インタビュー

SCEWWSプレジデント吉田修平氏インタビュー

発売から1年半で、PS4はPS3の3倍の速度で拡大中

発売から1年半で、PS4はPS3の3倍の速度で拡大中

プレスカンファレンスに展示されていた、中国市場向けの限定版PS4

――中国でPS4が正式に発売してから、中国市場にどんな変化がありましたか?

織田氏: PS4では欧米のローンチとアジアのローンチが非常に近かったのです。昔のプラットフォームでは1年待たされたとかいうのもあった中で、欧米から1カ月遅れで出だせたので、それだけでも非常にポジティブに感じていただけていると思います。タイトルも当初は欧米系のサードパーティが多かったと思いますが、アジアには欧米系も日系も両方遊ぶお客様がいるので、出足が非常によく、そのままいい勢いが続いているのかなと感じています。最近特に日系のサードパーティも増えてきたので、そういう意味ではだんだんラインナップが豊富になってきて、アジアのお客様も非常に喜んでいると思います。

――PS2よりPS3が、PS3よりPS4がと伸びているように感じられますか?

織田氏: PS4は発売から1年半くらいの状況で言うと、アジアではPS3の3倍は延びていて、立ち上げ的には垂直に近い形になっています。

吉田氏: 非常に大きな違いは、今回はゲームを買っていただけるのです。文化的経済的な水準が上がってきていて、海賊版のゲームを買ったり扱ったりすることにちょっと抵抗が出てきている感じがします。だからアジアはゲームが売れるのです。もちろん本体も売れていますが、ゲームが売れる市場ということで、非常にありがたいですね。中国本土に関していうと、本土は今年の発売だったのですが、実はユーザーさんは結構いらっしゃったのですね。なので今後徐々に中国向けハードのユーザーさんが増えて行けばいいなと。

――中国でのプロモーションは日本のようにCMを打てばいいというものではないと聞きますが、どういった形になるのですか?

織田氏: 一番いいのはネットメディアですね。テレビのメディアよりもネット系です。コミュニティ系にいろいろ発信したり、ファンのグループを募ったり。例えばうちの添田には結構彼個人にファンがついているのです。彼と遊べる会とか、添田くんのサイン会とか、そういった非常に手触り感がある規模でビジネスをやっていて、コミュニティにアプローチをしてファンを増やしています。今日、中国のメディアさんもたくさん来られていましたが、取材の前にサインをくれという方が非常に多かったです。

吉田氏: 結構台湾メディアの記事なども全部中国本土でも見られているのですよね。だから情報はかなり入っているようです。

織田氏: 台北ゲームショウの時にもお話したのですが、台湾には2,000数百万のマーケットしかないのに、そのマーケット向けにアジアで一番大きな規模のゲームショウを主催しているのです。実はその行先は2,000数百万ではなくて、インターネットで13億人の中国に情報が流れて、シンガポールを含めて中国語圏にプロモーションをしているつもりです。

――今回のChinaJoy 2015を皮切りにこれからも販促を進められていくと思いますが、具体的なプロモーションの計画はありますか?

織田氏: すでに、先ほど言った添田を囲む会のようなものを毎週毎週色々なところでやっています。大型のプロモーションというよりも、そういう手作り感のあるものをやっています。

――上海でですか?

織田氏: 北京に行ったり、地方にも行ったりしています。

吉田氏: 大都会もそうですが、ちょっと奥地に行くと、そういうところではあまりイベントをやらないものですから、皆さん非常に熱心に集まってきてくれます。できるだけそういうところで直接お客様と交流したいと思います。

――中国のゲームコミュニティはオンラインのコミュニティが中心なのですか?

織田氏: 両方ですね。いわゆるSNSの中でファングループみたいなものがいくつもあったり、オフ会であったり、ゲームイベントがあったり。先ほども言いましたが、メディアさんそのものがすごくゲームが好きな方がいて、その中にはパワーブロガーさんもいらっしゃって、そういうところで結構コミュニティを作る方が多いです。

吉田氏: <さっきもアジアの皆さんのQ&Aをやっていたのですが、皆さんが多分15年くらい前にはこんな感じだっただろうなという若者ばかりなのです(笑)。20台前半くらいの。

――メディアが若いのですかね。

吉田氏: むちゃくちゃ若いですね。

――ファンも若い方が多いですか?

織田氏: そうですね。それに中国ではうちの社員も非常に若いです。

吉田氏: 先週香港の「Ani-Com & Games Hong Kong2015」にも中国からすごくたくさんの方が来ているのですよね。

織田氏: 香港に近い広東省から、ツーリスト会社が香港にソニーのブースを見に行こうみたいなパッケージツアーがあって。日帰りで来られますから。深センとか広州から100人くらいに来ていただいて。プラス会員用のVIPルームにご案内したりしたら、非常に喜んでいただきました。

吉田氏: 入場者の何割かが中国本土からだったのですよね。そしてみんな若いですね。

(石井聡)