インタビュー

宮本茂氏、自信の仕上がり!! Wii U「ピクミン3」発売記念インタビュー

自らが語る「ピクミン3」の魅力!
「Wii Uは『ピクミン』を待っていたハードというくらい相性がいいんです」

7月5日 収録

会場:任天堂株式会社 本社

【ピクミン3】

7月13日 発売

価格:5,985円(パッケージ版/ダウンロード版)

CEROレーティング:A(全年齢対象)

パッケージ

 任天堂株式会社は、Wii U用AIアクション「ピクミン3」を7月13日に発売する。価格はパッケージ版、ダウンロード版共に5,985円。ただし、ダウンロード版に限り、「夏の新作早期購入割引キャンペーン」対象タイトルになっているため、発売から1週間は10%引きで購入できる。

 なんと今回、同社の代表取締役 専務 情報開発本部長であり、本作のゼネラルプロデューサーを務める宮本 茂氏に話を伺う機会が得られた。世界で最も有名な日本人とも言われる同氏。貴重な機会ということもあり、時間の許される限り、様々な質問をぶつけてみた。頭の悪そうな質問もあるが、全てにおいて、笑顔で丁寧に答えてくれた。

 前作から9年振りとなる「ピクミン3」の魅力、どのように作られていったのか、込められた思い、ダウンロードコンテンツの可能性、先日公開された「ピクミン3 Direct」、さらには同氏が手がける他タイトルについてなど、幅広くも密度の濃いインタビューになっていると思われる。早速、ご覧いただきたい。

Wii Uでいけると確信した最大の要素はモーションプラスと高解像度

任天堂株式会社 代表取締役 専務 情報開発本部長 宮本 茂プロデューサー
ジャケットに赤ピクミンが! さらにTシャツもピクミン!

―― 「ピクミン3」が間もなく発売となります。今の心境をお願いします。

宮本 茂氏:結構遊んでもらえるソフトができたと思います。リメイクとなる「Wiiであそぶ ピクミン」、「Wiiであそぶ ピクミン2」も作ってはいますが、ゲームキューブ版「ピクミン 2」からと考えると9年振りになります。「マリオ」シリーズや「マリオカート」だとわかりやすいのですが、まだ「ピクミン3」の発売をあまり知ってもらえていないので、地道に知ってもらう努力をしていきたいと考えています。

 長いことアクションゲームを作ってきましたが、アクションゲームは初めて遊ぶ人から上級者まですごく客層が広くて、初めての人には難しかったり、上級者にはぬるかったりと、どの人にもベストとなる難易度がないという難しさがあります。そういう中で「ピクミン」シリーズはアクションゲームの部分は大きいのですが、初めての人でも遊べるし、上級者でも極めようと思えば極められる不思議なアクション要素を持ったゲームです。スタンダードなビデオゲームとして独自のジャンルができました!

―― 本当に独自のジャンルですよね。

宮本氏: そこをなんとかみなさんに味わってもらいたいなと。その前に「Wii U」を買ってもらわないとダメですけどね(笑)。

―― まだ持っていない人も本作を機会に買ってもらいたいところですね。

宮本氏: これからどんどんソフトが出てきますから、買うなら「今でしょ!」と(笑)。

―― さて、「ルイージマンション 2」のような、特殊な関わり方(※1)もあると思うのですが、「ピクミン3」ではどのように関わられたのでしょうか?

宮本氏: もろど真ん中プロデューサーです。ディレクターとしてべったり入ることはできないのですが、「ピクミン」とはどのようにあるべきか、デザインや演出よりも「ピクミン」というゲームの仕組みそのものをメインのスタッフと相談しながら作りました。プログラマーもディレクターも「ピクミン」の1作目からずっとやっているメンバーですし、色々なテストに対するお互いの評価も割とズレていなかったので、安心して任せることができました。

 具体的にはGamePadをどれくらい使えれば良しとするか、操作はどれが1番かといった所ですね。ディレクションではないですが、「ゼルダ」の作り方に近いです。構成上、どういう要素を入れて、仕組みはどうあって、ピクミンには何をして欲しいか、それらをディレクターとプログラマーと一緒に長い時間をかけて話し合いました。

 また、僕は僕で「ピクミン」をもっと色々な人に見てもらいたくて、「ピクミン」のショートムービーを細々と作っています。ムービー、ゲームと、ここ2年間は「ピクミン」漬けでしたね。

※1: 「ルイージマンション 2」はカナダにあるNext Level Gamesが開発しており、宮本氏は「原作者」として、そしてディレクター陣の「後見人」として、2週間に1度、現地とやりとりする任天堂の池端氏と話をするという形で関わっている。詳しくは「社長が訊く 『ルイージマンション 2』」にて。

宇宙船の周辺。情報量の多いゲームだが、それ故にプレーヤーがどのようにゲームに接しているかが、スコアに如実に現われる
ピクミンを投げることが実に重要なお仕事となっている「ピクミン3」

―― 元々「ピクミン3」は、Wii向けに開発されていたようですが、開発期間としてはどれくらいになるのでしょうか? また、開発人数はどのくらいなのでしょうか?

宮本氏: とても不思議に思われるかもしれませんが、普通の開発会社では有りえないような体制で開発しています。入社以来「ピクミン」のプログラムだけしかしていないという人がいるくらいです。まず、開発初期は少人数で色々なことを試すんです。Wiiでは操作を中心に、DSでは新しいタイプの「ピクミン」を作ろうと色々テストをしてきました。そして、Wii Uに辿り着いた時に“いける!”と確信しました。Wii Uは「ピクミン」を待っていたハードというくらい相性がいいんです。そこから人数を増やして、Wii U版を作り始めました。

 3段階くらいあって、最初の段階は5人で5年くらいやってます。Wii版の仕上げの時で十数人になり、人数が減ってDS版の開発が始まりました。続いてWii Uでやるぞ! となったら10〜20人くらいになり、開発終了まで残り8〜10カ月の頃には50人くらいになりました。Wii Uでやるぞ!となったのは去年のE3に出した辺りですね。

―― 人数の変動が結構あるんですね。

宮本氏: 足りなくなったらどこかから応援してもらいます。うちはメインのメンバーは固定ですが、例えばアートだと、「マリオ」シリーズのメンバーが「ゼルダ」シリーズの開発に入ったり、「ゼルダ」のメンバーがWii Fitに入ったりします。仕事量に応じて変更するんです。自転車操業ですね(笑)。

―― 核となるメンバーは固定し、面白さがぶれないようにしながら、状況に応じて人数を増やしていくんですね。

宮本氏: 建築物と一緒なので、設計を途中で変更すると、ものすごく時間がかかったり、無駄が出てしまいますので。ただ遊びの骨組みができてきたら、ステージを増やす、演出を付け加えるというのはやればやるほどよくなりますから。

―― さきほどお話にあった「Wii Uでいける!」と思ったのはどのような点だったのですか?

宮本氏: 最初にWii Uに移植した時点で、解像度、処理能力、操作など全てですね。

宮本氏は「GamePadの使い方でスコアが変わってくる」という。プレーヤーがいかに情報を取り込み、どう判断してどう行動するかと言うことだろう

―― GamePadがある点も大きそうですね。

宮本氏: GamePadもそうですが、主にモーションプラスと高解像度です。

―― 高解像度はそれほど重要な点だったのですか?

宮本氏: ピクミン1匹ずつが、それぞれ何をしているかを見せたかったからです。解像度が低い場合、1匹だけ見せると全体が見えなくなります。全体が見えないと戦略ゲームとしてはダメです。高解像度だと、全体を見せながら1匹ずつを見せられる。また、全部のピクミンがちゃんと動いているのが理想なのですが、ゲームだと動いていることにして、見えない部分は端折って処理したりするんですが、今回は全部動かしています。全部のピクミンが動いているので、全体を見せても大丈夫となり、GamePadで全体を見せることができるんです。攻略する人によってどう使うかわからないですが、GamePadの使い方でスコアが変わってくると思いますね。

―― GamePadといえば、GamePad単体でも遊ぶことができるんですよね。

宮本氏: 色々な組み合わせ(※2)に対応しています。例えば(Wiiリモコン+ヌンチャクで)ポインターだとキャラクターの移動方向に関わらず、好きな場所にピクミンが投げられるので、ボスを短時間で倒せたり、同時並行でたくさんの仕事をさせやすかったりします。一方、GamePad(TVモニター+GamePad、GamePadのみ)で遊ぶ場合、ゲームキューブの時と同じような操作になります。ゲームキューブ操作だとキャラクターの動く方向にしかカーソルが動かないのですが、TVモニター+GamePadだとマップを見てすぐに触れますし、寝転がって気軽に遊ぶこともできます。

※2: 「TVモニター+GamePad+Wiiリモコン+ヌンチャク」、「TVモニター+GamePad」、「GamePadのみ」といった組み合わせに対応。なお、Wii U PROコントローラーを使うこともできる。

―― GamePadだけで遊ぶ場合、マップは切り替えになるのでしょうか。

宮本氏: そうですね。

―― 宮本さんの1番のオススメは、どの組み合わせなのでしょうか?

宮本氏: 僕らが本格的にやる時は、スタンドにGamePadを置いて、Wiiリモコンとヌンチャクを使って遊びます。

―― 1番のオススメは、そのフルセットですね。

宮本氏: これがフォーマルです(笑)。

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(木原卓)