KDDI、au新端末発表会を開催

Bluetooth対戦に4機種が対応。390円からの定額通信サービスも発表


5月25日 開催

会場:ザ・プリンス パークタワー東京



 KDDI株式会社は5月25日、au携帯電話の新商品発表会を、ザ・プリンス パークタワー東京にて開催した。今回発表された新端末は、ビジネス向けのモデルを含めて9機種で、5月29日より順次発売される。これに既に発表済みの「iida」ブランド製品などと合わせて13機種の夏モデルとしている。

 ゲーム関連の新たなサービスは、今回は発表されていない。ゲームユーザーに関係する話題としては、月額390円から利用できる定額通信サービス「ダブル定額スーパーライト」が発表された。既存の「ダブル定額ライト」(月額1,050円)と「ダブル定額」(月額2,100円)に比べ、最低額となる月額定額料が390円と大幅に下がっているものの、上限額はいずれも同じ4,410円(EZwebとメールの利用のみの場合)となっている。

 ゲームユーザーの場合、パケット通信を利用するオンラインゲームや、大きなゲームのダウンロードなどを利用した際には、すぐに上限額に達してしまう。しかし逆にそういったコンテンツを利用しない場合は、極端に通信量が減ることも多い。既存のサービスに比べてパケット通信料が高く設定されているため、上限額には達しやすいが、月によって通信量にばらつきがある人は、変更しておいても損はないだろう。受け付けは8月10日より開始される。

 新端末については、ゲーム向けかどうかの判断として、「EZアプリ Bluetooth対戦」機能がある。これが搭載されたものは、今回の新端末では全部で4機種ある。ゲーム向け端末が欲しい人はこの中から好みで選べばいいが、今回はコンセプトや形状が特殊なものが多いため、ゲーム用としてはどうかという視点から端末を見ていきたい。


KDDI代表取締役社長兼会長の小野寺正氏KDDI取締役執行役員常務 コンシューマ商品統括本部長の高橋誠氏上限額据え置きで定額料が大幅に下げられた「ダブル定額スーパーライト」



■ 東芝製「biblio(ビブリオ)」

 約3.5インチのフルワイドVGA++液晶(480×960ドット)を搭載し、モバイル読書向けサービス「EZブック」を最大活用する「ブックケータイ」。横向きのスライド端末で、一見するとQWERTYキーを搭載したスマートフォンだが、利用状況に応じてボタン表示が変化し、一般的な携帯電話と同様のテンキースタイルにもできる。このときの操作は左側に画面、右側にキーという配置になり、右手親指で操作するという形になる。

 このため、両手を使って遊びたいアクション性の高いゲームは難しい(アプリ側で横画面に対応してくれれば別だが)。今回発表された端末の中ではフラッグシップといえる性能を持っているが、このボタンの仕様がゲームでどう使われるかによって評価が分かれそうだ。

 プリインストールゲームは、「東北大学 川島隆太教授監修 まるごと!全脳トレベスト」。画面上から落ちてくるゴミを、1~3キーを押して正しいゴミ箱に分別する「資源ごみ分別」をプレイすると、脳年齢が測定される。このほか、東芝製端末では定番の育成ゲーム「ウチの犬2 with トウシバ犬」も収録されている。

 6月中旬より発売予定。


「東北大学 川島隆太教授監修 まるごと!全脳トレベスト」は、ミニゲームをプレイすることで脳年齢を測定してくれる



■ シャープ製「Sportio water beat(スポーティオ ウォーター ビート)」

 スポーツ機能との連携が魅力の「Sportio」シリーズの第2弾となる「防水スポーツケータイ」。液晶だけでボタンが見えないスタイルからスライド端末に見えるが、実はどこもスライドしないストレート型の端末である。

 操作はタッチパネルと、端末横にあるボタンで行なう。テンキーは液晶をタッチすると現われるソフトウェアキーで利用できるが、既存のゲームの操作には向いているとはいえないし、アプリ側もソフトウェアキーに対応した個別の開発が必要になるという(実際のところモバイルゲームは全ての対応端末に対して調整されているが、比較的大掛かりになる)。ただ、タッチパネルやモーションセンサーの使用感は良好で、これらの機能だけで遊べるものなら快適にプレイできそうだ。

 プリインストールゲームは、「体感☆ボウリング」と「スーパーモンキーボール モバイル」。「体感☆ボウリング」はモーションセンサーのみでプレイできるボウリングゲームで、端末横のボタンを押しながらスローイングの動きをすると、画面内でボールがピンに向かって転がっていく。これを繰り返すだけのシンプルなゲームだ。

 5月29日より順次発売予定。


待ち受け画面をタッチするとメニューが現われる。アプリもここから起動可能テンキーはソフトウェア表示なので、大半のアプリは対応が難しそうだ
モーションセンサーを使ったボウリングゲーム「体感☆ボウリング」。操作はシンプルだが、きちんとスローイングしないとまっすぐ転がらない



■ 日立製作所製「Mobile Hi-Vision CAM Wooo」

 1,280×720ドットで30fpsのHD動画を撮影できる高性能ムービーカメラ付き端末。HDMI端子も搭載しており、HD動画やHD解像度以上の写真をそのままテレビに出力できる。ただし、メニューやアプリの画面は出力できない。

 縦横両方に開く「3WAYオープンスタイル」を採用しており、ワイド画面のゲームアプリでは横開きのスタイルで利用できそうだ。巨大なレンズは威圧感があり、端末のサイズも大きく見えるが、実際は約118×50×19.9mmで重さ約152g(いずれも暫定値)となっており、触ってもそれほど大きさや重さを感じないのは好印象だ。

 プリインストールアプリは、会場に置かれたモデルにはまだ間に合っておらず確認できなかった。スタッフによると、2種類のゲームアプリがプリインストールされる予定だという。

 7月下旬より発売予定。




■ シャープ製「SOLAR PHONE SH002」

 ソーラーパネルを搭載し、太陽電池で充電できる端末。縦方向に開く一般的な折りたたみ型で、液晶部分を回転させて表に見せるスタイルも可能。太陽電池というのは先進的だが、今回紹介する4機種の中では最もスタンダードな使用感だった。機能的にはタッチパネルがない程度で、モーションセンサーは内蔵しており、十分な機能を有しているといえる。

 プリインストールゲームは、「スーパーモンキーボール モバイル」、「Melody of Emotion」、「ぷよぷよ~ん&コラムス」の3本。「スーパーモンキーボール モバイル」はモーションセンサーを使った玉転がしゲームで、端末を傾けて3D空間ボールを転がしてゴールへ導く。「Melody of Emotion」は、音楽のリズムに乗って画面中央に向かってくる波紋に合わせて、上下左右のボタンをタイミングよく押していくリズムゲームで、女の子のキャラクターがダンスする3Dグラフィックスも特徴的。

 6月上旬より発売予定。


モバイルでもおなじみとなった玉転がしゲーム「スーパーモンキーボール モバイル」。センサーの感度もよく快適に操作できた
「Melody of Emotion」は、3Dの女の子のダンスを楽しみつつ遊べるリズムゲーム

(2009年 5月 25日)

[Reported by 石田賀津男]