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世界最大、最高のガンプラ拠点! 「THE GUNDAM BASE TOKYO」ついに爆誕
37年の歴史を“商品”として展示、組み立てスペースまで完備
2017年8月17日 19:02
バンダイは、「機動戦士ガンダム」のプラモデル「ガンプラ」の総合施設「THE GUNDAM BASE TOKYO」を8月19日よりオープンする。今回、正式オープンに先がけ、プレスや流通業者など、関係者向けの内覧会が行なわれ、一足先に内容を見ることができた。
「THE GUNDAM BASE TOKYO」は、お台場のダイバーシティ7階、これまで「ガンダムフロント東京」があった場所だ。「ガンダムフロント東京では」グッズの販売や、映像展示などを行なっていたが、今回、「ガンプラ」に特化して“生まれ変わった”ということになる。
圧巻なのは「ショップゾーン」だ。本施設での最大面積、1/3を占める広大なスペースに1,500種類以上のガンプラが販売されている。ガンプラは、日本のプラモデル業界を代表する1ジャンルであり、他のプラモデル製品と異なる独特の進化を遂げているが、「THE GUNDAM BASE TOKYO」ではその進化と広がりを非常に効果的にアピールしている。
ガンプラの面白いところは、「基本的には絶版がない」というところにある。37年前に販売された「1/144 ガンダム」から、「ガンプラブーム」を支えた懐かしの製品、Zガンダムや、Vガンダムなどのアニメ商品、そしてプラモデルオリジナル商品など、長い歴史で生まれてきた製品が今でも数年おきに生産され、店頭に並んでいるのである。生産に大きなコストがかかり、販売台数も限られる“玩具”というジャンルで、30年以上前の商品を再販し続け、売れ続けるというこのビジネスを実現できているのは、本当に驚異的だ。
ショップゾーンではこれらを並べ、販売している。その規模、品揃えは世界一だ。筆者が子供の頃に憧れた商品から、最新商品まで、作品や、スケール、年代などで細かく分けられて販売されている。うれしいのは“作例”も展示されていること。未塗装の“素組み”で組み上がった商品も展示しているのだ。ガンプラは進化し続けている。しかし、過去作品でもそれぞれに魅力がある。金型造形技術が未発達だがそれが味になっている場合もあるし、最新のものはパーツ単位での色分け、造型のシャープさが見事だ。同時期の発売でもできが良いもの、悪いものがあるし、人気のMSはリニューアルもされている。そういった1つ1つのガンプラの“歴史”をショップコーナーは実感できるのである。
もう1つの大きな目玉が、「ファクトリーゾーン」だ。ここは博物館のようになっていて、静岡にあるバンダイホビー事業部の工場で、企画から金型設計、生産、パッケージデザインなどプラモデルはどのような工程で生産されているかを見ることができる。モニター上に表示された「RG ユニコーンガンダム」の3DモデルはCTスキャンのように自由に切断しパーツ構成を見ることができ、その複雑な構成を実感できる。
その「RG ユニコーンガンダム」はいかに設計され、金型の部品となったのか、プラスチックを流し込み成形を行なう風景も見ることができるし、流し込む前のプラスチックの状態「ペレット」も見れる。また1/60の静岡工場ミニチュアまで展示されている。工場だけでなく、企画室なども見れる上に、工場のクレーンや資材運搬用のフォークリフトが電動で動くところもすごい。
建物の中にはちゃんと社員のフィギュアもあるし、実際の工場同様、連邦軍の制服を着ている。そのこだわりには圧倒される。なにより1/60というスケールが良い。それはガンプラの大型商品の統一スケールであり、ユーザーにイメージしやすい縮尺なのである。
ガンプラは生産は完全に国内で行なわれている。日本では多くの玩具が中国など外国の工場でつくられている現状では、かなり珍しい生産体制であるといえる。静岡工場は現在も見学を受け付けているが、事前申し込みの抽選性であり、限られた人しか見ることができないのが現状だ。「THE GUNDAM BASE TOKYO」ではこの静岡工場の“雰囲気”を体験できる。
「THE GUNDAM BASE TOKYO」はこの2つの目玉の他にも様々な見所がある。中央スペースは企画展示で、現在は「ガンダムビルドファイターズ」のキャラクターの立像がある。また、実況スペースがあり、おなじみの川口名人がオープンの模様を伝えていた。また、ショップコーナーでの塗装されていない“素組み”のガンプラ以外にも、プロモデラーや有名人の作例、コンテストの優勝者の作品も展示しており、これらも見応えがある。
さらに「組立コーナー」もあるのだ。購入したガンプラを組み立てることができる。数は20席ほどではあるが、トレーとニッパーを借りることができ最大で1時間席を借りて組み立てることができる。加えて9月20日頃からは「塗装スペース」を有料で貸し出していく予定だ。エアブラシも2セット、換気も行なっている作業スペースも用意しており、筆塗り用の作業台、塗装した組立途中のガンプラを保管できるロッカーまである。
塗装スペースに関しては数人のプロモデラーが交代で管理人を勤め、機器の使い方から塗装のアドバイスも行なう。改造作例も展示されており、ガンプラのより高度な楽しみ方も提示しているのだ。まさに究極の「ガンプラ施設」といえるだろう。
そしてショップとは別の大きな「限定品販売コーナー」もある。「GUNDAM BASE TOKYO」ではスタートを記念し多数の限定商品を販売する。今後も様々な限定商品が販売されるという。
ガンプラの全てが楽しめる施設を! お台場を皮切りに日本の他地域へも展開へ
今回の内覧会では、ホビー事業部のゼネラルマネージャー藤原孝史氏に話を聞くことができた。「THE GUNDAM BASE TOKYO」は2020年の東京オリンピックが迫る中、世界的に注目が集まる東京・お台場に「ガンプラの拠点」を作るべく企画がスタートしたという。
「THE GUNDAM BASE」というガンプラの拠点は実は台湾や韓国などアジアにはすでに出展しており、今回、最大規模で日本でオープンとなる。「お台場から、ガンプラの面白さを世界的に発信していきたい、そういう想いのオープンとなります」と、藤原氏は語った。
「ガンプラの魅力は奥深い。その面白さ、奥深さを伝えるための施設となっています。ここに来ればガンプラの面白さを感じていただけると思います」と藤原氏は言葉を続けた。その対象は幅広い。子供の頃にガンプラを買った40代のユーザーから、「ガンダム」を全く知らない外国人観光客まで、誰もがガンプラの魅力を感じることができるように「THE GUNDAM BASE TOKYO」は作られている。
その中でも静岡工場を再現したファクトリーゾーンでは、ガンプラを「日本の産業の1つ」としてアピール、ガンプラが国内の工場で生産されていること、高い技術で作られていることを外国人をはじめとした多くの人に印象づける狙いがあるとのことだ。広大なスペースを利用し、組み立てコーナーを置くことができたのも大きなウリで、ガンプラの組み立ての楽しさもきちんと主張していく。
プロモデラーの初心者講座も含め、この施設ではガンプラの魅力の“全て”を感じることができる。それはより幅広く、ガンプラを世界的に販売していきたい、というバンダイホビー事業部の想いを託した施設となっているという。そして日本国内でも「THE GUNDAM BASE」を展開していきたい、という構想も持っているとのことだ。
藤原氏のイチオシはやはりショップゾーン。関連商品も含め2,000商品というボリュームはこれまで例がない。世界最大規模のショップゾーンとするため、現在の形を多くのスタッフと共に企画し、設計していったが、やはり今回並べて陳列したときには、特別な想いを持ったと藤原氏は語った。
最後に「THE GUNDAM BASE TOKYO」を訪れるユーザーに向け藤原氏は「この施設は日本での1号店となります。ただ商品を買うだけでなく、懐かしさなど、ここに来ると会話も弾むと思いますし、改めてガンプラの新たな魅力を発見できると思います。ぜひ1度足を運んでください」とメッセージを送った。
今回取材してみて、そのスケールに驚かされたが、それ以上に盛り込まれたアイディア、企画にワクワクさせられた。繰り返すが、ガンプラは非常にユニークな進化と、「過去から現在までの商品がきちんと入手できる」という夢のようなビジネスを実現している。「GUNDAM BASE TOKYO」ではこのガンプラを満喫できるだけでなく、バックボーンを学べ、より理解を深めることができる。
今回は掲載不可のため写真がお見せできないのが残念だが、「お台場ガンダム」に変わる新たな1/1立像「ユニコーンガンダム」も組み上がりつつある。この新しい「ガンプラの拠点」は8月19日オープンである。ぜひ足を運んで欲しい。