インタビュー

「Blade & Magic」プロデューサー本橋大佐氏インタビュー

入口はあくまでライトに。スワイプ・バトルで体験するRPGへのこだわり

2月8日 配信予定

ダウンロード:無料

利用料金:無料

ビジネスモデル:アイテム課金制

 スパイク・チュンソフトは2月8日、iOS/Android用スワイプ・アクションRPG「Blade & Magic」のAndroid版の配信を開始した。ダウンロード、利用料金は無料で、ビジネスモデルはアイテム課金制。iOS版については、近日配信予定。

 「Blade & Magic」は、スワイプ操作で敵を切るように攻撃してクエストを攻略していくスワイプ・アクションRPG。2012年7月に開催された新作発表会では、王道ファンタジーのストイックなデザインや、見た目にもわかりやすく操作も爽快なことが紹介され、海外進出も意識した作品であることが強調されていた。

 ただ、当初は2012年の夏に配信予定とされていた本作であったが、その後リリースが延期され、改めて今回の配信発表となった。今回は、スパイク・チュンソフト「Blade & Magic」プロデューサーの本橋大佐氏にインタビューをする機会を得たので、「Blade & Magic」が延期を重ねていた理由や、その間に取り組んでいたこと、また本作の魅力などについて、本橋氏のこだわりも含めて伺っていった。

指1本でできる王道ファンタジーバトルアクション

スパイク・チュンソフト「Blade & Magic」プロデューサーの本橋大佐氏
スワイプ・アクションによる自在なバトルがメインの「Blade & Magic」。画面下にあるのはパーティープレイのための状況レーダーの役割を果たす
箱庭要素もあり、施設の建設状況が素材アイテムの獲得やキャラクターの育成方向に影響を及ぼす
モンスターの造形にも特徴あるものが多い

――最初の配信予定から季節が半分巡って、ようやくの配信となりました。

本橋大佐氏: まずは、楽しみにしてくださっていた皆さんに謝罪させてください。配信開始を延期してしまい、申し訳ありませんでした! 実際に事前登録の数も10万を超えていて、ユーザーの方から「いつですか?」、「配信はまだなの?」というお問い合わせを数多くいただくことになりました。そういった意味でも、本当に申し訳なく思っております。

――遅れた理由は何でしょうか?

本橋氏: 実は、夏には1度ゲームは仕上がっていました。スワイプ・アクションというコンセプトは変わらないのですが、その時はアクション性の高いストイックなものが最終版となっていました。

 しかしその後1カ月間のレビューを行なったところ、もっとわかりやすく、もっと色々な人にも触ってもらえるようなものにしなければダメだと判断いたしました。そこでゲームバランスの組み直しだったり、アクションの難易度やシステムをわかりやすくし、王国パートも修正を重ねて、わかりやすいものに作り直した、というのが主な理由です。

――では改めて、新生「Blade & Magic」のウリは何ですか?

本橋氏: 派手で、気持ち良いスワイプ・アクションと、キャラクターの成長をビジュアルとして感じさせるという部分は変わってません。ゲーム進行で入手できる武器や防具類は数百種類以上あり、能力と共にビジュアルによってRPGの楽しさを感じていただけます。

 加えて多彩なモンスターもどんどん出てきますので、そのバトルをご堪能いただき、自分の王国をどんどん育てていっても欲しいなと思います。

――アクションでは、スワイプで四方八方に自在に切っていく操作が印象的ですね。

本橋氏: 使う武器によってキャラクターのモーションは変えています。これは敵も同様で、持っている武器によってモーションも違ってくるので、同じ種類の敵でも違う戦い方が求められることもあり、そういった点でも長く楽しんでいただけるのではないかなあと。

――開発初期に本作を体験させてもらったのですが、敵の攻撃を逆方向に弾き返す「パリィ」がなかなか難しかったです。

本橋氏: 実際にはもっともっと簡単に調整しました。誰でも剣を弾く行為ができて、初めから爽快感を味わえるぐらいですね。ビジュアルから誤解されやすいところなのですが、私たちはシビアなアクションゲームを作りたいわけではなくて、触って気持ちいい感触のファンタジーRPGを体験してもらいたいと思っています。

――箱庭育成要素となる、「王国」のシミュレーションはいかがでしょうか?

本橋氏: こちらは、キャラクターの育成に欠かせない要素になります。王国には武具素材が獲得できる生産施設と、ステータスが強化できる能力施設が建設できるようになっています。

 各施設の建設状況次第で、新しい装備が入手しやすかったり、攻撃や防御のステータス値が高くなったりしますので、プレイスタイルに合わせて王国とバトルを上手く循環してらもらいたいなと思っております。

――キャラクターが使用できる武器は3種ありますが、これらの役割はいかがでしょうか?

本橋氏: 「片手剣と盾」、「杖」、「両手剣」のことですね。これは配信開始時の武器種ですが、わかりやすく片手剣はバランス型で連続攻撃がしやすい。杖の魔法使いは防御力が低い代わりに攻撃力が高く、威力の高い攻撃魔法が使えます。両手剣はほどほど防御力のある一撃が強めなタイプです。武器種は運営上で追加していく考えでいます。

――防具は武器と紐付けされているのでしょうか?

本橋氏: 「片手剣」以外では「盾」が装備できないくらいで、ガチガチな紐付けはしていないですね。状況に応じて武器や防具を切り替えるプレイスタイルを推奨しています。ですから、鎧をガチガチに着けた硬い魔法使いを作るというのも可能になっています(笑)。

 武器や防具にはそれぞれに魔法やスキルが備わっており、これらのカスタマイズ要素も豊富にご用意しています。

武器と防具の組み合わせ、それによるスキルなど、カスタマイズ要素も入っている
バトル画面下にあるアイコンはパーティーの状況を示すレーダーとして機能する
クエスト進行画面では、他のプレーヤーのアイコンをタッチして応援することができる

――バトルシーンを見ていると、画面下にレーダーみたいなものがあります。これは何でしょうか?

本橋氏: 本作では、導入部分はCPUとの1対1の対戦がメインになっていますが、ゲームが進行していくとパーティープレイができるようになっています。最大3人でパーティーが組め、敵も最大3体で、合計すると最大3対3の対戦になります。

 バトル画面に映るのは1対1ですが、複数とのバトルの場合は、自分が目の前の敵に勝利すると画面がスルッと動いて違う敵が出てきます。ただ、これだとバトル画面の外の情報がわからないので、画面下部に状況を簡略化したアイコンで、戦況を示すパーティーレーダーみたいなものを置いています。

――あれはそういう意味だったのですね。

本橋氏: スマートフォンでキャラクターをきれいに6体出すというと本当に辛いのですが、このパーティーレーダーで、ギュッと凝縮して表現することで可能になりました。こうした体験は初になると思います。またこの機能を活かして、他プレーヤーとのPvPなども今後考えています。

――対戦はリアルタイムなのでしょうか?

本橋氏: こちらは非同期です、仲間や他のキャラクターのステータスを引っ張ってきてAIで動かすような感じです。借りられた側には後で報告があって、併せて報酬があるような形になります。

――見た目以上に戦況判断が大事なバトルが楽しめそうですね。

本橋氏: 3対3という要素については、ゲーム内容がテンコ盛りすぎてユーザーの皆さんにとって消化不良となってしまうことが怖かったので、配信開始時は強く推してないです。中盤以降にやや意識する程度です。

 基本的には1対1のバトルから始まるので、戦闘そのものの派手さや爽快さは損なわないようにしています。初めてプレイする人はガチャガチャやっているだけで勝てるでしょうし、その後は仲間と戦うことでメリットがあったり、パーティーで戦っている時の雰囲気を表現することで、深さを増していきます。スマートフォンでここまでやっているタイトルはなかなかないはずです。

 とはいえ、コマンドを入力させるような難しいアクションもなく、指1本で戦えるというのが特徴です。いずれにせよ、パーティーはせっかくの機能ではありますが、あくまで先を見越して運営上で活かすシステムとして考えてます。

――ストーリー部分はいかがでしょう?

本橋氏: 昨年の発表会でもプロローグ的なムービーを流しましたが、クエストの中にエピソードが少しずつあって、それが先に進むにつれてどんどん大きな波に巻き込まれていきます。さらにイベントなどで、外伝的なエピソードのベールを脱がしていければいいなと。

――狙っているターゲット層はどこでしょうか?

本橋氏: ゲーム好きで、かつスマホを持っている方なら誰でも。世界中です。PCのMMORPGファンもターゲットです。

 それと、簡単なソーシャルゲームは遊びつくした、というような人。ソーシャルゲームは金太郎飴的なものが多いのですが、それらに比べると、もう少し味は濃いけど比較的遊びやすいというゲームになっておりますので。

――海外も意識しているということは以前からのお話にありますが、ローカライズ面はいかがでしょうか?

本橋氏: 全世界同時サービス開始というわけでないので、国内リリース後ということにはなります。また、海外版もローンチ時点では、最大公約数的なバランスやエッセンスを意識して文化の違いだとか、言葉の違いを超えた部分を抽出したつもりですので、各国での配信直後はそのままで行こうと考えています。配信開始後、各国のユーザーさんの反応を読み取りながら、個別にチューニングをかける可能性は非常に高いとは思っています。

――最後のチューニングはいかがでしたか?

本橋氏: コアな部分はブレないのですが、多少野暮ったいところを突き詰めるのが大変でした。1番苦しくて、楽しくて、泣きそうなところですね。……というか泣きました(笑)。ですが、良くなる時は急激に良くなるもので、ラストスパートで一気に面白くなったと思います。

(安田俊亮)