インタビュー

「ハースストーン」、「日本夏季選手権」開催記念インタビュー

これから日本のe-Sportsはさらに盛り上がる! Blizzardジェイソン氏に今後の期待を聞く

9月11日 開催

場所:アキバ・スクエア

 ブリザード・エンターテイメントは9月10日と11日、Android/iOS/Windows/Mac用デジタルカードゲーム「ハースストーン」の大会「ハースストーン日本夏季選手権」を開催した。場所はアキバ・スクエア。

 会場ではオンライン予選を勝ち抜いた16名によるトーナメント戦をメインに、来場者による交流大会「炉端の集い」も同時開催される。今回は準決勝、決勝が開催される2日目の熱戦を前に、「ハースストーン」開発チームを束ね、開発戦略や技術の選定を行なうプロダクション・ディレクターのジェイソン・チェイズ氏にインタビューすることができたので、こちらの模様をお伝えしたい。

【会場の様子】
トーナメント戦の前に、来場者同士による交流イベント「炉端の集い」が開催。会場前には屋台も出ていた

トッププレーヤーを目指すには「敵の手の内を知るべし!」

ブリザード・エンターテイメント「ハースストーン」プロダクション・ディレクターのジェイソン・チェイズ氏。9月12日には東京アニメスクールにてe-Sportsに関する講演も行なう予定

――日本の「ハースストーン」シーンは、ジェイソンさんから見ていかがですか?

ジェイソン氏: 昨年にローンチしてから反応もいいし、日本は素晴らしい場所。e-Sportsのトッププレーヤーも日本から出てきています。

 ブリザードは長年PCゲームを開発しており、コンソール機やモバイル用のタイトルは手がけていなかったので、日本市場に進出していませんでした。ですが「ハースストーン」を出して、日本に進出する最適なタイミングということで配信した結果、非常に反応が良かった。またプレイステーション 4版を発売した「オーバーウォッチ」も同様に良い反応をいただきました。

 この2つのタイトルの反応が良かったですし、グローバルな戦略上の観点から見ても、日本市場の拡大は今後もさらに行っていきたいと思います。

――「ハースストーン」の大会は、トーナメント戦だけで完結せずに、同時に「炉端の集い」も行なわれるのが特徴です。この狙いは何でしょうか?

ジェイソン氏: 「炉端の集い」を開催するのは、大会そのものが“お祝い”と考えているからです。

 またイベントに競い合う要素を入れることで、他の「ハースストーン」プレーヤーを知るチャンスにもなりますし、そのコミュニティのレベルを向上させることにも繋がります。e-Sports大会の場はそうしたことに適しているので、同時開催しています。

大会で使用される対戦場所。雰囲気作りとディテールへの作りこみにこだわりを感じる

――実際に会場を見てみていかがですか?

ジェイソン氏: 非常に素晴らしい場所に仕上がっています。大会会場に求めているのは、ゲームの魅力が表現できているかどうかです。シリアスなものではなく、楽しさを基調に、もっと軽い、心躍るような感じでみんなが集まれる場所を求めています。今回の会場は、そうした活気のある雰囲気、盛り上がった雰囲気が押さえられていると思います。

――日本における、e-Sportsとしての「ハースストーン」はいかがでしょうか?

ジェイソン氏: 盛り上がってきていると思います。「ハースストーン」ではKno選手、Mattun選手が世界レベルで活躍する有名プレーヤーも登場してきていますし、こうしたプレーヤーが出てくることで、これからのe-Sportsとしての日本の「ハースストーン」は盛り上がっていくと思います。Blizzcon(11月4日~5日開催のブリザード・エンターテイメントのプライベートイベント)の世界大会決勝までぜひ進出してほしいですね。

――日本のプレーヤーの特徴はありますか?

ジェイソン氏: 日本のプレーヤーは、ゲームに真剣に取り組んでいる印象があります。集中力があるので、それはトッププレーヤーにも必要な資質になっていると思います。

――これからトップを目指すというe-Sportsプレーヤーが、最も意識すべきことは何でしょうか?

ジェイソン氏: 単に手元にあるカードに注意を向けるだけでなく、敵のデッキにどういうカードがあって、どういう戦略が取られるか、敵の手の内を知るということです。

 またトップのプレーヤーができるのは、3つ、4つ先まで読んだ上で、ベストなカードを使えるということです。つまり知っていることに基づいて、ゲーム全体を通して、リソースを最も効率よく使い、得ていくことです。

――ありがとうございました。