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【E3 2013】ポケモン石原氏とゲームフリーク増田氏が「X・Y」を解説

全世界のプレーヤーと繋がる「PSS」など新要素を続々と発表

6月11日〜13日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 E3では恒例となっている任天堂の開発者によるトークイベント。例年は“宮本茂氏を囲む会”といった様相なのだが、今年はいつもと趣向が変わった。

 今回は「Developer Roundtable」と題し、発売日が10月12日と発表されたニンテンドー3DS用ソフト「ポケットモンスターX・Y」について、ポケモン代表取締役社長の石原恒和氏と、開発元であるゲームフリーク取締役 開発本部長の増田順一氏が語った。ゲームの新機能についてもいくつか明かされている。

 なお本イベントは写真撮影が禁止されていたため、テキストのみで内容をお伝えする。

通信ケーブルから始まったシリーズの歴史

 最初に登場した石原氏は、最新作の「X・Y」について、「ダイヤモンド・パール」でインターネットを使って世界中のプレーヤーとポケモンを交換できるようになった。今回は世界同時発売によって、世界中のプレーヤーが同時に冒険できる。私もとてもワクワクしている」と語った。

 続いて「ポケットモンスター」シリーズの歴史を振り返った石原氏。「コミュニケーション促進のため、ハードウェアの新しい機能を使ってきた」として、ゲームボーイの通信ケーブルを紹介。実はゲームボーイの通信仕様はポケモン交換には向かなかったそうだが、ゲームフリークのスタッフの努力で実現。「これが全ての始まりと言える。それ以来、ポケモンは通信をとても重要なものと位置づけてきた」と述べ、ゲームボーイアドバンスのワイヤレスアダプター、ニンテンドーDSのWi-Fi機能を紹介した。

 また石原氏はシリーズの開発で重視していることとして、「新しいハードウェアに移行する時、前の世代のハードウェアとどう接続するか。前の世代のポケモンで捕まえたポケモンを、次の世代のポケモンにどう引き継ぐのか」という点を挙げた。「ダイヤモンド・パール」ではDSにあったGBAスロットを活用。「ブラック2・ホワイト2」では、DSだけでなく3DSで楽しむ人のために、「ポケモンARサーチャー」と「ポケモン全国図鑑Pro」を提供した新しい遊びを盛り込んだ。

 そして最新作の「X・Y」では、「ハードウェアの機能をフル活用し、ポケモンの核となる部分を追求する。これまでのポケモンの集大成とも言える」と新たな仕掛けに自信を覗かせた。

「X・Y」の全世界共通友達プラットフォーム「PSS」

 「X・Y」についての具体的な内容は、増田氏が説明した。本作において真っ先に挙げられたのがローカライズ作業についてで、「日本語で80万文字、英語で140万文字あるものを、同時に複数言語で行なうのは大変だった」と語った。ゲームでは、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語の7カ国語が収録され、自由に切り替えられる。これによりシリーズ初の世界同時発売を実現している。

 さらに本作ではコミュニケーションの面において、プレーヤー同士がいつでも繋がっているような環境が考案された。「PlayerSearchSystem(PSS)」という新たな通信機能で、他のプレーヤーがアイコン化されリストアップされるというもの。

 PSSでは、ローカルのワイヤレス通信と、インターネットの2つに対応する。ローカルとインターネットはボタン1つで切り替えが可能。増田氏は「ベッドでプレイしていてもインターネットで世界中のプレーヤーと繋がっている」と説明した。リストから対戦や交換も手軽に行なえるほか、1度交換すると、リスト上の「通りすがり」から「知り合い」に、2度行なうと「友達」に昇格するという仕組みもある。

 インターネット接続では特定の地域内で収めず、全世界のプレーヤーが対象になるという。世界同時発売との相乗効果で、コミュニケーションは大いに盛り上がりそうだ。なお3DSの本体機能でフレンドとなっている人は、PSSで自動的に友達に登録される。

公式イラストが動く! 3D化されたポケモンの見せ所

 次は3Dモデルについての話題。本作では3DSの高い描画能力をもとに、全てのポケモンが3D化されている。しかしただ3Dモデルにするだけでなく、「公式イラストが動いているようなものを目指した」という。

 そのために、前作の649種類を越えるという全てのポケモンに詳細なデザインを作成。口をあけた時、笑った時の目、真横から見た足、尻尾の断面図などを描き起こし、それをもとに3Dモデルを作っていく。さらにシェーディングをかけ、テクスチャを作ってイラストのテイストに近づけていく。さらにモーションも作るが、実際に存在しないポケモンの動きを想像して作るクリエイティブな作業だったと語った。

 この努力が実らせたものの1つとして「ポケパルレ」がある。ゲームに登場するポケモンをなでたりお菓子をあげたりしてコミュニケーションを取り、深い絆を育てられる仕組み。これでポケモンとプレーヤーの関係性が深くなると、バトルで技をよけたり、急所に技を当てたりしてくれるという。

圧倒的不利? 1対5の「群れバトル」を追加

 バトルにおいては、新たに「群れバトル」が追加された。時々、5匹のポケモンの群れに出会うというもので。5匹全て同じの場合もあれば、違うものが混じっていることもある。「もっとスリルのある野生ポケモンとのバトルを楽しむために考えた」という。

 これは本シリーズが抱えるジレンマを表している。バトルを難しくするために強いポケモンを出すと、それを捕まえることで先に進めやすくなり、全体のバランスを壊してしまう。それでもバトルにスリルを加えるための仕掛けとしての「群れバトル」というわけだ。1対5でターン制バトルとなるのでかなり不利だが、全体にダメージを与える技を使えば簡単に倒せるという攻略法もある。

 もう1つの新たなバトル要素として、「スカイバトル」がある。一部のトレーナーが仕掛けてくるもので、参加できるのは飛行タイプのポケモンか、浮遊能力を持つものに限られる。

 ポケモンが3D化されたことで、空を飛ぶポケモンを下から見上げるような迫力ある構図も実現。また時間や天候で空の状況も変わるようになり、臨場感も増している。

 バトルについては、これ以外にも様々な新要素を盛り込んでいるそうだが、今日はここまでということでトークが締められた。

Q&Aでも鋭い質問が続々

 最後に来場者からの質問に答える時間が取られたので、その内容をいくつかお伝えする。各国のゲームメディアが参加するイベントだけあって、ゲーム内容についてのマニアックな質問が飛び交った。

Q : セーブデータは複数持てる?
石原氏 : 1つ。ポケモンはいつも1つです。

Q : 過去の作品からポケモンを移動できる?
増田氏 : 大事なことなので、考えてはいる。ただDSと3DSは直接通信できないので、これからしっかり考えたい。

Q : DLCはあるのか?
石原氏 : ポケモンダンジョンのようなもの? それは今日聞かれると1番やっかいな質問。色々考えてはいるが、今はお答えできない。

Q : フェアリータイプはなぜ新たに発見されたのか?
増田氏 : 新しいタイプのポケモンが増えるのは14年ぶり。ドラゴンタイプが強すぎたので、それを何とかしたかったが、ドラゴンが弱くなるのは期待されていないので、それに対抗できるものを作った。よりいっそう、全体のバランスが取れていると思う。

Q : フランスをモチーフにした理由は?
増田氏 : なぜそれを知っているの?(笑)。今回は美しさを表現するということが1つのテーマだったので、美しさにこだわっている国の1つであるフランスの美しさを表現した。

Q : 「赤・緑」をバーチャルコンソールに出す予定は?
石原氏 : ポケモンはハンドヘルドで1番価値が出る。それを据え置きに持っていくことはいつも慎重に考えている。

Q : ポケモンには個体値や努力値などがあり、対戦で使いたいポケモンを使うのが難しい。ポケモンを育てやすくする方法は?
増田氏 : それらは隠れたステータスだが、今回はもう少し育てやすく、わかりやすく、バトルに参加しやすくできるようにしている。

Q : オープニングムービー(会場限定で上映された)で女の子のキャラクターが着替えるシーンがあった。コスチュームを変える要素はどのくらいある?
増田氏 : いくつかの髪型や、雰囲気を変えられる。PSSで自分のキャラクターがアイコン表示されるので、そういう部分でいくつか用意している。

Q : 移動は今まで4方向しかできなかったが、今回は8方向に動けるように見える。そもそもなぜグリッドに沿って動かねばならないのか?
増田氏 : 確かに8方向になった。グリッドで移動するのは、どこに行くとポケモンに出会えるのかがわかりやすい。ただ今回はローラースケートで、スライドパッドを使ってフリーに動くこともできる。

Q : 音楽を作る際に何を優先する? 今回は全く違うスタイルにした?
増田氏 : 今回はストリーミングを使い、自分達がPC上で作った音色がそのまま入っている。音楽は今までとは全く違うと思う。サウンドチームで話し合って、街はこういう雰囲気で、バトルはオーケストラっぽく……といったことを全体を見ながら決めている。

Q : ライバルの位置づけは?
増田氏 : ライバルっぽい雰囲気で出てくるキャラクターもいるが、今回はどちらかというとワイワイとみんなで遊ぶ雰囲気に出そうとしている。

(石田賀津男)