アップル、処理能力と容量を向上させた「iPod touch」を9月下旬発売

64GBモデルは39,800円。現行の8GBモデルは19,800円に値下げ


9月10日より 順次発売

価格:19,800円(8GB)
   29,800円(32GB)
   39,800円(64GB)



 米Appleは9月9日(日本時間10日2時)、米サンフランシスコにおいて新製品発表会を開催した。Appleは毎年この時期に新製品を発表するのが恒例となっており、今年も例年同様にiPodシリーズの新製品を発表するとともに、iTunes9、iPhone OS 3.1なども合わせて公開した。日本でも9月10日、アップルストア銀座で米国での発表会の映像の上映と、発表された新製品とタッチ&トライが行なわれたので、その様子も合わせてお伝えする。

 ゲームユーザーが最も気になる第3世代の新iPod touchは、新たなラインナップとして8GB、32GB、64GBの3モデルが発表された。本体サイズや画面の解像度なども従来機種から外見の変更はなく、背面に印刷された容量を見ないと区別がつかない。

 新8GBのモデルは、既存の8GBモデルが単純に安くなったもので、27,800円から19,800円と値下げされた。32GB、64GBの新モデルは内部の仕様が変更されており、処理速度が最大50%高速化される。またiPhone 3GSでも採用されているOpenGL ES 2.0に対応し、グラフィックス処理も格段に向上している。価格は32GBモデルが29,800円、64GBモデルは39,800円と、従来モデルよりも大容量化しつつ価格は引き下げられている。

 第3世代iPod touch 64GBと、第2世代iPod touch 32GB、iPhone3GS 32GBを使い、同じゲームの立ち上がり速度を比較したところ、第3世代iPod touchは第2世代iPod touchより格段に早く1/2程度の時間で起動し、iPhone 3GSとでは同等の早さだった。ゲームのプレイ感覚では大きな差は感じられなかったが(OpenGL ES 2.0対応ゲームが出てくれば別だろうが)、細かい部分で動作が快適になっているのは体感できた。

 付属品は、8GBモデルでは通常のイヤフォンだが、32GBと64GBモデルではEarphones with Remote and Micとなっていて、イヤフォン側で音量調整や楽曲コントロールが可能となっている。発売日は8GBモデルが9月10日、32GBと64GBモデルは9月下旬となっている。


左が第2世代iPod touch 32GB、右が新機種となる第3世代iPod touch 64GB。サイズは同じで外見から判別するのは難しいが、処理性能や容量には大きな差がある。価格も第2世代iPod touch 32GBが47,800円だったのに対し、第3世代iPod touch 64GBが39,800円と、かなりお買い得となっている

 新製品の発表と同時に、iPhone OS 3.1のアップデートが本日から提供されることも発表された。アップデータはiPhone 3Gには無料で配布されている。iPod touchの場合は、使用中のiPhone OSが3.0ではない場合は600円でダウンロードできる。iPhone OS 3.0を使用している場合は、無料で提供される。

 iPhone OS 3.1で注目の機能は、「Genius おすすめApp」だ。iTunes Storeの楽曲配信では、ダウンロードした曲を元にオススメの曲を表示してくれる「Genius」があるが、これがApp Storeにも導入され、オススメのアプリケーションが表示されるようになった。75,000本以上もある膨大なアプリケーションの中から、ユーザーにオススメのアプリケーションを表示してくれるようになり、アプリケーションを探すための新たな手段となる。

 米国での発表会では、iPhone/iPod touch用のゲームについて、かなりの時間を割いて紹介された。この中でiPhone/iPod touch用ゲームを提供している4社の代表者が登壇し、それぞれの新作を発表した。

 Ubisoftは、「アサシンクリード」シリーズのプロデューサーBen Mattes氏が、アクションゲーム「アサシンクリード2」を披露し、本体の写真画像で顔写真などをゲーム中の指名手配の顔と出せることも紹介。さらに、iPhone/iPod touch版をコンシューマー版と同時リリースすることも明かした。

 音楽ゲーム「Tap Tap Revenge」を100万本以上販売したTapulousのBart Decrem氏は、音楽ゲームとレースゲームを融合させたような新作DJゲーム「Riddim Ribbon」を披露。続いてGameloftのMark Hickey氏は、Wi-FiやBluetoothでマルチ対戦が可能な新作FPS「Nova」を発表。さらにElectronic ArtsのTravis Boatman氏がアメリカンフットボールゲームの新作「Madden NFL 2010」を披露し、選手のフォーメーション後の移動を指でなぞるようにして軌跡を描けることも紹介した。

 このほかにもコンシューマーゲーム機並みの本格的なゲームが遊べることを紹介し、AppleがiPhone/iPod touch用ゲームにかける意気込みを垣間見せたイベントとなった。


iPhone/iPod用 touchゲームの価格や本数を家庭用ポータブルゲーム機と比較。10ドル以下の低価格でダウンロード購入できるとアピールした
Ubisoftのアクションゲーム「アサシンクリード2」。ゲーム中の指名手配の張り紙を自分の顔にすることも可能
Tapulousの音楽ゲームとレースゲームを融合させた新感覚ゲーム「Riddim Ribbon」。プレイ次第で流れる曲が変化するGameloftが開発した本格FPS「Nova」。近未来SFの雰囲気で、白熱の銃撃戦が展開された
コンシューマーでシリーズ展開されているアメフトゲームの最新作「Madden NFL 2010」が、iPhone/iPod touchにも登場する第3世代iPod touchはOpenGL ES 2.0に対応し、グラフィックスのパフォーマンスも飛躍的に向上する

(2009年 9月 10日)

[Reported by 川村和弘]