ニュース

任天堂、2013年度3月期決算短信で232億円の赤字と発表

次期は3DSを1,200万台、Wii Uを360万台販売と予想し、黒字化へ

5月7日 発表

 任天堂は、2013年度3月期の決算短信を発表した。それによれば、売上総利益は1,632億円、営業損益は464億円の損失で、さらに、為替差益が392億円発生し、経常利益は60億円となった。加えて、主に米国における繰越欠損金などに対する繰延税金資産の取崩しを行なった影響により、当期は232億円の赤字となっている。1株当たりの年間配当金は100円(中間無配、期末100円)となる。

 ニンテンドー3DSハードウェア、Wii Uハードウェア、Wii Uソフトウェアが想定した販売数に至らず、1月17日に発表した業績予想から売上高は想定を下回り、営業損失が想定よりも拡大。これは売上高が想定を下回ったことに加え、たな卸資産の評価減や研究開発費が想定よりも増加したことなどによるとしている。

【ニンテンドー3DS】
本体1,224万台(3DS LL:787万台/2DS:220万台)
ソフトウェア6,789万本
ポケットモンスター X・Y1,226万本
とびだせ どうぶつの森380万本(累計766万本)
ルイージマンション2
ゼルダの伝説 神々のトライフォース2
マリオ&ルイージRPG4 ドリームアドベンチャー
200万本以上
【Wii U】
本体272万台
ソフトウェア1,886万本
スーパーマリオ 3Dワールド
New スーパーマリオブラザーズ U
New スーパールイージ U
など5タイトル
100万本以上
【ニンテンドーDS】
ハードウェア13万台
ソフトウェア1,029万本
【Wii】
ハードウェア122万台
ソフトウェア2,616万本

 厳しい販売状況が続いているWii Uに対し、プラットフォーム活性化のための取り組みとして、「Wii U GamePadの特長を活かしたソフトウェアの提案」、「標準搭載しているNFCリーダーライター機能の活用」、以前発表された「ニンテンドーDSのバーチャルコンソールをWii Uのソフトウェアラインアップに順次加えていく」などを挙げ、「Wii U最大の特長であるWii U GamePadの存在意義を高めることで、Wii Uプラットフォームの販売拡大につなげていく」としている。

 また、全世界で5月に発売する「マリオカート8」、今年冬に発売する「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」の2つのソフトを軸として、順次高品質なタイトルを発売していくほか、ニンテンドーeショップを通じたデジタル配信ビジネスにも積極的に取り組んでいく予定。

 こうした取り組みにより、次期の業績については、売上高5,900億円、営業利益400億円、経常利益350億円、当期純利益200億円を見込んでいる。3DSは1,200万台、ソフトは6,700万本、Wii Uは360万台、ソフトは2,000万本の販売と予想している。

 なお、ビデオゲーム専用機とは別の領域で、「人々のQOL(QOL~Quality of Life)を楽しく向上させるプラットフォームビジネス」をまず「健康」をテーマとして展開すること、キャラクターライセンスビジネスから一定の収益を得ることを目指すことなど、中長期的な会社の経営戦略に関しては、1月30日に公開された資料と方針は変わっていない。

(佐伯憲司)