コーエー、PS3/Xbox 360「北斗無双」
完成披露発表会とプレミアム先行体験会を秋葉原で開催


3月3日 開催

3月25日 発売予定(ゲームソフト)

価格:8,190円(通常版)
   13,440円(TREASURE BOX)

CEROレーティング:D(17歳以上対象)


プロデューサーの鯉沼久史氏

 株式会社コーエーは、3月25日発売予定のプレイステーション 3/Xbox 360用アクション「北斗無双」の完成披露発表会を、ベルサール秋葉原にて開催した。

 本イベントは3部制で、1部がメディアや業界関係者を対象とした完成披露発表会、2部以降が一般ユーザー向けのプレミアム先行体験会という形で開催された。発表会にはプロデューサーの鯉沼久史氏が登場。最新PVと3月8日から使用されるテレビCMを上映した後、ダウンロードコンテンツに言及。「ハート様」、「無法者」などのプレイアブルキャラクターを有料コンテンツとして配信するほか、シナリオの配信も検討しているという。また、TVアニメ版「北斗の拳」主題歌「愛をとりもどせ!!」北斗無双オリジナルバージョンがゲーム中で使用されることも明らかにされた。鯉沼氏によれば「ゲームのなかで、ちゃんと盛り上がるところに入れてあります」という。

 続いては、ディレクターの狩野直士氏が体験版を使い「伝説編」、「幻闘編」をそれぞれデモプレイ。体験版の「伝説編」は、ケンシロウストーリーの3面がプレイ可能なオリジナルバージョンで、本来であれば1面にしか登場しない基本操作などのチュートリアルが表示される。これまでにも弊誌で何度かご紹介しているが、伝説編は原作を追体験するモード。アクションアドベンチャー風ではあるが、敵を倒しながら進んでいく点などは無双シリーズを踏襲。必殺技ゲージをためると、L2(LT)ボタンで“闘気覚醒”が発動。少しずつゲージが減っていくが、その間は敵を簡単に倒せる強化状態が続く。また、この間に○(B)ボタンを押すと必殺技が繰り出される。必殺技は十字キーに4つまで登録でき、それぞれ使いわけることが可能となっている。

 ステージ内にはアイテムが入ったBOXが置かれていたり、近づくと弓が発射されるトラップ、攻撃で吹っ飛ばせる土嚢やドラム缶の山など、インタラクティブな要素があちこちに用意されている。特定の壁などは、R2ボタンで登ることが可能。デモプレイでは、お尻ペンペンで挑発しながら逃げていく牙一族のひとりを追いかけるべく、壁を乗り越えていくシーンが披露された。

 「幻闘編」はゲームオリジナルストーリーが楽しめるモード。ゲームシステムはほぼ無双シリーズそのままで、画面右にあるレーダーを見ながら、敵を倒しつつ味方軍団を勝利へと導いていく。デモプレイに使用されたキャラクタはレイ。南斗聖拳は“見切り”システムが使用可能。敵を攻撃している最中、△(Y)ボタンが表示され、そのボタンを押すと画面がモノトーンに転調。この間はキャラクターが強化され、アクションなども変化するという。


【パッケージ】
PS3Xbox 360

【ダウンロードコンテンツ(プレイアブルキャラクター)】
ハート様(上画像・中央)と無法者(同・最右)が登場。できれば味わい深い敵キャラ(牙大王の息子で1番の切れ者など)は一通り使えると嬉しいのだが……それは贅沢すぎる望みというべきか。このほかにもシナリオの配信を検討しているという

【最新プロモーションビデオ】
ジャンプ黄金期ともろかぶりの筆者は(歳がバレますが……)、この最新PVを見るだけでもう胸の高鳴りが止まらない

【ビデオレター】
本作のイメージソングを歌うアーティストの谷村奈南さん(上画像・左)と、原作者の原哲夫先生からそれぞれビデオレターが届けられた

【ディレクターの狩野直士氏による体験版デモプレイ】
原作を追体験するストーリーモード「伝説編」はアクションアドベンチャー風、オリジナル展開が楽しめる「幻闘編」は従来の無双シリーズのテイストでそれぞれプレイできるようだ

ゲーム本編、DLC、特典、コラボなど、さまざまな新要素が公開された。今から発売日が楽しみで仕方ない




■ 体験版ファーストインプレッション

 今回は、極めて限られた時間ではあったが、デモプレイで披露されたものとまったく同じ体験版をプレイすることができた。「伝説編」、「幻闘編」ともに、使用可能キャラクターはケンシロウとレイのみ。PS3、Xbox 360両機種版をそれぞれ同じ回数プレイしたが、まったくといっていいほど差異は感じられなかった。プレミアム先行体験会に参加された一般ユーザーの方々は、もしかしたら「あれ、グラフィックの印象が違う?」と感じられた方もいるかもしれないが、それは会場に設置されていた液晶モニターのコントラスト設定に差があったためで、実際にはほぼ一緒と考えていい。

 体験版につき細かい部分には言及しないが、大まかな印象としては、北斗神拳は「力強さ」、南斗聖拳は「鋭利さ」がそれぞれ強調されているように感じられた。使用キャラクターがケンシロウとレイということもあるが、ケンシロウが繰り出す技は、ひとつひとつが実に力強く「ガツッ」と手ごたえのあるもの。人によっては「なんか無双っぽくないなぁ」と思われるかもしれないが、そういうプレーヤーはレイを選ぶといいだろう。原作やアニメよろしく、鋭くしなやかな動きで容赦なくザコを斬り裂いていく。また、両タイプともR1で使える固有ムーブが回避移動型なので、従来の無双シリーズ同様、数発当てて固有ムーブでキャンセルというテクニックが活用できる。これならケンシロウでも南斗聖拳ばりに軽やかな立ち回りが可能になる。

 「伝説編」のゲーム展開は、鯉沼氏が説明したとおり、まさに“アクションアドベンチャー”といった作り。ステージギミックがあちこちにあるため、それをクリアしたり、あるいは活用するのが実に楽しい。最初はやりかたがわからず、持ったままその場にボコボコ落して片っ端から爆発に巻き込まれていた炸裂型ドラム缶も、説明員の方に「それ、R2で持ったらY(△)ボタンで主観視点に変わり、ターゲットが狙えるようになります」と教えていただいた後は、あっさりザコを狙えるようになった。モヒカンなどのザコが群れているところは、無造作に突っ込むと(そこはゲームなので)いかにケンシロウやレイといえど不覚をとりかねない。ステージギミックの利用は、本編では無視できない要素のひとつになりそうだ。

 「幻闘編」は、ステージ構成、ゲームの流れやテンポなど、ほぼ従来の無双シリーズ感覚でプレイできる。体験版では、レイやユダが共闘するなど、本モードならではのIF展開がてんこ盛りで、筆者などは終始ニヤニヤしっぱなし。はたから見ていたら、さぞかし気持悪かったことと思われる。中ボス戦で、原作では味方だったキャラを北斗百裂拳で容赦なくタコ殴りにしたときは「こ、こんなことが許されるのか!!」など、思わず噴出してしまうシーンが目白押し。予備知識がない人が本作に手を伸ばすことは正直あまり考えにくいが、もしそうした方がおられるなら、1度は原作に目を通したうえでプレイされることを猛烈にオススメする。IFモードではあるが、キャラクターの台詞回しなど、さまざまな部分に真摯な“原作リスペクト”が感じられ、それがまた嬉しくて仕方ない。その他大勢でしかないモヒカンたちも、よく見るとさまざまな“らしい”動きをしており、プレイ時間が制限されているにも関わらず、ついつい「こいつはどんな動きをするんだろう?」と調べてしまったほどだ。

 無双シリーズは、それこそ浴びるほどプレイしてきた筆者だが、やはり楽しいものは“楽しい”し、それがジャンプ黄金期世代にとって絶対に無視できない原作モノなら、もはや理性ではどうにもならない部分がある。プレイ中、説明員の方から「そろそろこのあたりで……」とうながされ、やっと「ハッ」と我にかえる筆者。他にプレイ希望者がいないことを確認しつつ複数回プレイさせていただいたのだが、熱中するあまり第2部との入れ替え寸前まで居座ってしまっていたようだ。赤面しつつお礼をいい、会場を後にする筆者。その手には確実に“北斗無双”ならではの感触が残されていた。早く、もう1度プレイしたい。ベタで恐縮だが、本当に、今から発売日が待ち遠しくて仕方ない。


「北斗無双 TREASUREBOX」に同梱されるキャラクターボイスクロック。ケンシロウ、ラオウ、リンのボイスが再生される。「ケーン! 寝ちゃだめー!!」などファンをニヤリとさせてくれる逸品2部と3部に行なわれる一般ユーザー向けの先行体験会では、アンケートの回答者から抽選で1名に原哲夫先生の直筆イラスト入りサイン色紙がプレゼントされた。当った人がうらやましい……株式会社ポッカコーポレーションとのコラボレート企画「北斗の缶」。ポッカコーヒー「ブラック」と「オリジナル」缶に「北斗の拳」の印象的なシーンがプリントされている。全30種類



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※画面はすべて開発中のものです。

(2010年 3月 3日)

[Reported by 豊臣和孝]