インタビュー

色んなキャラクターを使って欲しい! 「バトルボーン」開発者インタビュー

「もっともっと変に!」、Gearboxならではの世界観を実現

5月19日発売予定

価格:
パッケージ版 7,700円(税別、PS4/Xbox One)
ダウンロード版 6,930円(税別、PS4/Xbox One)
ダウンロード版 7,485円(税別、Windows)
CEROレーティング:C(15歳以上対象)

プレイ人数:1〜10人(オンライン専用)

 25人の多彩なキャラクターが戦いを繰り広げるアクション「バトルボーン」。今回、発売に先がけて本作を体験でき、さらに開発元であるGearboxの開発スタッフにインタビューで気になる部分を聞くことができた。

 「バトルボーン」の楽しさはやはり25人の多彩なキャラクターにある。カンフーを使うキノコ人、巨大な多次元生命体を使いこなす不良少女、パワードスーツに乗ったペンギンに、ガチムチ覆面プロレスラー、妖艶な魔女……ストレートにカッコイイキャラクターから、ギャグキャラ、Gearboxならではのエキセントリックなキャラクターなど非常に多彩である。

 Gearboxは「ボーダーランズ」でハチャメチャでパワフルなキャラクターと世界観で多くのファンを獲得した。「バトルボーン」はそのノウハウを活かしながらさらに奥深く、凝ったゲーム性を盛り込んでいる。彼らのこだわりや、ゲームのディテールに関して質問してみた。

変に、そして楽しく! 個性豊かなキャラクターが活きるゲーム性を追求

 今回話を聞いたのは、本作のシニア・プロデューサーを務めるクリス・ブロック氏と、アート・ディレクターのスコット・ケスター氏。ブロック氏は日本に対してあこがれを持っており、体験会ではその喜びを語った。ケスター氏は日本のゲームも大好きであり、特に格闘ゲームが好きだという。

本作のシニア・プロデューサーを務めるクリス・ブロック氏
アート・ディレクターのスコット・ケスター氏
見ているだけでワクワクさせられる個性的すぎるキャラクター達

 今回話を聞いたのは、本作の シニア・プロデューサーを務めるクリス・ブロック氏と、アート・ディレクターのスコット・ケスター氏。ブロック氏は日本に対してあこがれを持っており、体験会ではその喜びを語った。ケスター氏は日本のゲームも大好きであり、特に格闘ゲームが好きだという。

 まず質問したのは「バトルボーン」のオンライン対戦のゲームモードについて。体験会ではMOBA要素が強い「インカーション(侵入モード)」を体験したが、他にはどんなモードがあるのだろうか。ブロック氏は「『インカーション』が最もMOBA要素が強いが、もちろんそれ以外のモードもある。他のモードも『バトルボーン』ならではの味付けをしてある」と語った。

 ゲームモードしてはオーソドックスなキャプチャーモードとして、マップ内の拠点を奪い合う「占領」モード、そしてミニオンを溶鉱炉までに導くというユニークな「溶解」モードが用意されている。ケスター氏は本作の対戦モードは、西洋的なシューティングゲームのトレンドを活かしながらも独自性を感じさせるものになったと語った。最もオーソドックスな「占領」、MOBA的な「侵入」、そしてその中間にあたる「溶解」という構成になっているという。

 25人の個性的なキャラクターで対戦を行なうというのはバランスをとるのが本当に大変だったのではないか? という筆者の質問に対して、ブロック氏は深くうなずいて「本当に難しかったよ」と語った。最近のFPSはベーシックなキャラクターによる対戦が主流だ。同じ移動速度、同じジャンプ力、基本的な武器も共通……しかし「バトルボーン」はジャンプ1つとってもキャラクターで異なる。あるキャラクターでは上れる段差が、他のキャラクターでは上れない。まるで違うゲームのキャラクターのようですらある。

 しかもキャラクターはユニークなスキルを持っており、レベルアップし、プレーヤーによって成長の仕方も異なる。しかし「バトルボーン」が目指したのは「1つの画面で色々なキャラクターが動き回り戦いを繰り広げる」という場面であり、個性的なキャラクター達が活躍できるバランスを実現させるため、1つ1つ大きな手間をかけ、事細かに調整を行なったという。開発チームだけでなく、バランスをとるために専門家である外部のデータアナリストに依頼し、調整を行なったとのことだ。

 単純に考えれば、遠距離攻撃が得意なキャラクターは近距離専門キャラに絶対的に有利だ。ケスター氏は接近してガンガン殴る戦い方を好むプレーヤーであり、遠距離の敵相手にはかなり戦い方を工夫したという。複雑な地形を移動したり、回り込んだり、そういう“工夫”ができるようにレベルデザインもこだわっている。

 キャラクターのパラメーターだけでなく、それぞれのキャラクターが持ち味を活かせるマップを作り込んだとケスター氏は語った。そして近接キャラクターはスナイパーキャラに近づけばかなり優位に戦える。こういった爽快感も重視している。

 ちなみにブロック氏はスナイパーキャラクターが好きだという。黄金の狙撃銃を持つ「マルキ」が好きで、1発で大ダメージを与えるような射撃による戦闘に爽快感を感じるという。ケスター氏は剣で戦う「ラース」のように相手の攻撃をかわしながら近づき、近づいたときに攻撃力を解放するようなハイリスク、ハイリターンな戦い方が好きだという。

 ちなみに「エルドリッド」という勢力に所属するキャラクターはシールドがない。これは文明的に自然を好む傾向があり、他の勢力のようなシールド発生器を持っていないという世界観の設定によるものだ。代わりにエルドリッド所属のキャラクターは回復能力があり、こういった部分でバランスをとっている。

複数のキャラクターで遊んで欲しい! 繰り返しプレイを楽しくする要素

 一方でPvE要素であるストーリーモードはどうだろうか。体験会では拠点を守って戦う「レネゲート」というステージと、大型のロボットを守りながらステージを戦う要素を体験できた「虚無の果て」である。他にもボスと戦うモードや、レイド形式で協力してステージを突破していくものもある。

アクの強いキャラクターが画面中を乱れ舞うのが「バトルボーン」の最大の魅力だ
緑の胞子をまき散らすミコのキノコ。これが回復アイテムなのだ!
MOBA的要素を取り入れたPvP。キャラクターの特性をうまく使いこなして戦う
2人は言葉を重ねて様々な質問に答えてくれた

 ブロック氏は「複数のキャラクターによるプレイをオススメしたい。同じステージでもキャラクターによって、一緒に戦う仲間によってゲームの感触は大きく違ってくるだろう」と語った。さらに“ノーマル”、“ハードコア”といった難易度設定があり難易度を変えて挑戦できる。何度も楽しめるステージ構成を目指してデザインしているという。

 「バトルボーン」のストーリーに関してはエピソードを進めると次のステージがアンロックされる形式であるが、解放されるコンテンツは複数あり、プレーヤーが進む道は「ボーダーランズ」のように長い一本道のストーリーが用意されているわけではない。決まっているのはエピソードの最初と最後の展開だけで、複数のコンテンツからいくつかを選んでクリアするのも良し、すべてを楽しんでからエンディングを観るのも良しである。もちろんエンディングの後もコンテンツに挑戦しゲームをやり込むことができる。

 難易度を上げてプレイすることの最大のメリットはより高性能な「ギア」の入手にある。キャラクターは3つのギアを装備できる。ギアには様々な種類があり、プレーヤーはキャラクターの長所を伸ばすか、弱点を補強するか、あるいは新たな特性を付与するかといった選択肢があるとケスター氏は説明した。

 ギアの選択肢が増えればゲームはより奥深く、キャラクターの個性がはっきりしてくる。そして育て上げたキャラクターはPvPでも使用できる。やり込み、強力なギアを装備したキャラクターがPvPでは有利なのか? 筆者の質問にブロック氏は「違う」と答えた。

 「入手したギアはもちろんPvPでも使えるが、ギアを有効化するのにはコストがかかる。『侵入』モードで砲台を使うようにプレーヤーはシャードを集めなければならない。もちろん強力なギアはその力に応じて多くのコストが必要になる。協力プレイが求められるPvPにおいてコストに見合う活躍ができるか、また低コストのギアでも使い方を工夫することで有利に戦うこともできる。強いギアが戦いを有利にするとは限らないんだ」とブロック氏は語った。

 そしてキャラクターに関しては西洋的なだけではなく、アジア方面にも受け入れられる様な幅広いキャラクターを用意し、多くの人に“グッとくる”ことを心がけた。「できるだけ多くの人に喜んでもらうキャラクターを用意したつもりだ」とケスター氏は語った。ケスター氏はファミコン時代から日本のゲームに親しんでおり、「ストリートファイターII」をはじめとしたカプコンのゲーム、SNKの格闘ゲームが大好きだ。

 アジアの人が好む美形のキャラクターも盛り込んだ。ちなみにケスター氏がデザインしたキャラクターでお気に入りは超マッチョな覆面プロレスラー「エル ドラゴン」。銃弾や超能力が乱れ飛ぶ戦場で、フライングボディアタックや、ラリアートで戦う熱いキャラクターだ。

 キャラクター性としては、やはり「ボーダーランズ」から受け継ぐGearboxならではのユニークなキャラクター造形が楽しい。ケスター氏は「とにかくデザイナチームには“同じようなキャラクターにならないように”ということを徹底させた。とにかく面白い、ユニークなキャラクターを作ることを心がけた」と語った。

 巨大なロボットのボディを操るペンギンの「トビー」、見た目は美しいエルフのはずなのにひたすら怒っていて眉間に深い深い縦皺を刻んでいる「ソーン」など、「バトルボーン」のキャラクターは強い印象を残すキャラクターばかりだ。ケスター氏がチームに言い続けた言葉は「Weirdo!(もっと変に、もっともっと変に!)」だという。

 ブロック氏は「実は『バトルボーン』はとてもまじめな、シリアスなゲームにするつもりだったんだ。しかしスタッフ達が作っているうちに、“結局のところ”こうなってしまった。これがGearbox流、ということかもしれないね」と語った。

 そして、ユニークな多数のヒーローが活躍するゲームとして、奇しくもブリザードから「オーバーウォッチ」が登場する。「バトルボーン」の強力なライバルとなりそうなゲームだが、開発スタッフはどう考えているだろうか? ブロック氏は「『オーバーウォッチ』はテストで触ってみたが、とてもいいゲームだと感じた。ただ『バトルボーン』とはキャラクターが全く違うのが大きいし、やり込んでもらえればゲーム性の違いもはっきりしてくるだろう。お互いに成功したいとは考えているのだから、応援はしているよ」と語った。

 もう1つ気になったのが、“e-Sports”への指向”だ。現在e-Sportsは大きな盛り上がりを見せている「バトルボーン」はそういった展望があるのだろうか? 例えば世界大会などは行なう予定があるのだろうか?

 ブロック氏は「世界的なトレンドは理解しているが、現在はそういうことは考えていない。今後コミュニティが盛り上がり、ユーザーから要望があれば考えるというところだ。私たちはまずユーザーに楽しんで欲しいと考えてこの作品を作った。e-Sports的なゲーム性を強めて欲しい、という要望があったときに改めて対応を考えるつもりだ」と語った。

 最後にユーザーへ2人は「楽しんでください。2、3人のキャラクターではなく、ぜひ多くのキャラクターを遊んでみてください。組み合わせが違っても全然感触が変わる。とにかく色々遊んで欲しい」と代わる代わる言葉を重ねてメッセージを贈った。

(勝田哲也)