NHN Japan、「ドラゴンネスト」と「スペシャルフォース」のオフイベントを開催
大盛り上がりだった大阪イベント。「ドラネス」座談会では開発元にその場で提案も


12月17日開催

会場:大阪・エムズカフェ



 NHN Japan株式会社は、同社がサービスしている3つの人気タイトルのオフラインイベントを12月17日、18日の2日間連続、大阪で開催した。初日の17日はWindows用オンラインFPS「スペシャルフォース」と、Windows用アクションMORPG「ドラゴンネスト」のイベントが開催された。

 会場となったのは、日本橋電気街に近い場所にあるネットカフェ「エムズカフェ」。大阪市内にはオフラインイベントを実施できるような広いオープンエリアのあるネットカフェが少なく、会場探しには苦労したそうだ。このネットカフェも実はイベント前日に閉店しており、今回はイベントのために特別に貸してもらったのだそうだ。

 それぞれのイベントではチームを組んでの対人戦の大会が開催された。さらに「ドラゴンネスト」のイベントでは、運営チームの山縣周一氏が来場者とゲームが抱える問題点を話し合う座談会が催された。また、どちらのゲームについても、12月から来年1月にかけてのアップデート内容が発表された。このレポートでは、大盛り上がりだった大会の様子と、そこで発表された内容をお届けしたい。




■ 「スペシャルフォース」~~珍しいドローも出た、白熱の大会で大盛り上がり

そろそろおなじみになってきた司会の“ハンゲ太郎”こと荒井淳氏
NHN Japan所属のプロゲーマー、SpyGea選手
参加者による記念撮影

 初日、最初のイベントは、オンラインFPS「スペシャルフォース」。大阪では2回目の公式大会となるオフライン大会「ネットカフェツアー in 大阪」が開催された。

 司会は福岡大会と同じ、ハンゲームオフラインイベント担当の“ハンゲ太郎”こと荒井淳氏と、NHN JapanのプロゲーマーSpyGea選手。参加者はほとんどが10代の男性で、100人を超える過去最高の応募者数の中から抽選で選ばれた50人弱が会場に足を運んだ。

 前回の福岡大会は初めてということもあり、終始静かな雰囲気のイベントになったが、今回は大阪らしいノリの良さで声を出して盛り上がる姿が見られた。参加者の中には、SpyGea選手と同じ日本代表チームのRkp選手の姿もあった。

 対戦は1チーム5人の6チームのトーナメント方式。ルールは、準決勝までは1セットのチームデスマッチ、決勝戦は団体の5セット先取で行なわれた。マップは準決勝までが「デザートキャンプ」、決勝はくじ引きで「神経ガス研究所」に決まった。

 中央あたりを壁に仕切られた縦長の会場には、壁を挟んで5台ずつのPCが設置され、2チームが左右に分かれての対戦となった。今回はデバイスを持ち込むことができず、普段とは違うキーボードやマウスの感触に苦心している選手が多かったようで、試合の終了後にも「次回はぜひ使い慣れたデバイスの持ち込みを認めて欲しい」という意見が上がっていた。

 トーナメントでは、優勝者を当てるジャックポットで一番人気だったCチームが、その期待通り順当に勝ち上がった。予選のAチーム対Eチームの試合は、激しいデッドヒートの末に両社が同時に100ポイントのドローゲームになり、来場者やスタッフを驚かせる一幕も。

 決勝に進んだCチームの相手は、準決勝で98対98までもつれた死闘をわずかな差で勝ち取ったDチーム。チームカラーを決めるためのナイフファイトの結果Cチームが攻め側のレッドチーム、Dチームが防御側のブルーチームで決勝を戦った。

 最初1対1で並んだが、その後はCチームが堅実な試合運びで終始リードを続け、結局5対1で勝利した。センターやテラスなど要所を確実に抑える戦略が功を奏した戦い方だった。

 このイベントの様子はインターネットで生中継されていたが、大会終了後には来場者の中から希望者を募って、来場者と視聴者の対戦も行なわれた。今回、観戦者としてイベントに参加していた来場者の中からもやる気マンマンで多数が名乗りを上げSpyGea選手を交えた8人チームを結成、ハンゲ太郎氏の呼びかけに応じて入ってきた視聴者らと団体戦を戦った。

 視聴者側の参加者は准将クラスのコアプレーヤーが勢ぞろいしており、来場者チームは2勝と健闘したが、最後は各個撃破されて5:2で視聴者チームが勝利した。その後メンバーを入れ替えて行なわれた2回戦では、逆に来場者チームが有利に試合を進め、危なげない試合運びで勝利した。


チーム分けの間は、SpyGea選手への質問コーナーに。身長は191cmでクリスマスと正月は「もちろんSFです」奥にある壁で仕切られた開場には、計10台の対戦用PCが設置されたトーナメント表と参加選手のリスト。毎回人数が確定してから手作りされる
ネゲレワインやプレミアムパックは最後の抽選会でプレゼントされた手作り感あふれる生放送配信席優勝したCチームのメンバー。スナイパーがいい動きをしていた
視聴者対決への参加を募るじゃんけん視聴者対決のルーム。パスワードが発表されるとすぐに埋まる自分のセッティングをしつつ、実況も行なうSpyGea選手。忙しそうだ



 試合後に行なわれた「アップデートちょこっと公開」コーナーでは、クリスマスに合わせて実装されるクリスマス装備や、クリスマス期間だけ遊べる「Snow Camp」などの情報が紹介された。クリスマス限定の、「クリスマスSPガチャ」には、クリスマス武器の永久バージョンも入っているそうだ。これらは12月21日のアップデートで実装される。さらにお正月開催のイベントについても、12月21日のアップデート後に公開されるそうなので、こちらは公式ホームページでチェックしてみて欲しい。

 ちなみに、年始にはプロデューサーがバンジージャンプをする映像がアップされるそうなので、いったい何が起きているのか、実際に見て確認して欲しい。


クリスマスバージョンの4つの武器が登場クリスマスバージョンの「Snow Camp」が今年もお目見えする正月イベントは12月21日に公式ホームページで発表される




■ 「ドラゴンネスト」~~来場者たちの熱い思いが実現させた、番外編の対人大会

「ドラゴンネスト」運営の山縣周一氏
ドラゴンネスト参加者の記念撮影

 夕方からスタートした「ドラゴンネスト」のイベント「『Battle Tournament in OSAKA』番外編」は、急きょ開催が決まったイベントで、9月に開催されたばかりのオフラインイベント「Battle Tournament in OSAKA」の番外編という位置づけのイベントとなった。

 しかし内容は豪華で、初めてのPvP大会に座談会、アップデート発表と盛りだくさんに用意されていた。残念ながら、内容のボリュームに開催時間が追い付かず、後半はかなり駆け足になってしまい、多くの人が楽しみにしていた座談会は20分のショートバージョンになってしまった。

 来場者が予想以上に多かったことで、当初3対3の予定だったPvPは急きょ4対4で争われることになった。結局4人1チームのAからKまで11チームが、「雪原」マップを戦場にトーナメント方式で戦った。1人メンバーが足りないチームには、山縣氏が助っ人として参加。しかし山縣氏は左利きで、会場には右利き用のマウスしかなく操作に苦心するというハプニングも。

 「ドラゴンネスト」はどちらかというとPvEがメインのゲームで、あまりPvPを遊ばないユーザーもいるゲームだが、今回の参加者の中には正式サービスからずっと対人戦を遊び続けているような猛者もいて、非常に見ごたえのある試合が展開された。

 その中でも、クレリック系ばかり4人のチームだったEチームは、常にチームで動いて敵メンバーを分断しながら複数で倒していくという統制のとれた動きで圧倒的な強さを見せつけた。他にも、相手の4人を次々と倒していった女性プレーヤーのギアマスターのいるBチームや、声を出し合う連携プレイで準決勝まで完全勝利で勝ち上がってきたFチームなど、魅せるプレイが光る試合で大いに盛り上がった。

 決勝はFチームとEチームが無敗同士でぶつかったが、最後までペースを乱さなかったEチームが、Fチームの分断に成功して圧倒した。最終セットは、Fチームが初めてEチームのメンバーの1人を撃破したが、その後は分断され最後の1人に。しかしそこでFチームの指令塔であるリーダーのMPがなくなり、こう着状態になるかと思われたが、最後は力押しで倒しEチームが優勝を決めた。

 Eチームのリーダーは、前回の大阪イベントにも参加しており、その時に山縣氏に大阪でもPvPの大会を開いて欲しいと要請した。「彼が今回のイベント開催を後押ししてくれた」と山縣氏が紹介して、全員で拍手を送ると本人や周囲の来場者が思わず涙ぐむ熱いシーンもあった。


チーム分けの風景。人数が増えて急きょ1チーム4人になったハンゲ太郎氏が背後から実況したり、参加者にコメントを求めたりした優勝候補のチームの試合には、多くのギャラリーが集まった
山縣氏が助っ人として参戦するも、左利きのために苦戦イベント中何度も休眠状態に入った虚弱なガチャ手作り感あふれるトーナメント表。時間の関係で3位決定戦はじゃんけんとなった




■ 短い時間ながら真剣な見交換が行なわれた座談会

 「1月のアップデート発表」のコーナーでは、あくまで予定で希望でもあると、まだ未確定であることを強調しながら、山縣氏が近々アップデートされる内容について発表を行なった。

 1つめは新しい「ラダーシステム」の実装。現在PvPで獲得できる「ラダーポイント」を一度初期化して新しいシステムを実装する。同時にポイントを獲得できる上限が3,000にアップされる。また、この新しいポイントを使って得る50レベルの新ユニーク装備も実装される。こちらの装備はセット効果もあるかなり強力なもので、「グリーンドラゴン」のネストで獲得できる装備に引けを取らないものだそうだ。

 その後、少ない時間のなかでPvPに関する問題を来場者と話し合う座談会が開かれた。「今後PvPを盛り上げていきたいと思っています。こんなに熱い大会ができるのだから、これを全国大会として開催したらもっと盛り上がると思います。そのためにもPvPの改善を進めるために、どういった方向性がいいのかを話し合いたい」と座談会の趣旨を説明した。

 現在「ドラゴンネスト」のPvPはスキルバランスとラグの問題から、参加者が少ない状態が続いている。これまでは弱かったキャラクターの上方修正という形でのみバランス調整が行なわれてきたが、それがダメージのインフレを引き起こしているという側面があり、この12月には初めて、キャラクタースキルの下方修正という形でのバランス調整が行なわれた。

 山縣氏からは、4つのテーマが提示されたが、今回はその中の2つだけしか話し合うことしかできなかった。最初のテーマ「PvPとPvEの差別化」については、12月に初めてPvPの時だけスキルの性能を下げるというアップデートが行なわれたことと関連して、今後PvPのバランス調整を進めていくことで、PvEの同じスキルと性能面で差がついてくるという問題についての意見を聞きたいというもの。

 来場者からは「PvPとPvEのスキルを差別化するなら、スキル振りを別々にして欲しい」という要望が上がった。これは山縣氏も想定していた要望で、それを受けてさらに、スキル振りシステムの変更とスキルのバランス調整のどちらを優先すべきかという、より具体的な部分に踏み込んだ。

 こちらについては、「2つのスキルスロットをボタン1つで切り替えるようなシステムが欲しい」といった意見や、「現状のスキルでもPvP向けに振ればどの職業でも戦えるので、スキル振りシステムを先に直してほしい」といった意見があがっていた。

 2つめは、「エレメンタルロードのシールド調整」について。これはソーサレスの上級職であるエレメンタルロードが習得できるダメージバリアを張るアクティブスキルが強力過ぎるという問題。「12月のアップデートで少しだけ調整をしたが、細かい部分を最終調整していかなくてはならないため、皆さんのご意見を聞きたい」と山縣氏。

 この問いに答えて、エレメンタルロードを自キャラとして使用している2人の来場者が発言した。1人は「1対1をプレイしている時に、今はシールドが禁止されたような状態になっています。禁止しなくてもいいくらいに下げて欲しい。例えば消費MPは据え置きで、スーパーアーマー効果をなくすような形で、ダメージも減らして弱体化してほしい」という意見、もう1人も「PvPでシールドを使うと白けるという時代になっています。攻撃を受けたときに一定確率で発動するパッシブスキルだった時代が一番納得できる状態でした」と実際に使っているユーザーだからこその弱体案が出ていた。

 これらの意見は、会場でメールにまとめられ、韓国の開発会社EYEDENTITY GAMESの日本担当ソン・スンヨン氏にその場で送られた。また、山縣氏が韓国に直接電話をかけて、来場者とともに「よろしくお願いします」と頼んでいた。この演出は、普段ユーザーからは見えない開発と運営の間のやり取りで実際にどういったことが行なわれているのかを感じてもらい、自分たちの意見が開発に反映されているという実感を持って欲しいという意図で、今回山縣氏がどうしても実現したかった事なのだそうだ。開発側も日本の意見を知りたがっており、今後はこういった機会を増やす努力をしていきたいと語ってくれた。


座談会では、時間がないなかでも真剣な話し合いが行なわれた1月のアップデート予定と銘打ってあるが、まだ確定事項ではないそうだPvPのラダーポイントがリセットされ、新たなシステムに生まれ変わる
座談会のテーマ。今回は上の2つが話し合われた山縣氏が提示した、PvP改善の方向性山縣氏が、韓国のソン・スンヨン氏に連絡して念押しした

Published by NHN Japan Corp.
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(2011年 12月 19日)

[Reported by 石井聡]