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【Gamescom 2013】EA、「The Sims 4」ファーストインプレッション
感情が次の行動につながっていく新エモーションシステム
(2013/8/23 00:00)
積み木のような家作り。これまでにないデザインも作成可能
「The Sims」シリーズのもう1つの楽しみは、自由な家作りだ。「The Sims 4」ではこちらも直感的な新UIが採用されている。これまでのシリーズでは、2Dの時代からずっと、地面のガイドラインに沿って壁を張り巡らせるという作り方だった。これが「The Sims 4」では、3Dでポリゴンをいじるときのように、元になるオブジェクトを変形させていくという方式に一新された。いくつかある基本のオブジェクトの中から1つをフィールドにドラッグすると、立体の小さな部屋がその場に出現する。後は移動したい面をドラッグして自由なサイズに変えていくだけだ。2つのオブジェクトを隣接させると、自動的に壁を挟んだ部屋になる。もちろん従来通りに壁を囲って作る方式も健在だ。
壁を上下させることで天井の高さを変えたり、床全体を底上げして、玄関を少し高い位置に置いた後、壁の下をレンガ積みにしたり、石垣にしたりといったことも可能になった。さらに面白いのが屋根で、こちらもプリセットからオブジェクトを選んでドラッグでサイズを変えていくのだが、切妻屋根だけではなく、ドーム上にカーブした屋根や、逆に反り返った屋根、地面まで続くログハウスのような屋根などドラッグだけで多くのバリエーションが作れるようになった。
壁紙は面ごとにワンクリックで貼れるようになり、窓も1つ選べば外に面している別の壁にも同じ窓が自動的につくなど、これまで建築のなかで繰り返しが煩雑だった部分が簡素化され、複雑な形状の家でも以前よりは遥かに簡単に、自分だけのストーリーを持った家を作ることができるようになっている。
インテリアの選択画面も大きく変わった。これまでは、家具を1つずつ選んでいたが、「The Sims 4」ではプロのインテリアコーディネーターがデザインした、テーマカラーごとのトータルインテリアを、まるで雑誌のカタログのような画面から選べるようになっている。コーディネートはリビング、キッチン、バスルーム、ベッドルームとシーンごとに用意されている。例えばリビングのテーマカラーを赤で統一したい場合、雑誌に載っているプリセットの家具をまとめて購入することで、一瞬にして自分では作れそうにもないおしゃれ空間を手にすることができる。カタログの中に気に入った家具があれば、クリックでその家具を1つずつ購入することもできる。
近年、海外のホームセンター系のカタログは、生活空間を丸ごと提案しつつその中にあるアイテムを販売するという形のものが多いので、そのリアルな家具選びのプロセスをそのままゲーム内に持ってきた形だ。建築は今回プレゼンテーションのみで、試すことはできなかったが、かなり楽しそうだった。
感情が次の行動につながっていく新エモーションシステム
「The Sims 3」では、シムのパーソナリティ部分が大きく進化していたが、「The Sims 4」ではシムのエモーショナルな部分に力が入れられている。これまでシムの行動は、腹が減ったとか眠いといった欲望に左右されていたが、その行動原理に感情という要素が加わった。
シムたちは普段は自立した行動をとっているが、必要に応じてプレーヤーが行動を選択することでよりアクティブに動くことができる。選択肢の中には、いたずらをしたり恋を告白したりといったものがあり、その行動によって相手のシムを驚かせたり、怒らせたり、笑わせたりする。
これまでのシリーズでは、その瞬間瞬間の反応はリアルだが、その場限りでリセットされていた。そのため、激怒していたのに次の瞬間には笑っていたりと、シムはみんな感情の落差が激しいお天気屋だった。だが「The Sims 4」では、抱いた感情がその後も継続され、行動に影響を与えるようになっている。
Gamescomに合わせて公開されたデモプレイトレーラーからは、ソフィア、オイリー、アンドレという3人の男女のシムが関係性で感情を変化させる様子を見ることができる。最初、オイリーはソフィアと2人きりの時間を過ごし、非常に満足している。UIに表示されるキャラクターの上半身も満足げに胸を張っている。
アンドレはぼーっとテレビを見ている。プレーヤーがアンドレに、オイリーを泣かせるよう指示を出すと、アンドレは得意のバイオリンで悲しい曲を奏でる。オイリーは泣き出してしまい、UIの顔もがっくりと肩を落とした姿になる。歩き方も、背中を丸めてとぼとぼと悲しそうなものになり、2人のそばを離れる。ソフィアのそばに残ったアンドレは、自身満々な姿に変化する。
とぼとぼと自室に戻ったオイリーは、部屋にあったブゥードゥー人形でアンドレに呪いをかける。アンドレは怒りだして、ストレスを発散するためにトレーニングルームでパンチングマシーンを殴り始める。このエモーションの進化によって、これまでのお天気屋的なシュールさが緩和され、より自然に感じられる反応へ近づいた。
シム同士の関係性も改善され、例えば3人のシムがテーブルを囲んでいる場合、3人が自然に会話を交換するようになり、よりリアリティのある風景に近づいている。プレイデモの終わりには、オイリーがソフィアを口説き落として、ロケットに乗って宇宙旅行に出かける。発射したロケットに乗っていった2人がその後どうなったのかを見ることはできなかったが、今度のシムでは宇宙も舞台になるのかもしれない。
PCのゲームながら日本でも根強いファンを持つ「The Sims」。北米と欧州では2014年にWindowsとMacで発売される。日本発売はまだ未定だが、詳細は決まり次第EAの公式サイトで発表になるそうなので、ワクワクしつつ待とう。