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「バトルフィールド4」の真価はコマンダーモードにあり!!

担当プロデューサーに直撃インタビュー!試遊ブースの模様も紹介

9月19日~22日 開催(一般開催日:21日~22日)

会場:幕張メッセ 1ホール~9ホール

入場料:1,000円(中学生以上・前売)

1,200円(中学生以上・当日)
入場無料(小学生以下)

 9月19日、東京ゲームショウ2013の開幕に合わせ、10月31日発売予定のチーム戦FPS「バトルフィールド 4(BF4)」の製作プロデューサー、ダニエル・マトロス氏が来日した。

 マトロス氏は本作「BF4」の開発元、EA DICEで製作プロデューサーを務める人物。元は旧作「BF2」のプレーヤーだったという異色の経歴の持ち主で、本作においては見下ろし型視点でチーム全体を指揮する「コマンダーモード」の搭載に大きく貢献したキーパーソンだ。本稿では、本作の魅力はコマンダーモードにあり!と語るマトロス氏へのインタビューをお届けしよう。

 なお、TGS 2013のエレクトロニック・アーツブースでは、16対16人で対戦できる試遊ゾーンが設けられており、大勢の来場者で賑わっていた。使用マップはE3 2013で出展されたものと同じ上海マップ。巨大ビルの倒壊で変化するマップのダイナミックさや、ヘリ・戦車・ボートといった各種兵器の連携を楽しめるので是非訪れてみてほしい。

【エレクトロニック・アーツ 「BF4」試遊コーナー】
EAブース内にある「BF4」の試遊コーナーでは、16対16の32人対戦が体験できる。業者日の午前中でもかなりの注目度だったため、土日の一般日には長蛇の列となることが予想される。体験を希望する方は早めの来場をオススメしたい。

「BF4」へのコマンダーモード搭載はプレーヤーとしての経験から

EA DICE、プロデューサー ダニエル・マトロス氏
兵士と兵器が連動する戦場FPS「BF4」
コマンダーモードの画面

──まずはマトロスさんの、「BF」シリーズでの役割について教えてください。

ダニエル・マトロス氏:昔は国際大会にも出場するような大きなチームに所属していた熱心な「BF2」のプレーヤーでした。それからDICEに入り、コミュニティーマネージャーとして、コミュニティとの交流を担当していました。そして「BF4」では幸運にもプロデューサーのひとりとして関わることができ、いろいろなゲームモードや観戦システムの導入に携わりました。

──その中で、「BF2142」以来のコマンダーモードの復活にも深く関わったと聞きました。

マトロス氏:その通りです。アイデア出しの段階から、システムのプレイテストまで全体的に見てきました。

──「BF2」のプレーヤーだったダニエルさんだけに、やはりプレーヤーとして、再びシリーズにコマンダーモードをもたらしたい、という願いがあったのでしょうか?

マトロス氏:全くその通りで、私はコマンダーモードが大好きなんです。実は自分でやるのはわりと苦手なんですが(笑)。うまい人とちがって、隠れながらコマンダーをやっていたら、よく殺されてしまったり。それでもコマンダーモードの存在がとても好きだったので、「BF4」には絶対搭載したかったんです。

──なるほど(笑)。

マトロス氏:というわけで、コマンダーをしているプレーヤーが戦場で殺されてしまうことがないように、「BF4」ではプレーヤーとは完全に別扱いにして、物理的にコマンダーを戦場に存在しないようにしたんです。

──個人的な体験が本作の設計に繋がっているんですね。

マトロス氏:それでこんなアイディアも出たんですよ。64人で対戦しているところにコマンダーが2人もプレーヤースロットを埋めてしまったら、兵士が62人になってしまうわけです。そこで「BF4」のコマンダーは別枠で入れるようにして、全体では66人。さらに+4人の観戦者を入れるようにして、総計70人でサーバーに入れるようにしたんですよ。

──なるほど、その思い切った仕様はかなりのこだわりを感じます。

戦場全体を支配するコマンダー。タブレット対応の狙いも

搭乗型兵器はコマンダーによる投下で出現するものも多いらしい

──改めて「BF4」のコマンダーモードの魅力を教えてください。

マトロス氏:コマンダーとして戦場に入ると、見下ろし型の視点で戦場全体を見渡し、味方の動きを見ることができます。そこでいろいろな“アセット”を駆使して戦場をコントロールするというわけです。

 適切なアセットを使うことで情報を集めることができて、敵の兵士や乗り物をスキャンし、敵情を詳しく把握できます。例えば複数キルをしているプレーヤーや、陣地を占領中のプレーヤーは高価値ターゲットとして認識できる仕組みです。

──プレーヤーの脅威度までわかるとは。

マトロス氏:ええ。他にも、たとえばアセットのひとつであるUAVを飛ばしたり、味方が補給やクラスチェンジをできる物資を投下したり、乗り物を投下したりもできます。

 あるいはEMPを展開して、敵のコマンダーを妨害することもできます。ちなみに対戦型のアセットは各陣地に対応しいて、ある陣地を占領するとトマホークミサイルを使えるようになったり、戦車を投下できるようになったりもします。

──そうするとコマンダーの役割はとても重要ですねえ。

タブレット端末ではタッチ操作で戦場をコントロールできる

マトロス氏:間違いないです。しかしひとりに多すぎる責任が負わされないように気を配っています。「BF」シリーズでは伝統的に、誰もが重要な役割を果たせるようにしてきました。本作でもそれは踏襲されていて、敵を発見したり、撃破したり、補給や回復をしたり、乗り物を操ったり、ひとりひとりのプレーヤーが皆大切です。

 とはいえコマンダー役は影響が大きいので、ダメすぎる場合は投票でクビにできるようにもしています。だから、コマンダーをやるなら最初の2、3分で能力を証明する必要がありますよ。

──今回面白いと思ったのは、コマンダーはスマートフォンやタブレットからも操作できるという点です。この機能を実現しようと思った理由は?

マトロス氏:だって、カフェでお茶を飲みながらトマホークを発射するのはクールでしょ(笑)。それから、いまでは多くのゲーマーがスマートフォンやタブレットで「BF3」のバトルログを見たり、広く活用していることがわかっています。せっかく使えるデバイスがあるのだから、将来につながる技術上のチャレンジとしても是非やるべきだろうと思いました。

大幅進化の「BF4」。将来的な第二次大戦モノの復活可能性も聞いてみた

“Levolution”機能でマップ構造がダイナミックに変わる空母マップ
キャラカスタマイズ要素も大幅拡張されたという。腕章も自作できそう

──私もタブレットでぜひやってみたいですね。他に「BF4」のマルチプレイで、ダニエルさん的にイチオシの要素はありますか?

マトロス氏:やっぱり、ひとつは“Levolution”ですね。レベル(※ステージ、マップ)がプレーヤーのトリガー発動によってダイナミックに構造を変えていくという仕組みです。マップの進行ルートが変わったり、新しい乗りものが現れたり、新しい出撃地点もですね。さらには、新しい陣地に対空砲が現れ、空で暴れている敵を撃破できるようになったりします。

──それは完全にプレーヤーの意志で変えるかどうかをコントロールできるんですか?

マトロス氏:はい、プレーヤーの選択で引き起こせます。それ以外には、“Dynamic Weather”(動的な天候変化)も面白い要素ですよ。例えば、最初は晴れで、次第に非常に強い嵐が起こります。それによって発電機が破壊され、プレーヤーに対応が求められるようなことがあります。

 また、今回は海の波がきちんとネットワークで同期されるようになっていて、並の上下がプレイにも影響するんですよ。特に今作では海上で戦いも発生するので、天候による波の変化には注意してプレイする必要があります。

──こちらはプレーヤーがコントロールできないタイプの“Levolution”ですかね。面白そうですね。

マトロス氏:また今回はSQUAD(小隊)の人数が4人から5人に増やされたこともプレイ的には大きな影響があるはずです。小隊は互いにチャット、ボイスチャットで連携できますし、迷惑な人がいたらミュートもできます。

 それから、これは「BF3」に対するフィードバックに基づいた変更なのですが、キャラクターのカスタマイズの幅も大幅に広がっています。カモフラージュだけでも30種類以上、銃のグリップも12種類から選べますし、さらに自分のエンブレムを作って銃や乗り物に貼り付けることもできるようになりました。

──まさに大幅進化ですね。自分も「BF」シリーズのプレーヤーなので楽しみなのですが、ただ、最近第二次世界大戦モノが不足しているのが気になっていて。シリーズの将来的にその方向はどうですか?

マトロス氏:ええ、「BF1942」ですね、私も大好物ですよ!二次大戦モノが作れたらいいですねえ。ただ今の段階では、将来どうなるか見てみるしかなさそうです。

 もし作るのであれば、UAVやトマホークが使える現代戦と違って、ライフルと砲弾のシンプルな世界ですから、現代的なFPSに勝る深みと格好良さを実現するためには、それこそ天才的なゲームデザインや、根本的なブレークスルーが必要になるはずです。大変難しい課題になるでしょうね。いや個人的にはほんとに大好きなんですけど!!

── なるほど、ユーザーの期待するゲームが複雑化した結果、作り手側のハードルがとても上がってるんですね。最後に、日本の「BF」ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

マトロス氏:「BF4」はベテランプレーヤーと新参プレーヤーの双方にとって、かつてないほどパーフェクトなミックスに仕上がったと思います。ぜひ実際にプレイして楽しんでください。そして感想やご意見をエレクトロニック・アーツに届けてくださると、とても嬉しいです。

──ありがとうございました!

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(佐藤カフジ)