ロックスター・ゲームス、「L.A.ノワール」今週配信DLCの情報を公開
実在の事件をモチーフにした「ニコルソン電気メッキ工場」


8月4日配信予定

価格:400円(PS3)
320MSP(Xbox 360)



 ロックスター・ゲームスは8月4日配信予定のPS3/Xbox 360用クライムスリラー「L.A.ノワール」の新しいダウンロードコンテンツ(DLC)「ニコルソン電気メッキ工場」放火特捜課担当事件の情報を公開した。価格はPS3版が400円、Xbox 360版が320MSPとなっている。

ロサンゼルスの市街地にキノコ雲が!
    【「ニコルソン電気メッキ工場」放火特捜課担当事件】
     午前9時45分、雷鳴のような大爆発がロスの街を揺るがした。
     かつてニコルソン電気メッキ工場があった周辺には瓦礫が散乱し、灰と黒煙が立ち込めていた。
     いち早く現場に駆けつけたフェルプス、ハーシェル・ビッグス両刑事の心には、瓦礫の山と化した工場跡地で数々の疑問点が浮かび上がる。爆発の原因はいったい? その時、工場では何が行なわれていたのか?
     そして主任化学研究員のハロルド・マクレラン博士と、謎に包まれた彼の助手は事件の後、どこへ消えたのか?

 「L.A.ノワール」では、1947年当時、米国ロサンゼルスで実際に発生した事件がモチーフにされているが、「ニコルソン電気メッキ工場」もその例外ではない。実在の事件は1947年、2月20日の朝に発生した。ロサンゼルス繁華街のイースト・ピコ大通り926番地にあったオコーナー電気メッキ工場で突然の大爆発が発生。151名が負傷、15名が死亡という爆発事故として大規模なものとなったため、全米を騒がせ、現場に発生したキノコ雲から、目撃した多くの市民がロサンゼルスに原子爆弾が投下されたと勘違いしてパニックに陥ったという。

 この事件における重要参考人は、工場の主任科学研究員ロバート・マギー。彼は、マサチューセッツ工科大学(MIT)博士号を含む高度な学位によって経営者ロバート・オコーナーの目にとまり、面接の際に自分が開発した画期的な過塩化酸化合物を使えば、研磨やバフがけといった工程を必要とせず、低コストでアルミ板に銀のような光沢を与えることができるとプレゼンし、採用された。

 オコーナーは、マギーの画期的な冶金法は会社の秘密兵器となり得るもので、ビジネスの活性化だけでなく他社の追従を許さないものだと考えていたが、2月の運命の朝、マギーは助手と共に、“蒸着”してしまう。捜査員は、ロバート・マギー博士の身元を探ったところ、MITに入学した記録が一切無く、他の大学についても確認が行なわれたものの、結果は同じだった。警察の捜査によると、マギーは高校すら卒業しておらず、出身地オハイオのスチューベンヴィル高校を中退していた。

 つまり、彼の知識と化学分野における才覚はまったくの独学によるもので、正規の学位を持っていた同僚の化学者たちも感嘆するほどのものだったことが、事件後に行なわれた詳細な聞きとり調査によって判明している。マギーと彼のチームが危険な薬品の取り扱いを誤ったことは不幸な事実で、適切な学位を持たない科学者による不適切な作業と、なにより工場そのものが人材管理レベルで必要な配慮を怠ったことが事件の原因と言える。

 実在の事件は単純ミスによる恥ずかしい人災だったが、「L.A.ノワール」のDLC「ニコルソン電気メッキ工場」は、こうした実在の事件をベースに、様々な陰謀や複雑な経緯を加え、クライムスリラーとして味わい深いものになっているようだ。

 なお、現在特別価格で発売中のDLC「L.A.ノワール ロックスター・パス」(600円、480MSP)を購入すると、「ニコルソン電気メッキ工場」を含む、今後リリースされるすべてのDLCが無料でダウンロードできる。特別価格は8月3日までとなっているので、すべてのDLCを楽しみたいというファンはこの機会を逃さないようにしたい。


【スクリーンショット】
何をどうするとあのような大爆発が起きるのか。化学的な知識も試されそうだ

(C) 2011 Rockstar Games, Inc.


(2011年 8月 1日)

[Reported by 中村聖司]