インタビュー
宮本茂氏 発売記念インタビュー、自信の仕上がり!! Wii U「ピクミン3」
ビンゴバトルモードは逆転しやすい作りに。個性が感じられるピクミンたちの秘密
(2013/7/13 00:00)
ビンゴバトルモードは逆転しやすい作りに。個性が感じられるピクミンたちの秘密
―― マルチプレイとなる「ビンゴバトルモード」(※9)についてお伺いしていませんでした。逆転できる要素がかなり入ってますね。「マリオカート」を遊んでいるような気持ちに少しなりました。
宮本氏: 「『マリオカート』のようなアイテムを作ってみました」と(開発スタッフが)言ってましたね。マカロンルール(持ち帰れば1発で勝利確定)、ピクミンの数など、多彩にルール設定ができます。親子でプレイする場合、アイテムは取らないとハンデをつけて遊んでもいいですね。アイテムで相手の行動を封じることもできるし「チャンスだま」を使えば、相手に先に回収されて点灯できなくなったマスを点灯させることもできますよ。
1人で遊ぶ時はストーリーモードで遊びつつ、ミッションで腕を磨いてもらうといいと思います。ミッションモードを2~3日遊んでもらうと格段に腕が上がるはずです。家族や友達と遊ぶ時は「ビンゴバトル」ですね。3つのモード、それぞれ満足度が高く、オマケというモードがない感じがしますね。
※9: 「ビンゴバトルモード」は、ビンゴシートに配置された果実や原生生物を集め1列揃えるのを目指す、2人プレイ限定の対戦モード。アイテムにより、敵を妨害したり、ビンゴシートの1マスをランダムで埋めたりすることができる。GamePadではステージに配置された原生生物や果実の位置が確認できるため、平等に戦う際にはGamePadを両者が見える位置に置き、Wiiリモコン+ヌンチャクを2セットで対戦したい。
―― そういえば前作にあったような深いダンジョンはあるのでしょうか?
宮本氏: 今回はないですね。地形のタイプとして洞窟を暗くしたりはしてますが、どこで何が起きているかGPAD画面で見えるように、基本的に平面にしてあります。
―― 話は変わりますが、橋の部品を運ぶように指示したら、完成まで勝手に往復したりと、AIは少し賢くなっていますよね。
宮本氏: 同時進行で仕事ができるように、より蟻っぽくなりました。さっきまで戦っていたのに、アイテムを見つけたら運んだりと割と自然に動いているんです。プログラム的に言うと、戦闘モードに入っている場合、アイテムがあっても戦闘を続けてくれなければ困るけど、戦闘が終わったらアイテムを運ぶモードになったりなど、色々しています。初代「ピクミン」からの積み上げなので、詳しくはプログラマーにしかわかりませんが、ゲーム後半に調整したい部分があって、“簡単にパラメーターをいじって変更できるのか、それとも何が起こるかわからないのかな?”と質問したら、“危険です”と返事がきたので、かなり色んなことをしているはずです(笑)。
―― ただ、「あまり賢くなりすぎてはダメだな」ということも考えられているんですよね?
宮本氏: プログラマーもそれはわかっていますし、うまいですよね。ボケっとしているピクミンもいますし。全員がロボットのように動くと生き物に見えないと考えてつくっています。
―― さぼったり、突っかかったり、完璧じゃないのがいいんですよね。愛着がわきます。
宮本氏: そこは凄く意識しています。バグなのかどうかひと目でわからないのが問題ですが(笑)。
―― それぞれのピクミンに個性があるように見えるんですよ。
宮本氏: 手を振るやつがいたりしますね。ただ、全員が振ったらおかしい。みんなが同じにならないようにしています。物を運ぶ時でもみんな担ぐ向きが違う形で運んでます。複数のピクミンが同じ向きにモノを運ぶとロボットのように見えますが、ばらつきがあるので生き物のように見えるんです。
最近のダウンロードコンテンツについて
―― 「ピクミン3」もそうですが、Wii Uやニンテンドー3DSではダウンロード版が同時にリリースされるようになっています。「夏の新作早期購入割引キャンペーン」(※10)が展開されていたりもします。タイトルにもよると思いますが、ダウンロード版の利用者は増えてきているのでしょうか?
宮本氏: 例えば「とびだせ どうぶつの森」は、国内では欠品したという事情もあるんですが、海外をみても比較的ダウンロード版の比率は高いです。本体に入れておくほうが便利だとだいぶ理解されてきたのだと思います。「トモダチコレクション 新生活」とかも入れておくほうが便利ですね。全体的に徐々に上がってきているという状況です。Wii Uではディスクの出し入れがいらないので便利ですよね。
※10: 発売から1週間、ダウンロード版が通常価格の10%引きで購入できるキャンペーン。「ピクミン3」の他、「レゴシティ アンダーカバー」、「The Wonderful 101」が対象タイトルになっている。
「ダウンロードカード」も順調です。「あそべるおまけつき ニンテンドープリペイドカード」は最近良く売れています。
ダウンロードの話だと、ニンテンドー3DS「すれ違いMii広場」に、4つの有料コンテンツ(※11)を出しました。4つ一緒に買うとお得ですよというやつです(笑)。あれもかなりダウンロード数が多くて、反応もすごくいいです。
※11: 「すれちがいシューティング」、「すれちがいガ~デン」、「すれちがい合戦」、「すれちがい迷宮」の4タイトル。各500円で、4本まとめてだと計1,500円で、1本購入後に3本まとめて買うと計1,700円で購入できる。
―― 私の周りでも他が遊べないほど遊べるとか、とても評判がいいです。
宮本氏: 「ピースあつめの旅」の新パネルなどを無料で配ってきましたし、すれ違い通信はだいぶ遊んでもらっていて、僕もPR用、プライベート用を持って、すれ違い状態にしてます。東京とかに行くとすれ違うことは多くて、ほとんどパネルが埋まっているような人も見かけます。「すれ違い伝説」はすぐクリアしてしまうので、次のが欲しいというご意見もいただいていました。
―― ゲームじゃないですけど、「すれちがいマップ」もやりがいがありますね。日本だけでも埋めるのは難しいのに、海外のマップも入っていますし。
宮本氏: 世界地図だと私は結構埋まってますよ(笑)。
―― ですよねぇ(笑)。
宮本氏: ルーブル美術館絡みの仕事でパリとかに行くとヨーロッパが、E3に行くとアメリカが集まりますし、「ルイージマンション 2」はバンクーバーで作っていたので、カナダも結構埋まりました(笑)。でも、地図のない国は申し訳ないですね。
ダウンロードコンテンツでは、「New スーパールイージ U」(※12)も順調にダウンロード数が増えています。
※12: 「New スーパールイージ U」は、「New スーパーマリオブラザーズ U」の追加コンテンツ。価格は2,100円。プレイするには「New スーパーマリオブラザーズ U」のパッケージ版 or ダウンロード版が必要になる。また、「ピクミン3」の発売日と同じ7月13日には、単体で「New スーパールイージ U」がプレイできるディスク版(3,700円)が年内限定でリリースされる。
―― 最後に読者に向けて一言お願いします。
宮本氏: 原点に返ったようなアクションゲームの魅力が詰まっていると思うので、ゲームにはこういう面白さがあると味わってもらえたらと思います。友達のでもいいですし、是非とも遊んでみてください。
―― ありがとうございました!
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