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インテル、第4世代Core iプロセッサー発売記念イベントを開催

進化した内蔵グラフィックスは2倍速い? 未発表の「Iris」搭載機も登場!

6月2日 開催

会場:ベルサール秋葉原

入場料:無料

秋葉原に巨大な「Core i7」のロゴが登場。ロゴは今回から縦長になった

 インテルは6月2日、同社の新型CPUの発売に合わせたイベント「Intel Technology Day in AKIBA 2013」を、ベルサール秋葉原にて開催した。入場は無料。

 このイベントでは、本日発売の第4世代Core iプロセッサーを搭載したPCや、対応するマザーボードなどが展示された。ショップブランドを中心としたPCは実際に動作しているものが用意され、最新CPUのパフォーマンスも確認できた。

2世代前のGPUとパフォーマンスを比較

新旧2台のPCでベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ワールド編」を実行

 ゲームに関する話題としては、ゲーム系のベンチマークプログラムを使ったパフォーマンス比較がいくつか見られた。インテルのデモコーナーでは、新型のCore i7-4770Kと、2世代前のCore i7-2700Kをそれぞれ搭載したPCを用意し、「ファイナルファンタジーXIV 新生エオルゼア ワールド編」のベンチマークをCPU内蔵グラフィックスで実行していた。

 設定は1,920×1,080ドットの標準品質。Core i7-2700Kが1,435(設定変更が必要)とされたのに対し、Core i7-4770Kは2,728(やや快適)とされ、約2倍のスコアが表示された。ベンチマーク中の映像を見てもフレームレートの違いは歴然で、大幅にパフォーマンスがアップしていることが見て取れる。

旧型のCore i7-2700Kでは1,435(設定変更が必要)
新型のCore i7-4770Kでは2,728(やや快適)

【「ファイナルファンタジーXIV 新生エオルゼア ワールド編」実行中の様子】
左がCore i7-4770K、右がCore i7-2700K。フレームレートの違いがはっきりわかる

 またステージイベントでは、同じくCore i7-4770KとCore i7-2700Kの内蔵グラフィックスを使って、3DMark(Cloud Gate)を比較。こちらはフレームレートが大きく異なるだけでなく、表示されるエフェクトがCore i7-4770Kのほうがリッチになっているという違いも見られた。スコアはCore i7-4770Kが7,713、Core i7-2700Kが3,573で、こちらも約2倍の差となっている。

3DMark(Cloud Gate)のデモ。左側のCore i7-4770Kに見える炎のようなエフェクトが、右側のCore i7-2700Kでは見られない
フレームレートは目で見てわかるほどの違いがあり、スコアもかなりの差がついている

 ただ「シムシティ」や「バイオハザード6」は、第4世代Core iプロセッサの内蔵GPUではかなりつらいという話も。「バイオハザード6」のベンチマークでは、画質設定中、FXAAあり、1,280×720ドットでランクCだったという。グラフィックス処理が重めのゲームを遊ぶには、まだ外付けのGPUが欲しいという印象だ。

 ただ、軽めのゲームであれば十分なパフォーマンスが期待できる。会場でよく見られたのは「モンスターハンター フロンティア オンライン ベンチマーク【大討伐】」で、6,000点台のスコアが出ていた。これは「モンスターハンター フロンティアG」をプレイするには十分な数値だ。

3D処理が重いゲームでは、パワーアップした内蔵グラフィックスでもまだ力不足
少し前のゲームや処理が軽めのゲームであれば、内蔵グラフィックスでも十分な水準になった

 またステージイベントでは、早くもCore i7-4770KをオーバークロックしたPCも登場。簡易水冷を使って、定格の3.5GHzを1GHz以上上回る4.62GHzで動作させ、定格のPCと比較してCINEBENCHで圧勝するところを披露した。この状態でCPUの温度は80度程度になるそうだ。

ステージイベントで使われていたインテルロゴ入りPC。ケースはクーラーマスター製
簡易水冷を使ったインテルロゴ入りオーバークロックPCも登場
定格3.5GHzのCore i7-4770Kを、125×37=4.62GHzで動作
定格のCore i7-4770KをCINEBENCHでぶっちぎるオーバークロックPC(左)

非公開の新CPUを搭載したノートPCが登場

参考出展されたマウスコンピューター製PC。見た目は普通のスリムなノートPCだが……

 もう1つ注目しておきたいのが、参考出品とされていたマウスコンピューター製のノートPC。4Kディスプレイ(3,840×2,160ドット)に外部接続されていたことでも目立っていたが、ここで見るべきはCPU。説明には「第4世代インテル Core プロセッサー」とだけ書かれていたが、PCでプロパティを確認すると、Core i7-4750HQ(2GHz)となっていた。Core i7-4750HQはまだ正式に発表されておらず、このPCについても価格や発売時期は一切未定としている。

 実際にPCに触って確認すると、デバイスドライバーなどでIntel HD Graphics 5200という型番を確認できた。これは第4世代Core iプロセッサでは最上位の内蔵グラフィックス機能となる、Iris Pro Graphics 5200のことだと思われる。Iris Pro Graphics 5200はGT3eとも呼ばれるもので、高速なeDRAMを搭載することで、グラフィックスのパフォーマンスを向上させている。

PCのプロパティなどを確認すると、CPUはCore i7-4750HQ、内蔵グラフィックスはIntel HD Graphics 5200となっている
GPU-Zの詳細情報。正しく拾えていなさそうな情報も見えるので参考程度に

Windows エクスペリエンス インデックスのスコア。きちんとやればもう少し上がりそうな印象

 ベンチマークプログラムは試せなかったが、Windows エクスペリエンス インデックスを確認したところ、グラフィックスが5.4、ゲーム用グラフィックスが6.4となっていた。ドライバー周りの未整備なども考えられるため、このスコアだけでは性能は判断できない。ただCore i7-4770Kに搭載されるIntel HD Graphics 4600を上回る性能であることは間違いないため、外部GPUを搭載しない軽量なノートPCでも、それなりの3Dグラフィックス性能を持った製品の登場が期待できる。

 インテルではこのほか、第4世代Core i7プロセッサーを搭載したPCで、フルHDの3画面出力で「F1 2012」のデモも実施。外付けGPUを搭載しないPCで、3画面を使った3Dゲームが動作するのが確認できた。ただしさすがに3D描画はかなり重く、ゲームを快適に遊べるというにはやや辛いところ。先の4Kディスプレイを含め、内蔵GPUでより高解像度のモニター出力が使えるようになった、というのも第4世代Core iプロセッサーの特徴の1つだ。

4Kディスプレイにドットバイドットで接続。高解像度な動画も滑らかに再生していた
フルHDモニター3枚での「F1 2012」。ゲームはかなり重かったが、外部GPUなしで3画面表示を実現していた

ショップブランドPCやマザーボードも大量出展

 このほか会場では、ショップブランドを中心としたPCや、各社のマザーボードの展示も行なわれた。PCはオーバークロックしたゲーミングPCもあれば、薄型デスクトップPCやノートPC、さらにはCPUとGPUの両方を水冷するPCや、Core i7-4770Sを使った完全ファンレスPCなど、多彩な製品が並べられていた。

各社のショップブランドPCやマザーボードが一堂に会した
フェイスのCore i7-4770K搭載PC。GeForce GTX Titanを2枚挿しのハイエンド
マウスコンピューターのCore i7-4700MQ搭載ノートPC。GPUは新型のGeForce GTX 780M
ツクモのCore i7-4770搭載PC。GeForce GTX 660採用のミドルクラス
ソフマップのCore i7-4770搭載PC。AMDの新GPUであるRadeon HD 8770を搭載
ArkのCore i7-4770K搭載PC。こちらも新しいGeForce GTX 780を搭載。右開放のユニークなケース
ドスパラのCore i7-4770K搭載PC。GeForce GTX 780を搭載
SycomのCore i7-4770K搭載PC。GeForce GTX Titanを独立水冷にしたマイクロATX製品
オリオスペックのCore i7-4770S搭載PC。電源・CPUをファンレスにし、ストレージもSSDのみで完全無音
エプソンダイレクトのCore i7-4770K搭載PC。Radeon HD 7770搭載ながら、電源は1,000W品を採用
オーバークロックワークスのCore i7-4770K搭載PC。CPUは4.4GHzにオーバークロック。GeForce GTX Titan搭載の超ハイエンド
各社のマザーボードが一挙に展示。レイアウト確認や製品比較をする来場者が集まっていた

(石田賀津男)