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「ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー」プレビュー
司令官を狙うステルス戦闘も可能。プレイするほど戦いが楽しくなるシステム
(2014/5/29 11:00)
司令官を狙うステルス戦闘も可能。プレイするほど戦いが楽しくなるシステム
「ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー」の戦闘は正面から突破していく楽しさだけでなく、ステルス戦闘的なアプローチもある。それが“司令官”の存在だ。マップ上に司令官が存在する場所では、彼らに気づかれず倒すことができれば増援を呼ばれる心配がなくなる。
司令官は士官の服を着ているので見分けがつく。さらにPERKを取得することで、マップ上に司令官を見つけることができるようになるので、より戦いやすくなる。本作は“撃ち合い”を楽しさの中心にしながらも、敵に見つかりにくいルートや、細かく探索することで弾薬や、装甲アイテムが大量にゲットできて戦いを有利にできたり、収集アイテムを発見できたりする。
PERKは様々な条件を満たすことで入手できる特殊能力だ。「司令官をステルス・キル」、「両手持ち状態でのキル」といった条件を満たすことで、司令官の位置がマップ表示されたり、両手持ちのリロード速度が上がったりする。さらにマップを探索することで武器のアップグレードや、体力やアーマーの上限を上げられるアイテムが入手できる。様々なパワーアップ要素があり、プレイを重ねることにキャラクターが強くなっていく。
本作は難易度が「VERY EASY」から「VERY HARD」まで5段階用意されており、腕に覚えがあれば、難易度を上げさらなる激しい戦いを楽しむことができる。ステルスにこだわることもできるが、あえて正面から突っ込むのも面白い。司令官が増援を呼ぶと、狭い部屋から何人も敵が出てきて一斉に射撃してきたりする。「おまえら何人その部屋にいたんだよ!」とツッコミを入れながら銃弾をたたき込んでいくのも楽しい。
1度クリアしたチャプターはチャプターセレクトでいつでも再挑戦できるので、様々なアプローチで挑んだり、隠しアイテムを収集することもできる。ストーリーを体験するだけでなく、様々なやり込みプレイが楽しめるのも「ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー」の大きなセールスポイントだ。
世界観の魅力にも触れておきたい。本作はナチスが世界征服を成し遂げた世界となっており、鉄の装甲に身を包んだ兵士や軍用犬が闊歩し、機銃を発射する監視ポッドが浮遊し、強大な火器を装備したロボットが重い足取りで歩く世界だ。異常な進化をした、歪んで、無骨な兵器達は、独特の迫力と説得力がある。
世界は鉄とコンクリートに覆われ、人々は自由を奪われている。天候も世相を反映しているのか、昼間でも陰鬱な曇り空のことが多い。史実のナチス占領下のパリを広げたようなイメージで、その中を物陰に隠れながら進んでいくのは、レジスタンスになりきれる楽しさがある。
文明はナチスの影響で歪んでしまっており、流行のレコードのジャケットも政治色が強くなっている。1960年代の文化を“ナチス”のアレンジで表現した世界は、現実と見比べると開発スタッフのこだわりが感じられる。激しい銃撃戦が展開するため、細かく見て回る余裕はあまりないが、チャプターごとのマップから立ち上る現実とは異なる文化へのアプローチは、チェックすることでより深く「ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー」の世界に没入できる。
日本語版の場合、特に主役のブラスコヴィッチを演じる声優の中田譲治さんの演技が良い。落ち着いていて、どこか暗く、世の中の無情を受け入れているような雰囲気ながら、世界を制圧しているナチスにたった1人になっても屈しない、鉄の意思を持った男・ブラスコヴィッチは、中田さんの声でキャラクターの個性を増している。日本語版は各キャラクターの吹き替え音声も聞き所だ。
「ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー」はしっかりした世界観と、鉄の意志を持つ男が絶望的な状況を突破していく興奮、そしてたっぷり、バリバリ撃ち合えるエキサイティングなゲーム性を持った作品である。世界観が気に入った人は低い難易度でストーリーが楽しめるし、シューターにはどこまでも奥深く楽しめる戦場が待っている。アクの強い作品ではあるが、幅広い楽しさを持った作品だ。多くの人にプレイして欲しい。
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Wolfenstein: The New Orderは1960年代の仮想世界に基づくフィクションです。各名称、登場人物、団体、場所、事象は架空のもの、またはフィクションに基づく描写によるものです。本作品のストーリーとコンテンツはナチス政権の信念、イデオロギー、事象、行動、党員、行為を解釈、称賛、是認を意図するものではなく、またナチス政権による戦争犯罪や虐殺、その他人道に反する犯罪を矮小化する事を容認するものではありません。