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【Gamescom 2013】Electronic Arts、EA Press Conferenceを開催
「The Sims 4」のデモを実施、「FIFA14」や「Battlefield 4」の新情報も続々!
(2013/8/21 02:36)
米Electronic Artsは現地時間の8月20日、ドイツケルンにて8月21日より開催されるGamescom 2013の開幕に先立ち、メディア向けのプレスカンファレンスを開催した。
今回発表された内容は、基本的には今年6月に行なわれたE3 2013のアップデートで、EA GamesタイトルにはFrostbite3、EA SportsタイトルにはIGNITE Engineをそれぞれ採用し、全体的なクオリティアップと、グラフィックス面の底上げを図るというE3での発表をトレーラーや実機デモによって実践してみせる格好となった。発表タイトルはE3よりも若干絞り込み10タイトル。そのうち5タイトルほどがGamescom会場でプレイアブル出展されるようだ。
注目のXbox OneやPS4といった次世代機向けも実機デモが続々披露されたが、発売時期は明らかにせず、2013年中、もしくは2014年春とし、現世代から次世代への乗り換えの過渡期となる今年はひとまずXbox 360やPS3向けのスーパーバージョンとして発売時期をずらして発売していく方針のようだ。
なお、Wii Uを筆頭とした任天堂ハード向けタイトルはE3に続いてゼロだった。その一方でマルチプラットフォーム展開にPCは必ず含めており、「FIFA Online 3」や「FIFA World」のようにアジア向け/新興国向けのPC向けタイトルは今後も積極供給していくなど、明確にXbox、PS3、PCへの3プラットフォームへの選択と集中が図られている。
今回トップバッターを切ったのは、「Battlefield 4」や「FIFA14」ではなく、意外にも「The Sims 4」だった。E3での発表は見送られ、今回が初出だった点と、ヨーロッパ市場のシミュレーション好きを意識した結果だろうか。
MaxisのRachel Franklin氏が登壇し、実機によるデモンストレーションを実施。前作「The Sims 3」と比較して感情や表現力が豊かになったシム人を披露し、ドラッグ操作で簡単に部屋を広げたり、2階を作ったりできるパワフルなハウスメイキングツールや、肩幅や顔の形、鼻の高さ、歩き方まで細かく調整できるキャラクターメイキングなどを見せてくれた。
シム人の怒ったり悲しんだりといったオーバーアクションや、庭にロケットがあり、打ち上げられるなど、ディズニー映画のワンシーンを見ているような、演出が見ていて楽しかった。「The Sims 4」は、Maxisの姉妹作「SimCity」同様、Gamescomで初の試遊台が披露され、発売時期は2014年を予定。「The Sims」シリーズは日本での人気も高いため、日本発売も確実視される。正式発表を待ちたいところだ。
続いてはEAの息の長いフランチャイズのひとつ「Command & Conquer」シリーズ最新作「Command & Conquer」。従来のシリーズと同様に、リアルタイムストラテジーとして描かれ、Frostbite 3エンジンによる美しい3Dグラフィックスが特徴となっている。
発表会では、いきなり2人のプレーヤーによる対戦が行なわれ、大部隊同士による迫力のバトルを見ることができた。基本設定は過去のシリーズを踏襲しつつ、新しいマップやゲームモード、ストーリーを搭載するということで、これに合わせて新たなキャンペーンミッションも用意するという。発売時期は2014年を予定。
3タイトル目は、E3で御披露目されたBioWareの新作RPG「Dragon Age: Inquisition」。こちらも新トレーラーが公開されたが、Frostbite3による美しいグラフィックスと、ポスト「Skyrim」を強烈に意識したオープンワールドの自由度の高いファンタジー世界として作品を再定義するなど従来の作品とかなり印象を変えてきている。発売は2014年秋を予定。
「Plants vs. Zombies」シリーズの世界的なヒットで勢いのあるEAの子会社Popcapは「Plants vs. Zombies: Garden Warfare」と「Peggle2」の2タイトルを発表。「Plants vs. Zombies: Garden Warfare」はプレイアブルな各ゾンビクラスの特徴を描いた新規トレーラーの公開に加え、Xboxフランチャイズのみの搭載となる新モード「ボスモード」に関する情報を公開。通常プレイが、「Battlefield」風のFPSだとすると、ボスモードは俯瞰視点から作戦を練っていくタイプのストラテジーゲームになっており、新しいゲーム性が提供される。
「Peggle2」は、PC向けの人気パズルゲーム「Peggle」の続編で、なんとXbox Oneのエクスクルーシブタイトルとしてリリースされるという。
EA Canadaが手がける「EA SPORTS UFC」は、UFCの実写映像をベースにしたトレーラーを見せながら、主催団体と共に数多くの地域や国をカバーすることを明言。EA SPORTSタイトルに使われるIGNITE Engineの実力はまだ未知数ながら、開発元のEA Canadaは「Fight Night」シリーズをはじめ、「SSX」、「NFL」、「NBA」など数多くのスポーツ系タイトルを手がけており、その集大成として期待できる。204年春発売予定。
日本でも発売が決まっている「Need For Speed Rivals」は、新しいCO-OPモードを搭載するという情報と、ポルシェカレラGT3を個性的なカラーにデザインするペイントモード、クエストライクな要素でクリアすると車がアンロックされる「SPEEDLIST」、そしてすでに発表されている情報だが、ポルシェのカウンターカーとしてフェラーリがシリーズとして7年ぶりに復活することが改めてアピールされた。海外での発売はXbox 360/PS3/PCが2013年11月21日。Xbox One/PS4が2013年。
E3のXbox Media Briefingで話題を集めた「Titanfall」は、実機デモを中心に紹介された。「Titanfall」はRespawn EntertainmentがValveのSource Engineを使って開発しているメカアクションFPSで、「Mech」シリーズを彷彿とさせる大柄なロボットによる、現代的なハイスピードかつ弩派手なバトルは温故知新的なときめきを感じた。PC、Xbox 360、Xbox One向けに2014年リリース予定。
そして真打ちとなる「FIFA14」は、サッカー好きのドイツでの開催らしく一際大きな拍手で迎えられた。発表内容としては実に多彩で、ブラジルとロシアの新興市場向けのPC専用の「FIFA」となる「FIFA World」、タッチ操作で気軽にFIFAが楽しめるモバイル版「FIFA 14」、ペレやローター・マテウスなど往年の名選手が登場する「FIFA14」の新モード「FIFA Ultimate Team Legends」がXboxフランチャイズのみに提供されることなどが明らかになった。「FIFA Ultimate Team Legends」の紹介では、ドイツ元代表のローター・マテウス自身がスペシャルゲストとして登場し、「素晴らしい試みだ」と絶賛した。
また「FIFA14」本体については33のリーグ、600のクラブ、16,000人の実名選手が登場し、複数の新しいスタジアムが追加され、デモ版は9月10日と11日、発売は北米で9月24日、欧州で9月27日と発表された。
最後に嬉しいサプライズとして、現在開発が進められているXbox One/PS4版の実機映像が公開された。ストリーミング映像ではグラフィックスの違いはほとんどわからないが、一目で違いが分かったのはスタンドだ。客席にいる観客が各々が自らの意思で動き回り、応援を送り、得点を挙げるとうねりを作る。まるでテレビ中継を見ているような人々の躍動が見事に表現されていた。
イベントのトリを飾ったのはEA最大のフランチャイズである「Battlefield 4」だ。“LEVOLUTION”と名付けられた、高層ビルのようなマッシブスケールのオブジェクトがリアルタイムで崩れ落ちるようなダイナミックな破壊処理を取り入れることが明らかにされ、その上でE3での発表通り、60フレームによる64人対戦を実現するという非常に高いハードルを設定。
10月にもβテストを実施する予定で、前作同様、多くのDLCをワンパッケージにした「BF4 PREMIUM」を提供していくことなどが明らかにされた。本家本元のFrostbite 3の最新バージョンを使ったグラフィックスは圧巻の一言で、破壊の規模、光や風による世界の変化、60フレームによる快適なバトルなど、名実共にミリタリーFPS界の頂点を目指す覚悟が十分に感じられ、発売が非常に楽しみだ。
8月21日より始まるGamescomのEAブースでは各種新作タイトルの試遊も行なわれるため、試遊レポートは追ってお伝えするつもりなのでお楽しみに。