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【必見! エンタメ特報】冒頭から痛快! 「アメイジング・スパイダーマン2」

スパイダーマンアクションがさらにパワーアップ! 映像表現と人間ドラマの両方で見せる快作

4月25日より、TOHOシネマズ日劇他全国3D&2Dロードショー

 ゲーマーたるものゲームをやるべきではあるのだが、ゲーマーが好きなコンテンツは何もゲームの中だけに転がっているわけではない。毎週新たな作品が公開されていく映画もその1つで、最大規模のエンターテイメントコンテンツとして我々を楽しませてくれる。

 映画にも様々な種類やジャンルがあり、中でもゲーム好きならこの映画もオススメ! という作品がたしかに存在している。ゲーム世界の物語を表現した「シュガー・ラッシュ」やゴリゴリのロボット×怪獣大作「パシフィック・リム」など、今からでも見てほしい作品が数々あるが、今まで紹介する機会を逸していた。そこで今回は誌面を割き、やや唐突ではあるが本稿でゲームファン必見のオススメ映画を紹介する。

 今回取り上げるのは、前作から約2年の時を経て4月25日に続編が公開となったハリウッド映画「アメイジング・スパイダーマン2」。はっきり言ってアメコミ映画はほぼ全てが必見という感じではあるのだが、「アメイジング・スパイダーマン2」は142分という長さがあっという間に感じられるほどスピード感があり、映像とドラマの両方が優れているという特に推していきたい作品なので紹介したい。

【予告編トレーラー】

軽口を叩き、口笛混じりに人助け。恋に悩む青年が最大の敵と対峙

今回のスパイダーマンはニューヨークの人々を救いまくる!
「そのコスプレいいわね~」と話しかけられるスパイダーマン
恋人グウェン、そして幼なじみハリーとのやり取りは青春ドラマのようでもある

 「アメイジング・スパイダーマン2」は、サム・ライミ版「スパイダーマン」のリブート作品となる。本シリーズではスパイダーマン=ピーター・パーカー(アンドリュー・ガーフィールド)はちょっと内気な理系男子の高校生となり、超優秀な同級生で恋人のグウェン・ステイシー(エマ・ストーン)など、ピーターを取り巻く人間ドラマの機微を交えてストーリーが描かれるのが特徴となっている。

 もちろんアクションの爽快感は抜群で、特に本作では、スパイダーマンは「スパイダーマンであること」を実に楽しんでおり、街で起こる様々な事件を聞きつけてはあちらこちらへ街中をビュンビュン飛び回る。軽口を叩きながら口笛混じりに人々を助けていく姿は痛快の一言で、冒頭から一気に引き込まれること間違いなしだ。

 人々を救うことでどんどん街の人気者になっていくスパイダーマンではあるが、しかしその活躍が強大な敵を生み出す要因ともなってしまう。今回の最大の敵となるのは、電気人間の「エレクトロ」=マックス・ディロン(ジェイミー・フォックス)だ。ゲームで言えば「inFAMOUS Second Son」のデンシルが操る「ネオン」の能力と似ているが、全身は青くなり、声帯は焼け、スタイリッシュでイケメンのデンシルとは正反対の不気味な風貌である。

 実はマックスは、スパイダーマンが助けた人々の1人だった。スパイダーマンを含めた怪人を生み出す諸悪の根源であり作品のキーでもある大企業、オズコープ社の優秀な電気技師でありながら、内気すぎる性格のために上司や同僚に疎まれ、友人も家族もいない孤独な生活を送っていたマックスにとって、ヒーローに助けられた、話しかけられたことがあまりに嬉しく、それ以来スパイダーマンに異常なほど敬愛を示すようになる。

 そんなマックスが、不慮の感電事故で高圧電流を操る力を得る。大好きなスパイダーマンをいかにマックスが憎むようになるかは映画を見てのお楽しみだが、マックスの悲しみと絶望感が愛情の裏返しとなって一直線にスパイダーマンに向かっていく展開は凄みがあり、派手なアクションと共に人物の心情のゆらぎも上手く表現していて監督の手腕を感じさせる。

 映画ではこのほかにも、後にグリーン・ゴブリンとして襲ってくるピーターの親友ハリー・オズボーン(デイン・デハーン)との交流とすれ違い、ピーターの出自の謎、そしてグウェンとの恋路が平行して描かれる。特にグウェンとの関係は全編を通してのピーターの悩みで、そばにいたいが危険な目に合わせてもいけないという相反する感情がピーターの心の奥底にくすぶり続ける。

 そこにグウェンがイギリス留学をするという話も加わって、ピーターの気持ちからするとはっきり言ってエレクトロどころではないのだが、いくつかの事件が膨らみ、重なり、そこから一気にクライマックスへと収束していく。

 前作に引き続き監督を務めるのは、ミュージック・ビデオでキャリアを積み、「(500)日のサマー」で長編映画デビューしたマーク・ウェブ。ケレン味溢れる映像表現はさらに進化し、同時に丁寧なドラマ作りで人物描写のリアリティも感じさせる。特にクライマックスのエレクトロとスパイダーマンの戦いは音楽と映像が一体となって迫力満点なので、ぜひ劇場で見ることをオススメする。

【3人の強敵】
電気を操るエレクトロ。「inFAMOUS Second Son」のデンシルとは風貌も性格も全然違う!
グリーン・ゴブリンと化したハリー・オズボーン
サイ型アーマーで武装した3番目の敵、ライノ

(安田俊亮)