NCJ、「リネージュ 2」オフラインイベント開催

2012年実装予定のアップデート内容を一挙公開


12月29日 開催

会場:ベルサール汐留

入場料:無料



 エヌ・シー・ジャパン株式会社は、オフラインイベント「エヌ・シー・ジャパンが行く2011SP NCJapan 10th ANNIVERSARY感謝祭」を12月28日と29日の2日間に渡って開催した。会場はベルサール汐留で、入場料は無料。

 このイベントは、同社が設立10周年を迎えたことを記念して開催されたもので、主力タイトルであるWindows用MMORPG「リネージュ」、「リネージュ 2」、「The Tower of AION(タワー オブ アイオン)」の3タイトルでステージイベントが行なわれた。また新作のオンラインアクションRPG「ブルーティアーズ」と、オンライン麻雀「雀龍門3」のゲームアトラクションも用意され、まさに10周年を記念したお祭りという形での開催となった。

 イベント2日目となる29日には、「リネージュ 2」のステージイベントが開催された。イベントの目玉となったのは、開発コーディネーターの「ウザンカ」こと五條隆将氏による「リネージュ 2 カンファレンス風ウザンカの独り言」。五條氏が「極秘」とした今後のアップデート情報を次々と明かしていった。




■ ハイレベルダンジョンや新ボスモンスターなど最新情報満載の「ウザンカの独り言」

開発コーディネーターの五條隆将氏

 五條氏によるプレゼンテーションでは、まずグレシア大陸において、「破滅の種」、「不滅の種」、「消滅の種」に続く4つ目の種「業火の種」が登場することが明らかにされた。機械都市をコンセプトにしたデザインで、最高レベルのパーティー向けの狩場となる。動力室のようなオブジェクトや、多数のモンスターが何かを懸命に作っているような様子が見られる。

 ここには「タウティ」というボスモンスターが存在する。「タウティ」は悪魔ブレンノンの2大武器として「ザリチェ」と双璧を成すもので、斧のような外見ながら人格を持っており、プレーヤーに襲い掛かる。倒すと「タウティ武器」を作れる材料がドロップする。このタウティ武器は、最初から属性強化やエンチャント、武器オプション、精錬がついている上、範囲内の敵をノックダウンさせる効果もある。開発ではこの上にさらに何かを付けようという話もあるそうで、相当強力な武器になりそうだ。

 次はマップ「処刑場」をリファインした「ギロチン要塞」。レベル95推奨の狩場というハイレベル向けのマップとなっている。また特別な仕掛けとして、モンスターの周りに黒く見える「カオスシールド」が存在する。これを何かしらの方法で取り払わないと、ダメージを与えられないという。

 本作のコンテンツの華となる攻城戦もリファインされる。城を勝ち取った血盟は、その城を「光の城」とするか「闇の城」にするかを選べるようになる。「光の城」は税率0%、アイテムとスキルの報賞、全ての冒険者に補助魔法を提供といったオプションがある。つまり善良な城主であるという宣言となる。

 「闇の城」は対照的に、30%販売税率と、10%の購入税率が適用される。こちらは城主が大きな収益を得られる形だが、代わりにNPCが税金などを城に運んでくるのを他のプレーヤーは略奪するというキャンペーンが発生する。さらに攻城戦の開催直前に、自動的に城が開放され、城内に置かれたとあるオブジェクトが破壊されると、城を持っていた血盟は城から追放されてしまう。なお城主の背中には、「光の城」であれば青白い翼、「闇の城」であれば赤黒い翼のエフェクトが表示される。

 次はボスモンスター「リンドビオル」について。通常のボスモンスターは決められたエリアに登場するが、風竜と呼ばれるこのドラゴンは空を飛び、アデン大陸の広いエリアに出現する。どこに現われるかはわからず、誰でも出会う可能性があるという。討伐すればリンドビオル武器・防具が手に入る。実装時期は未定だが、既に開発には入っているという。

 続いては「武器加工石」という新アイテムについて。これは武器の性能を残しながら、他の武器の外見を適用するというもの。一方の武器の性能と、もう一方の武器の外見を合成するというわけだ。加工した武器のアイコンには緑のマークが付き、外見と能力が乖離したユニークな武器となる。


グレシア大陸に追加される「業火の種」。機械都市をコンセプトにしたデザインで、数多くのモンスターが何かを作っている
ボスモンスター「タウティ」は、「ザリチェ」と対を成す人格を持った武器。最高レベルのプレーヤーが挑むことになる相当な難敵
「タウティ」からは強力な武器の素材が手に入る「処刑場」がリファインされ、レベル95推奨の「ギロチン要塞」となる。まずは「カオスシールド」の謎を解かねばならない
攻城戦のリファインにより、「光の城」と「闇の城」が実装される。城主はの見た目でどちらの城を選んだのかがわかる
風竜「リンドビオル」は特定のダンジョンではなく、アデン大陸のあちこちに空から出現する
「武器加工石」を使えば、強力な武器を好みの外見に変更できる

 極秘情報の発表はここまでだが、五條氏はさらに「超極秘情報」として、様々なスクリーンショットやイラストを見せた。ペットのようだがレベルが書かれたキャラクター、新たな乗り物、刃などの部分が光り輝く武器、女性用の水着(下着?)のような衣装、新たなヘアスタイルなど、詳しい説明はないながらも多数の新要素が紹介された。

 今回発表されたものについてはいずれも実装時期は未定となっているが、早いものでは2012年の初夏までに、遅いものでも2012年内には実装予定としている。


一気に紹介された「超極秘」の新要素。詳しい内容は実装が近づいた頃に改めて説明があるだろう



■ FS・GM6人による失敗談や裏話が満載のトークショー

左から、タペカムこと井上氏、ブラスコ氏、GMセグフィスことタナベ氏、クロロク氏、ラエミナ氏、五條氏
なぜか出演者の恥ずかしい写真とともにお題をコール
ウザンカの面白エピソードも披露された。こちらはプレーヤーがフリンテッサ討伐に行くと聞いた五條氏が、告知もせず勝手にムービーに入りこんだもの

 会場では他にもさまざまなイベントやアトラクションが行なわれた。中でも「新旧FS大納会」というイベントには、五條氏に加え、FSタペカムこと井上氏、イベントでMCを務めたFSクロロク氏とFSラエミナ氏、さらにFSブラスコ氏と、以前はGMセグフィスとして活動し、最近は「The Tower of AION」のイベントで活躍中のタナベ氏も登壇。6人でFS・GM活動の昔のエピソードを語ろうという趣旨でトークショーが行なわれた。

 最初の話題は「GMスレイヤー」。まだ「クロニクル3」が実装された頃、ブラスコ氏がアンタラスが初討伐されたと聞き、早速そこへ向かって姿を現わした瞬間に、トレジャーハンターのバックスタブを受けて倒されてしまったという。ブラスコ氏によると、「GMは基本的に裸」だそうで、同様に倒された経験を持つ井上氏も「GMが姿を見せるとすぐ殴られる」と語っていた。ちなみにブラスコ氏を仕留めた短剣は「GMスレイヤー」という名前にしようという話で盛り上がり、実際に名づけられたそうだが、その後露天で売られていたのを見かけたとか。

 この手の失敗談はやはりあるようで、寝落ち(ゲームをプレイしたまま寝てしまうこと)したプレーヤーを安全な場所に移動して欲しいというコールを受けたラエミナ氏は、寝落ちした人のキャラクターを安全な位置に転送したつもりが、実はコールした人を転送しており、そのパーティーを全滅させてしまったというエピソードを披露。井上氏も、本来はバーツサーバーに向けるはずのサーバーアナウンスをカインサーバーに流してしまい、しかもそのミスに翌日になって気づいたということがあったという。

 語られたエピソードは失敗談ばかりでもない。以前行なわれた「3次転職フェア」では、FSがレベルアップを手助けするため、モンスターを出現させるというサポートを行なった。このキャンペーンは予想以上に大人気となり、FSへの依頼が常に100件以上貯まり、ピークタイムには700件以上にもなるという状況で、ひたすらモンスターを出し続けるような1カ月間だったという。プレーヤーには好評だったイベントだが、FSにとっては「2度とやりたくないイベントランキングダントツ1位」だそうだ。ちなみに企画者である五條氏は「家から自分もコールしていた」と涼しげな顔で語っていた。

 とはいえFSはお客様と直接顔を合わせる仕事だけに、常にそれなりの対応が求められる。今でこそフレンドリーに接しているFSだが、タナベ氏がGMを務めていた当時はカッチリしたサービスを提供するという姿勢だった。そのタナベ氏は、会話を盛り上げるためにと思い、会話の中で「w」を使い、それが徐々に加熱して2行に渡って「w」が並ぶほどになったという。するとある日のGM会議で、「最近『w』を使ってる奴がいる」と言われ、その是非を巡って「別に構わないだろう」、「不快に思う人もいる」と意見が割れて会議が紛糾。その結果、「『w』は3つまでOK」という規定が真面目にできあがったという。こういった規定には、武器を持ってはいけない、防具はSグレードはだめ(お客様よりいい装備はNG)といったものが細かく決められていたそうだ。

 他にもさまざまなFS・GM裏話が次々と展開された。話題自体は身内ネタっぽいものも多いが、オンラインゲームでGMが表に出てきてトークを繰り広げるという状況自体が貴重だろう。特に「リネージュ 2」ではFSとしてプレーヤーに対しての露出も多い存在だけに、来場者もエピソードを聞いてかなり盛り上がっていた。

 このほか、来場者参加型のアトラクションも実施。中でもライブサーバーを使ったイベント「アカネDEバトルロワイヤル」では、赤ネーム(PKした証)のキャラクターを、来場者が操作し、ライブサーバーの一般プレーヤーの攻撃をしのいで代表者が最後まで生き残ったチームが勝利というユニークなルールで開催された。

 ただし来場者が操るキャラクターは、まだライブサーバーには存在しないという最高レベルとなる99のキャラクターに、各種最強装備をまとわせたもの。1チーム21人で3チーム、計63人が、抽選で選ばれたフランツサーバーに姿を現わした。これはライブサーバーのプレーヤーが返り討ちに遭うのでは、とも思われたが、始まってみれば圧倒的な数の一般プレーヤーに最強キャラクターたちが蹂躙されるという結果に。実にお祭りらしいイベントとなった。


最強の赤ネームがまとめて登場した「アカネDEバトルロワイヤル」。しかし思いのほかあっさりと倒されてしまった
こちらはもう1つの来場者参加型イベント「激突!ネクカタの戦い」。先に自軍のフラッグモンスターを倒されたら負けという試合だが、まずは相手プレーヤーを倒してからという展開になった。ここでもレベル99のキャラクターが使用され、エフェクトで画面が真っ白になるほど派手な戦いが繰り広げられた
恒例のクイズ大会も開催。ニコニコ生放送の視聴者にも、正解者の中から抽選で「ヴァラカスネックレス」などの貴重なアイテムが当たるとあって、来場者にも劣らないほど盛り上がっていた

イベント後の記念写真。後列中央のおふたりは、イベントの司会・進行を担当した声優の鷲崎健さんと青木瑠璃子さん

 今回の「リネージュ 2」のイベントは、11月にニコファーレで開催された「Goddess of Destruction」実装記念カンファレンスに続いてのものとなった。そろそろ東京以外での開催は? と五條氏に尋ねてみたところ、「来年は8周年記念イベントを名古屋で開催できればと思っています」と答えてくれた。まだ確定ではないそうだが、ぜひこちらも期待してお待ちいただきたい。


「ブルーティアーズ」はゲームを使ったアトラクションを用意。SSSスコアを出した人にはプレゼントが贈られた「雀龍門3」はタッチパネルPCを使った試遊台を設置。休憩時間に合わせて対戦イベントも実施し、勝者にゲーム内アイテムをプレゼントしていた

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(2011年 12月 29日)

[Reported by 石田賀津男]