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【特別企画】「チェインクロニクル」にハマらざるを得ない7つの理由

日本伝統の“シミュレーションRPG”の再定義を成し遂げた快作を今こそ遊ぶべし!

7月26日サービス開始

利用料:無料(アイテム課金制)

10月18日よりスタートした100万人突破キャンペーンで貰えるレア武器「ミリオンインパクト」を、リフレットに早速装備させてみた。“100万”の文字が輝く

 セガネットワークスの「チェインクロニクル」がおもしろい。

 どれぐらいおもしろいかというと、寝起きやトイレ(大)のタイミングでひとバトル挟むのは当然として、GAME Watchの記者であることをいいことに会社でも全力で遊んでるし、直近の自宅でのゲームシーンで言えば、「FFXIV: 新生エオルゼア」のF.A.T.E.待ちの間にバトルに行くし、「グランド・セフト・オートV」の長いローディング中にも当然挟むし、「艦これ」の海戦中は下手すると2回バトルに行ける感じで、ゲームとゲームの合間にさらにゲームを挟むという、“ケンタッキーの肉で肉を挟んだチキンフィレダブル”のような禁じ手的な遊び方で盛大にハマりこんでるわけである。

 本来は正式サービス後のゲーム、ましてや会員数が100万人を突破してヒットが確定したゲームを礼賛するのは、ゲームメディアの仕事としてあまり褒められたことではないのだが、ただ、その一方で、ユーザー数や売上ばかりをアピールして、実際にプレイしてみると、悪い冗談みたいな内容のソーシャルゲームが未だに存在し続ける中で、「ソーシャルゲームが、ゲームとしてここまで来ている!」ということを、ハードコアなゲームファンも含めた幅広いゲームファンに向けて改めて広く知らしめたいという想いもある。そこで今回は特別企画として、「チェインクロニクル」がゲームとして優れていると思う理由を箇条書きでまとめてみた。

おもしろいと思う理由その1:現代の「ゲイングランド」である

「チェインクロニクル」は、主人公とヒロインフィーナ、妖精ピリカ、そして数多くの仲間達と世界を救う旅に出るRPGだ
懐かしの「ゲイングランド」(画面はメガドライブ版)。「チェインクロニクル」とは攻守が逆だが、仲間と共に敵を撃破しながら画面上部の出口を目指していくというゲームだ

 この見出しはいきなり誰にも賛同を得られない恐れがあるが、まずは最後まで聞いて欲しい。「チェインクロニクル」のゲーム性を端的に説明すると、日本の伝統的なゲームジャンルのひとつであるシミュレーションRPGに、フレンドとの共闘やガチャやクエストによるキャラクター収集といったいわゆるソーシャル要素をブレンドしたゲームになっている。バトルはいわゆるディフェンス系で、キャラクターは初期配置から自由に迎撃することができる。敵を全滅させれば勝ちで、逆に全滅させられるか、ディフェンスラインを突破されたら負けというシンプルなゲームだ。

 シミュレーションRPGとして影響を受けたと見られるタイトルは、代表格として「ファイアーエムブレム」や「オウガバトル」シリーズなどが挙げられるし、セガのタイトルでいえば、「シャイニング・フォース」シリーズ、「戦場のヴァルキュリア」シリーズの影響も見え隠れする。

 そうしたことを理解した上で、筆者は「チェインクロニクル」を遊びながら、「ああ、これは現代の『ゲイングランド』(セガ)だな」と思った。「ゲイングランド」は、シミュレーションRPGどころかRPGですらなく、どちらかというと「フロントライン」(タイトー)や「戦場の狼」(カプコン)の後輩筋にあるアクションゲームだが、捕虜を救出して仲間を増やし、助けた仲間の力を駆使して前進していく(Gain Ground)ところが精神的にとても近いと思った。仲間のロールを見定めて選抜メンバーを選び抜き、新しい仲間が持つスキルやアビリティによって難関ステージを突破できたり、時には出撃メンバーを犠牲にして、サブメンバーでトドメを刺したりするところなどは、まさにそのままではないかと思うわけである。

 「だから何?」と言われると実は困るのだが、上記のような古典的な名作ゲームのエッセンスをうまく活かしながら21世紀型のゲームに仕上げていった手腕はさすがセガだと思うわけである。

おもしろいと思う理由その2:「主人公」がめっぽう弱い

「チェインクロニクル」の主人公。はっきりいって弱い
ガチャでSSRカードを引き当てるのは、駄菓子屋で特賞を当てた感覚が蘇る嬉しい瞬間だが、冷静に考えるとコストが足りず、パーティーに入れられないなんてことはよくある

 ゲームの主人公が物静かで、ほとんど喋らないのは、日本のRPGの伝統的な部分があるためそれはいいとして、「チェインクロニクル」の主人公は、さらに“弱い”と来ている。その代わり、全キャラクター唯一のマナコスト0という大きなメリットがあるため、ここにパーティー編成について無限の選択肢が生まれておもしろいのだ。

 プレーヤーのランクがひと桁の頃は、そもそも仲間が少ないし、マナコストの総量も低いため、積極的に主人公を使うことになるが、旅の道中でそこそこレアリティの高い仲間を得ると、「ん?」という感じになる。さらにレベルを上げていくと、仲間にどんどん性能やスキルの有用性の点で追い抜かれ、どうも「チェインクロニクル」の主人公は、「ファイアーエムブレム」の主人公とは毛並みが異なり、先発固定メンバーではないらしいことがわかってくると、必然的に先発から外れ、ベンチを温める機会が増えてくる。

 そしてランクが10を過ぎ、ビギナーを抜ける頃になってくると、マナコストにも余裕が出てくるため、パーティーから主人公を外して、コストの高い強力なキャラクターを入れるという選択肢が生まれてくる。

 ところが、ガチャでうっかりSSR(スペシャルスーパーレア)のアルカナを引いてしまったり、SR(スーパーレア)のアルカナが何枚もあるという状況になると、何が何でも先発メンバーに入れたいものの、マナコストが全然足りないということになってくる。そこで再び、重宝するのが主人公だ。なにせコストが0なので、彼を入れることでやりくりが断然楽になる。

 「チェインクロニクル」の主人公は、メンバー選択において調整弁のような役割を果たしているわけだが、高ランクになってくるとまた外れて貰うことになるのだろうなと思いつつ、主人公の出し入れを楽しんでいる。

おもしろいと思う理由その3:主人公以外の「キャラクター」が魅力的である

「まおゆう」コラボで入手した「メイド長」。ヒーラーでありながら二刀流で強力な攻撃スキルも持つという、回復して殴れるユニークなキャラクターだ
ちなみに「まおゆう」コラボの“当たり”である「魔王」は獲得できなかった

 「チェインクロニクル」は、キャラクターが魅力的だ。正確に言うと、ゲームのキャラクターの魅力は絵師やシナリオライター、3Dモデルデザイナーなどによるところが大であり、その意味でキャラクターが魅力的なゲームはいくらでもあるが、「チェインクロニクル」はキャラクターの魅力の引き出し方、その“引き出し”の数がとても多い。これが最終的にキャラクターの魅力へと繋がっている。

 たとえばバトルシーン。「チェインクロニクル」のバトルシーンでは、キャラクターイラストをベースにした3Dモデルキャラクターが所狭しと暴れ回る。この3Dモデルは男女を問わず二頭身でとても可愛らしいが、スキル使用時はカットシーンが入り、ボイスと共に得意技を繰り出す。これにより、イラストそのままの本来の人格が前面に押し出され、キャラクターイメージがキュッと引き締まる。

 そして各ステータス画面。ここではキャラクターのイラストやステータス、スキル、アビリティなどを確認できるだけで無く、画面右上に、バトル時に使用される3Dモデルが歩いている。この3Dモデルをスワイプさせるとくるくる回り、タップするとスキル使用時のアニメーションをボイス付きで観賞することができる。この小さなエリアで、お気に入りのキャラクターを思う存分愛でられるわけだ。そのほかにも、キャラクターとのドラマを再度見直したり、ボイスを聞くこともできる。こういう細かいところへのこだわりもまたセガだなと思うわけである。

 こうしたこだわりは極めて重要だ。なぜなら、バトルには最大でたった6人+フレンド1人しか出せないのに、現時点で180人を超えるキャラクターがいるからだ。ランクが上がりあまり有用では無くなったレアリティの低いキャラクターや、本当はバトルに出したいがマナコストが足りなくて出せないSSRのアルカナも、このステータス画面から手軽に3Dモデルやボイスを確認できるのは素晴らしい。

 しかも、このキャラクターシステムは、キャラクター設定、シナリオ、イラスト、バトル用3Dモデルまでがワンパッケージでモジュール化されており、いくらでもキャラクターとストーリーを追加できる仕様になっている。

 その具体的なアウトプットとして、10月中旬には、他社との初のコラボイベント「まおゆう」コラボフェスが開催され、魔王や勇者などのキャラクターとクエストが期間限定で登場した。さらに10月23日、つまり本日からは、既報のように文化放送の新人声優ユニットTrefle(トレフル)とのコラボ企画もスタートする。「まおゆう」コラボと同様に、期間限定クエストと共に、キャラクターやストーリーが追加される。こうしたコラボのしやすさも「チェインクロニクル」の強みといえる。

【声優ユニット「Trefle(トレフル)」とのコラボ企画】
10月23日に発売予定の音楽CD「Trefle 『アニソン神曲+ チェンクロ』」には、この「キズナの物語」が収録され、初回生産版の購入特典としてレアリティSSRの「カノ」、レアリティSRのカードが1つ(イッシー、ヒロチ、ゴトリ、タノウェイ、ミイナのうちランダムで1つ)のアイテムコードが封入されている

おもしろいと思う理由その4:モザイクストーリーがゲームを飽きさせない

キャラクターは184人(10月18日現在)。メインストーリー以外に、183人分(主人公除く)のストーリーが用意されている
ガチャをたくさん回して新規アルカナを獲得してフィールドに戻ると、各地域でクエストが発生している。これがまた楽しい
2人で使うとパワーアップする双子の魔法使いプルナ・パルナ。入手しやすく、序盤お勧めのアルカナである
新しいエリアでは常に新しい出会いが。行ける酒場が増え、仲間にできるアルカナも増えていく

 「チェインクロニクル」の凄味はとにもかくにもストーリー性だ。章立てのメインストーリーに加えて、キャラクター1人1人にクエストという形でストーリーが用意されている。つまり、新しいキャラクターの参戦は、新たなストーリーの始まりを意味する。

 登場時は印象が薄かったキャラクターが、クエストを通じてお気に入りになるなんてことは良くある話で、コラボイベント実施時につい勢い余ってガチャを回した際、複数の未知のキャラクターに遭遇し、フィールドマップが新たなクエストで満たされるのはとても楽しい瞬間だ。数日はこれだけでじっくり楽しめる。

 キャラクタークエストは、展開が読めなくてついつい読み込んでしまうおもしろいものもあれば、ストーリー展開が安直すぎたり、すぐバトルに突入して若干退屈だと思えるものまで様々だが、溌剌とした可愛い女の子から、荒くれ者、暗殺者、口だけ野郎、盗賊、騎士などありとあらゆるタイプのキャラクターが登場し、この多様性が楽しい。また、“キャラクター分のストーリーがある”という圧倒的なボリューム感、なおかつ後からいくらでも足せるという期待感は大きい。

 一方、メインストーリーは、寡黙な主人公と、主人公の代わりにストーリーをドライブする妖精ピリカと、謎のヒロイン フィーナの3人が各地の様々な人物に出会い、戦いを通じて信頼を獲得し、難事を乗り越えていくという筋書きになっている。

 狂言回しを務めるのは、主人公が魅力的な女性キャラクターに様々な誘惑を受けるたびに嫉妬し、実は料理が下手くそなフィーナと、小さな妖精がゆえに、虫扱いされたり、適当にあしらわれて憤慨する妖精ピリカの2人。日本のファンタジーの古典的なネタをふんだんに活かした定番ネタが多く、これをニヤニヤするには若干筆者は年を取り過ぎているが、各種クエストを通じて何十回も何百回も繰り返されるため、長い旅をしている感覚、何より“ロールプレイングゲーム”を遊んでいる感覚が存分に味わえる。「チェインクロニクル」は、イラストカードに息吹を吹き込むことに見事に成功しているというのが率直な感想だ。

おもしろいと思う理由その5:バトルを片手間でやるとあっさり死ぬ

バトルはフレンドを含めた5人によるT字の陣形が基本だが、全員前衛、全員後衛など、様々なバリエーションがある
これはダメだと思っていたら、スキル一発で勝てたりすることも。スキルによる一発逆転は、「チェインクロニクル」のバトルの大きな醍醐味のひとつだ

 私を含めて多くのゲームファンは身勝手である。ソーシャルゲームにリッチなゲーム性、唸らせるゲームデザインを求めるくせに、片手つり革で、片手スマホでサクサク遊べないと困るというところがある。

 ところが「チェインクロニクル」は横持ち固定で、画面全域にタップやスワイプ操作が必要となるなど、片手遊びを徹底的に拒否している。個人的になんとかならないかとあれこれトライしては見たものの、通常速度なら何とか遊べる方法を体得したものの、いかんせん親指1本プレイなので、乱戦になると操作が間に合わなくなり、ターゲット操作にまごついて敵に突破されたり、スキルを使うタイミングをミスって全滅したりする。なかなか電車で手軽に遊ぶにはしんどいゲームと言えよう。

 だが、これは裏を返せば、それだけ複雑なゲーム性と操作性を要求するゲームということでもある。バトル時の基本アクションとなる敵へのターゲット指定は、味方をスワイプして敵にぶつけてもいいし、味方と敵を交互にタップしてもいいという柔軟性の高いインターフェイスになっているし、バトルスピードの調節機能やポーズ機能があるのも良い。中でも味方と敵を交互にタップしてターゲット指定するUIは、スマホ両手持ちとの相性が抜群で、スマートフォンに最適化されているなと感じられる。

 何より気に入っているのがスキルの多彩さだ。キャラクター毎に、攻撃系、防御系、回復系と実に多種多様なスキルがあり、スキルの有無、使うタイミングによって、バトルの展開が大きく変わってくる。騎士なのに回復スキルを持っていたり、ヒーラーなのに攻撃スキルを持っていたりするところもおもしろさに華を添えているが、いずれにしてもいかに適切なタイミングで適切なスキルを使えるかが、バトルの鍵を握る。

 スキルの使い方は、WAVE開始時に回るマナスロットを止めて、各ロールに色分けされたマナを当て、それを消費するというシステムになっている。必要なマナは1つから3つ。必要なマナ数が多ければ多いほど威力や効果が高まる仕組みになっている。

 このシステムは、本来のトレーディングカードゲームのように、引きが強いと思う存分スキルを活かしたバトルが展開できるが、引きが弱いと最後までマナが3つ貯まらず、スキルが使えないまま終わるということになる。ここに必要マナの多い大技を持つキャラを入れるか、威力は限定的だがマナ1つで撃てるスキルを持つキャラを入れるかの駆け引きがあるわけだ。総じて「チェインクロニクル」のバトルは、単なるディフェンス系の枠では収まらない深みと奥行きのあるものに仕上がっている。

おもしろいと思う理由その6:スマホゲーとは思えないリッチなBGMとボイス

「Trefle(トレフル)」とのコラボでは、主題歌や声優が前面に押し出されている。これもまたソーシャルゲームとしては珍しい部分だ

 構成上最後に置いたが、実はここは特に力説したいポイントである。「チェインクロニクル」はBGMがとてもいい。フィールドもいいし、バトルもいい。必ずしも曲数は多くはないが、粒ぞろいである。

 だから、ついついBGM聞きたさにアプリを立ち上げるし、バトルに乗り込みたくなる。ここまでBGMにこだわったソーシャルゲームはなかなかないと思う。BGM無しでプレイするのはもとより論外だが、ぜひスマートフォンのスピーカーでは無く、ヘッドフォンで聞いてみて欲しい。

 ボイスについては、昨今は入れることが当たり前になりつつあるため、これそのものがセールスポイントというには弱いが、「チェインクロニクル」では通常のキャラクターのみならず、「まおゆう」コラボイベントのような、コラボキャラクターにもボイスが付くというのは嬉しいところ。原作のファンにとっても意中のキャラクターの新しいボイスに出会えるかも知れず、これぞコラボレーションという感じである。

 本日よりスタートする「Trefle(トレフル)」とのコラボも、声優とのコラボレーションであり、気合いの入ったボイス、ストーリーが期待される。こうした側面から眺めてみても「チェインクロニクル」は死角のないゲームだと感じられる。

おもしろいと思う理由その7:「チェインクロニクル」はシミュレーションRPGの再定義である!

王道のファンタジーストーリーが展開される「チェインクロニクル」
キャラクターにストーリーが紐付いているため、新しいキャラクターとの出会いがゲームへのモチベーションになる。「チェインクロニクル」はこのサイクルがうまいゲームだ

 長々と書いてきたが、ゲームファンの皆さんにお伝えしたいのは、「チェインクロニクル」は、日本人が親しみを持って好んで遊んできたゲームジャンルであるシミュレーションRPGを、現代風に大胆に再定義したソーシャルゲームであり、過去もしくは現在に、シミュレーションRPGが好きだった人にぜひ遊んで遊んで貰いたいということだ。

 また、これまでシミュレーションRPGに縁が無いゲームファン、あるいはターン毎に何十体のユニットを動かすのが面倒くさすぎてイヤになったという往年のゲームファンは、このタイトルを試してみることをお勧めしておきたい。かつての名作達のように、ゲーム難易度は高すぎることはないし、キャラクターが死んでもロストすることはないし、何回かクリアしないと仲間にならないキャラがいるみたいなこともない。もちろん、ターン毎に何十体もユニットを動かす必要はないし、バトルは数分程度で終わる。名実共に現代のシミュレーションRPGの定番といって作品だと思う。

 ソーシャルゲーム業界の常として、今後「チェインクロニクル」を模したゲームが数多く生まれることが確実視されるが、魅力のコアであるキャラクターとストーリー周りの部分に関して、非常にスケーラビリティの高い設計になっており、この牙城はちょっとやそっとでは崩せなさそうである。

 また、関係者によれば、今後のアップデートに備えて未実装のキャラクターやストーリー、そしてガチャ界隈が活況を呈するコラボイベントはまだまだ続くという。このゲームの難点は、キャラが増えると新たなストーリーが展開されるため、それ狙いでついついイベント時にガチャを回してしまうところだが、くれぐれもガチャは控えめに、じっくりコツコツ楽しみたいところだ。

(中村聖司)