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【必見! エンタメ特報】怪獣映画の大本命登場! 映画「GODZILLA ゴジラ」

怪獣王、米国に立つ! 重めのテーマ、バトル、全てが一体化した本格的「ゴジラ」映画

7月25日 全国公開

 ついに怪獣王「ゴジラ」が2014年に蘇った。生誕60周年を迎える「ゴジラ」のハリウッドリメイク版となる映画「GODZILLA ゴジラ」は、ゴジラの物語をハリウッドの力を結集させて作った大作映画となっている。

 ゴジラのハリウッド映画化は、今回で2度目。1998年公開のハリウッド版「GODZILLA」はゴジラのトカゲのような造形と扱いの悪さでほとんど“なかったこと”にされているが、今回は製作のトーマス・タルが「何よりもゴジラがゴジラに見えることが重要」と語る通り、これがゴジラファンによるゴジラファンのための正真正銘のゴジラ映画となっていた!

 なお映画公開と合わせ、「ゴジラ」関連の展開が活発化してきている。ゲーム関連では本映画のゲーム版iOS/Android「Godzilla: Strike Zone」が配信されており、コンシューマーでもプレイステーション 3「ゴジラ-GODZILLA-」が発売予定となっている。映画と共に、これらもチェックしていただきたい。

【「GODZILLA ゴジラ」予告編】

感動すら込み上げる咆哮、堂に入ったバトルに大注目!

この凛々しき立ち姿を見よ!
原子炉のメルトダウンという災害にも踏み込む

 「GODZILLA ゴジラ」では、怪獣は自然災害の象徴として人間に対して猛威を振るう。怪獣が現われる時、それは火事を引き起こし、街を破壊し、その前に人間は為す術のない小さな存在となる。特に日本人にとってまだ衝撃の残るメルトダウン、津波といった現象にも踏み込み、現代的なものも含めた全ての厄災を怪獣に象徴させている。

 ポイントとなるのは、メルトダウンを引き起こした日本の原子炉。原子炉の周辺は隔離地域となり何年もの間封鎖されていたが、かつて原子炉に勤務し、メルトダウンで妻を亡くした物理学者のジョー・ブロディ(ブライアン・クランストン)はメルトダウンの真実を確かめるため、息子のフォード・ブロディ(アーロン・テイラー=ジョンソン)と共に隔離地域に潜入する。

 しかしそこで親子が見たものは、かつての原子炉の場所に建設された「隔離地域」という言葉とは裏腹の巨大な実験場。その実験場の中心には未知の巨大生物がおり、芹沢猪四郎博士(渡辺謙)が巨大生物に対して観察を続けていた。ここに棲みつく巨大生物は放射能を食料としており、人間の作り出した核施設そのものが狙われてしまったのだ。

 「ムートー」と名づけられた生物は、原子炉の放射能を食らいつくし、他の場所へと移動を開始する。ムートーによって街は次々と破壊され、核を積んだミサイルや核施設がことごとく飲み込まれていく。ムートーは猛威を振るい続けるが、しかし同時に、芹沢博士が長年研究していた巨大生物「ゴジラ」も姿を現わすのだった……。

主役の1人、フォード・ブロディを演じるアーロン・テイラー=ジョンソン。「キック・アス」ではヒョロヒョロだったのに、今回はムキムキ
日本代表の渡辺謙。オリジナル版の流れを汲む、芹沢博士役で出演している
ゴジラは何を思い、2014年に蘇るのか……

アンディ・サーキスによるゴジラの感情表現も注目だ

 注目しておきたいのは、「GODZILLA ゴジラ」では怪獣はいきなり登場せず、人間ドラマが織り交ぜられながら段々と怪獣登場の雰囲気が高まっていく映画の進行だ。特にゴジラはさすが主役といったところで、ムートーとついに対峙するその瞬間の咆哮は「待ってました!」と声を掛けたくなるような感動がある。

 メルトダウンを起こした原子炉に実は巨大生物が棲みついていたというストーリーは、繰り返される水爆実験に対して、ゴジラが怒るようにして陸へと浮上してきたオリジナル版「ゴジラ」を思い起こさせる。そういったテーマがある一方で、怪獣VS怪獣のバトルに興奮できるのも本作の特徴と言える。

 監督のギャレス・エドワーズは“ゴジラが人間だったらどんな人物か?”を考えた時に、「サムライのような孤高の戦士」イメージしたという。そのイメージに「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラムや「猿の惑星: 創世記」でシーザーを演じたアンディ・サーキスの動きが加わり、ゴジラの怒りが全身から伝わってくる。「パシフィック・リム」のバトルも良かったが、本作のゴジラは感情面も含めて輪を掛けて堂に入っていると言えるだろう。

 一方で、人間も怪獣の脅威にひれ伏すのみではない。怪獣=自然災害に見舞われ大ダメージを被りながらも、それでも立ち上がり、何かを成し遂げる人間がいる。「ゴジラ現わる」という不穏な状況は、同時に「その時人間は何ができるか」というメッセージも伴っているのだ。

ゴジラを中心に、それぞれの人間が織りなすドラマもしっかりと描かれている

(安田俊亮)