BFG 2011レポート

米Bethesda/inXile、「Hunted: The Demon's Forge」最新プレビュー
CO-OPプレイが最高に楽しいファンタジーアクション


4月11日~4月13日開催(現地時間)

会場:ユタ州パークシティ



 BFG 2011レポート5本目は、米inXile EntertainmentのダークファンタジーアクションRPG「Hunted: The Demon's Forge」をお届けしたい。「Hunted: The Demon's Forge」は北米で、プレイステーション 3、Xbox 360、WindowsPC向けに5月31日の発売が予定されている。日本では6月23日にPS3とXbox 360向けに完全日本語版での発売が予定されている。

 今回は「Brink」同様、「BFG 2010」に続いて2年連続の登場で、発売直前ということもあり、プレゼンテーションは行なわれず、ハンズオンとインタビューのみとなった。「Hunted」については、昨年のGDCでの発表以降、たびたび記事で取り扱ってきているので、ゲームの基本的な概要については触れていない。ゲームの基本的な情報についてはGDCレポートや、BFG 2010レポート、そして日本語版発売決定のニュースなどを参照頂きたい。

【「Hunted: The Demon's Forge」最新トレーラー】
このトレーラーでは「Crucible(厳しい試練)」モードと呼ばれるキャンペーンとは別のモードを紹介している。今回は時間不足で体験できなかったが、仲間と繰り返し楽しめるダンジョンクリエイトツールだ。製品版相当のゲームシーンも収録されているのでぜひ1度見ておこう



■ 近接系のキャドックと遠隔系のエラーラの2人で力を合わせて敵に挑む

「Hunted: The Demon's Forge」の説明を行なうプロデューサーのMatt Dickenson氏
ハンズオンでは16台のデモ機を向かい合わせに並べ、向かいの人とCO-OPでゲームを楽しむことができた
グロテスクなモンスターや、吹き上がる血しぶきなど、ダークファンタジーの世界観に真っ向から挑戦した作品でもある
 今回のハンズオンでは、チャプター5の2つのステージをCO-OPでプレイできた。ちなみに「Hunted」のCO-OPは、オンラインによる2人プレイのみならず、画面分割による2人プレイにも対応している。

 チャプター5は、石切場とその周囲に広がるジャングルを舞台としたステージになっている。「Hunted」は全部で6つのチャプターから構成されており、1つのチャプターごとに複数のステージにわかれている。ステージの冒頭にちょっとした安全地帯が確保され、操作キャラクターの入れ替えや、獲得したポイントを消費してのスキルのアンロック、使用スキルの入れ替えなどが行なえる。武器や防具、アイテムなどは、プレイ中に自由に入れ替えられるが、スキルのみは固定となる。このマジックの選択により、各チャプターの難易度は大幅に変化するため、プレイする前にしっかり作戦を立てておきたいところだ。

 各ステージは、すんなりいけば15分から30分程度のボリュームとなっており、今回はチャプター5の2つのステージをプレイすることができた。ステージ1は石切場に繋がるジャングル、ステージ2は大規模な石切場が舞台となっており、どちらも地上フィールドだった。

 プレーヤーのいずれかが一定の所まで足を踏み込むと、周囲からゾロゾロと敵モンスターが出現し、これを迎え撃っていくというのが基本的なパターンとなる。倒しきると障害物が取り除かれ次に進めるようになる。チャプターの奥に進むにつれて敵の攻撃は激しくなり、チャプターの最後には強大なボスモンスターが姿を現わす。ボスモンスターはかなり協強力、しっかり2人で力を合わせて戦わないと簡単にやられてしまう。

 主人公キャラクターは、キャドックとエラーラの2人で、プレーヤーはそのいずれかを操作する。キャドックは剣と盾を基本スタイルに近接系の攻撃を得意とし、スキルはセルフエンチャント系が多い。エラーラは弓を基本スタイルに遠隔系の攻撃を得意とする。スキルはキャドックのパワーをブーストするようなものが多い。いずれも攻撃タイプだが、キャドックは近接、エラーラは遠隔と、明確に位置づけを変えているのが特徴だ。自らのプレイスタイルと逆のキャラクターを選んでしまうとうまく特徴を発揮できないため、しっかり考えた上で選びたい。


【画面分割CO-OP】
「Hunted」の醍醐味である2人によるCO-OPプレイは、1台のマシンでも画面を分割して行なえるようになっている



■ 密着感のあるCO-OPプレイが求められるキャンペーン

近接戦闘を得意とするキャドック。ボス戦では回避のうまさが勝敗をわける
ハンズオンでは16台のデモ機を向かい合わせに並べ、向かいの人とCO-OPでゲームを楽しむことができた

 さて、実際のゲームプレイは常に2対多の戦いを強いられる上、単体でもそこそこに強いため、全体としてはかなりシビアだ。キャドックは単に敵に突進してボタンを連打して斬り付けまくるだけではダメで、敵の攻撃を予測してしっかりガードしたり、大型モンスターの攻撃はしっかり避けるなど、不要なダメージを受けない工夫が必要になる。エラーラは、弓矢で安全地帯から一方的な攻撃を行なえるが、矢には“残弾”があり、遠くから当たるか当たらないかの攻撃を繰り返していては、あっという間に矢が切れてしまうし、あまり遠くで戦っていると、キャドックが倒された際の救出が間に合わなくなる。

 実はハンズオンでは、ステージ1のボス戦で何度も倒されてゲームオーバーになり、その都度、チャプターの最初からやり直すハメになった。デモでプレイしたのがゲーム後半のステージ5というだけあって、敵はなかなか手強く、限られた時間の中で試行錯誤を繰り返した。そこで身につけたセオリーは、共闘の重要性とメリハリの付いた攻撃だ。

 まず、ボス戦までの言わば前座部分は、いかに少ないダメージで効率よく突破するかが重要になる。ボス戦では、あらかじめ惜しみなくスキルを使って能力をブーストし、戦闘が始まったらボスのラッシュ攻撃をモロに食らっても耐えられるように早めの回復を心がける。その上で、2人がしっかり連携して動き、ターゲットされてる方はボスの攻撃の直撃を食らわないように回避に徹し、もう一方がボスの後ろから強撃をたたき込む。この挟撃体制がうまくできれば、このゲームは非常に楽しく、そしてエキサイティングなものになる。

 共闘の重要性はカプコンの「モンスターハンター」シリーズのボス戦ほどガチガチな感じではないが、息を合わせる楽しさ、協力し合う楽しさといった点では非常に近いものがある。北米タイトル特有のシビアさも感じられるが、全体としては密着感のあるCO-OPプレイが非常に楽しいアクションゲームに仕上がっている。ぜひ気の合う仲間と楽しみたいところだ。


【スクリーンショット】

Hunted: The Demon's Forge (C) 2011 ZeniMax Media Inc. Hunted: The Demon's Forge, Bethesda, Bethesda Softworks, ZeniMax and related logos are registered trademarks or trademarks of ZeniMax Media Inc. in the U.S. and/or other countries. Developed in association with inXile Entertainment Inc. inXile Entertainment and the inXile Entertainment logo are registered trademarks or trademarks of inXile Entertainment Inc. All Rights Reserved.

(2011年 4月 18日)

[Reported by 中村聖司]