スパイク・チュンソフト、新作スマートフォンタイトル発表会を開催

海外も意識した「Blade & Magic」、ド派手演出の「もののけ大戦“陣”」の2タイトル


7月4日 発表

場所:マウントレーニアホール渋谷


 株式会社スパイク・チュンソフトは7月4日、新作スマートフォン用タイトルの発表会をマウントレーニアホール渋谷で開催した。

 発表に先立って挨拶を行なったのは、スパイク・チュンソフト代表取締役社長の桜井光俊氏と代表取締役会長の中村光一氏。桜井氏は、4月1日に合併をして以来、スパイク・チュンソフトの大きな発表会はこれが初めてだと話し、「オンラインゲームは大きな事業の柱になっている。今回は中でも最大級の2タイトルを発表するので楽しみにしてください」と語った。

 中村氏は、近い将来にスマートフォンの普及率はフィーチャーフォンを追い越し、さらにプラチナバンド(携帯電話に新たに割り当てられる周波数帯)も導入されることで「スマートフォンが勢いをつけていくのでは」と示唆した。

 またスマートフォンのスペックについても触れ、CPUやグラフィックス面では「ゲーム専用機とほとんど変わらなかったり、超えているものもある」と話し、3D表現やリアルタイムオンラインという面で、「コンシューマーゲームを作ってきた我々の活躍できる場になってきた」と語った。

 今回発表されたのは、「Blade & Magic」と「もののけ大戦“陣”」の2タイトル。タイトルの発表は、スパイク・チュンソフト オンライン事業グループ ゼネラルマネージャー兼プロデューサーの本橋大佐氏が行なった。


スパイク・チュンソフト代表取締役社長の桜井光俊氏代表取締役会長の中村光一氏オンライン事業グループ ゼネラルマネージャー兼プロデューサーの本橋大佐氏


■ 海外も意識。王道ファンタジーのスワイプアクションRPG「Blade & Magic」

 「Blade & Magic」は、中世ヨーロッパ風の王道ファンタジー世界を舞台にした、アクションRPGアプリ。ゲームは国に建物などを作っていくシミュレーションパートと、スワイプでモンスターを倒すアクションパートに分かれており、国を充実させながら武器や防具を生産していき、敵とのバトルを進めていく。

 アクションパートでは、武器を振る、ガード、スキルを使用するという3種類の操作ができ、武器を振る操作が中心となる。画面をスワイプすると撫でた方向に武器を振って攻撃でき、敵の攻撃のタイミングに合わせて武器を振ることで、攻撃を弾いてチャンスを得ることもできる。

 また武器の種類はリリース直後では片手剣と盾、両手剣、杖/ロッドと3種類の武器を用意しており、武器ごとにアクションも異なっているという。また装備を変えるとプレーヤーキャラクターの見た目も変わり、カスタマイズも楽しめる。

 このほかグラフィックスや音楽にもこだわっており、敵のデザインはアートワークの段階から重視し、BGMには作曲家の伊藤賢治氏を起用している。またSEも贅沢に入れ込んで、スマートフォンならではの表現を追求している。

 なお「Blade & Magic」は海外進出を目指し、そのことも大きく意識して作られた作品だという。本日より事前登録を受け付けており、正式サービスは今夏にMobageにて開始される予定。対応機種はiOSとAndroid。


【スクリーンショット】
スワイプで敵を切りつけていくアクションが特徴。剣では撫でた方向に敵を切りつけるが、武器の種類によって攻撃方法も違うという
もう1つのパートが国づくりシミュレーション。建造物を充実させていき、武器や防具を作成していく
装備を変えればビジュアルにも反映される。カスタマイズも重要な要素

【プロモーションムービー】


■ 妖怪デッキで“ド派手”演出。スマホ機能も活かした「もののけ大戦“陣”」

 「もののけ大戦“陣”」は、「もののけ」と呼ばれる妖怪たちが描かれたカード「族長絵巻」で戦うカードバトル。本橋氏が「かぎかっこをつけたい」と語るほどに「ド派手」な演出が特徴で、爽快なデッキバトルが楽しめるというもの。

 プレーヤーは5枚1組となったデッキで対戦し、5枚の中にある組み合わせによってデッキのステータスが上昇する「陣システム」が勝敗に影響を与える。デッキは1人で複数作ることができ、対戦前にはデッキを選択できるので、敵に備えていくつものデッキを同時に作れるという部分にも特徴がある。

 ゲームは、探索やカード強化、デッキの編成とバトルを繰り返すことで進んでいく。1度対戦が始まれば自動的に決着がつくが、手持ちのカードが持つ役によって様々な演出が入り、役を複合すればするほど豪華な印象を受ける。

 また他のプレーヤーと協力して戦うボス戦では、仲間との連携によって技が発動するという演出もある。これはデッキのリーダーの属性に関わるもので、あるプレーヤーが弱点に「火」を持つボスと戦った時、デッキのリーダーが「火」の属性であり、次のプレーヤーのデッキも「火」属性を持つリーダーだった場合、「煉獄」というスキルが発動するという。

 こうした派手な演出に加えて、500種類以上あるという「もののけ」たちのイラストの魅力、タッチやドラッグなどを活かした使いやすいUIなどが本ゲームの魅力となる。

 「もののけ大戦“陣”」は事前登録受付中で、正式サービスは今夏を予定。プラットフォームはMobage。ただし、「Blade & Magic」よりも早い時期の配信を考えているそうだ。対応機種はiOSとAndroid。


【スクリーンショット】
“ド派手”な演出が特徴のカードバトルRPG。デッキにおける役作りが派手な演出の鍵となる
デッキの編成はドラッグ&ドロップで操作。スマートフォンならではの機能をフルに使う
美麗なカードイラストも特徴的。「妖怪」というコンセプトも珍しい

【プロモーションムービー】


■ 「Blade & Magic」は海外版Mobageの主力になり得る。守安功氏が登壇

ディー・エヌ・エー代表取締役社長の守安功氏

 このあと、ゲストとして株式会社ディー・エヌ・エー代表取締役社長の守安功氏が登壇した。守安氏は「Blade & Magic」が国内だけでなく、海外での展開を意識していることに触れ、「このタイトルは、もともと企画書を見せに来てくれた担当者が強く推していた作品。大抵は、日本で成功したゲームを各国の担当者に見せても『これは日本的だね、我々だとどうかな』と言われてしまうが、『Blade & Magic』については現地の感覚でも『いいね』と言ってもらえている。日本だけでなく、Mobageの主力として海外でもヒットするのでは」と自身の言葉でも強く本作を推した。

 また守安氏はソーシャルゲーム市場の将来について、現在の主力はフィーチャーフォンを中心としたウェブアプリのゲームで、スマートフォンにおいてもそれらを移植したものが多いとした上で、「これからはスマートフォンの機能をふんだんに活用し、色々なアクション性やグラフィックスなどのよさを取り入れた、従来型以外のソーシャルゲームもヒットしてくるだろう。コンソールゲームが好きな人にも、スマートフォンのソーシャルゲームだったら遊んでもらえるのではないか」と新しいユーザー獲得に期待を寄せた。

 スパイク・チュンソフトに対しては、「グローバルに成功させるために協力させていただきたい。楽しんで遊んでもらえるものになるよう、期待している」と語った。

 このほか会場では、タレントの福田萌さんやモデルの鈴木奈々さんによる「Blade & Magic」および「もののけ大戦“陣”」のデモプレイが実施された。


【デモプレイ】
普段は「なめこ」や「ゾンビカフェ」をプレイするという福田萌さんは「Blade & Magic」をプレイ。慣れた手つきで敵に立ち向かっていった。途中、敵の攻撃を弾こうと、段々と目が真剣になっていく様子も見られた。スワイプ操作での戦いについては、「十字キーとは違う臨場感があった」とゲーマーらしいコメントを残した
スマートフォンは持っていないが、「彼氏がカードバトル大好きなんです!」と元気に話した鈴木奈々さんは、身振り手振りを交えながら「もののけ大戦“陣”」をプレイ。スマートフォンのゲームでの初勝利に「イェーイ! ありがとうございます!」と歓声をあげていた

【トークショー】
このほか「最近面白かったアプリ」、「新しいソーシャルゲームの形」などがテーマに掲げられたトークショーも実施された

(2012年 7月 4日)

[Reported by 安田俊亮]