NAOKI氏プロデュースのiOS用音楽ゲーム「CROSS×BEATS」

　“NAOKI”こと前田尚紀氏が手掛けるiOS用音楽ゲーム「CROSS×BEATS（クロスビーツ）」が、TGS2013のカプコンブースに出展された。前田氏と言えば、長らくＫＯＮＡＭＩの音楽ゲームの中心的役割を果たしてきた人物で、カプコンへの移籍が明かされた時には、音楽ゲームファンの中で大きな話題となった。

　その前田氏がカプコンで初めて手掛ける本格的な音楽ゲームが、アーケードでも家庭用でもなく、モバイル端末だったというのもまた、音楽ゲームファンにとっては驚きをもって迎えられた。ここでは本作のプレイレポートに加え、前田氏本人へのショートインタビューも合わせてお伝えする。

シンプルだけど手応えばっちり。タッチ・フリック・ホールドで遊ぶ音楽ゲーム

2本の線が交差し、その上の矢印が重なった瞬間にタッチ

　「CROSS×BEATS」のゲームシステムはとてもシンプル。まず楽曲を選択し、音楽に合わせて操作するという点は、これまでの音楽ゲームと同様だ。

　ゲームが始まると、スクリーン全体が暗くなり、そこに直角にクロスする光の線が走る。その線の上に矢印が走ってくるので、クロスした部分に矢印が当たる瞬間に、その位置をタップする。これでタイミングがよければ高得点となる。これが基本的な操作だ。

　線と矢印にはあと2種類ある。線がクロスした位置に、さらに小さな矢印が付いている場合は、タップではなく矢印の方向にタイミングよくフリックする。また4方向から線が走るものは、タップではなく光の線が消えるまでホールド（長押し）する。

　ゲームではこの3種類が組み合わさって出てくるので、冷静にタイミングよく、音楽に合わせてタップ・フリック・ホールドする。これで規定以上のスコアを獲得すればクリア。3種類の操作があるとはいえ、ゲーム自体はとてもシンプルなので、1度説明を聞けばプレイで迷うことはない（もちろん、タイミングよく押せるかは別）。

　映像的にはとてもシンプルで、プレイ画面にはラインが次々現われる他に派手な演出はない。ただ画面でラインが次々交差していくビジュアルは、ソリッドでなかなか印象的。3つの操作は直感的ですぐ覚えられるが、難易度が低いというわけではなく、音楽ゲーム好きの筆者にも序盤からそれなりの手ごたえがあった。

　配信は今秋の予定で、アプリ本体は無料で提供される。現在は事前登録を受け付けており、特典として前田氏の新曲「DYNAMITE SENSATION」をゲームでプレイできるシリアルコードがプレゼントされる。

線がクロスした部分に矢印が出ているものは、その方向にタイミングよくフリック

4方向からのラインがクロスするものは、消えるまでホールドする

黒を基調にした色合いと、次々表示されるラインの動きがスタイリッシュ

前田プロデューサーにインタビュー

　TGSの会場に前田氏がいらっしゃったので、本作について簡単ながらインタビューさせていただいた。

――まず何より音楽ゲームファンにとって、前田さんの姿をここで見ることが衝撃的ですよね。

前田氏： そのきっかけは、時代が激しく移り変わる中で、音楽ゲームでも革新を起こさなければいけないと思ったことでした。じゃあ革新を起こすにはどうすればいいのかと考えた時、モバイルOSが目に入りました。スマートフォンやタブレットはハードのスペックが進化するスピードもとても早いですよね。ですからモバイルOSこそが革新ではないかと思い、これで音楽ゲームを作ろうと思ったんです。

――あえてこれまで触れていなかったものを選んだわけですね。

前田氏： スマートフォンやタブレットって、これ1つでいろんなことができますよね。今回は音楽ゲームに、どこまでスマートフォンやタブレットでできることを絡めて、新しいメディアを作れるのかということを命題にしました。もう1つは無料で遊べることです。うまくやればずっと無料で遊び続けられるモデルを導入します。他の音楽ゲームアプリでは、無料でできるのは非ライセンス曲だけで、ライセンス曲は有料というのが一般的です。このゲームはライセンス曲も無料で遊べます。やり方は企業秘密なのですが（笑）。無料で遊んでいただくことで、ゲームの間口を広げたかったんです。

――楽曲はどのくらい入っているのでしょうか？

前田氏： スタート時に見えているのは3～5曲ですが、プレイすることで新しい曲がアンロックされていきます。実数は言えませんが、結構な数は用意しています。また楽曲は毎月増やしていきます。

――前田さんの曲も複数入っていますか？

前田氏： 当然収録しています。楽曲のラインナップは、オリジナル曲はもとより、J-POPや最近の流行のものなど色々入っていて、ジャンルは特に絞っていません。クラブ系の曲が中心にはあるのですが、ロック系も対応できるゲーム性にしているので大丈夫です。楽曲のラインナップは、見ていただければおそらく衝撃が走ると思います。

――では最後に、読者様へのメッセージをお願いします。

前田氏： このゲームは音楽ゲームのイノベーション（革新）という位置付けでリリースさせていただくタイトルです。音楽、ゲーム内容、その他機能も含め、イノベーションにふさわしい中身になっていると思います。この秋、基本無料で配信しますので、ぜひ1度プレイしていただいて、イノベーションを感じていただければと思います。

【スクリーンショット】