Electronic Entertainment Expo 2010現地レポート

SCEAプレスカンファレンス、注目タイトルレポート
「GT5」の発売日が今度こそ確定! 「KILLZONE 3」、「LBP2」など注目の続編も


6月15~17日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 現地時間6月15日に行なわれたSCEAのプレスカンファレンスでは大量のプレイステーション 3、PSP向け新作タイトルが紹介された。基調講演を行なったSCEAのプレジデント兼CEOのJack Tretton氏が繰り返し「コアゲーマーからファミリーまで、あらゆる人々が楽しめるプラットフォームである」ことをスピーチの中で強調したように、PS3、PSPはさらなる収穫期を迎えようとしているようだ。

 特に日本のみなさんにとって感慨深いと思われるのは、長らく発売が延期されていた「グランツーリスモ 5」の発売日が北米で11月2日に確定したことだろう。その他、本稿ではSCEAのプレスカンファレンスで紹介されたタイトルのうち、詳しいプレゼンテーションが行なわれたセカンドパーティタイトルの情報を1度にお伝えしよう。キラーシリーズの続編から新IPまで、ありとあらゆるジャンルのゲームが登場だ。




■ 「KILLZONE 3」は立体視やPlayStation Moveにも対応して2011年2月登場

「KILLZONE 3」

 PS3のゲーマー向けタイトルとして象徴的な存在となりつつある「KILLZONE」シリーズ。PS3向けに今後発売が予定されている主力級のタイトルはほとんどが3D立体視にも対応となることが明らかになっているが、最新作「KILLZONE 3」もそのひとつであることが確認された。

 会場のデモンストレーションでは専用の大スクリーンが現われ、「KILLZONE 3」のプレイシーンを立体視で上映。写真ではお伝えしにくいが、従来のフレームレートを維持したままハイクオリティな立体視を実現している。圧巻だったのは、プレーヤーがジェットパック付きのパワードスーツに搭乗して進んでいくシーン。目の前にあるジェットノズルから炎が噴射されるや、足元の地面がぐんぐん離れてゆき、立体的な機動を行なう場面が立体感豊かに表現される。迫力満点だ。

 より多彩な武器や兵器、ダイナミックな世界をたのしめるという「KILLZONE 3」。そして最後に本作がPlayStation Moveにも対応することが明らかにされた。具体的にどのような操作系となるかは明かされなかったのは残念。ちなみに今後のPS3タイトルでは標準コントローラー用のバージョンと、PlayStation Move用のバージョンを1枚のBD-ROMに収録することもあるという。その代表的タイトルになりそうな本作「KILLZONE 3」の発売は2011年2月。今から楽しみなタイトルだ。







■ すべてのファンが待望する「グランツーリスモ 5」は11月2日発売

「グランツーリスモ 5」

 基調講演の中で触れられたタイトルのひとつ、「グランツーリスモ 5」の発売日が発表された。それによれば「北米向けに」と但し書きがついてしまうが、11月2日と具体的な日にちが発表されている。日本を含むワールドワイドでも同日を期待したいところだが、それについては続報にて確定することを期待しておきたい(日本では現状11月を予定)。

 会場ではゲーム中のシーンをふんだんに使ったトレイラームービーが上映された。見所は車両や風景の再現度。ムービーは時折実写映像も混ぜ込んだ作りになっていたのだが、人物が写っているものはともかく、車両やコースに関しては実写との区別が全く付かないほどのクオリティ。「GT5 プロローグ」に比べてもさらに品質をアップさせている様子が伺える。

 内容面では、英国BBCの人気クルマ番組「TopGear」のテストトラックの映像が多く組み込まれており、番組の“備品”である覆面ドライバーSTIGの姿もゲーム画面で確認できる。これもはじめ実写と勘違いしたほどで、非常に高いクオリティだ。また、ニュルブルクリンクの遠景や、ストックカーの車内視点など、これまでにない映像をふんだんに見ることができた。立体視対応のタイトルとなることも明言されているため、ますます発売日が楽しみだ。







■ クリエーション機能を大幅に強化!
 どんなゲームでも作れそう?「Little Big Planet 2」

「Little Big Planet 2」

 2008年に発売され、UGC(ユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツ)の力で旋風を巻き起こした「Little Big Planet」に新作が登場する。2010年内に発売予定の「Little Big Planet」では、クリエーションのための枠組みを大幅に拡大。様々なガジェットを追加しただけでなく、根本的な新仕様もある。

 特に面白いのは「STACKBOTS」と呼ばれるAIキャラクター。これは非プレイアブルのNPCの役割を果たすものだが、見た目を自由にエディットすることはもちろん、そのAIをプレーヤー自身がデザインし、様々な挙動をとらせることができるという。これにより実現できる遊びの幅が大きく広がることは間違いないだろう。

 会場で上映されたデモ映像では、「LBP2」を使って24時間以内に制作されたというゲームがいくつも紹介された。反射神経を競うマルチプレーヤーゲームや、奥行方向に進んでいく3Dゲーム、戦闘機を操る横スクロールの弾幕シューティングゲームまで、まさに何でもあり。その上で、前作用に作られたデータを遊べる後方互換性も備えるということで、みんなの期待する「LBP2」が実現しそうだ。







■ PlayStation Moveを大活用! 魔法使いに成りきれるTPS「SORCERY」

「SORCERY」

 基調講演で発売日や価格も発表されたPlayStation Move。これを大いに活用したゲームとして紹介されたのが「SORCERY」という3Dアクションゲームだ。タイトル名が示す通り、これは魔法使いをテーマとする作品で、PlayStation Moveを魔法のステッキに見立て、様々な魔法を駆使して戦うというものだ。

 会場では作品のプロデューサー自らがゲームプレイを実演。PlayStation Moveデバイスを動かすとゲーム内キャラクターの動きに正確に反映され、強く降ることによって攻撃魔法がその方向に射出される。これには「非常に高い精度がある」ということで、モンスターの頭上にあるランタンを狙撃し、火種を落として間接的に倒すというシーンも見ることができた。

 さらに面白いのはより高度な魔法でのアクションだ。竜巻を引き起こす魔法では、PlayStation Moveをぐるぐると回転させることにより竜巻を大きくし、たくさんのモンスターをいちどに巻き上げるようになる。大きな炎を作り出す魔法では、敵の方向に振りかざせば直接火炎攻撃、足元にスッと線を引くように振れば「炎の壁」を作り、防御に使えるというアクションもある。さらに、竜巻と炎を組み合わせることで火炎の渦を遠くに飛ばし、経路上のモンスター全部を火に巻いてしまうという“あわせ技”も確認できた。

 まさに魔法使い。PlayStation Moveならではのアクションで、ひと工夫を凝らした頭脳プレーが面白そうなタイトルだ。発売時期は2011年春を予定している。







■ その他のセカンドパーティタイトル

【INFAMOUS 2】
PS3エクスクルーシブの大作TPS「INFAMOUS」の続編。カンファレンスではトレイラームービーが公開された。2011年の発売を予定している




【SOCOM 4】
ミリタリーFPS「SOCOM」シリーズの最新作。今回はムービーだけの公開にとどまった




【God of War: Ghost of Sparta】
人気TPSシリーズ作品がPSP向けに登場。開発環境がさらに進歩したことにより、PSP向けにより本格的なゲーム内容が提供できるようになったという




(2010年 6月 16日)

[Reported by 佐藤カフジ]