インタビュー

「新生FFXIV」プロデューサー吉田直樹氏「パッチ2.3」インタビュー

吉田氏「ハイエンドからカジュアルまで全方位の内容に期待してください!」

6月25日収録

会場:スクウェア・エニックス本社

「新生FFXIV」プロデューサー兼ディレクター吉田直樹氏

 「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア(以下、新生FFXIV)」の最新アップデート「パッチ2.3~エオルゼアの守護者~」が7月8日にいよいよ実装される。パッチを前に、「新生FFXIV」のプロデューサー兼ディレクター、吉田直樹氏が最新アップデートについてインタビューに応じてくれた。

 「パッチ2.3~エオルゼアの守護者~」では、24対24対24の総勢72人が参加できるPvPコンテンツ「フロントライン」や、「クリスタルタワー」の最新アップデート「シルクスの塔」など盛りだくさんのコンテンツが実装される。今回はその中でも目玉要素について、いろいろな質問をぶつけてきたのでぜひ読んでみて欲しい。

 同日に行われた真蛮神「雷神ラムウ討滅戦」の体験レポートはこちらにあるので、合わせて読んで一足早くパッチ2.3の雰囲気を味わって欲しい。

「大迷宮バハムート」→「クリスタルタワー」の実装順は正規の流れ

「雷神ラムウ」のバトルフィールドは高い崖の上にある

―― パッチ2.3のトレーラーには色々と気になる要素が盛り込まれていますね。新蛮神「雷神ラムウ」は後ほど体験プレイさせていただく予定ですが、ステージを見る限り今回も落ちるのですか?

吉田氏: 雷は落ちますが、プレーヤーは落ちないです。「雷神ラムウ討滅戦」は企画の段階から落ちないようなものが考えられていました。ラムウは裁きの神でもあるので、頂上決戦というイメージであのような高い場所のマップになっているだけなのです。

―― ああ、また落ちるのかと思ったのですが。

吉田氏: ネットでも「これは落ちるぞ!」と盛り上がっていたのを拝見して、もしかしてみんな落ちたいのかなと一瞬思いました(苦笑)。

―― 落ちるかもしれないという緊張感がだんだんクセになりますね。

吉田氏: 落ちるバトルだったら「またかよ!」と言われますし、落ちなければ落ちないで「なんだよ落ちないのかよ」と言われそうで難しいですね……。リヴァイアサンくらいの緊張感がちょうどいいのかもしれないですね。リヴァイアサンの場合は半分よりもちょっとプラスの方向にいれば、ギリギリで落ちなかったりしますし。あのくらいがちょうどいいのかも、という気はします。極タイタンに慣れてしまった方だと、「もっとキツくてもいいのよ」と言われるかもしれないですが……。この辺りは今後もメリハリを付けて行きたいと思います。

―― 新ダンジョンの「ハルブレーカー・アイル」のスクリーンショットには、昼間と夕方の時間がありますが、時間変化があるのですか?

吉田氏:「ハルブレーカー・アイル」はダンジョンではあるのですが、エオルゼアのパブリックフィールドとつながっている場所なので、天候や時間が固定なのはおかしいということで、変化するようになっています。

―― エオルゼアの時間に合わせて動くのですか?

吉田氏: そうです。ノーマルの「ブレイフロスクの野営地」もそうなっています。地下や屋内ではない場所の場合、基本的にエオルゼアに合わせた時間や天候の変化を入れています。ボスだけは演出があるので天候が固定になっています。

【「ハルブレーカー・アイル」の時間変化】
新ダンジョン「ハルブレーカー・アイル」はフィールドと同じように時間や天候の変化がある

―― 「クリスタルタワー:シルクスの塔」には魔王ザンテやアモンらしき敵が出ていましたが、今回でタワーの頂上まで行くのですが?

吉田氏: タワーという建造物でいえば、一番上まで行きます。

―― 「クリスタルタワー」は元々「新生FFXIV」正式サービス開始と同時の予定が、実装が伸びたことで「大迷宮バハムート」の次に「クリスタルタワー」という流れができました。今後もこの流れでいくのですか?

「クリスタルタワー」の新コンテンツ「シルクスの塔」

吉田氏: プロデューサーレターLIVEでも何度か「元の流れに戻さないのですか?」という質問を受けています。最初は本当に24人の大縄飛びだったのですが、さすがに難し過ぎるからやめようということで、再調整の上でパッチ2.1での実装になりました。その時点で、レイドダンジョンやアイテムレベル全体の構成も組み直しているので、そういう意味では今の順番がすでに正規の流れになっています。だから元に戻すという考えは、逆にイレギュラーになってしまいます。パッチ2.2で「大迷宮バハムート:侵攻編」が入ったので、確かにトップ層の人たちにとっては、それよりレベルが低いコンテンツが入っても意味がないとおっしゃる方もいるかもしれません。しかし90と110というアイテムレベルの間を埋めるものが、広いプレーヤー層に対して必要なのです。

―― それだとやはり「クリスタルタワー」で装備を整えてから「大迷宮バハムート」に挑むという順番になりませんか?

吉田氏: もし「クリスタルタワー」が先に実装されるような流れであれば、「大迷宮バハムート:侵攻編」はアイテムレベル100がなければクリアできないように作ることになります。それではあまりに手順を踏みすぎていて、アイテム取得制限も非常に多くなってしまいます。「大迷宮バハムート:侵攻編」は、そもそも1層と2層は、アイテムレベル90でクリアできるように作ってありますから、アイテムレベル100の装備は必要ありません。しかし、アイテムレベル90でもクリアできるバランスと言っても、90ではクリアできないという方も当然います。1パッチ遅れて100の装備が揃うコンテンツを入れることで、ここで底上げをして追いつけるよう頑張ってくださいという考え方なのです。

 これいにより、トップを走る方の優位性をキープしつつ、コンテンツクリアの裾野を広げていくことができます。アラガントームストーン戦記を2つ目のジョブにまで回す余裕はまだないと思いますので、そういったジョブのアイテムレベル100の装備をここで調えてくださいという考え方もしています。下から順番に、という見え方だと違って見えるかも知れませんが、トップ層の先行を確保するという観点もMMORPGでは重要なのです。

―― 「クリスタルタワー」はライトユーザーにとっては「大迷宮バハムート」の最初の緩和策と言えるのですね。しかしエンドユーザーからすると、確かにオマケ的な要素に感じられると思います。遊ぶものがないという批判は出るのでは?

吉田氏: 今回は「大迷宮バハムート零式:侵攻編」が入りますので、そちらを頑張ってクリアしていただきたいなと思います。

―― 同じような感じで、超高難易度の「クリスタルタワー」を入れる予定などはないのですか?

吉田氏: やめた方がいいと思っています……。ミスをすると24人分の責任がのし掛かってくるので、ボキボキに心が折れます(笑)。

―― それは実際にプレイしてみての感想ですか?

吉田氏: 開発の場合だと、みんなで同じ場所でプレイしていると「まじかよ!」みたいな悲鳴が聞こえてくるので余計ですよね。24人の高難易度はおすすめしないです。

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(石井聡)