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「あそぶ!ゲーム展」第2弾! 貴重なアーケードゲーム、家庭用ソフトをプレイ可能!

「ステージ2:ゲームセンターVSファミコン」が開幕

9月10日~2017年3月12日 開催

会場:SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ映像ミュージアム

入場料:
510円(大人)
250円(小人)
「あそぶ!ゲーム展 ステージ2」会場のSKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ。「あそぶ!ゲーム展」会場には2階にある受付から入場する

 埼玉県主催、デジタルSKIPステーションの企画によるデジタルゲームの展覧会「あそぶ!ゲーム展 ステージ2:ゲームセンターVSファミコン」が、9月10日よりSKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ(埼玉県川口市)にて開幕した。

 本イベントは、2015年10月3日~2016年2月28日にかけて開催され、入場者は約48,000人(※主催者発表による)にも上る好評を博した「あそぶ!ゲーム展 ステージ1:デジタルゲームの夜明け」に続く、ゲーム企画展の第2弾にあたる。前回と同様に、会場内には懐かしの名作ゲームがプレイ可能な状態で多数展示されていた。

 前回の「ステージ1」では、ビデオゲームの誕生~1982年までの作品が出展されていたが、今回はその続きとなるように1983~1990年までに発売されたものが出展の対象となっていた。また、今回から新たにゲーム音楽の歴史に詳しいhally氏監修による、その名もズバリの「音楽コーナー」が新設されたのも見どころのひとつとなっていた。

 本イベントの企画を担当した、デジタルSKIPステーションの澤柳秀行氏によると、「ゲームセンターVSファミコン」というタイトルにしたのは、「ゲームがいろいろな意味で盛り上がった、1980年代という時代を象徴するものはいったい何かと考えた結果、ゲームセンターで遊ぶアーケードゲームと、ファミコンに代表される家庭用ゲーム機だろうということで、このタイトルに決めました」とのこと。

 また、出展タイトルのセレクトにあたっては、「例えば、大型筐体と映像が連動する体感ゲームなどのように、映像コンテンツとしてゲームを見た場合に、何か新しいことをしているものを重視して選びました。大人数で同時に遊べるゲームも用意しましたので、ご家族のみなさんでぜひいっしょに遊んだり、あるいは見たりしながらワイワイ楽しんでいただければと思います」(澤柳氏)とのことだった。

 以下、「遊ぶ!ゲーム展 ステージ2」の各展示コーナー、および出展タイトルをご紹介していこう。なお、今回は出展タイトル数が非常に多いため、一部の作品については詳しい説明を省かせたいただいたので、あらかじめご了承いただきたい。

「ゼビウス降臨」コーナー

 高度な戦略性、美しいグラフィックスやサウンド、隠れキャラクターの存在など、当時の多くのプレーヤーに衝撃を与えたシューティングゲームの金字塔、「ゼビウス」(1983年、ナムコ ※現バンダイナムコエンターテインメント)。「降臨」と名付けられた本作だけの大規模なコーナーには、ゲームが遊べる筐体のほかにも基板、設定資料など貴重な品々がたくさん展示されていた。

壁面には多数の資料やイラストが並べられ、モニターを介して「ゼビウス」開発者の貴重な座談会動画も視聴できる

「成熟するアーケードデジタルゲーム」コーナー

 1983~1984年にかけて登場したアーケードゲームをピックアップしたコーナー。とりわけ、アタリ製の「メジャーハボック」は斬新なゲームシステム、ベクタースキャンによる美しい画面、そしてローラー型のコントローラーによる操作という独創性あふれる作品で、会場に足を運んだなら必ずプレイしておきたい逸品である。

左の筐体はボクシングゲームの「パンチアウト」(1984、任天堂)。右側は、相手レスラーと組み合うことで、さまざまな技が繰り出せるプロレスゲームの「ザ・ビック・プロレスリング」(1983年、テクノスジャパン・データイースト)
敵のキャラクターに捕まらないようにして、ステージ内にある盗品を取り返していくアクションゲームの「マッピー」(1983年、ナムコ)。貴重な純正アップライト筐体で楽しめる
2本のレバーを使用してラインを広げ、敵キャラクターなどを囲んで遊ぶアクションゲームの「リブルラブル」(1983年、ナムコ)
自機を操作して敵を撃つ3Dシューティングと、人間のキャラクターを動かして迷路を脱出を目指すアクションゲームが同時に遊べる「メジャーハボック」(1983年、アタリ)。ちなみに奥のショーケース内にはアタリVCSが飾られている
主人公の騎士ギルを操作して敵と戦い、隠された宝箱や謎を解き明かしていくアクションRPGの「ドルアーガの塔」(1984年、ナムコ)
ご存知、マリオとルイージが登場するアクションゲームの名作「マリオブラザーズ」(1983年、任天堂)。1コインで2人同時に遊べるのも画期的だった

ファミリーコンピュータのコーナー

 ファミコンのコーナーでは、「スーパーマリオブラザーズ」(1985年、任天堂)と初代「ファイナルファンタジー」(スクウェア、1987年 ※現スクウェア・エニックス)に加え、懐かしのアーケード筐体、通称VS筐体もプレイアブル出展。また、「ファミリーベーシック」などの別売りハードや、海外版のファミコン(NES)本体も展示されていた。

元祖ファミコンコーナーでは、古いブラウン管型のテレビを使って遊べるこだわりぶり。VS筐体では「アイスクライマー」(1985年、任天堂)と「エキサイトバイク」(1984年、任天堂)が遊べるようになっていた

「独自性を追求するアーケードデジタルゲーム」コーナー

 1985~1990年に発売されたアーケードゲームを合計10台展示。海外製ゲームの名作「マーブルマッドネス」や「ガントレット」、大型体感ゲームの「ダライアスII」、「ナイトストライカー」などの貴重かつ個性派タイトルが並んでいた。

タイトーの大型筐体を使用したアーケードゲーム。左が3Dシューティングの「ナイトストライカー」(1989年、タイトー)で、右は複数のモニターを横に並べて1つの大画面に見立て、ボディソニックを搭載した大型筐体を使用したシューティングゲーム、「ダライアス」の続編にあたる「ダライアスII」(1989年、タイトー)
4人同時プレイが楽しめる、専用筐体を使用したアクションゲーム。左が「カルテット」(1986年、セガ)で、右は「ガントレット」(1986年、アタリゲームズ・ナムコ)
右側の筐体、ツッパリ少年のくにおを主人公とするアクションゲームの「熱血硬派くにおくん」(1986年、テクノスジャパン)、左奥は和風の世界感が特徴のアクションゲーム「源平討魔伝」(1986年、ナムコ)。中央の「沙羅曼蛇」(1986年、KONAMI)は、開催初日は残念ながら稼働停止中だった
左側はトラックボールを使ってボールを転がし、制限時間内にゴールを目指す「マーブルマッドネス」(1985年、アタリ・ナムコ)。右側は横スクロールシューティングゲームの傑作「グラディウス」(1985年、KONAMI)
雲の中に隠されたベルを撃ち、自機をパワーアップさせていくシューティングゲーム「ツインビー」(1985年、KONAMI)。本作に使用されたバブルシステム基板も展示されていた(※左側の基板はデータイースト製の通称デコカセット基板)

「セガ体感ゲームの革命」コーナー

 その名のとおり、1980年代に大人気を博したセガのアーケード用大型体感ゲームをまとめて展示。残念ながら「スペースハリアー」は代替機での稼働で、また「アウトラン」は時間限定での稼働となっていたが、それでも貴重な作品がまとめて展示されていたのは驚かされた。また、数多くの体感ゲームを開発した元セガの鈴木裕氏のインタビューを視聴できるのもこれまた嬉しい。

ハンドル操作に合わせて筐体が左右に傾く、ドライブゲームの名作中の名作「アウトラン」(1986年、セガ ※現セガ・インタラクティブ)
バイク型筐体を使用した大型体感ゲーム、「ハングオン」の続編にあたる「スーパーハングオン」(1987年、セガ)
アナログスティックの操作に合わせて筐体が上下左右に傾く、当時の大型体感ゲームを代表する3Dシューティングゲーム、「スペースハリアー」(1985年、セガ)。オリジナル筐体は展示のみで代替機で遊べる
ロックオンミサイル攻撃や自機のローリングなど、リアルなドッグファイトが楽しめる3Dシューティングゲームの「アフターバーナーII」(1987年、セガ)。残念ながら開催初日は稼働停止中であった
ゲーム開発の巨匠、鈴木裕氏の貴重なインタビューも聞くことができる

「家庭用ゲームは次世代へ」コーナー

 1987~1990年までに登場した、ファミコン以外の各種家庭用プラットフォームがすべてプレイ可能で、さらにはホビーパソコンのMSX2、PC-8801mkIISR、X68000もプレイアブルな状態で展示されていた。

PCエンジン:壁などを反射して飛んでいく反射レーザー、自機からいつでも分離・合体ができるフォースなど、ユニークなアイデアを多数盛り込んだシューティングゲームの「R-TYPE I」(1987年、アイレム)
メガドライブ:同ハードを代表する作品のひとつ、主人公の忍者ジョー・ムサシを操作して敵と戦うアクションゲームの「ザ・スーパー忍」(1989年、セガ)
ゲームボーイ(初期型)の白黒モニターが懐かしい。スクウェアのRPG「魔界塔士 サ・ガ」(1989年、スクウェア)が遊べるようになっていた
左側はネオジオで、ゲームは本体発売と同時に登場したアクションゲームの「NAM-1975」(1990年、SNK ※現SNKプレイモア)。右側はスーパファミコン版の「スーパーマリオワールド」(1990年、任天堂)
ホビーパソコン3種。右から順に、MSX2用シューティングゲームの「グラディウス2」(1987年、KONAMI)、X68000版の歴史シミュレーションの定番「信長の野望・全国版」(1986年、コーエー ※現コーエーテクモゲームス)、PC-8801mkIISRではアクションRPGの「イース」(1987年、日本ファルコム)が遊べるようになっていた

ゲーム音楽コーナー

 ゲーム音楽史を研究する、hally氏が監修したコーナー。パネルには各メーカーの手書きのゲームミュージックの楽譜やレコードジャケット、ゲーム音楽史の歴史が学べる文章がズラリと並んでいた。さらにはキーボードを弾きながらPSG、FM、PCMの各音源、すなわちゲームに使用された音源をそれぞれの時代ごとに比較して楽しめるようにもなっていた。

有名メーカーのゲーム音楽史に関する資料や記述がズラリ。PCM音源が鳴らせるキーボードでは、マイクを使用してサンプリングした自分の声を使って演奏することもできる

 本イベントは2017年の3月12日まで開催され、入場料は大人が510円、小人は250円で、会場内のゲームはすべて無料で遊べる。今回もまた貴重なゲームを遊びつつ、なおかつその歴史や機械の仕組みが学べる展示となっているので、数十年来ゲームを楽しんでいるゲームファンはもちろん、親子で来場しても十分に楽しめることだろう。ただし、一部のタイトルについては稼働させる時間帯を限定し、また開催時期によってタイトルを入れ替える場合があるそうなのであらかじめご注意を。

 さらに開催期間中には、「今回は音楽コーナーができたこともありますので、ゲームミュージックの作曲家をお呼びしたトークイベントができればと今考えていることろです。前回のようにゲーム研究者らをゲストに招いたトークや対戦イベントなどの開催も検討中です」(澤柳氏)とのこと。はたしてどんなイベントが実施されるのか、こちらの続報にもぜひ注目しておきたい。