ニュース

長年Xboxのトップを務めたフィル・スペンサー氏が退任

新代表は元Meta、Instacartのアシャ・シャルマ氏

【Asha Sharma named EVP and CEO, Microsoft Gaming】
2月20日発表

 米Microsoftは現地時間の2月20日、コーポレートブログを更新し、アシャ・シャルマ氏が同社ゲーミング部門のEVP兼CEOに就任したことを明らかにした。同時に、これまで同職を務めていたフィル・スペンサー氏の退任も発表。Xbox25周年を迎え、Microsoftのゲーミング部門が大きく様変わりすることになる。

 人事面では、両名の人事異動に加えて、スペンサー氏の右腕としてXbox Gaming CEOを務めていたサラ・ボンドも退任する。また、開発スタジオを率いているマット・ブーティー氏は昇任し、EVP兼チーフコンテンツオフィサーに就任し、シャルマ氏との二人三脚でXboxを率いていくことになる。

【Xbox新体制】
新たにMicrosoft EVP兼Gaming CEOに就任したアシャ・シャルマ氏
EVP兼CCOのマット・ブーティー氏(右)と共にXboxを率いていく

 退任を明らかにしたフィル・スペンサー氏は、インターン時代も含めて38年Microsoftに在籍。同社のゲーム開発部門Microsoft Game Studioのヘッドを皮切りに、生え抜きでMicrosoftのEVPまで登り詰めた。Xboxのすべてのプラットフォームの立ち上げに関わり、「マインクラフト」のMojangのほか、ZeniMaxやActivision Blizzardなど、大型の買収案件も主導した。E3やXbox Showcase等でも必ずといっていいほど登壇し、Xbox界ではもっとも著名な人物といっていい。

 筆者も記者として20年以上に渡ってスペンサー氏を取材してきたが、もっとも評価されるべきは、コミュニティ重視の姿勢ではないだろうか。E3やgamescomなどの大型イベントでは、同時にコミュニティ向けのFANFESTイベントを行い、スペンサー氏は、常にそのコミュニティ会場の中心にいて、コミュニティからの意見に耳を傾けていた。近年は一歩引いた雰囲気もあったが、東京ゲームショウには毎年訪れ、メディアよりもコミュニティを重視する姿勢は最後まで変わらなかった。

 今後については明らかにしていないが、スムーズな引き継ぎをサポートするためしばらくはアドバイザーとして留任するとしている。

【TGS2025のフィル・スペンサー氏】

 後任となるシャルマ氏は、2024年入社、それまではInstacartのCOOおよび、MetaのVPを務めていた。消費者と開発者とのエコシステム、プラットフォーム構築および成長が評価されての人選で、スペンサー氏のようなゲーマー出身ではない。

 シャルマ氏は挨拶の中で、「素晴らしいゲーム」、「Xboxの復活」、「ゲーミングの未来」の3点をコミットメントとして掲げている。注目すべきは2つ目のXboxの復活で、Xboxコンソールについてわざわざ言及しているところが印象的だ。

 このメッセージが意味する具体的な内容については不明だが、少なくともスペンサー氏の時代は、ハードウェアとしてのXbox、ゲームコンソールとしてのXboxは、クラウドベースのゲームプラットフォームとしてのXboxに綺麗に上書きされ、意識することはほとんどなくなっていた。シャルマ氏のコメントは、明確な方向転換であり、どのような動きになるのか注目されるところだ。

 また、ゲーミングの未来では、AIについて言及している。Microsoftは、生成AIが一般化する前から、生成AIによるゲーミングの深化について基礎研究を続けており、その構想やプロトタイプを見聞きしたことがある。ミスターXbox、フィル・スペンサー氏の退任は、筆者を含む多くのゲーマーにとって大変残念なニュースだが、その一方で、ソフトウェアの巨人であるMicrosoftのゲーミング部門が、次の10年、20年に向けて動き出したという手応えもある。Xboxの新たな発表に注目したいところだ。