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京商、ドイツの老舗スロットカー「Carrera」の日本展開を発表

1960年代に大ブームを巻き起こしたスロットカーの最新型が日本上陸!

8月7日~8日開催

会場:京商本社ビル2階

 京商は8月7日と8日の2日間、東京の本社ビル2階にて、新しく国内代理店となるドイツのCarrera(カレラ)のスロットカーの展示会を開催している。京商による国内販売は11月から行なわれる。

 Carreraはドイツに本拠を置くスロットカーメーカーの老舗であり、様々なスケールの車と、多彩な仕掛けを盛り込んだコースなど多彩な商品を扱っている。今回の代理店契約により、これまで並行輸入のみだったCarreraのスロットカーやコースが、日本語マニュアルがついて、サポートも受けることができる形で展開していくこととなる。展示会では大きなコースも用意されており、走りを体験することができた。

アクロバット、本格レース、4人対戦など幅広い遊びを提示するスロットカーの新展開

左が1/43で、右が1/32。1/43は全長約10cmの手の平に乗るサイズ
コースにはスロットが設定されており、金属部分に電流が流れる。鉄道模型と原理は同じだ
1/32の底面。ブラシで電流を受けて走る

 スロットカーとは、溝(スロット)があるコースをミニチュアカーを走らせるホビー。スロットには電気が流れており、車は車体底部前面につけられた出っ張った部品「ガイド」を溝に差し込み、ガイドの左右につけられた金属のブラシに電力を受けて走行する。ドライバーは手元のコントローラーで電流の強弱をコントロールすることで車を走らせる。

 車はスロットに添って走行するが、スロットに差し込んでいるガイドは溝に添えられているだけなので、スピードを出しすぎてしまうとコースアウトしてしまう。できるだけ速さを追求しながら電流のバランスを考えスピードをコントロールしながら速さを競う。元々は鉄道模型をベースとして生まれたホビーであり、1960年代には欧米を中心に世界的なブームとなった。日本ではラジコンやミニ四駆などの登場により現在は下火になっているが、世界的には現在でも人気のあるホビーであり、東京にも銀座の博品館をはじめいくつか常設のコースがある。

 今回京商が取り扱うCarreraのスロットカーはメインとなるのが1/32と1/43となる。1/43の方は低価格な入門用モデルとなっており、コースはループや垂直バンク、スピードコントロールが難しい「ラリーコース」などバリエーション豊かなパーツが用意されており、組み合わせることでスロットカーに立体的な動きをさせることができる。

 1/32は1/43と比べると大きなサイズで、車体が重いためより繊細なスピード調節が楽しめる。カーブでは車体後部が流れるといいた実車感覚のリアルな走りが楽しめる。ドライバー人形がなど、1/32はコースの特性もあるが、1/43はカジュアルに楽しめ、1/32は本格的な走行を楽しめる。

 これまで紹介したのは「アナログ」モデルだが、1/32には「デジタル」モデルも用意されている。こちらは“レーンチェンジ”できるのが最大の特徴となる。アナログではできなかった同一レーンを走ることができるのだ。最大で4台での走行も可能になり、同じレーンでブロックしたり、カーブの内側を目指してのコース選択など、より戦略的な駆け引きが楽しめるようになる。さらにクルマごとに最高速度を調節するといった、ハンデの設定なども可能になっているという。

 京商は1/43「Carrera Go!!!」、1/32「Carrera Evolution」、1/32のデジタル版「Carrera Digital132」、さらにコースは1/32を使う1/24サイズのスロットカー「Carrera Digital142」という4つのカテゴリで展開していくという。

【会場の様子】
様々な車、コースが用意されている

【ラインナップの一部】
詳細は今後京商のホームページで紹介される

最速体験レポート。スイッチの強弱のみの操作性が生む熱い駆け引き。速さを求める奥深さ

 会場でスロットカーを走らせることができた。スロットカーのコントローラはメーカーによって仕様が異なり、Carreraは親指部分のスイッチを押し込んで加速するタイプだ。最初はスイッチを押し込みすぎてパワーを上げすぎ、吹っ飛んでしまうことも多かった。特に1/43のコースは宙返りあり、ダートコースありと、スピードの調節が難しい。1/43は人差し指部分に「ターボボタン」が設定してあり、宙返りの時などはこのボタンで急加速する。しかし今回のコースはその後すぐに急カーブがあるので、ループした直後に減速しなくてはいけないのが難しかった。

 1/32はアナログ、デジタル両方を体験できた。こちらはレース場のような平坦な作りで、ドライビングテクニックを競えるコースとなっている。まずアナログを体験してみた。カーブで車体後方部分が遠心力で動くドリフトのような挙動をしたり、実際に車を運転しているような感覚はこちらの方が強いと感じた。最初はスイッチを浅く押し込み巡回しやすい遅いスピードで車を走らせ、そこから徐々にスピードを上げていく。どのポイントでスピードを上げていくかを見極めていく。自分が上達していく感触が楽しかった。

 デジタルでも基本的な要素は同じだが、レーンチェンジが戦略を生む。こちらは4人でも対戦可能で、レーンチェンジによってコーナーの内側に入ったり、遅い相手をかわして抜くといったテクニックが求められる。また、チーム戦では味方を助け、敵をブロックするといった駆け引きも生まれるという。何周かまわると強制的に止まることになる“ピット”などのコースパーツもあるとのことで、シンプルに走りのみを追求するアナログとは異なる凝ったレース要素が盛り込めるとのことだ。

 スロットカーはボタンを押し込むだけというシンプルな操作で、速さを競うという誰でも楽しめる間口の広さが大きな魅力だ。Carreraは1/43と1/32で大きく方向性の異なる遊びを提示し、さらに多彩なコースを用意している。走らせる車でも全く走行感覚が異なるという。これだけ幅広い遊びが11月以降、京商から一気に展開する。どのようなファン層を獲得していくか、注目していきたい。

【Carrera 1/43スロットカー】

【コース】
1/43はアクロバチックな走りが楽しめるコースパーツが用意されている
こちらは1/32のデジタル版のコース。レーンチェンジが楽しい

(勝田哲也)