ネクソン、オンラインアクションRPG「ドラゴニカ」開発/運営チームインタビュー
自分たちが楽しいと思うものを作る、攻撃重視のアクションRPG
株式会社ネクソンは、Windows用ファンタジーアクションRPG「ドラゴニカ」の基本プレイ無料、アイテム課金制の正式サービスを1月20日より開始する。オープンβテストは1月6日より開始され、予定通り1月20日9時45分を持って終了。現在、正式サービスに向けたメンテナンス中で、本日中のサービス開始が予定されている。ビジネスモデルは、基本プレイ無料のアイテム課金制。
「ドラゴニカ」は軽快なアクション性と、かわいらしいキャラクター、コミカルさを持ったRPGである。正式サービスに先がけ、本作を開発した韓国Barunson Interactiveのスタッフが来日した。今回は、Barunson Interactiveの技術役員を務め、現在は「ドラゴニカ」の開発全体を見ているイム・サンウ氏と、Barunson Interactive海外事業室日本担当のイム・イラング氏、そしてネクソン運用部運用2チーム「ドラゴニカ」担当の始澤健太郎氏にインタビューを行なった。
実際に話を聞いてみることでBarunson Interactiveの本作にかける意気込み、「楽しいゲームを作るため、自分たちの楽しいと思えるものを、楽しんで作る」という姿勢が伝わってきて、開発者のこの作品への思い入れを強く感じることができた。彼等が作り出した「ドラゴニカ」というタイトルが、今後どのように成長していくかも楽しみである。■ とにかく我先に攻撃! ソロでもパーティーでも攻撃が楽しい「ドラゴニカ」の戦闘
編集部: 「ドラゴニカ」は開発当初から日本市場を意識していたとのことですが、実際に日本展開してみた感想をお聞かせ下さい。
イム・サンウ氏: 私は子どものころから日本のゲームをよくプレイしていました。特に「ファイナルファンタジー」シリーズや「鉄拳」に関しては今でも夢中になってやってしまうタイトルです。「ゲームの本場」とも言える日本で私達の開発する「ドラゴニカ」がサービスできることはとても光栄に思います。
日本に来てネクソンスタッフと話を交わしていると、日本のプレーヤーの意識の高さ、“完成度”への要求の高さに驚かされました。日本で展開できた感激と共に、緊張があります。韓国のプレーヤーはある意味でオンラインゲームに対して“慣れている”ために、ゲームのシステムや機能さえしっかり作っていれば、テキストが多少あやふやだったり、ゲーム内の小さなエラーには頓着しないことも多いです。しかし日本のプレーヤーはゲームの完成度を求める意見が多かったですね。
今回出張と共に少し日本観光をしたんですが、秋葉原で「ファイナルファンタジーXIII」を見たときに衝撃を受けました。ムービーでキャラクターの口の動き、舌の動きさえもセリフとシンクロしている。「さすが日本だ」と思わされました。
編: 今回のオープンβテストですが1サーバーではありますが、6チャンネルどこも盛況という感じで人気の高さをうかがわせますが、手応えはどうでしょうか。
イム・サンウ氏: 掲示板など、プレーヤーさんの反応がとても良くて、好意的に受け入れられているようでとてもうれしいです。良かったな、と思うことはオープンβテストを開始してから1度も緊急・臨時メンテナンスをしていないところですね。
オンラインゲームはオープンしてすぐはトラブルによる点検が多いです。それでプレーヤーは不便を感じる場合が多いのですが、「ドラゴニカ」ではまだそういった問題は起きず、問題が発生してもできるだけ早く対処するために常に緊張して状態を見ています。また、クローズドβテストからオープンβテストにあたり、画面の最適化など小さな調整をしています。ほんの少しですが、プレイ感も向上していると思います。
始澤健太郎氏: プレーヤー数の多さだけでなく、プレーヤーさんのブログ、掲示板でも良い評価をいただいて感謝しています。ゲーム自体を評価していただき受け入れられていると思っています。ただオープンβテスト開始3日目でレベル35までいっているプレーヤーさんもいて、オープンβテストでは「ドラゴニカ」のレベルキャップがレベル40なんですが、もう少しゆっくり遊んでもらっても良いかな、とも思っていますね。
編: 「ドラゴニカ」のアピールポイントはどこですか?
イム・サンウ氏: 「ドラゴニカ」では特にシナリオに注目してもらいたいと思っています。「ドラゴニカ」では復活した“エルガ”という邪悪なドラゴンを追っていくのが大きなストーリーなのですが、その前に“パリス”という魔女がプレーヤーの前に立ちはだかります。プレーヤーはパリスを探すことになるのですが、そのストーリーはぜひ体験してもらいたいですね。
また、「ドラゴニカ」では「戦士」、「魔法使い」、「盗賊」、「弓使い」の4つのクラスがあり、クラスによって戦い方が異なっています。特にパーティーではスキルの連携を工夫することでたくさんの技が繋がっていきます。自分なりの戦い方、自分なりのスキルの組み合わせ、気のあった仲間での連携を追求していって欲しいと思いますね。
編: 「ドラゴニカ」はゲーム初期から敵を跳ね上げて、こちらも追いかけてジャンプして空中で攻撃、というのができますがこれをソロプレイでやろうとするとかなりテクニカルだなと感じました。この操作はソロでは難しいですが、パーティーならばうまく連携できそうです。このバランスは意図的にそうしている、ということでしょうか。
イム・サンウ氏: 跳ね上げて空中で攻撃、というのはパーティーだと楽に実現できるオススメの攻撃法です。またテクニカルなものだけでなく、ショートカットを押すだけのお手軽コンボも用意されています。戦士は3つもハンマーを振り下ろすコマンドがあるのですが、この3つを次々に押していけば技が繋がるようになっています。
始澤氏: 跳ね上げて空中で攻撃というテクニックはソロでも少し練習するだけでできるようにタイミングを調整しています。またパーティーを組むことでソロプレイとは違う協力して連携する楽しさを体験して欲しいと思います。
編: パーティーの最大数を4人というのはすこし少ない気もしますが、最大4人までにした理由は?
イム・サンウ氏: 開発時に8人や14人などパーティー人数を増やしたテストをしたのですが、「ドラゴニカ」のスキルは派手で迫力のあるエフェクトなので、大人数でスキルを連発すると自分のキャラクターがどこにいるかわからなくなってしまうんです。このため4人でのプレイがちょうど良いかなと思いました。ただ「もっとパーティーの人数を増やして欲しい」という要望もあり、次の大規模アップデートには6~8人くらいのパーティーが可能になるようにテストを進めています。
編: キャラクターはレベル20で1次職に転職し、日本ではまだ実装されていませんがレベル40で2次職になります。キャラクターの戦い方はどう変化していくのでしょうか。例えば戦士は成長してもずっとハンマーでごり押しできたりするのでしょうか。
イム・サンウ氏: ハンマーだけでは25レベル以上はきつくなりますね。プレーヤーは1次職、2次職と上位スキルを活用し、より効果的なスキルの組み合わせを考えていくようになりますBarunson Interactiveは社長も「ドラゴニカ」をプレイするのが好きで、彼は特にハンマーが大好きなんです。彼はまさにハンマーしか使わずゲームを進めていくので、レベル25以降のバランスに関して「何でハンマーでゲームが進みづらくなるんだ」と怒られましたね(笑)。
始澤氏: 「ドラゴニカ」ではレベル20の1次転職で戦士ならば盾と剣を使う防御力と攻撃力を併せ持つ「ナイト」、両手剣で攻撃力特化の「グラディエーター」とより特徴的なクラスになります。盗賊は攻撃力特化の「アサシン」とダンボールに隠れたり地面に穴を掘るなどユニークな回避スキルを獲得する「クラウン」になれます。2次転職は分化することなくそれぞれの性質をより強化する職業となっています。
イム・サンウ氏: 2次転職はスキルでは多くの敵を攻撃できます。より多数の敵を相手にできるスキルが多くなっていきます。現在は3次職を開発していて、画面全体の敵を攻撃できるようなスキルを考えています。魔法使いは画面全体の敵を凍らせて大ダメージを与えるようなスキルを考えています。また弓使いはマグマで敵を下から連続で突き上げるような派手なものも考えています。マグマは倒れている敵を何度も下から突き上げるイメージです。
日本ではまだ実装していないのですが、「忍者」に変身できるクラスがあり、この忍者の新たなスキルとして侍の亡霊を呼び出し、その亡霊が桜の花びらを舞わせて攻撃するようなものも考えています。3次職はレベル60か80レベルでと考えています。今年の夏くらいに3次職は入れたいと思っています。アップデートは世界各国同時で行ないたいと思っています。日本でも最初の国の実装から、それほどお待たせせずに実装したいです。
また、「ドラゴニカ」の職業の特徴としては他のMMORPGのように支援能力に特化したキャラクターがいないことがあげられます。ソロプレイはもちろん、パーティープレイでも我先に攻撃をするというのが「ドラゴニカ」のプレイスタイルだと思います。どうしてこういうゲームデザインかと言えば、「ドラゴニカ」の開発者はみんな攻撃的なプレイばかりする人達なんです。開発当初は転職は各クラスにつき3つ用意していたんです、3つ目にあたる職業はそれぞれの支援要素の強いクラスだったのですが、「つまらない」と判断しなくしてしまったんです。
装備アイテムは最初からバリエーションが豊かで、パーティーを組み、みんなでガンガン攻撃しながら進んでいけるゲーム性を持つ「ドラゴニカ」。凝ったデザインのフィールドもどんどん追加されていくという |
■ 最初の装備からかっこよく。これまでのゲーム開発での想いを「ドラゴニカ」で昇華
アイテムの封印を解除する呪文書を販売するジュリー。彼女が着ている服は、実はプレーヤーキャラクター用に作られた服だという |
パーティープレイでは派手な攻撃を繋げていったり、いつの間にか敵への攻撃を競ってしまったり、とにかく攻撃重視のプレイスタイルとなるゲームである |
編: 「ドラゴニカ」は最初から装備がキラキラした派手なデザインが多いなと感じました。初期から強い装備をしているようで楽しいのですが、これはどうしてそのようにしたのでしょうか。このままどんどん派手になっていくと果たしてどうなるんだろうという、という心配もあります。
イム・サンウ氏: MMORPGのスタート時の初期装備は下着みたいなみすぼらしい恰好で、木の棒を振り回すような事が多いかと思います。私達も最初そういったデザインで初期装備を決めていたのですが、社長がこういう「お約束」が大嫌いだったんです。「何でこんな恥ずかしい装備で冒険をはじめなきゃいけないんだ!」と怒られて、でも私達は初期装備はみすぼらしいというのが常識だと思っていたので、初期装備に関しては6カ月くらい社長とスタッフで戦っていました、結果として社長の意見が通ったわけです。
社長は最初からかわいらしい装備をプレーヤーに見せることで、「こんな装備のあるゲームなんだ」と強いインパクトを与えたかった、と考えていたようです。そしてそこからどんどんかわいらしくてかっこいい装備を増やしていけばいい。開発は最初社長の意見が理解できなかったのですが、最初からかわいらしくかっこいい装備を出しても、さらにもっともっとかっこよくかわいらしい装備を作ろう、と熱意を持って開発を進めていきました。
プレーヤーには好意的に受け止められただけでなく、「上級者がつけている装備を目標にがんばろう」と意欲を燃やす人が多いようです。今後は、現実の私達が着ているような服のデザインや、コミカルなものなど様々なデザインでの装備を考えています。今後もっと幅が広がる予定です。
開発の裏話なんですが、封印解除する「ジュリー」というNPCがいますが、彼女が着ている服は実は魔法使いのプレーヤーキャラクターの装備のボツデザインなんです。このように装備アイテムとして作ったけど見栄えがもう1つ、というアイテムをNPCがつけている場合があるので、「この装備はプレーヤー用だったのかも?」と想像してみるのも楽しいかもしれません。
デザインが派手になりすぎてしまう、ゴテゴテしすぎてしまうという可能性は、「ドラゴニカ」のグラフィックスリーダーはとてもプライドが高く、仕事の手を抜かない人なので彼に任せておけばだいじょうぶだと信じています。
編: お話を聞いていると、社長さんをはじめ社員が一丸となって「ドラゴニカ」を作っているように感じます。Barunson Interactiveはこれまでどんなタイトルを手がけ、どういった体制でゲームを開発しているのでしょうか。
イム・サンウ氏: Barunson Interactiveは「ドラゴンラージャ」という2DグラフィックスのMMORPGを開発したスタッフが独立して起業した開発会社です。「ドラゴンラージャ」でのリーダーがBarunson Interactiveの社長を務めています。Barunson Interactiveではこの他に「SOS Online」というカジュアルシューティングゲームも開発したのですが、現在は「ドラゴニカ」に集中している形です。1番力を入れている形ですね。
「ドラゴニカ」には社長が「ドラゴンラージャ」でできなかったこと、開発の経験で得た理想のMMORPG像を実現させるために開発しているゲームといえます。「ドラゴンラージャ」では上から強制されて、先ほどの「みすぼらしい装備でスタート」にさせられてしまいました。社長はとてもそれが嫌いだったそうです。これまでの開発への想いが「ドラゴニカ」で活かされています。
編: 現在も風船のようなかわいらしいアイテムが登場していますが、正式サービスの課金アイテムなど、どんなアバターアイテム・装備が登場しますか。
イム・サンウ氏: アバターに関しては各国のパブリッシャーの意見を大きく活かそうと思っています。こちらの提案から選んでもらう、ということもあります。風船に関してはステータスにプラスをもたらすなど補助効果のあるものもあります。今回イベント用で「I love NEXON」と書いた風船を入れたのですが、今後ももっとデザイン的に面白いアイテムを作っていきたいと思います。
始澤氏: 今回はレベル5に到達したプレーヤーへのプレゼントとしてキャラクターの後ろに飛ぶ風船を用意しました。1つがイベントを司るNPCの顔をイメージしたもの、1つがドラゴンの頭の形のもの、そして「I love NEXON」の風船ですね。この3つはランダムでプレーヤーにプレゼントされるようになっています。
編: 正式サービス時は日本ではどのようなアイテムが発売されるのでしょうか。
始澤氏: 使い勝手の良い回復ポーションや装備の強化・エンチャントを補助する機能性アイテムが中心となります。その他、アバターアイテムも販売を予定していますが、どういった形で提供するかを検討中です。また、正式サービス後に実装される要素のペットやハウジングに関連するアイテムの販売も予定しています。
編: 「ドラゴニカ」ではペットはどのような存在ですか。
イム・サンウ氏: ペットには「プロモーション用」と「通常」の2種類があります。プロモーション用はイベントなどで配布されることがあり、成長要素がありません。通常のペットは課金アイテムとして提供される形で、様々な能力を持っています。プレーヤーキャラクターと共に狩りをすることで経験値を得て成長していきます。
プレーヤーが転職していくようにペットも成長することで姿を変えていきます。スキルツリーによって姿が変わっていくというイメージですね。能力としてはプレーヤーと一緒に敵を攻撃する、落ちたアイテムを拾ってくれる能力、連れて歩くことでプレーヤーキャラクターの移動速度が上げる、防御力を上げるなど様々です。成長したペットにはプレーヤーキャラクターが乗れる種類もあります。
編: ペットと協力するとソロプレイでも進めそうですね。「ドラゴニカ」はソロプレイを考慮したゲームデザインという印象を受けます。
イム・サンウ氏: これも開発チームの性格といえるかもしれません(笑)。「1人だと難しい」というのが嫌で、どんどん1人で進んでいけるゲームを目指しました。もちろんパーティープレイは協力して、ガンガン攻撃していくという楽しさを体験できます。プレーヤーの自由に楽しめるゲームを目指して作りました。
編: お話を聞いていると、とにかく開発スタッフが楽しいゲームを、自分たちが楽しいと思うゲームを実現したい、という想いで開発なさっているというのが伝わってきますね。
イム・サンウ氏: そうですね、自分たちはゲームが大好きなので、同じようにゲームが好きな人なら楽しんでもらえるゲームが作りたい、と思ってゲームを作っています。自分たちが楽しめるゲーム、楽しんで開発できるゲームを目指して「ドラゴニカ」を作っています。
左はエモーション。中央は魔法使いのキャラクターの装備。貝殻型の杖など凝ったデザインが印象的だ。右は座ることで回復力が上がる椅子。椅子系のアイテムも複数用意されるようだ |
■ ストーリー展開と、何度も出てくるボスに注目。今後は種族対立の要素も
序盤の複数のミッションマップではボスは狼の姿をしている。バリエーションよりもプレーヤーへの印象付けを重視しているためだという |
カップルを作るシステムなど昨今のMMORPGのシステムを積極的に取り入れている |
かわいらしく凝った装備の「ドラゴニカ」。ゲームの序盤から独特の雰囲気がある |
編: ゲームをプレイしてちょっと疑問に思ったのは、最初のインスタントダンジョンで敵のボスがずっと狼だったところです。次のダンジョンのボスも狼で序盤なのに同じような展開が続くのは単調なのかな、と思いました。
イム・イラング氏: インスタントダンジョンは「ドラゴニカ」では「ミッションマップ」と呼ばれています。ミッションマップはストーリー性を重視していて、繰り返しボスを登場することでボスキャラクターを印象づけたいと思っているのです。レベルが変わることでボスはつよくなっていきますが攻撃パターンは同じため、繰り返し戦うことでボスのパターンを見切った上で戦って欲しいという、ゲーム的なアプローチも狙っています。
悪役の狼は2匹登場するのですが、実はストーリーを進めていくことでこの2匹の狼がなぜボスになったのかがわかってくるようになっています。この後は「サンカ」と「クンカ」という兄弟のボスも登場します。ゲームの中ではボスに対しての謎が解明されていくんです。この後、サメのボスも2匹いるんです。「何故2匹なのか」というのも謎の1つです。この他にも様々なボスがいて、2匹で襲ってくるもの、単体で襲ってくるものなど色々な種類のボスがいます。
同じボスが繰り返し登場する理由としては、「ドラゴニカ」のゲームを進めるスピードも関係しています。「ドラゴニカ」はレベルアップしやすいゲームで、速いペースでコンテンツを遊んでいくことになります。そのときに次々と違うボスを出すと各ボスの印象が薄れてしまう。ボスの姿、攻撃パターン、バックストーリーをもっと印象づけたい、という理由があるんです。
編: ボスの攻撃パターンでこれは見て欲しい、というオススメのボスはいますか。
イム・サンウ氏: ボスに関しては特にコミカルな面を強調し、プレーヤーに笑って欲しい、楽しんでもらいたいと思っているんです。最初のボスの狼は口を開いて前にいるプレーヤーを倒れさせてしまう攻撃をしますが、これは実は狼の口が臭くて倒れてしまうんです。狼は歯磨きをしないですから。
見て欲しいボスの攻撃は、サンカとクンカの体の回りに竜巻を発生させる攻撃です。最初はこの兄弟は動かず竜巻を発生させていたんですが、プレーヤーに見切られてしまったため、竜巻を巻き起こしたまま動くというアクションを追加しました。プレーヤーは逃げまどわなくてはいけない。こういう駆け引きも楽しんでもらえると思っています。
私達が「かっこよさ」を追求しているボスはやはり「ドラゴン」です。「ドラゴニカ」にはドラゴンのボスが登場します。2次転職をするためには「マグマドレイク・ラヴァロン」というドラゴンがいます。このドラゴンは2次転職をするために必ず倒さなくてはいけないドラゴンです。このドラゴンは「魔力弾」という特殊な攻撃をすると一時的に倒れ、この時に攻撃するのですが、実は「かっこいい写真」を撮るチャンスです。
倒れたドラゴンの上に乗っかってポーズを撮るのが楽しいと思いますね。「ドラゴニカ」にはエモーションスキルもたくさん用意されているので「ドラゴン討伐記念(実際はまだ倒してないですが)」風の写真を友達と撮って欲しいです。
編: 「ドラゴニカ」は中国、台湾、北米など様々な国でサービスが行なわれていますが、各国でどのような意見が出ていますか?
イム・サンウ氏: スキルの操作感、ゲームの感触の部分で、中国やアメリカの意見を反映して手を入れていきました。スキルのバランスも各国の声を参考に調整しています。マップの配置に関しては台湾からの要望が多かったですね。
編: 日本で展開するにあたり、日本オリジナルコンテンツの実装予定はありますか。
イム・サンウ氏: 日本展開にあたり、専用マップやアバターアイテムを用意する予定です。今年の春にコミュニティ的な空間として、「桜マップ」を用意する予定です。デザインは変更されるかもしれませんが、オリジナルマップの実装は確定しています。日本の和服アイテムも入る予定です。
私は以前SOFTMAXという会社にいたのですが、SOFTMAXでは内部的な目標として「日本で自社のゲームをサービスする」というものがありました。その夢は実現できたのですが、「日本のプレーヤーに『この会社のゲームは良い作品だ』という評価をもらう」という目標はまだ達成できませんでした。私は「ドラゴニカ」で日本のプレーヤーさんから認めてもらうような完成度の高いゲームを目指していきます。
編: サンウ氏の目指す「完成度の高いゲーム」というのは具体的にはどういったものでしょうか。アイテムの充実や、軽快な操作性などさまざまな目標があると思いますが。
イム・サンウ氏: コンシューマーゲームとオンラインゲームの1番の違いは、オンラインゲームは、プレーヤーの「歴史」がずっと保存されていくというところです。韓国では現在1年で1,500ものオンラインゲームのサービスがスタートし、年末には3~4タイトルしか生き残りません。タイトルが生き残るための第1の条件はサーバーの安定性だと思います。そのあとが、安定性という基盤の上で作られた、シナリオや操作感、アイテムといったコンテンツがうまく絡みあっていることでしょう。これはオンラインゲームの開発においての常識ですが、実現することが難しいところです。しかしこれは、厳しいオンラインゲーム界で生き残るための前提であり、究極の目標だと思います。
編: 今後実装してみたい要素、システムなどはありますか。
イム・サンウ氏: マップやボスはどんどん企画して、もちろん追加されていきます。現在考えているのは「種族」ですね。現在の人間とは異なる新しい種族を考えています。「ドラゴニカ」には対戦、ギルド戦などが実装されていますが、種族が入ることでそれ以上の大規模RvRを実現できると思っています。常に緊張感をもたらすようなゲーム性を取り入れたいと思います。
具体的には現在企画している「ドラゴン族」は夜に月を見ると凶暴化してしまうので、強制的に戦うことになります。時々、強制的に戦いに巻き込まれる緊張感をゲームに取り入れたいと思っています。種族の設定もクラス扱いにするか、独立したものになるか考えています。エルフのデザインがうまくいっていないのでNPCになるかもしれません。まだ種族の設定は決まりきってないのですが、緊張感をもたらすシステムを企画しています。しかし、まだアイデアを出している段階なのでパッチの当日にはまた違う内容になっているかもしれません(笑)。
編: 運営側としては「ドラゴニカ」をどうサービスしていくでしょうか。
始澤氏: 様々なアイデアが盛り込まれていて、純粋に楽しいと感じさせるゲームですので、コンシューマーゲームを主にプレイしている方も、散々オンラインゲームをプレイしてきた方も、ゲーム好きの皆様に「ドラゴニカ」の楽しさを味わって欲しいです。オンラインゲームは長期間に渡りプレイして頂くことになりますので、時間を無駄にした、と思わせないサービスを提供したいと考えています。
編: プレイして感じたのは、確定ボタンがスペースキーとF1ボタンだったりするため、ゲームパッドにボタンを割り振りきれなかったり、コンシューマーゲームのようなインターフェイスの整理がもう1つだと感じました。日本ではゲームパッドへの最適化が必要だと思います。
始澤氏: キーパッド設定に関してはもう少し練り込んでいきたいと思います。インベントリーのアイテム移動やチャットなど、キーボードやマウスを使わなくてはいけない場面もありますので、使いやすさを考えていきたいと思います。
イム・サンウ氏: 他国ではキーボードでプレイする人が多く、ゲームパッドへの対応は日本向けではじめて取り入れた要素なんです。これから意見を取り入れて調整していきたいと思います。
編: 最後にプレーヤーへのメッセージをお願いします。
イム・サンウ氏: 私の人生の5分の1は「鉄拳」と一緒に過ごしてきた気がします。授業中でも「鉄拳」の技表を見てこっちの勉強をしていましたから(笑)。今振り返ってみても悔いはなく、とても楽しかったと思います。日本のプレーヤーのみなさんの心の中で、「ドラゴニカ」も私にとっての「鉄拳」のようなゲームになってほしいです。私たちの始めてのタイトルとなる「ドラゴニカ」にご意見、ご要望をよろしくお願いします。いつも丁寧な心を持ち、皆様のご意見に耳を傾けます。日本には、素敵なコンシューマーゲームが多くありますが、オンラインゲームへの関心ももっともっと持ってほしいですね。
イラング氏: 私は「ドラゴニカ」の開発の最初から関わってきました。日本でのサービスを実現させるために今まで努力してきましたが、実際は中国や台湾など他の国で次々とサービスが始まり、日本のプレーヤーにも早く遊んでもらいたいのに、と。「ドラゴニカ」の魅力を日本のプレーヤーにも早くわかってほしいのに、と悔しさや寂しさを感じていました。ようやく「ドラゴニカ」を日本のプレーヤーに体験してもらえるようになり、とてもうれしく思います。日本のプレーヤーの窓口として、プレーヤーさんたちが何を求め、何を願っているかを把握し、日本のプレーヤーさんが喜んでもらうゲームを実現したいと思います。よろしくお願いします。
始澤氏: まず、オープンβテストに参加してくださっている皆様、ありがとうございます。正式サービス時にはお待ちの方も多いと思いますが、二次転職の導入。また、その後のアップデートでハウジングやペットなどのシステムを導入する予定ですので、楽しみにお待ち頂ければ幸いです。ムービーやスクリーンショットでは伝え辛い、軽やかな操作性、爽快なアクション、雰囲気の楽しさなどを是非プレイして体験して欲しいと思います。
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(2010年 1月 20日)