NHN Japan、九州初の「スペシャルフォース」ネットカフェ大会を開催
日本代表を含む九州の猛者が激突。「ジャカルタ」マップなど新情報も
株式会社NHN Japanは、福岡県北九州市小倉にあるネットカフェ「iBOX 小倉駅前店」で、自社でサービスしている2つの人気タイトル、Windows用アクションMORPG「ドラゴンネスト」とWindows用オンラインFPS「スペシャルフォース」のオフラインイベントを2日連続で開催した。2日目の11月27日には「スペシャルフォース」の九州では初めてとなるネットカフェ大会「ネットカフェツアー in 福岡」が開催された。
イベントの司会はハンゲームオフラインイベント担当の「ハンゲ太郎」こと荒井淳氏と、「スペシャルフォース」運営プロデューサーの石川光氏。また、昨日は「アイリーン」のコスプレで来場者を喜ばせた神沢友美さんが、今日は女性兵士姿で荒井氏らをサポート。さらにゲストとして、11月にインドネシアで開催された「スペシャルフォース」の世界大会「2011 SF World Championship In Indonesia」に出場したプロゲーマーの荒木“Yuti”祐介氏と、高橋“SpyGea”恵氏が参加した。会場の様子はHangame ChannelとUSTREAMで配信されており、プロゲーマーの2人はその解説や実況も行なった。
来場者のトーナメント後にはエキシビジョンマッチとして、プロゲーマー2人と石川氏の3人チームと、来場者の中から選ばれた希望者による対戦と、プロ+来場者7人が配信を見ている視聴者と戦う8対8のチーム戦も行なわれた。
また、試合の後には最新のアップデート情報が一部公開され、今後追加予定の新マップ「ジャカルタ」と、来年1月に実装予定の新しいビジュアルのナイフアイテムが紹介された。このレポートでは、九州で初めて開催された大会の様子をメインに、オフラインイベントの情報をお伝えしたい。
■ 日本代表AKIRisさんが実力を示したトーナメント大会
NHN Japan所属のプロゲーマーYutiさん(1番左)とSpyGeaさん(1番右)。このイベントが終わるとすぐに、12月のWorld Cyber Gamesに向けての特訓が始まるという |
試合中、大会に使用したPCはいつも大勢のギャラリーに囲まれていた |
「スペシャルフォース」は11月30日で5周年を迎える老舗のオンラインFPSだが、これまでネットカフェを使った公式大会は東京や大阪だけで開催されていた。今回は九州地方で初めての大規模なネットカフェ大会となる。集まった来場者は約40名。その中でトーナメントへの参加を希望した人たちが、AからIまで4人1組みの9チームに分かれて戦った。
参加者の中には、Yutiさんらとともに11月の国際大会に出場したUHS Athleteの司令塔A.AKIRis選手もおり、名前が読み上げられると静かなどよめきが起こっていた。他にも、全国大会に出場するような有名人が混じっており、配信を見ている視聴者の呼びかけに答えて、YutiさんらがMCを担当している生放送にゲストとして気軽に登場している姿も見られた。
対戦ルールは1回戦が投擲武器禁止の4対4のチームデスマッチで、それ以降は4対4の団体戦が行なわれた。イベント用のサーバーではなく、一般サーバーにパスワード付きのルームを立てて、普段自分が使用しているキャラクターを使って対戦した。マップは、1回戦は「デザートキャンプ」か「サテライト」のいずれか、団体戦では「ミサイル」、「神経ガス研究所」、「サテライト」、「デザートキャンプ」の中から抽選で決められた。
参加者はほとんどが男性で、女性でプレーヤーとして参加したのはわずか1名のみ。地元の人は少なく、1時間以上かけてきたと答えた人が多かった。初めての大会に緊張しているのか、試合が始まってしばらくの間はずっと静かなままだったが、「どんどん声を出して連携を取っていきましょう」とハンゲ太郎氏、石川氏、Yutiさんらが何度も呼びかけていく中、次第に声を出す人も現われた。
試合開始前に、どこのチームが優勝するかを予想するジャックポットが行なわれた。1番人気はもちろん、A.AKIRis選手のいるEチームで過半数を超える20票が集まった。その下馬評通り、危なげない試合で1回戦、2回戦を勝ち抜き、最初に決勝へのコマを進めた。A.AKIRisさんが参戦する時にはその操作を見ようと多くのギャラリーがPCを取り囲んで、PCのセッティングやキーボード、マウスさばきを観察していた。
そんなEチームと決勝で当たったCチームは、チーム編成の都合上1回戦はシードとなり、他のチームがこなれてくる頃に参戦という不利な立場だったにも拘わらず、チームチャットを使った連携を生かして、3回連続で勝利を納めて決勝にコマを進めた。
決勝戦は「デザートキャンプ」、「神経ガス研究所」、「サテライト」の3つのマップで2本先取を競う。チーム分けは、リーダー同士のナイフファイトでA.AKIRisさんが華麗なナイフテクニックを見せて、蒼チームを選択した。武器は、Eチームが「M4A1」が2人と「AK74」が1人のアサルト3人とスナイパー、Cチームが「M4A1」が3人とスナイパーというどちらも鉄板の構成。
「デザートキャンプ」ではスタート直後にはかなり慎重に行く姿が目立ち、俗に“雪合戦”と呼ばれる投擲武器の投げ合いがあまり見られなかったが、3戦目あたりから次第に“雪合戦”をしているシーンが増えていった。初戦は優勝候補のEチームが試合を落として、Cチームが押せ押せムードで進んでいったが、3戦目に3対1まで追い詰められたところからAKIRisさんが1人で3人を倒して爆弾を解除し、逆転勝利を収めたことで流れが変わった。その後Eチームが盛り返し「デザートキャンプ」で勝利した。
2マップ目の「神経ガス研究所」では、Cチームは狭い通路に向いた「ファマス」に持ち替えて奮戦したが、結局Eチームが2マップ目も制して優勝を決めた。
■ 視聴者チームの予想を超えた強さに来場者大苦戦
イベントの間ずっとストリーミングの配信が行なわれ、参加者も気軽に顔出しに応じていた |
トーナメントの後は、プロゲーマーが参加して2つのエキシビジョンマッチが行なわれた。来場者との対戦は、Yutiさん、SpyGeaさんと石川氏のチームに、じゃんけんで勝ち残った来場者3人チームが挑んだ。ルールは団体戦で、マップは「ミュージアム」、全員がスナイパーライフルを装備して戦うスナイパーモードでのマッチとなった。
いきなりプロチームが先取され、「やばい」という声が飛び交う波乱の幕開けになったが、その後は拮抗した戦いが続き、最後はプロが面目を保って勝負を制した。ちなみに石川氏はキル数0だったようだ。
もう1つの試合は、配信を見ている500人以上の視聴者が、来場者チームと戦う8対8の団体戦。こちらも希望者の中からじゃんけんで勝ち残った7人とYuti氏がチームを組んで、視聴者を待ち受けた。ハンゲ太郎氏が放送でルームのパスワードを発表すると、数秒で8枠すべてが埋まった。
試合は終始視聴者チームが優勢に進んだ。Yuti氏も投擲武器を投げまくって抗戦したが、全国の猛者のパワーは圧倒的で4戦先取される。その後2戦取り返したが、最後は相手が投げたグレネードが勝負を決めた。
また、最後の抽選会では、「スペシャルフォース」のTシャツや、ゲーム内で「ネガティブ」というメッセージが「ネゲレ」と聞こえることから生まれた“ネゲレ”という言葉にちなんだ「ネゲレワイン」、ゲームのプレミアムパッケージなどがプレゼントされた。
■ 「ジャカルタ」マップは年内実装。1月には新ナイフシステムが登場
11月30日で、「スペシャルフォース」は正式サービスから5周年を迎える |
南国のムード漂う「ジャカルタ」マップ |
新しいビジュアルのナイフが持てるようになる新システム |
試合後のアップデート情報発表では、石川氏が「11月30日で『スペシャルフォース』がサービスを開始してから5周年を迎えました。息の長いゲームになりつつありますが、今後も他のゲームに負けないようにアップデートを頑張っていきますので、よろしくお願いします」と挨拶。その後、新マップ「ジャカルタ」と、新しいビジュアルのナイフシステムを発表した。
「ジャカルタ」マップは年内の実装を予定。「今年世界大会の舞台にもなった街で、実際に行ってきましたがこんな感じの街並みでした」とスクリーンショットを紹介した。内容はまだ石川氏も見てはいないそうで、詳細は未定だ。
新ナイフシステムは、来年1月に実装予定。新しいビジュアルのナイフを持てるようになるというもので、スクリーンショットでは手斧のような武器が紹介された。これらの新武器は「まだ確定ではありませんが、SPで手に入れられるようにしようと思っています」(石川氏)ということで、ゲーム内通貨で入手するものになりそうだ。
さらに、クリスマス装備は出ないのかという来場者の質問に答えて、「昨年も人気があったので、今年も出せるように準備を進めています。楽しみにしてください」と語った。
最後に石川氏とプロゲーマー2人が挨拶をした。石川氏は「最初は選手の皆さんも堅いところがあったけれど、最後にはチーム内で会話するまでになったので、そこはすごくよかったです」と語った。Yutiさんは来月韓国のプサンで開催されるWorld Cyber Gamesに触れ、「会場を歩いていて、すごくたくさんの方と触れ合えたので楽しかったです。今月行なわれた世界大会では5位という結果だったのですが、来月にはまた韓国でWCGという大会で、今回優勝したAKIRisと僕ら2人頑張ってくるので、応援よろしくお願いします」と語った。SpyGeaさんは「温かい方が多くて楽しかったです。また小倉にイベントで来たいと思います」と締めくくった。
昨日の「ドラゴンネスト」のイベントでも感じたが、来場者は緊張しているのか、それともおとなしい人が多いためなのか終始静かで、MCのハンゲ太郎さんが盛り上げに苦心していた。だが、だからと言って白けているというわけではなく、例えば「スペシャルフォース」のイベントでも、途中で帰る人は少なく、買ってきたお菓子や軽食を食べながら和気あいあいと試合を観戦していた。
空気を読んでワーッと盛り上がるというよりは、自分たちのペースでイベント楽しんでいるという雰囲気が見て取れた。これが単に初回の緊張感が生んだ状態なのか、それともこれが九州流の楽しみ方なのかわからないが、今後九州のイベントが何度も開催されるようになれば、独自の文化が生まれていくだろう。
Published by NHN Japan Corp.
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(2011年 11月 28日)