アップル、「第4世代iPod touch」を発表

iOS4.1に「Game Center」を搭載し、マッチングなどもより簡単に


9月2日発表



海外での発表を受け、日本国内でもプレス向けにカンファレンスの上映、新製品の体験会が実施され、多くの関係者が訪れた

 アップルジャパン株式会社は2日、「iPod touch」、「iPod shuffle」、「iPod nano」の新製品を発表した。1日に米国で開催されたプレスカンファレンスを受け、日本でもプレスカンファレンスの中継、新製品の体験会が実施された。発表に関しては、iOS4のバージョンアップから「新型iPod touch」などハードの発表、「iTV」の発表など多岐に渡った。GAME Watchではこれらの発表の中からゲーム関連の話題に絞ってお届けする。

 “第4世代”となるiPod touchは、性能的にiPhone 4に近づいている。液晶ディスプレイは、3.5インチ(960×640ドット)で従来の解像度の4倍。CPUはiPhone 4と同じくApple A4チップ。3軸ジャイロセンサーや加速度センサーは搭載しているが、iPhone 4に搭載されているGPSの搭載は今回も見送られている。iOS4.1を実装し、Wi-Fiで接続した状況下でFaceTimeを利用できるほか、HD映像を録画できる。

 サイズは111×58.9×7.2mm(縦×横×厚さ)、重量は101g。iPhone 4と比べると長さが若干短く、薄さも2/3程度となっている。

 スティーブ・ジョブス氏はiPod Touchについて「もっとも売れている携帯ゲーム機」とし、「任天堂とソニーの携帯ゲーム機を合わせた数より売れている」と語った。今回iPod touchに3軸ジャイロセンサーなどが搭載されたことに触れ「より深いゲームが楽しめる」と期待を寄せた。

 iPod Touchは8GBモデルが20,900円、32GBモデルが27,800円、64GBモデルが36,800円で、来週以降出荷開始となる。


今回発表となった新製品群。左から「iPod shuffle」、「iPod nano」、「iPod touch」より薄くなりカメラも搭載した「iPod touch」ゲーム機としても大きなプラットフォームに成長したiPod Touch
第4世代iPod touchの性能などを表わしたスライド。GPSは搭載されていないが、3軸ジャイロは搭載されており、「新しいゲームの体験を提供できる」とスティーブ・ジョブスは語った新しいiPod Touch。裏面は黒ではなく、これまで通り鏡面仕上げとなっているため、天井の黒い色が映り込んでいる。8GBモデル、32GBモデル、64GBモデルの3タイプが用意される
iPhoneとの比較。縦方向の大きさはほんの少し違う程度だが、厚さは圧倒的にiPod Touchの方が薄い

 スティーブ・ジョブス氏のプレスカンファレンスの冒頭発表されたのが、iOS4のバージョンアップとなる「iOS4.1」。多数のバグフィックスを初めHigh Dynamic Range Photoが撮影可能となるなど大幅なバージョンアップとなるが、ゲームファンにとってもっとも大きなトピックスとしては「Game Center」の導入が挙げられる。

 「Game Center」はホーム画面に表示され、アプリの1つとして用意される。「Game Center」を起動しApple IDでサインインするとニックネームを設定することができ、友達とゲームを楽しむことができる。友達はリスト化され、名前をタップすればどういったゲームをプレイしているのかチェックもできる。

 同等のレベルのプレーヤーのマッチングなども容易に行なわれるほか、例えばゲームから友達を招待する事もできる。マルチプレイゲームも可能となり、友達と一緒にミッションに挑んだり、対戦することもできる。カンファレンスではEpic Gamesのマイク・キャップス氏が登壇し、年末にリリースされる予定の「Project Sward」のデモを行なった。Unreal Engine 3で描かれたグラフィックスは美しいが、それだけではなく、デモの中盤で開発担当者と対戦することに。ゲームから招待しアッと言う間に承認が行なわれ、対戦が開始された。

 また、Leaderboardを見ると友達とのゲームの成績が表示されるほか、対戦成績なども記録されチェックが可能となっている。

 iOS4.1は来週リリースが予定されている。さらにカンファレンスではiOS4.2の11月リリースも告知された。Game Centerなどの機能も含めiPadで同等の機能が利用できるようになるのだという。

 「Game Center」に対応したゲームがいつ、どれだけ登場するのか未知数だが、携帯プラットフォームであるだけに、より個人との親和性が高く、面白そうな使い方が期待できそうだ。

来週公開される予定のiOS4.1のフィーチャー内容。ゲームファンにとってもっとも大きな内容はGame CenterだろうGame Centerに対応したゲームで実現できる内容。マルチプレーヤーゲームを初め、オートマッチング、スコアの友達をゲームに招待する事も容易に行なえる
Epic Gamesのマイク・キャップス氏。Unreal Engine 3を使った新作「Project Sward」のデモを行なった。美しいグラフィックスが特徴だが、簡単に友人を招待しその場で対戦を実現して見せた。年末にはリリースされる予定
Game Centerのアイコンがホーム画面に表示されているところまだiOS4.1がリリースされていないため、今回はサインイン画面までしかたどり着けなかった。来週までには間に合わせたいとしている

(2010年 9月 2日)

[Reported by 船津稔]