カプコン、PS3/Xbox 360「ドラゴンズドグマ」
プレス向けプレゼンテーションを開催 ~RPGとしての魅力をアピール!~
株式会社カプコンは、5月24日に発売を予定しているプレイステーション 3/Xbox 360用オープンワールドアクション「ドラゴンズドグマ」のプレス向けプレゼンテーションを、カプコン東京支社にて開催した。会場には、プロデューサーの小林裕幸氏とプランナーの鈴木良太氏が出席。RPG、アクション、コミュニケーション、世界観などの各要素について説明を行なった。
開始に先立ち上映されたのは、公式サイトで公開中のプロモーションムービー。アーティスト「B'z」が主題歌「Into Free -Dangan-」を担当することについて、小林氏は「みなさんご存知のとおり、ビッグアーティスト。全編英語の歌詞。ワールドワイド、製品のタイトル画面でループして流れます。より多くの方に興味を持ってもらおうと思って起用しました」という。
小林裕幸氏 | 鈴木良太氏 |
続いて紹介されたのは、RPG要素のひとつ“JOB(ジョブ)”。以前の記事でもご紹介したとおり、本作には全部で9つのジョブが登場。ゲームスタート時は、「ストライダー」、「ファイター」、「メイジ」から好きなものを選択することになる。会場では、ストライダーが街中の「宿屋」で転職する過程が実演された。ジョブを替えたいときは、宿屋の店主に話しかける。ゲーム画面に「ジョブポイント」と表示されているように、ジョブチェンジはポイントを消費して行なわれる。ここでは、ジョブをファイターにチェンジ。直後、メインキャラクターのストライダー装備がはがれて裸一貫の状態になってしまう。
ジョブチェンジは街中の宿屋で行なわれる。プレゼンではストライダーからファイターにチェンジ……したはいいが、専用装備が瞬時に剥がれてしまい恥ずかしい姿に! |
ここで小林氏は「では、ファイターの装備を買うために“武器屋”にいきましょう」とデモプレイを担当する鈴木氏に指示。本作は職業ごとに専用武器や防具があり、ゲームが進むにつれてバリエーションがどんどん増えていくという。身体と脚に関してはインナー、アウターと重ね着が可能で、さまざまなコーディネイトも楽しめる。当然、装備はキャラクターの外観にきちんと反映される。なお、武器や防具には“重さ”の概念があり、過積載状態になるとキャラクターのスタミナの減りが早くなったり、行動が重くなるといったデメリットがあるという。武器や防具は、お金と素材を消費して強化できる。強化は武器屋で行なうことができ、それぞれ☆印で3段階までアップできる。素材はフィールド上やモンスターを倒すことで入手できるという。
武器屋では装備だけでなく、強化も行なえる。装備ごとに☆印で3段階までアップさせられるが、そのためには素材とお金が必要となる |
スキルの装備は、宿屋で行なう。購入したスキルは、□/△/○(PS3)またはX/Y/B(Xbox 360)に自由に割り当てられる。剣を使った突きや斬り、盾で殴るなど、さまざまなバリエーションが存在。職業によって使える武器、スキルが異なるため、単純に武器とスキルだけを見ても、やりこみ要素は相当奥深いものになりそうだ。余談ながら、ここでファイターらしい力技のアクション“つかむ”、“投げる”を使った応用例が示された。味方のポーンをつかんだ鈴木氏、そのまま空中に味方を放り投げてしまう。味方ポーンはそのまま地面に着地したが、空中にモンスターがいるときは、味方ポーンがモンスターをキャッチする連携アクションが見られるという。
スキルは宿屋で購入。3つのボタンに自由にセットできる。自分なりに使い勝手のいい配置を模索しよう | ||
街中で武器を振り回すと一般市民を傷つけてしまいかねないので、屋根の上でスキルとアクションを確認。チラリと映っているのはパーティのポーン |
街中にいるNPCは、24時間サイクルで行動している。それぞれに好感度が設定されており、会話やプレゼントなどでアップさせることが可能で、暴力をふるうと好感度がダウン。こうしたNPCとの関係は、後々のクエストなどに影響を与えていくという。NPCに攻撃すると衛兵に連行され牢獄にぶち込まれ、罰金を払って放免となる。なお、クエストはNPCに話しかけるほか、街中にある「掲示板」で探すことも可能。クエストは複数同時に引き受けても構わない。
NPCとは好感度が設定されており、クエストにも影響を与えるという。指輪がプレゼントできるということは、NPCとの恋愛的なイベントも用意されているのだろうか? |
街中にある「理髪店」では、主人公とメインポーンの外観を再設定できる。機能は最初のキャラクターエディットと同じで「作ってはみたものの、どうも気に入らないなぁ」といったときは、お金を払っていつでもエディットをやり直せるわけだ。また、メインポーンは外観だけでなく性格や口調を“再教育”できる。再教育は対話形式となっており、「強い敵と弱い敵、どちらを先に攻撃する」などの会話内容から、プレーヤーがそうして欲しいと思う行動を選択。面白いのは、同様のやりかたで口調も決められること。「従者だから、基本的にへりくだっていてほしい」、「いや、生意気なほうがツンっぽくてテンションがあがる」など、色々な遊び方ができそうだ。
理髪店といいつつ目や肌の色まで変更できるのが恐ろしい……。なにはともあれ、やり直しがきくのはとてもありがたい | ||
メインポーンの性格や口調を対話形式で変更できる。最高のパートナーに仕立てるべく、ここは徹底的にこだわりたいところだ |
街中にいるポーンは、話しかけることでパーティに引き入れられる。各ポーンにはレベルがあり、主人公よりレベルが高いポーンを借りる際は、リムの結晶と呼ばれる、通貨のようなものが必要。ただし、フレンド登録をしているプレーヤーのメインポーンであれば、レベル差があっても、リムの結晶は必要無い。スキルやモンスター知識など、ポーンの能力はあらかじめ確認できる。以前の記事でご紹介しているとおり、オンライン時は“他の誰かのメインポーン”が街中に出現する。オフラインでも約1万のポーンが存在するといい、正式発売のあかつきには、お好みのポーン探しだけでも物凄い時間を費やしてしまいそうだ。
サポートポーンは雇う前にさまざまな能力を確認できる。フレンドのポーンはレベル無制限かつ無料で雇えるが、それ以外のポーンはレベル差がありすぎると、大量のリムの結晶を必要とする |
アクション要素のプレゼンでは、ゴブリンとサイクロプスとの戦闘デモが行なわれた。戦闘アクションの華麗さ、力強さは「さすが!」の一言で、アクションの凄さを前面に押し立てすぎたがゆえに「アクションメインで、もしやRPG要素は薄いのでは?」と勘ぐられたのも仕方ないと思える。鈴木氏が操作するストライダーは俊敏なキャラクターで、両手に装備したダガーと弓でサクサクとゴブリンを斬り伏せていく。火のエンチャントがかけられていたため、攻撃に火炎ダメージが付加されている様子がビジュアル的にも伝わってくる。
ここで小林氏が、画面内に設置されているバリスタを使うよう鈴木氏に指示。バリスタには通常攻撃と大攻撃の2種類があり、状況に応じて使いわけていくようだ。矢が直撃したサイクロプスを見ると、腕に深々と突き刺さった矢を確認。パーティの仲間たちも容赦なく攻撃を畳み掛けていく。サイクロプスのような大型の敵は、脚などの部位を狙い撃ちしたり、あるいは“つかむ”で相手の巨体をのぼって弱点の目を突くといったアプローチが可能。デモでは、鈴木氏が操作するストライダーが、サイクロプスの巨体を登って弱点の目をカバーする兜を脱がせるシーンが披露された。
このほかにも、火のエンチャントで攻撃している味方にあわせてサイクロプスに油瓶を投げて燃やすなど、多彩なアクションを実演。高低差もきちんと表現されるなど、戦闘アクションは既に折り紙つきのクオリティといっていい。ちなみに、ゲームオーバーは主人公が死んだとき。やられたポーンは戦闘不能になるが、主人公が近づいて○(PS3)またはB(Xbox 360)を押せば復活する。小林氏によれば「アクションが苦手な人は、仲間のポーンに戦わせて自分は支援に回ることもできる」という。ここで「ゲーム中、いつでも記念撮影ができます」という小林氏、倒したサイクロプスをバックにポーンたちと記念撮影。屍骸の殺伐さと観光地っぽいポジショニングで映るキャラクターの対比が、なんともシュールに感じた。
戦闘アクションのクオリティの高さは、もはや説明不要の領域。健気に戦ってくれるポーンたちがいとおしく、そして頼もしい |
続いて紹介されたのは、ユーザーがポーンを共有するコミュニティ機能。「Pawn Community」と呼ばれるもので、ここではメインポーンの写真をアップしたり、主人公を紹介したり、記念写真の公開、他プレーヤーのポーンを検索するといったことが可能。Twitter、Facebookのアカウントを所有している人は、公開情報を共有させることが可能(Xbox 360はFacebookのみ)。ポーン検索は、ゲーム中だけでなくWebサイト上からも可能となっている。
「Pawn Community」はPCやスマートフォンからも閲覧可能。「帰ったらこのポーンをパーティに入れようかな」など、出先でも楽しめる |
質疑応答では、さまざまな質問が投げかけられた。主人公とメインポーン以外のポーンについて質問したところ、いずれも装備変更は可能。いい装備を与えれば、元の持ち主がプレイする際にそれがきちんと反映される。ここで「では、逆に全部剥ぎ取って丸裸にして返すことも?」ときくと、丸裸状態のままでプレーヤーの元に帰るが、最初の装備を失うことは無いとのこと。小林氏によれば「このゲームは、貸すことによって損をすることはない」といい、貸すことでリムの結晶が手に入るなどのメリットがあると説明。ちなみに能力的な成長はないが、モンスターやフィールドの知識などは向上するという。
フィールドの広さは、端から端まで冒険したとして、リアルタイムで約4時間(ゲーム中の時間で5日間)。ゲーム中の1日はリアルタイムで48分。ゲーム中に乗り物などはなく、目的地までは歩いていかなければならない。ただし、マーキングした地点まで一瞬で戻れるアイテムがあるため、クエストなどの目的を達成したら帰路は考えなくてよさそうだ。クエストはメイン、サブの区別を示していないが「やっていれば、なんとなくわかる(小林氏)」とコメント。最短クリアは約50時間といい、通常プレイする範疇では相当“濃密かつ重厚”な時間がすごせそうだ。
プレゼンの最後に小林氏は「カプコンが贈る完全新作、大型のオープンワールドは初めてのチャレンジ。企画スタート時は『完成するのかな?』と思っていたんですけど、最初の企画書どおりに完成できた。自分の会社を褒めるのも変な話ですけど、凄い優秀なスタッフががんばってくれた。ここまでのゲームを完成させることができました」とコメント。プレゼンテーションの内容は、その言葉を裏付ける強烈なものだった。アクションはもちろん、RPGなど各要素を極限まで突き詰めたカプコン渾身の1作。今はただ、5月24日が待ち遠しくて仕方ない。
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(2012年 3月 30日)