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【GDC 2014】PS4向けVRヘッドセット「Project Morpheus」を試す

カッチリした装着感。PS Moveを組み合わせ、完全没入型のVRゲーミングを体験!

3月17日〜3月21日開催(現地時間)

会場:San Francisco Moscone Convention Center

SCEブースに開幕から長蛇の列

 GDC 2014会期3日目は、通常セッションとともにエキスポ会場も開幕。ひときわ大きなSCEAブースでは先日3月18日に発表されたばかりのPS4向けVRヘッドセット「Project Morpheus」のデモが行なわれていたので早速レポートしよう。

 「Project Morpheus」のデモコーナーは、開発キット2が公開された「Oculus VR」に並ぶ人気ぶりで、開場直後にはもうブースをひとまりするほどの長蛇の列。しかしそこは天下のSCEA、来場者に長時間の行列を耐えさせることはなく、それぞれの体験時間が記された整理券を配って早々に行列は解消。筆者は午後遅くの時間帯に試遊することができた。

装着の瞬間からVR空間に完全没入。これは凄い……!

「Project Morpheus」試遊ゾーン
これが実機。前頭部と後頭部に太めのパッドがあり、前後からぎゅっと固定できる
装着中の図

 筆者はこれまで「Oculus VR」の開発キットを何度も遊んでいて、VRゲーミングにはそれなりに慣れているつもりだった。だから、「Project Morpheus」を遊んでも、“うん、こんなとこだよね”と冷静に受け入れられるつもりだった。つもりだった……。実際には「Project Morpheus」が実現する未体験ゾーンのVRゲーミングぶりに大興奮してしまったのだ。

 まずは冷静にハードウェアの特徴から。「Project Morpheus」は、非常に独特の形状をしている。特にヘッドバンド部から後頭部にかけてのがっしりした作りが特徴的だ。これは伸縮可能なギミックになっていて、頭の大きさに合わせて前後からぎゅっと絞ることが可能。これによるホールド感は非常にカッチリしていて、わりと激しい動きをしてもびくともしない感じだ。

 レンズ部は撮影禁止となっていたため画像ではお伝えできないが、おおむね「Oculus RIFT」に似ていて直径3cmちかくの大型左右レンズからLCDの映像が出力される仕組み。顔に接触するカップ部分はかなりの余裕がある作りで、メガネ着用のままでも問題なく装着できる。重さも頭全体に分散されるためか、特に重い負担は感じられず、快適そのものだ。

 装着すると頭部の向きと移動が完全にトラッキングされ、立体表示された映像とリアルの視線の動きがリンクする。画面の解像感は「Oculus RIFT」のHDバージョンと同等の水準だ。1,920×1,080ドットの画面を左右に分割して立体表示する方式。文字などのカッチリした部分では多少のジャギー感があるものの、風景やキャラ等の3Dグラフィックスは十分になめらかだ。

 気になるヘッドトラッキングの遅延は、注意深く観察すれば“若干あるかな?”という程度。水中を探索する「The Deep」デモで頭を動かしまくり確かめてみたが、リアルの動きと視界の動きのリンクぶりは非常によい。少なくとも「Oculus RIFT」の初期版よりはずっと遅延が少ない。これならある程度長時間プレイしても、VR酔いを起こすことはなさそうだ。

ヘッドパッド部は経を柔軟に調整でき、頭の大きさによらずぴったりフィットできるようだ。ゲームとしてはDualShock 4を使うものと、PS Moveを使うものの2系統が試せた
「The Deep」。深海を眺めていると突然サメが襲いかかる
「The Castle」。2本のPS Moveと画面内の腕が完全リンク
このプレーヤーは多分、剣で突き刺す動きをしている

 ……というVRヘッドセットを装着した上で、2種類のデモにチャレンジ。最初に試した「The Deep」デモは、潜水カゴに乗って深海へ潜っていき、平和に遊泳する魚群を眺めていると奥から巨大ザメが迫ってきてビックリするという内容。Dual Shock 4でエイミングと信号弾の射撃ができる。そのVR感はまあまあ想定の範囲内だ。

 こんなもんだねと思いつつ次に挑戦した「The Caslte」、これにはたまげた。

 こちらはPS Moveを2本、両手に握って遊ぶ体感型のVRデモだ。それぞれのPS Moveはプレーヤーの手となり、ゲーム内に描画される腕のグラフィックスと同期する。トリガーを引くと手を握るアクションができ、ゲーム内のオブジェクトを掴んだり投げたりできるのだ。

 「Project Morpheus」に視界を任せ、PS Moveを握る。最初はリアルとの遠近感の違いにやや戸惑うが、30秒ほどで感覚が掴めてきた。地面に刺さっている剣を右手で握り、目の前の騎士型木偶人形に斬撃! 今度は左手にも剣を握って、両手装備で十文字! 木偶人形はバラバラになった!

 今度は木偶の頭を左手で掴み、首根っこを引っ張るような感じで力を込めつつ、逆の手で横一閃。ズバリと首がとれて、左手の下でプラプラ。自分の腕の動き、頭の動きと、見えている映像と現象が完全にリンクしているものだから、“自分の手で破壊した感”が凄い。ああ、木偶人形だからいいけど、これがもし生身の人間キャラクターだったら……最高だね!!

 といったカタチで、両腕をフルに使った完全没入型のVR体験が楽しめてしまった。いろんなアクションをしているうちに、だんだんと自分の肉体感覚がVR側に溶け込んでいく。最後のほうは自分が本当にそこにいる、という感覚が意識の半分を占めるほどに。そんな状態に入っていたので、デモシーンの最後に登場した巨大ドラゴンには心底ビックリしてしまった。く、食われる!

 このように、「Project Morpheus」はVRヘッドセット単体ではなく、PS Moveを始めとするPS4全体のシステムで捉えたときに真価を発揮するように思える。立つ、しゃがむ、体を傾けるといった頭と体幹の動きはヘッドセットで、腕の動きはPS Moveで、その他の動きもPS Cameraで認識できるなら、まさに全身を使ったVRゲーミングが可能になる。

 メタバースを扱ったSFモノの映画や小説、アニメやラノベのような世界が、「Project Morpheus」の登場によりほとんど実現しそうな勢いである。これは本当に凄いシステムだ。1日も速く一家に1台取り揃えたい。

特に面白かった「The Castle」。両腕を直感的に動かせるので、2本の剣を使った複雑なアクションも思いのまま。中世騎士になりきれる
首根っこを掴んで、ズバッ!
ボウガンによる射的も、VRならではの立体的アイアンサイトで狙いを付ける
デモの最後に巨大ドラゴンが出現!この時点で相当に没入しているので、頭でなく体が怖がる感じになる

(佐藤カフジ)