ガマニア、「アンリミテッドハーツ」先行体験レポート
4つの職業スキルが生む自由度の高いゲームプレイ、協力プレイやRvRも楽しめるオンライン2DアクションRPG

6月25日収録




 株式会社ガマニアデジタルエンターテインメントは、オンライン2DアクションRPG「アンリミテッドハーツ」のクローズドβテストを7月2日より開始した。今後7月中旬よりオープンβを開始予定だ。本稿では、クローズドβテスト開催前に行なわれた体験会から、本作の要素を紹介していきたい。

 「アンリミテッドハーツ」は街はMMO、冒険フィールドはMOという2Dグラフィックスのオンラインゲームである。正式サービス時には基本プレイ無料のアイテム課金制を予定している。開発は上海Winking Entertainment。台湾ではGamaniaの独立運営子会社により運営されており、2008年の11月から正式サービスを開始している。

 現在のレベルキャップは60で、多彩なスキルや武器の切り替えによる戦略性、パーティー間でスキルを連携させる協力プレイ、対戦要素に50vs50の攻城戦など盛りだくさんの作品である。



■ 4つの職業スキルで自由度の高いキャラクター育成。オリジナルコンボを組み立てるなどやりこみ要素も

「アンリミテッドハーツ」のディレクターを務めるガマニア オンライン事業部第1事業部の田中照彦氏。「『アンリミテッドハーツ』は感触はライトで間口が広いゲームです。内容も盛りだくさんですし、たくさんの人に楽しんで欲しいです」と語った
ゲームの舞台となるソルティア大陸。レベル60までのフィールドが用意されている
キャラクターやNPCにもそれぞれイラストが用意されている。今後は更にストーリー要素が強化されていくという

 「アンリミテッドハーツ」の舞台となるのはソルティア大陸と呼ばれる場所。プレーヤー達はこの世界に訪れようとする脅威に力を合わせて立ち向かうことになる。ソルティア大陸にはいつしか多数のモンスターが襲来しており、この世界に住む人々を悩ましている。プレーヤーはモンスターと戦い、自らの力を高めていくのだ。

 プレーヤーキャラクターは「剣術」、「魔術」、「格闘」、「射撃」の4つの職業スキルを使いこなす。本作には「職業」という概念はなく、各スキルを成長させ強力なスキルを習得していくという方法を採っている。キャラクターにはキャラクターレベルと職業レベルという2つのパラメーターがある。ともにレベルキャップは60だが、職業レベルはキャラクターレベルが60になってからも成長可能で、やりこみ型のプレーヤーならば複数の職業レベルを育て上げるのも可能だろう。

 また、本作のレベルの特徴として、基本レベルを60以上を育て上げると、そこからさらに経験値を得ることでステータスの再配分が可能になる。対人戦で活躍するには方向性のはっきりしたステータス配分が有利である。コアプレーヤーはレベルキャップを越えてからもキャラクターを育て上げる楽しさが待っている。こういった特性のためか、キャラクターの成長速度は速めに設定されており、ライトなプレーヤーでも手軽にキャラクター育成が楽しめるバランスを目指しているという。

 各職業には様々なスキルが用意されている。エネルギー波を飛ばすものから魔法陣を作りその中に炎の雨を降らせるもの、分身を作り出すもの、魔物を呼び出して攻撃させるものなど種類は豊富だ。スキルにも個別にスキルレベルが設定されており、職業レベルを上昇させて得ることができるスキルポイントを消費して上げていく。スキルレベルの最大は10で、10レベルのスキルを使うとスキルが発動する際にキャラクターのグラフィックスが表示される派手な演出がカットインされる。

 「アンリミテッドハーツ」の大きな特徴は「ゲームパッドに対応している」という点だ。クローズドβテスト当選者にはゲームのイラストの描かれたパッケージに、ガマニアのロゴが入った特製のゲームパッドがプレゼントされた。ゲームはキーボードでもプレイ可能だが、ゲームパッドでのプレイ感もきちんと考えて開発が進められていくという。

 本作のスキルやアイテムはショートカットに登録していくタイプ。ゲームパッドに直接ボタンを割り振ることもできるし、方向キーを利用したコマンド入力も可能だ。スキルのショートカットは4つでコマンドはキャラクターが右向きの時↓→攻撃ボタンで第1スキル、↓↑攻撃ボタンで第2スキル、攻撃ボタンをジャンプボタンに代えることで第3スキル、第4スキルが使える。

 1場面で使えるスキルが4つだけというのは少ない印象を持ったが、本作では武器を瞬時に持ち替えることができ、アイテム用のショートカットにスキルを割り振ることで、さらに4つのスキルが使える。 しゃがみボタンを押しながら方向ボタンを下にすると武器が切り替えられ、ショートカットのスキルも替わる。さらにキーボードのショートカットでも替えられる。複数の職業を使いこなす本作の場合は、杖を持って魔術スキルで敵の動きを止めてから、剣に持ちかえ剣術スキルで突撃、といった戦い方も可能なのだ。

 さらに「アンリミテッドゲージ」による「心技」と呼ばれるコンボシステムが用意されている。アンリミテッドゲージは敵にダメージを与えたり、自分がダメージを受けると溜まるゲージで、フルに溜まったときに心技発動させることができる。発動状態の「アンリミテッドモード」では攻撃力が増すほか、特定のスキルを敵に当てると漢字の書かれたエフェクトが現われる。エフェクトが出ている敵にさらに決められたスキルをぶつけると心技が発動する。

 心技は最大で4つまで繋がり、大ダメージを敵に与える。パーティープレイの場合は「オレがこれ当てたら君はこれ出してよ」という感じで打ち合わせておけば爽快なコンボ攻撃を繰り出すことができるだろう。また、心技は武器を持ちかえスキルを重ねることでひとりでも発動可能だ。さらに、ショートカットにはスキルを複数登録して自分なりのコンボが登録できる。武器の切り替えも登録できるので上級者がどんなスキルセットを作るかも楽しみだ。

 キャラクターの外見は基本モデルは同じだが、様々な外見アイテムでカスタマイズ可能だ。武器や鎧の他、アバター専用アイテムもある。面白いのは、会話時などに表示されるキャラクターグラフィックスもアイテムで変化するところだろう。本作はゲームパッドやショートカットキーを押すだけの簡単操作でプレイできる間口の広さに加え、キャラクターの外見、戦うスタイル、オリジナルコンボの組み立てなど、様々なポイントでやりこめる要素を持ったゲームである。


キャラクター作成画面。男女の基本モデルはそれぞれ1つしかないが、髪型と髪の色で雰囲気が変わる
弓のスキルで攻撃。弓のスキルで攻撃。遠距離からの攻撃でモンスターを寄せ付けない
パワフルな剣攻撃のスキル。相手を弱体化させるスキルなども持っている
格闘攻撃スキル。分身を生み出し攻撃を倍加させるスキルなどがある
キャラクターには基本レベル、職業レベルに加え、各スキルにもレベルがある。右はコンボ設定画面。多数のスキルの組み合わせができ、武器の交換も組み込める


■ レベル60までの冒険フィールド、PvP要素、ギルド戦……今後はヒロインを迎えたストーリー要素も!

最初の街となるノアの都。アイコンをクリックするだけで移動できる
他のプレーヤーキャラクターの装備をチェック。自分が装備するとどうなるかも見れる
プレーヤーキャラクターにはそれぞれ固有のプライベートフィールドが用意されていて、ボスのモンスターカードを入手できた場合、コレクションしたり、戦ったりできる。戦う場合倒すとカードは消滅するが、ドロップアイテムを入手できる

 プレーヤーが冒険の舞台とするソルティア大陸はいくつもの拠点からできている。各拠点にはたくさんのNPCとダンジョンが用意されていて、プレーヤーはNPCからクエストを受けダンジョンへ挑戦していくこととなる。1つの拠点には複数のダンジョンが用意されており、レベル60までのフィールドも既に実装されている。コンテンツに関してはかなりボリュームのある印象を受けた。

 「アンリミテッドハーツ」のマップは非常に便利な機能がある。NPCやダンジョンが細かく表示されており、プレーヤーがマップをクリックするだけでキャラクターは自動的にそこに向かう。クエストをクリアしたり、装備を強化する際もどこに行けばいいか迷わないだろう。クエスト関連のキャラクターにはイラストが用意されている。

 ダンジョンでは多彩なスキルやアイテムを駆使して戦っていく。全体的に敵の数が多い印象だ。グラフィックスはドット絵で描き込まれており、戦う感触は「キャプテンコマンドー」や「ダンジョン&ドラゴンズ」といったカプコンの2Dアクションを思わせる。ダンジョンのモンスターはパーティーで参加すると人数に応じて増えていく。本作のパーティーは最大4人、4人で戦うと敵で画面が一杯になり、多数の敵を蹴散らす爽快感があるという。

 「アンリミテッドハーツ」はゲームシステムからキャラクターグラフィックスなど全体の雰囲気も含めて、かなり往年の横スクロールアクションゲームの影響を受けていると感じさせられる。同じようなスタイルを採用したタイトルとしてNexonの「アラド戦記」があるが、モンスターとの戦いにおいては、「アラド戦記」がスクロールに合わせて徐々に敵が出てくるというスクロールタイプの2Dアクションゲームの感触を色濃く持っているのに対し、「アンリミテッドハーツ」は部屋の敵が1度に襲いかかってくるところが大きな違いだろうか。「アラド戦記」の序盤に比べ1度に相対する敵が多めかなと感じた。スキルの当たり判定も広く、1度に多くの敵を巻き込める。多数を相手にする爽快感を求めているという印象だ。

 今回をプレイした印象としては、やはり戦っているときに使えるスキルが少ないと感じた。コマンドも2つでボタンで変わって計4個、というのは物足りない。もちろん、武器を切り替え、ショートカットを変えることで様々なスキルを組み合わせるという本作が求める戦い方と、キャラクターの能力をきちんと把握してくれば印象は変わってくるだろう。今後きちんとプレイして改めて本作のポテンシャルを確認したいと感じた。

 マップで面白いのは「フリーバトルエリア」という場所があるところ。ここは入ってくるプレーヤーに対して攻撃が可能になる場所で、PKができる。このマップに入るメリットは他のマップより経験値がより多く入るという点だ。ここではいつ他の人に攻撃されるかわからない緊張感がある。対戦相手との了承が必要なPvPよりも、問答無用で相手に襲いかかるPKシステムが必須といわれる中国では必然性のあるコンテンツだが、日本でどういった反応があるか興味を惹かれる。

 PvPにも本作は力を入れている。対戦では最大4vs4で戦うことができる。60レベル以上で可能になるステータスの再配分や、攻撃を重ねることで発動する心技システムなど上級者同士の戦いはどのようになるかとても楽しみである。キャラクターには対戦時のランクがあり、勝つことでランキングに表示される。どんな戦い方、スキルの組み合わせが有効か、どう育てていくかなどプレーヤー間で熱い議論が交わされるだろう。

 この他、ギルドシステムもクローズドβ時から実装されており、ギルド間での50vs50の攻城戦も用意される。100人のプレーヤーがぶつかるのは1つの画面内ではなくいくつものフィールドが繋がったマップになるという。クローズドβテストではこのルールでの負荷がどのくらいになるかもテストされるという。実現したらどういったものになるか見てみたい。観戦システムも期待したいところだ。

 この他にも、ボスを倒したときに入手したカードを使うことで自分の部屋に配置したり、戦ったりすることができるシステムがあったりと、今回説明を受けた範囲でもかなり要素が充実しているという印象を受けた。オープンβ時には「ヒメリア」と呼ばれるかわいらしいお姫様を中心としたストーリークエスト、正式サービス時には限られたプレーヤーが強力な“戦神”に変身できるシステムなど様々な要素が追加される。

 今後も、台湾では実装されているペットシステムを追加したり、数カ月おきにマップの追加をしていく予定だという。これだけたくさんの要素をサービス開始時から用意している盛りだくさんなゲームが、プレーヤー達にどう迎えられていくか、楽しみだ。


アバターアイテムはユニークなアイテムもたくさん用意されるという。キャラクターイラストにも反映されるのが面白い
ギルドシステムや装備強化システムも実装されている。装備強化は装備そのものを強化させる、着用者のステータスをアップさせる、見た目をより豪華にする、の3つの項目がある
特定のスキルを使うことで繋がる心技システム。ゲージを使って発動させるアンリミテッドモードの際にスキルを当てると漢字の書かれたエフェクトがつく。そこにさらにスキルを当てることで強力な心技になるのだ
最大4vs4で行なえる対戦モード。ステータスのカスタマイズやコンボなど、対戦要素も充実している。PK可能なフィールドや、攻城戦もある
チュートリアルはヴィクトリア号という船の上で行なわれる。ここからソルティア大陸へ旅立っていくのだ
日本風な文化を持った「影の森」とダンジョン「闇の夢幻城」
15レベル前後のキャラクターが挑戦する「下水道」。各ダンジョンにはボスが待ち受ける


(C) 2009 Shanghai Winking Entertainment Ltd. All Rights Reserved.
(C) 2009 Gamania Digital Entertainment Co., Ltd. All Rights Reserved.

(2009年 7月 9日)

[Reported by 勝田哲也]