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Cerevo、スマートヨーヨー「7-Magic」発表

42個の高輝度LEDをBluetoothで制御、パフォーマンス向けヨーヨー

発売日:11月上旬出荷予定

価格:27,777円(税別)

 Cerevoは10月26日、PCと連動して光るスマートヨーヨー「7-Magic(セブン・マジック)」の発表会を開催した。発表と同時にCerevoのショッピングサイトで受注が開始され、価格は27,777円(税別)となる。

 家電のIoT機器の開発に精力的な同社が今回発売するのは、おもちゃとIoTを組み合わせた「スマートトイ」だ。かつて同社が、スノーボードのビンディングにセンサーとBluetoothモジュールを内蔵した製品を発売したように、「昔からあるけど、これまでIoT機器と組み合わされることがなかったもの」に着目し、紀元前500年から存在しているというおもちゃ「ヨーヨー」を、Bluetooth機器と組み合わせたのがこの「7-Magic」だ。

【7-Magic】
製品のプレゼンを行なったCerevo代表取締役の岩佐琢磨氏
ヨーヨーの両側にLED回路やバッテリーなどとともに組み込まれる「BLUE NINJA」

 かつての1970年代のコカ・コーラのヨーヨーや、1990年代後半の「ハイパーヨーヨー」ブームの頃から現在に至るまで、基本構造がほとんど変わらないという部分にアプローチしたこの製品には、同社が過去に発売した「BLUE NINJA」というIoT機器が組み込まれ、BluetoothによるPC制御が可能となる。

 PC(Windows)によって制御できるのは、ヨーヨーに搭載された合計42個の高輝度LED。専用のソフトを使用することで、所定のタイミングでのLEDの点灯パターンを設定することができ、音楽や映像に合わせたヨーヨーパフォーマンスが行なえるというもの。

 この製品はプロのヨーヨーパフォーマーBLACK氏の考案によって製品化されたもので、プロとしてのパフォーマンスに使えるものでありながら、アマチュアでも音楽と映像とヨーヨーが点灯するパターンを設定すれば、腕次第でプロにも負けない“魅せるパフォーマンス”を披露できるというわけである。

【目も眩む閃光を放つBluetooth搭載スマート・ヨーヨー「7-Magic」】

緑・青・赤の高輝度LEDを片側に7個ずつ配置。明るさはPCで制御する
内部の回路一式。充電用マイクロUSB端子と電源ボタンを備える。「BLUE NINJA」は写真左側に縦に設置

 本体には高輝度LEDを本体左右両側で合計42個を搭載し、最大輝度で総計2ワット、1,100ルクスの明るさを実現。基本仕様での駆動時間は80分(LED単色、輝度50%、点灯率50%)だが、最大輝度での駆動時間は約8分と短くなる。これはBLACK氏が実際にステージなどでパフォーマンスを行なうための明るさと時間に基づいた設定であり、アマチュアが楽しむだけなら、輝度を落して駆動時間を延ばした設定でも暗いところならかなり明るく光るとのことだ。

 この「7-Magic」には、3つの発光モードが備えられている。1つが「ワイヤレスリアルタイム発光モード」。設定アプリ「7-Magic Bluetooth Cue」を使って、PCからヨーヨーの光を遠隔操作するモードだ。ヨーヨーをやっている人とは別に、補助者が光をコントロールすることで、VJのような楽しみ方ができるのだ。

 続いては「ワイヤレスプリセット発光モード」。これはあらかじめ設定したパターンでLEDを光らせるもので、プレーヤーが檀上に上がってパフォーマンスをするタイミングに設定することで自動的に発光を開始させたり、別のBluetooth機器を使って任意の田ミングでスタートさせたりすることも可能だ。

 最後に「USBプリセット発光」モードは、「ワイヤレスプリセット発光モード」を、有線のUSB機器にてスタートさせられるというもの。Bluetoothによる無線が不安定な場所などでも確実に発光スタートができる、プロのパフォーマー向けのモードとなっている。

 会場ではこの製品の開発アドバイザーとして携わったBLACK氏の、「7-Magic」を使ったパフォーマンスも行なわれている。

【スマート・ヨーヨー「7-Magic」、BLACK氏によるパフォーマンス】

 元々Cerevoの岩佐氏と親交があったBLACK氏は、パフォーマンスに使用できるヨーヨーを作れないかと打診し、BLACK氏個人で使用する予定だったものを製品化したのが「7-Magic」なのだ。かなりマニアックな製品ながら、かつての「ハイパーヨーヨー」のブームを経験した推定1,000万人のプレーヤーが大人になり、当時の腕をもう1度発揮できるような製品として発売に至ったという。

 発売にあたり、BLACK氏監修のパフォーマンス用の発光パターンと約90秒の音楽と映像、そして専用の振り付けも提供される予定で、買って練習を詰めばちょっとした余興などに使えるパフォーマンスができるようになるのである。

 経験者にとって気になるヨーヨー本体は、香港の会社C3ヨーヨーデザインと提携し、同社が発売するヨーヨー「イニシエーター」に専用の回路やバッテリーを組み込んだ形での発売となる。感覚としてはハイパーヨーヨーの「ハイパーレイダー」のような使用感があるという。本体にはベアリングはもちろん、ルーピングプレイとストリングプレイそれぞれに対応できるスペーサーや、重量を調整するためのカウンターウェイトとなる1.5グラムのネジが2本用意され、好みのセッティングができる仕様だ。

 将来的にはヨーヨーの回転連動によって光るようなプログラムや、回転でPC側の映像や音声が変化するような要素も提案されていて、またスマホ向けの制御アプリも追って提供される予定となっている。

 やや高額な商品となるが、かつてのブームで「スピナー」として慣らした人は、眠らせている腕をこのヨーヨーで再び復活させて、これからの季節の集まりなどで披露してみてはいかがだろうか。

分解した様子。ベアリングを挟むスペーサーは青がストリングプレイ向け、金がルーピングプレイ向けになる
PC用の専用アプリが用意され、光の色やタイミングなどを音楽や映像に合わせて編集できる