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「FIFA 14 ワールドクラスサッカー」ジャパンプレミアが開催!

ガラリと変わった衝撃のプレイ感覚を緊急レポ&牧田プロデューサーインタビュー

今秋 発売予定

価格:
7,665円(PS3/Xbox 360 通常版)
8,715円(PS3/Xbox 360 Ultimate Edition)

 今秋発売予定のサッカーゲーム「FIFA 14 ワールドクラスサッカー」のプレス向け試遊イベントがエレクトロニック・アーツのオフィスで開催され、いちはやく本作の手触りを確認することができたのでご報告したい。

 既報の通り、本作では4つの新要素「ピュア ショット」、「プロテクト ボール」、「リアル ボールフィジックス」、「チームメイト インテリジェンス」を柱に様々なリデザインが行なわれ、リアル系サッカーゲームとしてさらなる進化を図ろうとしている(関連記事)。

 それに加え、今回の試遊イベントではさらなる重要な要素「プレシジョン ムービング」の存在が明らかになった。これは、EAカナダで「FIFA」シリーズ全体の統括プロデューサーを勤める牧田和也氏が「2年をかけて開発した」と語る、本作に新たな骨格を与えるほどの重要な要素だ。

 これによって「FIFA 14」の遊び心地はショッキングなほど従来の「FIFA」シリーズから変化している。本稿では、3時間にわたった試遊で得られた感触と、このために来日した牧田和也氏へのインタビューを併せてお伝えしよう。

ショッキングなほど様変わりした「FIFA 14」のプレイ感覚

選手の動き全てが「プレシジョン ムービング」システムでシミュレートされる
「リアル ボールフィジックス」によりシュートの威力は全体的に向上した

 今回、試遊イベントで触ることができたのは、「開発度60%(牧田氏談)」というバージョンだ。そのため、秋に発売予定の製品版とは様々な面で異なる部分もあると思われるが、前作「FIFA 13」に比べて基本のプレイ感覚から全く様変わりしていることに驚かされた。対CPU戦を開始してわずか5秒で違いがわかるほどだ。

 まず、選手の操作感覚が前作とは全く別モノだ。スティックを倒した方向に動いてくれるところまでは変わらないものの、その動きには強い慣性が感じられる。1歩1歩、しっかりと地を踏みしめて走る、本物の人間を操縦している感じである。

 これは、この試遊イベントで初公開となった「プレシジョン ムービング」というフィーチャーによるものだ。これは選手の移動の動きを運動力学的な計算に基づいてシミュレーション化するという機能で、フリーラン、ドリブル、シュートに至るまで、実際の人間のように滑らかな動きが実現されている。

 滑らかで、しかも重量感もあり、従来作のように足が不自然に滑ることもない。芝を蹴る音が聞こえてきそうなほどだ。あまりにもゲームっぽくない動きのため、最初の数分間は「なにこれリアルすぎる!」と、ある種の気持ち悪さすらあった。

 コツを掴んでくると、実際にボールを蹴る感覚でドリブルできるようになる。「プレシジョンムービング」のお陰でダッシュドリブル中の急旋回も可能となったのだが、90度ターンする際に真横にボールを蹴りだしつつ、体のほうはグーンと回りこむような曲線を描いてボールを追いかけていくのが面白い。うかつなドリブルはボールロストにつながりやすいが、上手にやれば“裏街道”のようなテクが自然に使えそうだ。

ディフェンスは全体的に非常にタイトで、ラストパスを送るにはしっかりとした組み立てが必要だ
非常に狭いスペースに両陣の選手が密集する

 これに加えてプレイ感覚を変えているのは、ディフェンダーとの距離感が縮まったことだ。本作ではキックオフするや否や、両陣のフィールドプレーヤーがググッとラインを上げ、ほぼ画面内に全員が収まるほどの距離感になる。近年のリアルサッカーでよく見るような、縦30メートルくらいの狭い範囲に両陣の最終ラインが設定されているような風景だ。

 狭いスペースでボールを活かすためには左トリガーを引くだけの「シールディング」という新操作が重要になる。これは、トリガーを引いているだけで選手が体を様々に使いボールをキープするというもので、前作以前に存在した右トリガーによるボールキープ操作よりもずっと複雑な動きで、通常のドリブルの合間に自然に組み込むことができるところがポイントだ。

 これに合わせてディフェンダーのボールへの寄せやマーキングの動きが前作以上に積極的で、常に3~4人が連動してドリブルとパスのコースを消しに来る。このあたり「チームメイト インテリジェンス」の効果てきめんな部分だ。ピッチ全体が非常にタイトで、簡単には前にボールを運べない雰囲気である。

 「FIFA 13」では大抵のシチュエーションで1発でトップの選手にボールを展開できたが、本作ではしっかりとボールを回してコースを作るか、ロングボールを収めやすいポストタイプの選手を配する必要がある。チャンスを作る前の「組み立て」によりいっそうの工夫が求められるバランスだ。

 俄然、攻略は非常に難しくなっていて、攻防ともに前作以前の感覚に頼ると墓穴を掘ってしまう。最高難度において、「FIFA 13」では楽に3~4点取れる筆者が1点も取れず、逆にCPUチームに3~4点決められることもあるという手強さだ。特にディフェンス時、うかつな動きをしてしまうと修正が大変なため、より慎重な操作が必要となる。

 開発途中のバージョンだったためか、「プレシジョンムービング」による選手の動きに時々AIがついてこれないようで、足が微妙にボールに届かずトラップできなかったり、うっかりドリブルが大きくなりすぎるようなシーンが散見された。このあたりの未調整部分を抜きにすれば、リアル系サッカーゲームとしての手応えは未だかつて無いものがある。選手の動きが別次元のリアルさになったことによって、さらにサッカー的な攻略が必要になりそうだからだ。

 選手の移動、という最も基本的なアクションに新手法を取り入れた「FIFA 14」。フリーラン、パス、トラップ、ディフェンスなど様々な面でこれから多くの調整が行なわれそうだが、まずは今回、スポーツゲームの新基準となりそうな高いポテンシャルを感じることができた。これは完成が本当に楽しみだ。

熾烈な中盤のせめぎ合いを抜け出し、ゴールチャンスを生み出す。本作ではサッカーのビルドアップからフィニッシュに至るプロセスそのものをしっかりとゲーム化しようとしている

(佐藤カフジ)