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Electronic Entertainment Expo 2010現地レポート

スクエニ、「Deus Ex:Human Revolution」プレイデモレポート&開発者インタビュー
敵を殺さずにクリアも可能。高い自由度が生み出す魅力を紹介


6月15〜17日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 ロサンゼルスで開催されたE3でスクウェア・エニックスの開発スタジオEidos Montrealが開発した最新作「デウスエクス(英題:Deus Ex:Human Revolution)」を映像出展し、現地時間の16日にはプレイデモと開発者の合同インタビューが行なわれた。

 「デウスエクス」は、カルトな人気を誇る「Deus Ex」シリーズの最新作。春にサンフランシスコで行なわれた「GDC」で電撃発表され、スクエニのムービー製作部門であるビジュアルワークスが製作した美麗なムービーが話題を呼んだ。

 E3では、バトルアクションやステルスなど、ゲームのコアとなる要素が盛り込まれた最新ムービーがブース内のスクリーンで上映された。合同インタビューでは、Eidos Montrealのプロデューサー、David Anfossi氏とリードゲームデザイナーのJean-Francois Dugas氏からゲームのテーマや見どころを聞くことができた。

 なお本作は、日本での発売も決定しており、ティザーサイトでは日本語版の最新トレーラーも公開されているので、ぜひチェックしてみて欲しい。プラットフォームはPS3とXbox 360で、価格と発売日は未定だ。


サイバーパンクSF好きにはたまらない設定が盛りだくさん




■ 4つの要素が織りなす高い自由度と深みのあるストーリー、そして圧倒的なハイクオリティ

舞台は2027年の上海。光と闇が入りまじる混沌のサイバーシティだ

 スクエニの最新作「デウスエクス」は初代「Deus Ex」の自由度を引き継いで正統に進化したゲームだ。キーワードとなるのは「コンバット」、「ステルス」、「ハッキング」、「ソーシャル」という4つの要素。プレイの方法によってはボス以外誰も殺すことなくクリアすることができる。そのすべてはプレーヤーの判断にゆだねられている。

 初代「Deus Ex」はアメリカの著名なゲームデザイナー、ウォーレン・スペクターによって作られたFPSゲームだ。「ブレードランナー」のようなハードボイルドでサイバーパンクなSF世界と、自由度の高いゲーム設計が熱狂的なファンを生んだ名作で、数多くのGOTYを獲得した。日本でもPS2版が発売されたことが、このゲームが海外でどれほど人気を集めていたかの証左になるだろう。

 そんな伝説的な名作が圧倒的な映像美とともにHD機に降り立った。舞台となる時代は2027年。今回のデモプレイでは、ゲーム中に訪れることとなる都市・上海を見ることができた。この時代の上海は、中空にハイウェイが張り巡らされ上下の2重構造になったメガサイバーシティだ。機械的に強化された肉体を持つ主人公アダム・ジェンセンは、雇い主のバイオテック・コーポレーションにハッキングを仕掛けた人間を探す途上、この街に潜入する。

 ゲーム性の話をする前に、まずは映像美に衝撃を受ける。金属の質感やブラインドを通して差し込む光の表現など「デウスエクス」に描かれる未来の上海は、猥雑だが非常に美しい。風景だけでなく、その中で暮らす人々も生活感をリアルに描いてある。これらNPCはすべて会話をして情報を得ることができる。NPC同士が話をしているところに近づいて、盗み聞きすることで得られる情報もある。


繊細な光の表現が、ゲーム世界を一層リアリティのあるものにしている




■ 派手な銃撃戦から説得まで、ミッションを進める様々な要素が詰め込まれたデモプレイ

ボディをアップグレードすることで、戦闘や移動の能力を向上させる

 デモプレイでは、最初に「ソーシャル」部分のプレイを見た。ジェイソンはトムという人物に会うため、街のクラブに侵入する。クラブの入口には強面のボディガードがいるが、お金を握らせると通してくれる。お金を持っていない場合は、地下から侵入する、暴力に訴えるなど別の手段を選ぶことができる。1つの目的に対して、常にいくつかの選択肢が用意されているのが、本作の大きな特徴だ。例えば、ある倉庫への侵入ルートは、まったく別の方法が5種類用意されているのだそうだ。

 店に入ったジェイソンは、バーテンをしている老人にトムの行方を聞く。会話のキャッチボールシーンはRPGというよりもアドベンチャーゲーム的だ。会話には選択肢が用意されており、選択の結果で内容が変わっていく。今回は行方を教えてもらえなかった。代わりに近くで立ち話をしていた部下から、誰かがセキュリティカードをなくしたという話を聞き、カードを見つけて目的の場所へ侵入することができた。

 「ハッキング」のデモでは、左手に仕込んだ暗殺用のブレードを使って音を立てずに敵を始末しながら、奥深くまで侵入していくプレイを見せてもらった。監視カメラを無力化するために警備員の詰め所に侵入する。警備員を沈黙させた後は、そこにあるPCをハッキングして情報を収集することもできる。ロボットや乗り物を遠隔操作して、武器として使うことも可能だ。

 「バトル」と「ステルス」のデモでは、自身がほぼ透明になるステルス機能で身を隠しつつ、音の出ない武器で敵を倒していく方法と、ロボットを相手にした派手な銃撃戦を見た。本作では銃を撃つ時には照準を合わせやすいFPS視点、物陰に身を隠したり、近接攻撃の時には自分の位置を把握しやすい3人称視点と、シチュエーションによって視点が切り替わっていた。上から飛びかかって2人を同時に倒したり、壁の向こう側にいる敵をサーチして、壁を突き破って向こう側にいる敵を倒すという荒っぽいがかなりかっこいい技も見ることができた。また、ボディスーツに埋め込んである小型の爆弾のようなものを周囲に拡散させて爆発させ、周りを取り囲む敵を一網打尽にする範囲攻撃もあった。相手がロボットならミサイルランチャーで倒すこともできる。

 今回はデモ用ということで弾丸やエネルギーが無限大だったこともあり、流れるようにスムーズで映画のようなプレイを楽しめた。プレイからイベントシーンへは完全にシームレスに移行する。デモ用バージョンでインターフェイスがなかったせいもあり、どこまでがプレーヤーの操作でどこがイベントシーンなのか見分けはつかなかった。

 近年のHD機用ゲームは、ゲームで遊ぶというよりもその世界の住人となってゲームキャラクターと一緒に物語を体験するという、映画的な要素が強くなっているが、本作もその例に漏れず広大な箱庭の中とドラマティックな冒険が要素として揃っている。 世界を楽しむためには、すごい射撃の腕やプレーヤースキルが必要なのかといえば、そういうわけでもない。トレーラーやスクリーンショットを見て「デウスエクス」の世界へ入ってみたいと思う、気持ちがあればあとは映画を見るよりも少し時間があればいい。こういったゲームを遊んだことがない人が想像するよりも、敷居はずっと低いのだ。


武器もボディ同様アップグレードで強化することができる ステルスやハッキングなどの要素を駆使すれば、まったく戦わなくても進めていける




■ 人間が自分自身を進化させていくという神への挑戦に、審判を下すのはプレーヤー

スクウェア・エニックスの開発スタジオEidos Montrealの「デウスエクス」プロデューサー、David Anfossi氏
リードゲームデザイナーのJean-Francois Dugas氏

 プレイデモの後は、開発を行なったスクウェア・エニックスの開発スタジオEidos Montrealのプロデューサー、David Anfossi氏とリードゲームデザイナーのJean-Francois Dugas氏の合同インタビューが行なわれた。両氏の言葉から、本作にかける意気込みを感じて欲しい。

Q: 名作「Deus Ex」の続編を作るということで、プレッシャーはありましたか?

David Anfossi氏: プレッシャーは当然感じていました。しかし前作から3年が経ち、チームには才能豊かな人材がそろっていたので、彼らがチャンレンジをして成功させました。ゲームプレイを見せるまでにすごく時間がかかったのですが、「これは『Deux Ex』のゲームだ」と言えるだけのクオリティを見せたかったので、長い期間待ちました。

Q: 海外のサブタイトルに入っている「Human Revolution」という言葉はゲームのテーマに関わってくるものだと思いますが、そこをもう少し詳しく教えてもらえますか?

Jean-Francois Dugas氏: 「Human Revolution」という言葉にはいくつかの意味があります。基本的には、「トランスヒューマンテクノロジー」で人間が自分自身をアップグレードさせるという部分です。それは自分自身の改革です。人間はルネッサンス時代に初めて人間の体の動きを認識しましたが、現代ではテクノロジーがそれをもう一歩先に進めています。もう1つは、人間自身が人間を変えていくという進化の新しい形です。プレイの中でそれを感じて欲しいと思っています。

Q: 今回のデモプレイにはHUDがありませんでしたが、これはデモだからですか? それとも何か特別な意図があるのでしょうか?

Anfossi氏: デモだからです。製品版にはHUDが入ります。

Q: デモのプレイではジャンプ力がすごかったですが、あれは元々そういう事ができるのか、能力をアップグレードしてあるのかどちらですか?

Anfossi氏: デモのためにいくつかのアップグレードを行なった状態にしています。もしアップグレードしていなかったら、高いところから落ちた時点で死んでしまいます。

Q: 住人全員と話ができるのは興味深いですが、彼らを襲うこともできるのですか?

Dugas氏: 可能ですが、関係のない市民を襲うとすぐに警察が駆けつけます。警察はとても強いので、おそらく倒されてしまうでしょう(笑)。誰にでも攻撃できるようにしたのは、攻撃して欲しいからではなく、プレーヤーが自分のゲーム体験を選べるようにしたかったからです。

Q: ゲームの進め方にはいくつか選択肢があるということですが、それはゲームの4つの要素ごとに分かれているのですか?

Dugas氏: 1つ1つが分かれているわけではなく、全部の要素はミックスされています。マップやミッションによって選択肢が変わっていきます。例えば敵のテリトリーのマップでは、友好的な人物がいないので「ソーシャル」なオプションがなかったりということはあります。

Q: ゲーム内の表現などにものすごいレベルの高さを感じました。このゲームで何を表現して、手に取るユーザーにどんなことを伝えたいと思っていますか?

Dugas氏: ゲームなのでまずは楽しんでもらいたいです。それ以上に奥が深いゲームを作りたいです。遊んでいる人たちに考えてほしいのは、なぜ人はそれを選ぶのかということです。世界にいるのはいい人と悪い人だけではなく、もっとグレーの部分があるということを見せたい。このゲームの中に登場するいろいろなキャラクターはそれぞれに自分の考えを持っています。その考え方が賛同できないこともあるでしょうが、なぜ彼らがそういうふうに生きているかを体験して、理解して欲しいです。また別の面では、「トランスヒューマンテクロノジー」についても、いいか悪いかというわけではなく、危険な部分とか素晴らしい部分をみせて、プレーヤーに自分で意見を決めて欲しいです。

「Human Revolution」という言葉に込めた意味をDugas氏が熱弁
人間が人間を進化させるのは、神への冒涜なのか、という問いはいかにも西洋的

Q: 今回、ビジュアルワークスと一緒に仕事をしてみての感想を教えてください

Anfossi氏: 考え方ややり方が違うので、一緒に仕事をするのは簡単なことではなかったです。我々は何度もチャレンジして、そこから学んでいくというスタイルなのですが、ビジュアルワークスは違う方法で仕事をされるので、一緒に仕事をすることでいろいろなことを学びました。このプロセスでいろいろとお互いのことを学んだので、次からはもっとスムーズになると思います。

Q: デモプレイを見て、オリジナルの「Deus Ex」にあったフィーチャーが活かされていることを感じました。逆に、このゲームならではの新しさはどういった部分になるのでしょうか?

Anfossi氏: このゲームを開発を始めた時に、過去の2つのゲームをもう1度プレイし直してオリジナルが持つ大切な部分を保とうと決めました。新しい部分は、強化や敵を倒す方法に新しいものを追加しました。後は、もう少しゆっくりしたゲームプレイの方法として、会話を重視してボスを倒すだけではなく、会話でやりこめることができるようにしました。そのキャラクターが何を探していて、どうやってこのキャラクターと話せば勝てるのかを考えていかなければ勝てないようになっています。

Dugas氏: 「ソーシャルボスファイト」です。

Anfossi氏: いろいろな部分が融合することで非常にユニークなゲームになると思います。1つ1つの部分だけではなく、それが全部一緒に機能しているので、とてもエレガントなゲームになっています。このゲームで「デウスエクス」の新しいフランチャイズを初めて、今のゲーマーには「デウスエクス」を知らない人も結構いるのですが、新しい世代のゲーマーに「デウスエクス」を紹介していきたいです。

※インタビュー内容は原則海外版についてとなっております。>


(C) 2010 Square Enix Ltd. All rights reserved. Published by SQUARE ENIX CO.,LTD.

(2010年 6月 19日)

[Reported by 石井聡]