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「AVA」の強豪クラン“Galactic“がFPS教室を開催!

大雪直後にも関わらず多数のプレーヤー集まった「立ち回り編」の内容とは

2月15日開催

会場:EIZOガレリア銀座

EIZOショールームで開催された「Galactic塾」の様子

 ゲームオンが展開する「Alliance of Valiant Arms(以下『AVA』)」は国内のオンラインFPS界で一番人気といっていいタイトルだが、その中で活躍する強豪クランも活動の幅を広げている。

 今回、「Galactic塾」と題してFPS教室を開催したのは、現チャンピオンクラン“DeToNaTor”に並ぶ実績と人気を誇る強豪クラン“Galactic”。2012年に結成されたこのクランは、チームリーダーのSyaNha1(しゃんはい)選手のもと、出場した「AVA」公式大会のほとんどで決勝大会へ進出、13大会中3度の優勝を誇る。

 その実績を買われた“Galactic”、2013年にはMSIコンピュータージャパンおよびEIZO株式会社のスポンサー契約を交わし、ライバルクランの“DeToNaTor”と同じくセミプロ活動を展開中だ。公式サイト上では各メンバーによるプレイテクニック講座やゲームデバイスのレビューなどを展開し、積極的に情報発信をしていることも特徴のクランである。

 そして今回、銀座にあるEIZOショールームで開かれた「Galactic塾」は、本クラン主催による初のFPS教室だ。今回は「立ち回り編」と題し、トップクランのチーム戦術を1時間半の授業に凝縮してレクチャー。記録的な豪雪に続く雨で都心部の交通が非常に乱れた一日だったが、それでも定員の7~8割のプレーヤーたちが出席。トップクランの技術を熱心に学んでいた。

こんな時どうする?トップクランの立ち回り技術

講師役として“Galactic”のメンバーが勢揃い
メイン講師はリーダーのSyaNha1選手
塾生の皆には特製の「問題集」が!

 この日集まったのは、“Galactic”の主要メンバー6名と、公募で選ばれた40名の「AVA」プレーヤーたち。2度にわけたセッションのそれぞれで20名ずつが“塾生”となり、SyaNha1選手らGalacticメンバーによるレクチャーが行なわれた。

 それも単純に“Galactic”流のやり方を伝授するというよりは、塾生たちに自ら考えさせるスタイルを取っていたのが特徴的だ。あらかじめ全員に渡された「問題集」には、クラン戦の最中に遭遇する典型的なシチュエーションが記されており、そこでとるべき動きを考えて記入、その後皆で答え合わせをし、SyaNha1選手による解説が行なわれるという形である。

 新たな問題が出るたびに塾生の皆が考えこんだり、メモをとるなど、熱心にトップクランのノウハウを吸収して自分のクランに持ち帰ろうとしていたようだ。

 問題のひとつはこんな感じだ。

 「チームは攻撃側。マップ『CANNON』で爆弾設置後、スナイパー1名を含め4人生存中。ひとりはスモークグレネードを持っている。敵は残り3人で、どこから来るかわからない。さて、どうメンバーを配置する?」

 素人目には、なんとなく爆弾の近くに大勢配置したり、両方のロング通路を撃てる位置にスナイパーを置きたくなったりし、あとから「なんでそこに人を置いたの?」と言われても明確に答えられない感じになりそう。だが、“Galactic”の回答は明確だ。

 まず、一番重要なのは爆弾の防衛。このため、爆弾に最も近い通路の脇にスモーク持ちを置き、その通路をロングで狙える一番深い場所にスナイパーを配置。この際、スナイパーは最初に敵の視界に入るため、接敵したらいったん隠れ、通路脇のアサルターが交戦を開始したら改めてカバーに入る、といった形で優位を維持。

 逆側の2通路は直接見ず、合流地点を2人のアサルターで監視。その際は固まらず、遮蔽物を使って粘れる位置で待機する。こうすることで、どちらかに敵の攻撃が向いているタイミングを見計らい、他方が援護して優位に敵を撃破することができる。その際、どちらのプレーヤーも非積極的に交戦し、なるべく味方がカバーに入る時間を稼ぐのが重要なポイントである、とのことだ。

『CANNON』におけるチームメンバー配置の例。どこから敵が来ても、優位を維持できるよう緻密に工夫されている。“Galactic”のクラン戦では、状況に合わせてこのような配置を一瞬で導き、全員で行動しているのだろう。
SyaNha1氏による解説が終わると、“Galactic”メンバーによる実演。例題に出ていたマップで実際にメンバーが展開し、各位置からの通路や敵味方の見え方を確認できた。
Mother選手による「ワンポイントアドバイス」では、爆弾設置後の1on1で敢えて交戦せず生き残ることの重要性を力説。
レクチャー後は塾生による交流戦。AI相手にKILL数を競うというルールで腕鳴らしだ

 上記は複雑な例ではあるが、狙いは明確だ。ルール上、相手は爆弾を解除するしか勝利できないのだから、こちらとしては局所防衛の有利をいかに維持しつづけるかがポイント。“Galactic”流のメンバー配置はその点でよく考えられている。誰かが倒されても他の誰かがすぐにカバーリングできる上、敵に対しては障害物が邪魔でマトが小さい、という不利を強い続けることができる。

 SyaNha1選手はこのような例を解説しつつ、チームプレイを「俯瞰で考える事」や、敵を無理に自分で倒そうとするのではなく「仲間に任せる」ことの重要性も語っていた。似たような状況はクラン戦以外でも遭遇しやすいとのことなので、日頃のプレイで試してみるのもいいかもしれない。

 このような形で3つのシチュエーションに対するレクチャーが行なわれた後、塾生と“Galactic”メンバー交えてのミニゲーム大会、そして交流が行なわれた。

 さすがにこの日集まったプレーヤーたちは非常に上手で、マウスさばきやエイミングの難はなさそう。だからこそ、撃ち合いの技術以外のノウハウで勝率を上げるための「立ち回り編」というレクチャー内容だったのだろう。

 “Galactic”チームマネージャーを務める江尻勝氏(プレーヤーネーム:MaxJam)は、これを皮切りに今後も継続的に「Galactic塾」を続けていきたいと語っていた。トップクランによるこのような活動は、「AVA」の持つチーム戦ならではの面白さをより引き出していくに違いない。プレイレベル向上を目指すファンの皆さんは今後も“Galactic”の活動に注目してみてはいかがだろうか?

MSI、EIZO、SteelSeriesの後援で用意されたプレイ環境。ハイレベルなデバイスを使ったレクチャーができるのも、スポンサー契約を受けたトップクランならではのことだろう
塾生と“Galactic”メンバーが個別に交流するシーンもチラホラ。格式張らない小さな“教室”で、トップクランのマインドに直に触れることができることもこのような試みの良い点だろう

(佐藤カフジ)