東京ゲームショウ 2011レポート

Xbox 360用レースシム「Forza Motorsport 4」がついに日本上陸!
「Autovista」やコミュニティ機能など日本語版を一足先にチェック!!


10月13日発売予定

7,140円

CEROレーティング:A(全年齢対象)


 日本マイクロソフト株式会社は9月14日、東京品川オフィスにて東京ゲームショウに出展予定のタイトルのプレビューイベントを開催した。今回先行公開されたのは「Gears of War 3」、「Forza Motorsport 4」、「Kinect スポーツ: シーズン2」の3タイトル。いずれも人気シリーズの最新作で、同社がヒットを期待している大型タイトルとなる。

 本稿では今年もっとも期待されるレースゲームのひとつ「Forza Motorsport 4」のデモンストレーションの模様をお伝えしたい。「Forza Motorsport 4」は10月13日発売予定で、価格は7,140円。なお、ゲームの概要については、E3レポートにてプレビューを行なっているのでそちらを参照いただきたい。

【Hockenheim Ring】
8月にドイツで開催されたゲームショウGamescomで、新コースとしてHockenheim Ringが収録されることが明らかになった

【フェアレディZ】
東京ゲームショウ向けに用意された日産フェアレディZ。左は370Zの2010年モデルで、右はZ432の1969年モデル



■ 完成度を増した「Autovista」モード。解説はJeremy Clarksonの英語ボイス+日本語字幕に

Turn 10 Studiosのシニアゲームデザイナー谷口潤氏
「Forza Motorsport 4」のメニュー画面。多少グラフィカルになったが、相変わらずシンプルな画面構成だ
写真なのでわかりにくいが、Top GearのJeremy ClarksonがFerrari 458 Italiaを語っている。なかなかの毒舌ぶりでおもしろい

 最初に断っておくと、東京ゲームショウで「Forza Motorsport 4」の全容は明かされなかった。依然として謎のままとなっているメーカー、車種、コース、ワールドツアーの詳細、オートビスタモードの収録車種、DLCのバリエーションなど、「Forza」ファンにとって気になる情報は、基本的にE3の発表からアップデートはなかった。

 ただ、北米市場で話題となっている「ポルシェが収録されない」という確定的な噂については、ポルシェのゲームでの使用権を持つElectronic Artsとの交渉がうまくいかず「Forza Motorsport 4」ではDLCも含めてポルシェは一切収録されないことが改めて確認された。これで「グランツーリスモ」シリーズに加えて、「Forza Motorsport」シリーズでもポルシェは収録されないことになり、レースゲームファンにとっては非常に残念なニュースだ。

 「Forza Motorsport 4」に関しては、ポルシェ以外にも前作「3」に収録されていて実装のアナウンスがない車はいくつかあるものの、最終的な収録車種については現在調整中ということで明かされなかった。いずれにしてもE3でコミットした「80社、500車種」は守るということだ。

 さて、今回のプレビューのトピックは、ほぼマスター相当の「Forza Motorsport 4」日本語版の一部仕様が明らかにされたことと、オートビスタモードの最終仕様と、コミュニティ機能の1部が披露されたことだ。

 まず谷口氏が見せてくれたのは「Forza Motorsport 4」の最大のウリとなっている「Autovista」モード。「Autovista」モードのリファレンスカーとなっているFerrari 458 Italiaをロードし、名車フェラーリを眺め回す楽しさを実演してくれた。

 E3レポートでもお伝えしたように「Autovista」モードはKinectに対応しており、カーディーラーで車を眺め回す感覚で、超ハイポリゴンでモデリングされた車を鑑賞することができる。具体的にはテレビの前の空間をたっぷり使い、前に踏み込めば視点が車に近づき、逆に後ろに下がると車から離れる。しゃがむと視線もタイヤやホイールを見やすい位置になり、のぞき込むように左右に首を伸ばすと、車の方がゆっくり回ってくれる。

 車内でも内部を見渡したり、エンジンをかけて車内からエンジン音を感じたり、そのまま走り出すこともできる。Kinectを使えば両手を前に付きだして“エアハンドル”操作をすることで気軽にスーパーカーを運転することができる。アクセル、ブレーキはすべて自動のため、レースゲームファンには物足りないが、レースゲームに不慣れなカジュアルゲーマーにはぴったりなモードだ。なお、オートビスタモードの視点の動きは、反応がかなりクイックでなめらかになっており、E3からかなりブラッシュアップが図られた印象だ。

 また、オートビスタモードでは操作方法のようなベーシックな解説はすべて日本語に吹き替えられていたが、車やパーツの解説などはTop GearのJeremy Clarkson(ジェレミークラークソン)による英語音声と日本語字幕という形でローカライズされており、彼の渋い声による解説をたっぷり聞くことができる。

 「Autovista」モードに登場する車は100万ポリゴンを優に超えたハイポリゴンデータを採用した車となっているが、「Autovista」モードで鑑賞できる車はすべての車ではなく、一部のみとなっている。このため、どの車が収録されるのかが注目されているが、今回も明らかにされなかった。ただ、日本向けのサービスとして「レクサス LFA」が収録されることが谷口氏の口から明らかにされた。

 なお、「Autovista」モードは最初から多くの車が鑑賞できるわけではなく、様々なチャレンジをクリアすることで増えていくということで、これそのものが一種の報酬となっているようだ。


【「Autovista」モード】
谷口氏自らKinectによる操作で「Autovista」モードを解説。E3の時と比べて動きがクイックになり、より遊びやすくなったように感じられた



■ コミュニティ機能は「マイクラブ」と「ライバル」に注目。タイヤは全車ピレリタイヤに統一

これがマイクラブ画面。5人のメンバーがいる小規模なクラブ。クラブ名「TOKYO BMW E46」の末尾3文字だけは固有で、先に取ったもの勝ちとなる
車の上部に見えるのがプレイヤーカード。FPSや格闘ゲームなど対戦型のゲームではすっかりお馴染みの仕様が「Forza」にも導入される
ライバルモード。いくつかのカテゴリが用意され、ミニゲーム感覚で楽しむことができる。レース以外のもうひとつの成長要素といった感じだ
これが「Xbox 360 ワイヤレス スピード ホイール」。「Forza 4」と同日の10月13日発売予定で、価格は5,775円

 続いて見せてくれたのが作を経るごとに大幅な機能強化が計られているコミュニティ機能だ。「Forza Motorsport 4」が実現する新たなコミュニティ機能が「マイクラブ」機能と、「ライバル」機能となる。

 「Forza Motorsport 4」では、「Test Drive Unlimited」シリーズのようにクラブを作成し、クラブメンバー間でオリジナルデザインの車やバイナル(ステッカー)などを共有したり、クラブメンバーとランキングを競ったり、クラブ間でランキングを競うなどのクラブ機能を利用することができる。ちなみに1クラブにつき100台以上の車をシェアできるようだ。

 1人のユーザーが所属できるのは1つのクラブのみだが、移籍や退会は自由で、従来のXbox 360のゲーマータグに変わる「Forza」内での名刺となる「プレイヤーカード」で個性をアピールすることで、さらに楽しいカーライフを堪能することができる。

 「ライバル」機能は、従来のリプレイデータのゴーストカーを使った無機質なレースから一歩進めて、自分より少しだけ早いデータを自動的に見つけ出して“ライバル”とし、彼より早いラップタイムで走りきることで、経験値やクレジットを得ることができるというインテリジェントな非同期対戦モード。その勝利した結果は、“ライバル”にも通知されるようになっており、切磋琢磨しあうような環境が生み出される。任意でトップランカーをライバルに見立てることも可能で、もし彼のゴーストカーに勝利すれば莫大な経験値やクレジットを得ることができるという。

 なお、「Forza 4」のユーザーレベルの上限は50から150と、一気に前作の3倍になっている。これは前作でレベル50に達したユーザーが意外にも多かったため、その彼らに対してさらなるやり込み要素を提供するためだという。経験値テーブルは前作より若干緩めに設定してあるということだが、「2年間で150に達したら、僕は彼に握手を求めます(笑)」(谷口氏)と、かなり高いハードルであることは間違いないようだ。ちなみに2年間というのは、「Forza」シリーズがキッカリ2年ごとに新作が出ていることによるもの。このTurn 10独自のロードマップ通りにいけば「Forza Motorsport 5」は2013年にリリースされるわけである。

 デモの最後に「『Forza Motorsport 4』のドライビングシミュレーションモデルは、前作から変化はないのか?」と質問したところ耳寄りな情報が得られた。それはタイヤのシミュレーションモデルをこれまではトーヨータイヤやブリジストン、ミシュランといった様々なメーカーから適宜データの提供を受けて実装していたが、車種が増えるにつれて、その方法論では管理しきれなくなったため、「Forza 4」ではピレリタイヤに統一し、ピレリタイヤの全面協力を受けてローデータをそのまま採用する形で挙動を再現しているという。

 結論として、タイヤ周りのシミュレーションモデルは前作とはすべて違うということになる。実際にどの程度、足回りの感覚が違うのかは未体験なのでまだわからないが、前作の攻略法が通用しない、レギュレーションが違うという点でF1のような楽しさがある。東京ゲームショウのマイクロソフトブースでは、通常のゲームコントローラ、Kinect、そして「Forza 4」と同時発売の「Xbox 360 ワイヤレス スピード ホイール」の3タイプで試遊可能なためレースゲームファンはぜひ体験してみてはいかがだろうか

【プレイヤーカード】
プレイヤーカードは名前とレベル以外に、アイコンと称号を設定することができる。アイコンや称号は、レースや各種モードで一定の条件を満たすことで増えていく。やり込み要素のひとつだ

【ライバル】
ライバル機能はかなり充実している。対決できるモードはいくつも用意されており、その都度、ライバルを設定して戦うことができる。下段は、中央に表示されているライバルと、勝った場合の報酬が表示されている。左と右で報酬が100倍も違う。ストイックなレースゲームファンに好まれそうなレースモードだ

【スクリーンショット】

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(2011年 9月 15日)

[Reported by 中村聖司]