにしながら練習をしてきた。アジアサーバーではプレイしていないが、動画はワールドワイドで見ることができるので、“Charlotte Tiger”のビデオは全部チェックしている。十分に研究できたと思う。
──対戦する各チームについてコメントを。
“Elong”とはこれまで3回ほど試合をする機会があったが、対戦するたびに大きくメンバーが変わっていて、常に違うチームのようだった。“Chalotte Tiger”は動画を見るたびに異なる戦術をとっていたので、対応が難しい相手だと思う。
Chalotte Tiger(日本)
──結成間もないチームとのことだが、今大会に参加した経緯は?
母体となったチームは1年前に結成された。国内大会向けに作ったチームだったが、6~7月の「WGL Asia シーズン1」で結果が良くなかったので解散状態になった。しかしすぐにシーズン2が始まると聞いて、やる気のあるメンバーを呼び戻したり、新しく加えたりして現在のチームになった。
──皆さん若そうに見えるが、年齢層は?
年齢は20歳から30歳で、学生と社会人が半々。仕事は皆バラバラでそれなりに忙しいため、あまり練習する時間がとれなかった。我々は本当のアマチュアチーム。他のチームがスポンサーロゴ入りのシャツを着ているのを見てちょっとうらやましいとは思うが、格好で勝負が決まるわけではない。
──練習時間があまり取れなかったとのことだが、特別な方針などは?
チームリーダーとして作戦の立案を担当する立場から、みんなには“作戦に頼るな”と言ってきた。(臨機応変にやれと?)そういうことです。“ARETE”とは初対面で、“Elong”とは過去2回対戦したことがあり、1勝1敗だった。
──今大会の目標は? また、今後「WGL グランドファイナル」を目指していきたい?
実は、今大会終了後に2人のメンバーがいなくなることが決まっている。彼らにとっては最後の大会になるので、世界大会を目指すよりも、この大会だけに集中して勝つことが大事だと思っている。
Elong(中国)
──中国サーバーの大会ではなく、APACの大会に参加した理由は?
中国サーバーで開催されるものはとても閉鎖的なトーナメントになっているので、よりグローバルな大会に挑戦したかった。そこでアジアサーバーのリーグ戦に参加し、本大会に参戦することができた。中国では皆同じような守備的な戦術をとるが、アジアサーバーではたくさんの国のチームと対戦することができ、いろいろな戦術を体験できて勉強になる。
──今回対戦する2チームについてどう思うか?
“ARETE”はとても有名で、自分たちにとって1番のライバルであると考えている。是非勝ちたい。“Charlotte Tiger”は何度か対戦したことがあるが、とてもアグレッシブに戦い、簡単に試合をひっくり返すという印象がある。とても強敵で、警戒している。
──チームの編成や練習スケジュールは?
我々はプロゲーマーチームで、最年少の17歳から最年長は31歳。基本的には寝るときと食事をするとき以外は皆で練習するスタイルで、朝の9時から夕方の6時まで練習することもある。
──中国での順位や、使用する戦車について教えてください。
中国サーバーでの特定の順位というのはないが、ほとんどのトーナメントに参加して、好成績を収めている。中国国内では強豪チームとして扱われていると思う。試合では中国戦車を使うことが多い。「WoT」に最強の戦車はなく、戦略によって最適な選択がある。自分たちの戦略には中国の戦車が合っているということだと思う。