ニュース

「World of Tanks」アジアパシフィック王者決定戦が開催

日中韓のトップチームが集結。日本代表Caren Tigerが勝利を目指す!

【2015~2016 WGL APAC Season I Finals】

8月22日~23日開催



会場:Yongsan e-Sports Stadium(韓国)

出場4チームのチームリーダーたち

 8月22日、23日の両日、韓国ソウルにて「World of Tanks」のアジア・パシフィック地域シーズン1王者決定戦「Wargaming.net League(WGL) APAC Season I Finals」が開催される。この大会は年間3つのシーズンに分けて開催されるWargaming.netアジア・パシフィック公式リーグ戦において、2015~2016年第1シーズンの総決算という位置づけだ。

 日本からは、昨年同大会のシーズン2に出場した“Charlotte Tiger”改め“Caren Tiger”が出場。中国からは4月にワルシャワで開催されたWGL GRAND FINAL(世界大会)で準優勝を果たした“ELONG”改め“EL Gaming”、韓国からは2014~2015年の全シーズンでAPAC王者となった“Arete”改め“KONGDOO”が出場と、昨年顔合わせをした3チームがいずれも新体制化を果たして一同に会する。これに加えて中国サーバーからはWGL GRAND FINALに出場経験のある“Refom Gaming”が出場。

 以上4チームがアジア・パシフィック王者の座をかけて争う構図となる本大会、本稿では前日記者会見の模様から、大会の見どころをお伝えしたい。

APACサーバー、韓国サーバー、中国サーバーからトップ4チームが出場

前日記者会見の模様。シーズン戦のレギュレーションや出場チームの紹介が行なわれた
今シーズンは総参加チームが1割以上増加、観戦者は3割以上増加など注目度が更に高まっているという

 大会出場チームの構成が少々特殊なので補足すると、この大会は去る6月から8月にかけてオンライン上で実施された「WGL APAC Season1」のゴールドリーグ所属上位チームが集まってのプレーオフ戦で、アジアサーバーから2チーム、中国サーバーから1チーム、韓国サーバーから1チームの計4チームが出場し、サーバーの垣根をを超えてアジア・パシフィック全体での順位をつけるという催し。

 その順位に応じて各チームに勝ち点が付与される。それにプラスして今後開催されるシーズン2~3を経てポイント上位となったチームが、2016年春に開催される次のWGL Grand Finalsへの出場権を得るという仕組みだ。

WGL APAC Season 1 Finals 出場チーム選抜の仕組み。アジアサーバー、韓国サーバー、中国サーバーから4チームが出場する

 世界大会であるWGL Grand Finalsでは100万米ドル単位の高額な優勝賞金が目玉となるが、アジア・パシフィック地域のシーズン王者を決めるこの大会も、1位は6万ドル、2位は2万ドル、3位は8,500ドル、4位は4,000ドルと、なかなかに高額。

 なお、昨シーズンからルールが若干変わっており、昨年のFinalsでは出場3チームによる総当り戦→上位2チームによる決勝戦という形だったが、今大会からは出場4チームによるノックアウトトーナメント制となる。1発勝負になったことで、試合の緊張感はさらに高まることになりそうだ。

優勝賞金は6万ドル。賞金総額は10万ドル以上となって開催される

昨年顔合わせをした3チームがいずれも大きく体制を変え、ふたたび対戦!

アジアサーバー上位、日本から出場のCaren Tiger、チームリーダーのPoly選手(左)とRenno選手
こちらもアジアサーバーから出場の中国EL Gaming。4月には世界大会で準優勝を果たした

 それでは出場チームについてご紹介していこう。上述したとおり本大会に出場するのはアジアサーバーの上位2チーム、中国サーバーの王者、韓国サーバーの王者の計4チームだ。

 アジアサーバーの上位2チームとして出場を果たしたのは、日本のCaren Tigerと中国のEL Gaming。

 Caren Tigerは昨年、Charlotte Tigerというチーム名でWGL APAC Season 2 Finalsに出場。そこでは3位入賞という結果に終わったが、2度めの出場となる今回はさらなる好成績を目指す。また、チームとしては大きな変化を経ている。今年初頭に導入された公式試合ルールの刷新ににあたり、前チームリーダーが選手としては引退、3名の新メンバーが加入するなど完全に新体制に移行。その変化がどう出るかが見ものだ。

 EL Gamingは昨年はELONGというチーム名でWGL APAC Season 2と3に連続出場。いずれも韓国Areteに敗れて2位という結果だったが、アジア第2位のチームとして出場した今年4月のWGL Grand Finalsでは欧州・ロシアの強豪チーム相手に破竹の快進撃を見せて準優勝という驚きの結果を残している。今年になってチーム名を変更し(同名の企業が存在したためとのこと)、WGL Grand Finalsでの経験をバネにチーム力の向上も果たした。国際試合の経験豊富さに自信を見せており、試合ではいつも練習してきたとおりにプレイすると宣言。今大会の優勝候補筆頭といえよう。

2回目の出場となる日本のCaren Tiger。練習量を倍に増やし、新体制で実力をアップさせてきたという。明日は良い試合を見せて欲しいものだ

韓国サーバー王者として出場のKONGDOO。昨年3連覇したAreteがプロ化したチームだ
中国サーバー王者として出場のRefom Gaming。国際大会経験はまだ少なく、経験を積みたいという

 韓国サーバーからは、2014年の3シーズンを連覇したAreteを前身とするプロゲーミングチーム、KONGDOOが出場。KONGDOOというのはスポンサーとなった企業名で、プロ化に当たりメンバーが数名入れ替えになったものの、デバイスや練習ルームなどのプロフェッショナルなサポートを受けることでチーム力を向上している模様だ。昨年からチーム構成の変化が非常に大きく、新体制でどこまでチームプレイを深化させることができたか、やや不安は残るがやはり優勝候補の一角となる。

 もうひとつの出場チームは中国サーバー王者のRefom Gaming。国際大会のKubinka CupやWGL Grand Finalsにも出場経験があるチームだが、およそ中国サーバー内での活動がメインで、最も情報が少ないチームとなっている。同じ中国のEL Gamingとは練習試合も含む対戦経験があるようだが、日本、韓国のチームからは完全に未知数。チームリーダーは「この大会で国際試合の経験を積みたい」と謙虚に語っていた。

 22日に開催されるWGL APAC Season 1 Finalsの第1、第2試合では、ベスト4対決としてEL Gaming対Refom Gaming、およびCaren Tinger対KONGDOOの各試合が行われる。

 日本を代表するCaren Tigerとしては、昨年の顔合わせで「良い勝負はできたが……」という相手、KONGDOO(旧Arete)に対してどこまで戦えるかが見どころだ。

 Caren Tigerではこのシーズン1の開幕にあたり、練習量を倍に増やすなど新メンバーとの連携の深化に努力を費やしているとのことで、チームリーダーのPoly選手も「前回よりも実力、連携ともに向上して、より良い戦いができると期待している」と抱負を述べた。

 果たしてシーズン1のアジア・パシフィック王者を巡る戦いはどのような経過と結末を見せるだろうか。「World of Tanks」のファンの皆さんのみならず、e-Sportsに関心のある皆さんに広くご覧いただきたい。弊誌では引き続き大会の模様をお伝えしていく。

(佐藤カフジ)