インタビュー
ヨーロッパ最大規模のゲームショウgamescom 2017がいよいよ開催
ディレクターTim Endres氏に今年の新基軸と魅力を聞く
2017年8月18日 13:19
ヨーロッパ最大規模のゲームショウgamescomがドイツケルンのケルンメッセにおいて8月22日より26日の日程で開催される。
ヨーロッパを代表するゲームショウということで“ヨーロッパ最大規模”と称されることの多いgamescomだが、一般ユーザーを対象にしたゲームショウでは、おそらく世界最大規模だ。2016年のデータを見ると、来場者数は345,000人。海外からの参加者を増やし、毎年過去最高を更新している日本の東京ゲームショウで271,224人(2016年、CESA発表)、トレードショウとしては世界最大規模のE3で68,400人(2017年、ESA発表、一般来場者込み)ということを考えると、その大きさがわかるだろう。
ケルンは日本からは物理的に遠いため、日本人にとっては比較的縁の薄いゲームショウだが、ゲーム産業にとって欠かせないビッグイベントのひとつとなっている。GAME Watchでも会期に合わせて現地レポートをお届けする予定なのでぜひご注目いただきたい。
ところでgamescomがメーカーやゲームファンを引きつける理由は何だろうか? 本稿では、gamescomの魅力、今年独自の施策についてgamescomディレクターのTim Endres氏にインタビューを行なったので、その模様をお伝えしたい。gamescomの発表に注目しているゲームファン、gamescomへの視察や出展を検討しているメーカー担当者はぜひ参考にしてみて欲しい。
ケルンがゲーム一色に染まるgamescom week
――今年のGamescom 2017の特徴について教えて下さい
Tim Endres氏:今年のgamescomには、いくつかの革新が期待できます。先ず開催日程に関してですが、gamescomは、8月22日(火)からトレードビジターとメディア向けに始まります。その後、8月23日(水)から2017年8月26日(土)まで、すべての来場者に開放されます。我々はこの期間をgamescom weekと呼んでいますが、gamescom周辺で開催されるゲームを中心とした全てのイベントが含まれており、いくつかの新機軸が示されることでしょう。
オーガナイザーであるアルバイベンツ、メディアパートナーとしてのコンピューテックメディア、ドイツ商工会のインタラクティブエンターテインメントソフトウェア(BIU)、スポンサーとしてのケルンメッセ、そして更なるサポーターである国際ビジネスメディアを含む我々は、gamescom weekにおいて、高品質で国際的な開発者会議を開催します。gamescomとのコンセプトや意義の結び付き、そしてgamescom weekとの融合の結果、我々は相互作用を生み出し、ゲーム業界において、ヨーロッパを牽引する主要ビジネスプラットフォームとしての地位を確立しました。
さらに、BIUとケルンメッセは、gamescom weekにおいて、もうひとつのトップイベントの強力なパートナーを募る事ができました。その主要な主催者のひとつは、トップレベルの意思決定者を対象としたスポーツマーケティングをテーマとする会議を催します。このイベントは、「SPOBIS Gaming&Media」というタイトルで行なわれ、gamescomにとっては、実に価値をもたらすでしょう。我々の共通目標は、広告業界、メディア企業、プロスポーツのトップ意思決定者とゲーム業界とのネットワークを構築する為に、会議イベントを大いに活用し、新しい相乗効果を創出する事にあります。
gamescom weekは、8月20日(日)から24日(木)まで、「devcom」と共にスタートします。e-スポーツをテーマにした「SPOBIS Gaming&Media」は21日(月)に開催されます。23日(水)開催のgamescomコングレスや25日(金)から27日(日)に開催されるgamescomシティフェスティバルのように実績のあるイベントは、gamescom weekを成功へと導きます。
出展者が会場で多くの新製品発表を行なう事は明らかであり、2017年のサポートプログラム計画も全速力で進んでいます。gamescom 2017は、360度の視野を持つ素晴らしいイベント体験を、間違いなくもたらすことでしょう。
――gamescomの魅力は何だと考えていますか?
Tim Endres氏:gamescom独自の価値は、我々がゲームの全ての面において、そして本当の意味でプラットフォームを越えてゲームを表現していることにあります。 家庭用ゲーム機、モバイル、オンライン、PC、バーチャルリアリティ、e-スポーツ……、これらすべてのテーマがgamescomには存在します。それは他の見本市において類を見ないでしょう。例えば北米では、私が見る限り、コンシューマーゲームをテーマとして重点を置く傾向が見受けられます。一方、アジアの見本市では、オンラインゲームやモバイルゲームを頻繁に目にします。しかし、gamescomはそれらを全てカバーしています。e-スポーツの中心となっているPCゲームはgamescomの重要な地位を占めており、ゲームをテーマとしたそれに付随する商品によって完璧に補完されています。
――今回特にアピールしたいポイントは何ですか?
Endres氏:gamescomの成功はひとえに関係者の皆さんの協力の産物であり、今後もこの理念に忠実にあり続けます。この点においても、我々の目的は、既存のターゲット・グループと新しいビジター・ターゲット・グループの両方に、彼らと互換性のあるさまざまなアクションや提案を行ない、さらにgamescomの国際化の拡大に取り組んで行く事を主軸としています。現時点の進行状況は、あらゆる面において正しい軌道上にいると言えます。
出展者に関しては、現在の目標値でプラスの状況にあります。出展者の更なる増加が見込まれます。2017年8月22日から26日にかけて、ケルンで第9回目となるgamescomが始まります。世界最大のコンピュータゲームおよびビデオゲームのイベントで、900を超える出展者が見込まれ、国際性の観点からも成長過程にあると言えます。エリアに関して言及すると、今年は200,000平方メートルの限界を上回るでしょう。
今年は、初めてホール1を開放し例年よりもスペースを拡大します。2009年の開催当初は、100,000平方メートルのスペースからスタートしましたが、現在、倍のスペースにまで拡張しています。非常に素晴らしい実績と発展を出発点として、我々はgamescom 2017がコンピュータとビデオゲーム業界における国際ビジネスとイノベーションのプラットフォームとしての地位を、改めて証明することを確信しています。
――ケルン市とのパートナーシップについてもう少し詳しく教えて下さい。
Endres氏:gamescomと並行して新たな協力パートナーの支援を受けながら、ケルン市内の中心部に多種多様なイベントを開催することに成功しました。gamesomシティフェスティバルは、メディア クルトゥーア ケルンがプライムエンターテイメントと協力し、ケルン市とケルンメッセの支援を受けて開催されています。
2017年8月25日(金)~27日(日)のgamescomシティフェスティバルの開催期間中、ケルンの繁華街に位置するノイマルクト、ルドルフ広場、ホーエンツォレルンリングは、ゲームや音楽の無料ステージや、たくさんの屋台で賑わいます! 今年もgamescomシティ フェスティバルは、ライン川の中心都市であるケルンで、ケルン市民や世界各地からの来訪者に、魅力的なプログラムを提供することになります。現在、イベントの準備を進めているところですが、ほとんどのプログラムは既に完成に近づいています。
今年のモットー「音楽、フード&ゲーム」の下でエキサイティングに人々を楽しませるだけでなく、訪れる皆さんの為に、興味深く、趣向を凝らした企画を随所で用意しています。地域の人々による出演だけでなく、全国的に有名なアーティストやバンドの共演により、今年もエキサイティングで刺激的なミュージックプログラムとなる事を約束します。
――日本から参加を計画している方へのアドバイスをお願いします。
Endres氏:最初に私たちが用意している旅行サービスをご利用頂きたいのと、gamescomへの訪問の後には、美しい都市ケルンを存分にお楽しみください。
――来場者に向けてのメッセージをお願いします
Endres氏:gamescomは、コンピューターとビデオゲームの世界最大のイベントであり、ゲーム業界におけるヨーロッパNo.1ビジネスプラットフォームと言えます。ビジネスエリア、エンターテイメントエリア、gamescom シティ フェスティバル、そして最高レベルのカンファレンスにも特化したgamescomは、360度の視野を持つ冒険イベントであり、全てのターゲットグループの為に対応する個別のプラットフォームを提供しています。
“The Heart of Gaming beats in Cologne!”。この言葉と共に、唯一無二のトレードショーである”gamescom 2017”へ是非ご参加下さい!