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東京おもちゃショー2015の各社新製品をレポート

新しい技術やセンスが導入されたおもちゃを紹介

6月18日~21日 開催(18日、19日はビジネスデー)

会場:東京ビッグサイト 西1~4ホール

 老舗から新鋭まで、150社以上のメーカーが、最新のおもちゃを出展した「東京おもちゃショー2015」。取材時に配布された日本玩具協会のリリースには、「新技術・新機構」が導入されたおもちゃが多数登場するとあり、まさにその通りの出展内容で、会場を歩き回ることで斬新な新製品を多数見つけることができた。

 これまでバンダイとタカラトミーの製品を紹介したが、本稿ではそれ以外のメーカーが出展していた面白そうな製品をお届けしていく。

ペンで立体の絵が描ける「3Dドリームアーツペン」

 メガハウスが発売するこの「3Dドリームアーツペン(仮)」は、専用のペンで字や絵を描いて付属の「マジカルライト」で照らすと固まるという性質を持っていて、固まった絵を組み立てて立体を作ることができる。ペンから出ているのは、光で固まるゲル状のインクで、ライトで照らしているのは可視光線。インクは紫外線を当てなければ固まらないので、修正するのも簡単だ。またペンからゲルを少しずつ出しながらライトを照らすことで、縦方向に描くというデモも行なわれていた。

 セットにはデザインブックが付属し、お手本をなぞって描くだけで、立体物を作ることができる。ペン1本で、見本のような立体物を4~5個作れるとのこと。9月発売予定で、ペンが2本付属する「2本ペンセット」は2,680円(税別)、ペンが1本の「シングルペンセット」は1,450円(税別)となっている。

チューブ状のペンからインクを出して、ライトで照らすと数秒でに固まるので、縦に延ばすこともできる

【「3Dドリームアーツペン(仮)」可動動画 - GAME Watch】

ジバニャンに気付かれないようチョコボーを取れ!

 今年4月に発売されたおもちゃだが、可愛くて面白い製品なので紹介しよう。メガハウスの「妖怪ウォッチ ジバニャンにゃおにゃお」は、同社の「番犬ガオガオ」のジバニャンバージョンで、妖怪メダルをかたどったカードに書かれたおやつを、寝ているジバニャンが抱えた箱の中から取っていくというもの。ジバニャンを起こしてしまった人が負けとなるのだ。

 ジバニャンは意外に敏感で、雑に取ればすぐに起きてしまう。2段階の難易度を「むずかしいモード」にセットすれば、さらに慎重に取らなければならない。「妖怪ウォッチ」ファンのキャラクターグッズとしても楽しいアイテムだ。価格は4,500円(税別)。

ジバニャンが眠った状態にしてゲームスタート。箱からおやつを取ると、不意にジバニャンが起き上がる。ボイスもアニメと同じだ

【「妖怪ウォッチ ジバニャンにゃおにゃお」可動動画】

自宅で麺打ち&製麺ができるおもちゃが登場

 メガハウスは毎年さまざまなクッキングトイを出展し、話題を集めている。今年はラーメンの麺を製麺できる「きっちんまるしぇ外伝 ~おうちでラーメン屋~極麺づくり」を出展した。レシピ通りに生地を作ってこね、本製品で生地をのした後、麺カッターをセットして製麺するという、麺作りの一連の作業を行える。生地をのす厚さを3段階から選べ、麺カッターも太麺と細麺の2種類が選べるので、合計6段階の太さの麺を作ることが可能だ。

 おもちゃの展示会とは思えない、これら製品のコーナーもなかなか面白い。本製品は9月下旬発売予定、価格4,860円。

本体の右に見える2つの赤い箱が麺カッターだ。これをセットすると、麺がカットされて出てくる

樹脂製の小箱とスマホでHMD体験ができる!

 樹脂製の組み立て式の箱に、専用のアプリをインストールしたスマートフォンをセットすることで、立体映像を体験できる簡易HMDがこの「BotsNew(ボッツニュー)」だ。

 単純な立体映像ビューワーと思うなかれ、専用アプリはスマートフォンのジャイロに対応していて、覗きながら頭を動かすことで最新のHMDと同様に、向いた方向の映像を見られるのだ。アプリはCGで作られたジェットコースターのデモ映像が用意されているほか、YouTubeやパノラマ映像共有サービス「PANOPLAZA」にアップされている360度映像を再生する機能もあり、コンテンツを楽しむには困らないだろう。メガハウスから発売中で、価格は2,980円。

覗くための2つのレンズがついた箱で、スマホ画面に写っている360度映像を立体化して見られる

アーケードゲームライクなメダル投げ入れゲームが登場

本体の内部は回転していて、上にたまったメダルがランダムに落ちてくるようになっている。青いのがシューターで、これでメダルを弾いて入れるのだ

 メガハウスから発売される「放課後モンスターベガス カプセルをうばえ!モンスターメダルマシーン」は、3人のプレーヤーが手持ちのメダルを専用のシューターではじき飛ばして、モンスターのいる塔の形をしたステージに投げ入れて、塔の中のメダルを自分の出口に落とし、制限時間内にメダルを1番手に入れた人が勝利となる、アーケードゲームテイストあふれる対戦ゲームだ。塔の頂上にはモンスターがいて、この中央にメダルが入ると5ポイントぶんのカプセルが現れるビッグチャンスとなる。モンスターは2段階の難易度設定で動きを変えられるので、飽きずにプレイできるようになっている。

 昭和の時代から脈々と続く、こうしたおもちゃらしいゲームの新作を見るとなんとなく楽しくなってしまう。7月下旬発売予定で、価格は3,980円。

圧縮空気で20km/h(スケールスピード750km/h!)で走る「エアゼロ」

 セガトイズが新たに展開するレーシングカーがこの「爆音爆走 エアゼロ」だ。付属のポンプで車に空気を送り込み、その圧縮された空気が放出されるときのピストンを押し下げる力を回転に変えて動力とし、最高時速20km/h(スケールスピードはなんと750km/h!)で走らせることができる。動力は空気のみで、モーターや電池などは一切必要がないというのも面白いところだ。

 曲がることなどは一切考えず、まっすぐ走るスピードのみを追求した、ドラッグレースのような清々しさがあるおもちゃだった。7月16日発売予定で、車とポンプがセットになった「エアゼロ スターターセット」(3種)は各1,800円(税別)、2台セットの「エアゼロ 爆走セット」は、2,700円(税別)、専用の「エアゼロ 爆走コース」は800円(税別)となっている。

製品単独でも走らせて遊べるが、コースがあれば友達や兄弟とレースも可能。ジャンプ競技やターゲット破壊など、いろいろな遊び方も考えられる

【「爆音爆走 エアゼロ」走行ムービー】

ディズニーバージョンのスマートウォッチが発売に

 セガトイズの「スマートトイ」シリーズに、ディズニーバージョンのキッズ向けスマートウォッチとスマートフォン風端末が発売となる。発売中の「Jewel Watch」と、8月発売予定の「Jewelpod Magic」をベースに、ディズニーコンテンツを盛り込んだ内容となるようだ。それぞれ11月発売予定で、「ディズニーキャラクター マジカルスマートウォッチ(仮)」は6,800円(税別)、「ディズニーキャラクター マジカルスマートポッド(仮)」は9,800円(税別)となっている。

画面がディズニーキャラクターになっただけでもかなり印象は変わる。スマートウォッチの時計画面は100種類以上あるそうだ

会場できせかえ体験可能!「ねんどろいどこ~で」

 グッドスマイルカンパニーの「ねんどろいど」が、対象年齢を低く設定して発売される。「プリパラ」の登場キャラクターをモチーフとしたシリーズで展開されるこの「ねんどろいどこ~で」は、頭部と体、スカート、足を他のキャラクターのものと交換することで、オリジナルのコーディネートが可能となる。低年齢向けの製品ということで、手や足のポーズは固定で、細かな部品なども付属しない。

 一般公開日にはサンプルが用意され、コーディネート体験もできるとのこと。また6月発売予定の「真中らぁら トゥインクルリボンサイリウムコーデ」「真中らぁら キューティーリボンコーデ」も会場で先行発売される予定だ。6月より順次発売予定で、価格は各2,400円。

これまでの「ねんどろいど」シリーズとは異なり、パッケージはブリスターパックで発売。パーツを入れ替えることで、ポーズも変えられる

金属製パズル「メタリックナノパズル」に新モビルスーツが登場

 マジック用品で知られるテンヨーが展開する「メタリックナノパズル」は、レーザー加工されたメタルシートを組み上げることで立体造形が完成する、パズルというよりは模型に近いメタルモデルだ。

 その高価格バージョンの「メタリックナノパズル プレミアム」で、昨年「機動戦士ガンダム」の「ガンダム」と「ザクII」が発売され、今年はゴールド仕様の「ガンダム」と「ズゴック」が新発売される。「ガンダム」は色違いの製品だが、「ズゴック」は新造形で、平らな金属板から曲線の多いズゴックが、どういう過程で組み上がるのかがなかなか興味深い。

 また「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」に登場する「シャアザク」が参考出展されるなど、チョイスもなかなかマニアックだ。このほか「スター・ウォーズ」や「アイアンマン」がなど、今後ファンも増えそうなラインナップを揃えている。ゴールド仕様の「ガンダム」は9月発売予定、価格は3,000円(税別)、「ズゴック」は11月発売予定、価格は2,500円(税別)。

「ゴールドガンダム」とその後ろの「ズゴック」が新製品となる。難易度は結構高めとのことで、最初はパーツが少ないシリーズを作ってみるといいかもしれない

ジグソーパズルで枯山水を表現

 ジグソーパズルやカードゲームなどを展開するビバリーが7月に発売する「枯山水ジグソーパズル」がこれ。その名のとおり、枯山水をイメージしたジグソーパズルなのだが、パズルになっているのはベースとなる砂の部分だけで、付属品として同梱される石や苔を自由に配置することで、自分だけの枯山水が完成するという、面白い製品だ。

 パズルには砂の風合いを思わせる特殊加工がされていて、インテリアとしても楽しめるようになっている。やはり外国からの来場者の反応が多いようで、筆者も興味津々で石を置いている来場者の姿を見かけた。7月発売予定、価格1,800円(税別)。

ジグソーパズルから、なんとも味わいのある枯山水が完成する。マット状になった苔は自由にカットして使用するのだ

オートホバリング機能を備えた超小型ドローン

 さまざまなRCトイを発売するCCP から発売される「オートホバリングドローン(仮)」は、本体に飛行高度の自動調整機能を備え、コントローラーの「飛行サポートボタン」を押すことで、赤外線センサーで一定高度をホバリングすることができる。これにより初心者には難易度の高い「高度を維持したままの移動」が容易となるのだ。宙返りなどのスタント飛行も可能で、中級者以上のユーザーも楽しめる製品となっている。今秋発売予定、価格6,980円(税別)。

同社はこれまでヘリコプタータイプのRCを数多く発売していて、複数のプロペラを持つマルチコプターはこれが初めとなるようだ

(稲元徹也)