Bethesda Softworks、ステルスアクション「Dishonored」ファーストインプレッション
伝説のFPS「DOOM III」のBFGリメイク「DOOM III BFG Edition」も登場!
Bethesda Softworksレポート2本目は、日本でも10月11日に発売が決まったFPS「Dishonored」のプレビューをお届けしたい。フランス産らしい、ヨーロピアンテイストのステルスアクションと、Viktor Antonov氏による廃頽感たっぷりのレトロフューチャーの世界観、そしてこのゲームの方向性を決定づける壮絶な復讐劇を描くダークなシナリオ。円熟した市場でなければなかなか受け入れられないマニアックなゲームだ。今回は「Dishonored」のファーストインプレッションに加え、兄弟会社id Softwareの名作「DOOM III」のリメイク作品「DOOM III BFG Edition」も取り上げたい。
■ 10月11日に発売を控え完成度を上げてきた「Dishonored」。レトロフィーチャーアクションの決定版に
「Dishonored」試遊コーナー |
敵に見つかると、一瞬でこのような状態に |
1対多の状況ではWindblastが有効だった |
取材に協力いただいたゼニマックス・アジア ゼネラルマネージャーの高橋徹氏 |
今回、Bethesda Softworksブースでは、「Dishonored」のプレゼンテーションと、試遊が行なわれた。プレゼンテーションの模様は、4月に北米で実施されたプレスプレビューと同一だったので詳細はそちらを参照いただくとして、ようやく今回初めてプレイアブルに触れることができたのが収穫だった。
今回の試遊では、「KALDWIN'S BRIDGE」と名付けられたミッションをプレイすることができた。ミッションの内容は、これまでデモやトレーラーで見てきたようなターゲットの殺害ではなく、要人の誘拐となる。ターゲットとなるのはAnton Sokonov。自然哲学アカデミーの長官であり、王室お抱えの医師でもある。Sokonovは、Kaldwin's Bridgeの最上階に住んでおり、主人公は要人を護衛する兵士に見つからないように、彼の住む屋上へ赴く。
ゲームは、リボルバースタイルの武器/スキル選択画面やチュートリアル、各ダイアログ表示などが実装され、4月に見たときよりもかなり完成度が上がった印象を受けた。ただ1度プレイ中にクラッシュすることもあり、安定性はもう一歩というところだった。
さて、最初は建物の外から始まり、かがみ込む姿勢のステルス状態でにじり寄るようにして扉に向かっていく。特定のポイントにさしかかることでチュートリアル情報が表示されるようになっており、ゲームの基本テクニックは遊びながら身につけられるようになっている。イラストとテキストのシンプルなものだが、劇画風のイラストが良い味を出しており、レトロフューチャーファンにはたまらないものがある。
当初、生半可な知識から、オーソドックスに正面の扉から入らず、外から直接屋上を目指そうと考え、瞬間移動の「Blink」を使って建物から建物に飛び移っていく作戦を実行したが、Blinkで瞬間移動できる範囲は意外と狭く、Blinkを使っては距離が足りず、地上に落ちて、衛兵に見つかって笛を鳴らされ、衛兵の集団に撲殺されるということを繰り返した。
デモやトレーラーを見る限り、主人公は、超常能力やスキルといった各種パワーのみならず、多彩な武器やガジェットを駆使し、まさに向かうところ敵なしの印象だが、実際にプレイしてみた感じでは、デモでは見栄えを良くするために、かなり贅沢なスタイルでプレイしており、実際には消費マナの関係から、各種能力を連続的、恒常的に使用することはできないようになっている。このため、衛兵に取り囲まれてもスキルで簡単に突破できると考えていると確実に痛い目に遭う。
また、移動については基本的にステルス推奨で、思ったよりもじりじりとしたスローな展開となる。もちろん立って移動しても構わないし、ダッシュでもいいが、簡単に敵や女中などに発見され、多くの敵に囲まれてしまうことになる。ステルスとのぞき見を繰り返しながら、少しずつ前に進んでいくプレイスタイルが基本となる。
施設には、ミッションを解くカギとなる配電装置やベンダーマシンといった可動オブジェクト以外に、食べ物やコレクタブルアイテム、Rune、Whale Oil Tankなどが落ちている。食べ物は体力回復、コレクタブルアイテムはその価値に応じてお金が入手できる。Runeは各種能力を獲得したり、能力をアップグレードしたりできる非常に重要なアイテムとなる。Whale Oil Tankは、このゲームにおける石炭や石油のような重要資源という扱いになっており、施設からWhale Oil Tankを取り外して機能しなくさせたり、鯨油を補充したタンクを施設に装着して機能させたりといったギミックがある。こういった細かい設定ひとつひとつが、ビリーバブルな世界を生み出すことに成功しているという印象だ。
何度かやり直しながら、ようやく移動ルートを編み出し、彼のいる屋上へたどり着くことができた。役に立ったアクションは、高いところにも登れる瞬間移動のBlinkと、敵を吹き飛ばし包囲状態をクリアにするWindblast、そしてマナ節約のために敵を静かに倒すクロスボウなど。武器や超常能力、スキルは、リボルバースタイルのメニューを呼び出して使用するが、武器やスキルのチョイス、UIなどは、2K Gamesの「Bioshock」シリーズの影響が強く感じられた。と思ったら、スタッフの中には「Bioshock」シリーズの開発に携わった人材もいるようだ。
残念ながらデモは時間切れで、その先はプレイできなかったが、冒頭でも触れたように、非常にマニアックで、カルトで、ダークなゲームだが、世界観は非常に魅力的で、ゲームに強力なストーリーテリングを求める層には歓迎されるゲームだと感じた。ゲーム以外の着想としては結構ゆさゆさ肩を揺らすタイプの動き方をするため、結構3D酔いをしてしまったので、3D酔いに弱い人は若干注意した方がいいかもしれない。
試遊の後、ゼニマックス・アジア ゼネラルマネージャーの高橋徹氏にも話を聞くことができたが、10月11日に発売される日本語版のローカライズについては「Zは確定なので、いつも通り、Zで表現可能なところの限界を目指します」とのことだった。日本のゲームファンに向けては、「かなりおもしろいゲームに仕上がってきたのでぜひ期待して下さい」とコメントしてくれた。また日本語版の発売が近づいたら、日本語版で、ローカライズの出来映えやゲームの最終評価をレポートしたい。
【「Dishonored」トレーラー】 |
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【「Dishonored」スクリーンショット】 | |
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(2012年 6月 9日)