キャラアニ、角川ゲームス、日本ファルコム、ピラミッド
PS Vita「英雄伝説 零の軌跡 Evolution」制作発表会を開催
~今夏発売予定、価格はカード版が6,090円、DL版が5,040円~


今夏 発売予定

価格:6,090円(PlayStation Vitaカード版)
    5,040円(ダウンロード版)

CEROレーティング:審査予定


発表会にはティオ・プラトー役の水橋かおりさん、ファルコムjdkバンドのメンバーも出席。スペシャルライヴやトークショーでニコ生リスナーと会場を楽しませてくれた

 株式会社キャラアニ、株式会社角川ゲームス、日本ファルコム株式会社、株式会社ピラミッドは、PS Vita用ストーリーRPG「英雄伝説 零の軌跡 Evolution(エヴォリューション)」を今夏に発売すると発表した。価格はPlayStation Vitaカード版が6,090円、ダウンロード版が5,040円。先着購入者特典として、劇中使用曲から人気曲や代表曲を厳選収録したオリジナルサウンドトラックを用意。また、キャラアニ.comにて豪華BOX仕様の限定版を販売する。ここでは、9日にニコファーレにて開催された制作発表会のレポートをお届けする。

 発表会には、キャラアニ代表取締役社長の加藤智氏とプロデューサーの平賀忠和氏、角川ゲームス代表取締役社長の安田善巳氏、日本ファルコム代表取締役社長の近藤季洋氏、ピラミッド代表取締役社長の中野賢氏、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEJ)プレジデントの河野弘氏、ティオ・プラトー役の水橋かおりさん、ファルコムjdkバンドのメンバーらが出席。

 発表会の冒頭では、企画・制作を担当するキャラアニの加藤氏より、ゲーム事業参入に関する説明が行なわれた。加藤氏によれば、本作は3社合同プロジェクトで、キャラアニとしては初のゲーム事業参入になるという。インターネットの発展を見越し2000年に設立されたキャラアニだが「eコマース(電子商取引:EC)は3兆円を越える数字だが、一極に集中する傾向があり、大手ECサイトに品揃えや価格では対抗できない。そのため、そこでしか買えない特別な商品やサービスを用意する必要がある。ここ数年は商品開発に力を入れてきた」とコメント。ゲーム事業参入は、その流れを汲んだものだという。

 加藤氏は、本合同プロジェクトが“いくつかの信頼”によって成り立つものだと説明。ひとつは、日本ファルコムとユーザー間における信頼関係で「創業30年を越える日本ファルコムさんは、常に良質の作品をファンに届けている。そのブランドに対するユーザーの信頼度は非常に高いものがある。ユーザーの顔が見えており、開発、販売の戦略が立てやすい。そのぶんハードルが高く、いい商品を作らなければならない」と説明。もうひとつは、日本ファルコムとキャラアニの信頼関係。キャラアニは日本ファルコムのライセンス商品を多数手がけており、昨年はファルコムjdkバンドのライブイベントを主催。ピラミッドの中野氏とは以前同じ会社で働いていた仲で、人柄や能力を深く信頼。ここにパブリッシャーとなる角川ゲームスが加わることで「4社で新しい形の信頼関係を作り、ユーザーのみなさんに喜ばれるゲームを作っていきたい」とコメントした。

 近藤氏は「元々キャラアニさんと弊社は、グッズ提案からパートナーシップが始まっている。『軌跡』シリーズだけで80点以上を展開しており、周辺的なものだけでなくドラマCDも10本近く発売している。『軌跡』シリーズのファンは熱心な方がいらっしゃって、ディティール、出来、本編との整合性を重視していることを、キャラアニさんは理解していただいている。ドラマCD1本でも、膝と膝を突き合わせて丁寧に作っている。弊社は過去にライセンス商品を熱心にやってきたが、『軌跡』シリーズがどれくらいの位置づけにあるか、みなさん興味をもたれているかと思う。30歳代以上で印象的なものをあげると、恐らくPCエンジン版『イース I・II』が頭に浮かぶのではないか。『英雄伝説 零の軌跡 Evolution』は、それを越えていくのではないかと捉えている」という。


角川ゲームス代表取締役社長の安田善巳氏。司会進行も安田氏が行なったキャラアニ代表取締役社長の加藤智氏。キャラアニは日本ファルコムのライセンス商品を多数手がけており、信頼関係の元、質の高い商品を作り上げたいとコメント日本ファルコム代表取締役社長の近藤季洋氏。キャラアニとタッグを組むことについて言及した

ピラミッド代表取締役社長の中野賢氏
ピラミッドの中野氏とプロデューサーの平賀氏によって「英雄伝説 零の軌跡 Evolution」の新規要素の解説が行なわれた

 プレゼンテーションでは、ピラミッドの中野氏とプロデューサーの平賀氏が登場。「英雄伝説 零の軌跡 Evolution」の主な特徴として最初に挙げられたのは、メインシナリオのフルボイス化。主人公「ロイド・バニング」役の柿原徹也さんなど豪華声優陣をオリジナルキャストで起用し、20,000パターンを超えるボイスを収録。総勢157名、オリジナルにいなかったキャラクターにもボイスが入るという。劇中ミュージックは、全74曲を新アレンジで収録。主題歌「way of life」も完全アレンジ版となる。オリジナル版で好評を博したサブクエスト「支援要請」は、新たな内容を追加。中野氏によれば「いくつか追加させていただいた。日本ファルコムさんからプロット原案をいただき、ストーリーはCDドラマやWebコミック原作を手がけているチームにお願いしている」という。

 劇中ムービーが新規作成されているほか、キャラクター、フィールド、インターフェイスなどグラフィックスを高解像度化。移植作品につきポリゴンモデルに変更はないが、テクスチャの書き換えやポストエフェクト処理による深度や陰影表現など、随所でクオリティアップが図られるという。ミニゲームも「ダーツ501」、「クロックメモリー」、「コロコロみっしぃ」など、PS Vitaの本体機能を活かしたものが新規に追加される。なお、本編もメニュー周辺が背面タッチで操作可能になるという。


【ロゴ】【キービジュアルロゴ】

【ロイド】【ランディ】
【ティオ】【エリィ】

【サントラ曲タイトル】【ムービーカット】

【背景素材】

【スクリーンショット】

ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンのプレジデント、河野弘氏が挨拶し今後も応援していくと語った

 スペシャルゲストとして登場したSCEJの河野弘氏は「『英雄伝説 零の軌跡』はPSPでシリーズを重ねるごとに売上本数を伸ばしており、プレイステーションを代表する素晴らしいタイトル。『PlayStation Award』のユーザーズチョイスで2年連続に選ばれている数少ないタイトルで、抜群の得票数でファンの支持を集めている。世界観や価値観を共有する皆さんがコラボレートされ、プレイステーションタイトルを世の中に出してくださるときき、本当に心強く思った。これは何をおいても支援していかなければならない。これから色々な形でサポートさせていただきたい」とコメント。

 さらに、「PS Vitaを購入していただいたお客様がポイントに挙げているのは、画面の大きさと美しさ、ゲームの楽しさ、インターフェイス、PS Vitaの可能性。『英雄伝説 零の軌跡 Evolution』をPS Vitaでプレイすると、どれくらい面白くなるか。ソフトの魅力を最大限に発揮できるハードでありたいし、ハードの可能性を最大限引き出していただく。そんなソフトに仕上がるのではないかと期待している。夏発売に向けて、私たちも良さを伝えていく活動をしていきたい。たくさんのお客様に素晴らしいソフトを届けて、ゲーム業界を盛り上げていきたい」とコメントした。


トークショーではファルコムjdkバンドのメンバーもアフレコに参加することが発表された

 制作発表会後半では、ファルコムjdkバンドのライブ、WEBラジオ「ティオの“ファルコムラジオ”めんどくさいです…でもがんばります」出張版スペシャルトークショーが行なわれた。ライブでは「イース」より「TO MAKE THE END OF BATTLE」、「英雄伝説 空の軌跡セカンドチャプター」主題歌「銀の意志 金の翼」、さらには「英雄伝説 零の軌跡 Evolution」戦闘曲や、本邦初公開で「どこで使われるかはまだひみつ……」という「セルリアンブルーの恋」、ラストに「英雄伝説零の軌跡 Evolution」に収録されるアレンジ版「way of life」を披露。トークショーでは、水橋かおりさん、ファルコムjdkバンドの小寺可南子さん、キーボードの上倉紀行さん、ドラムの岡島俊治さんがセリフの生アフレコに挑戦。なぜ、アフレコに挑戦することになったのかというと、ファルコムjdkバンドのメンバーが「英雄伝説零の軌跡 Evolution」に声優として参加するためであることが明らかにされた。声優初挑戦というメンバーだが、どの役を演じているかは秘密だという。発売されたあかつきには、プレイしつつ各セリフに耳を澄ませてみるというのも面白そうだ。


【ファルコムjdkバンドのライブ】
【オマケ:みっしぃ魅惑のミニグラビア】
「みししっ」の口癖でおなじみのシリーズ屈指の人気キャラ「みっしぃ」。ゆるキャラらしい見事な脱力感と愛くるしい尻尾の造形がたまらない

(C)Nihon Falcom Corporation / (C) Chara-ani

(2012年 2月 10日)

[Reported by 豊臣孝和]