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![]() 夏はいつも、駆け足で去っていく。蒸し風呂のような熱帯夜はすっかりと影をひそめ、むしろ夜風が肌寒く感じられることもあるほど。これからはうっかり寝冷えをしてしまわないよう気をつけたい。 さて「夏休み! ゲーム祭!!」の最終回は、「スポーツ」をテーマに選んでみた。こちらGAME Watchでは、選手を育てて甲子園を目指す高校野球シミュレーション「高校野球道2」を。窓の杜では、スピード感のあるラリーが楽しめる3D卓球ゲーム「Cannon Smash」を紹介しよう。どちらも夏休み最後の週末を過ごすにふさわしい、スカッと気持ちのいいスポーツゲームだ。
【最終回】 熱血球児を率いて、めざせ深紅の優勝旗!!高校野球シミュレーション「高校野球道2」![]()
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メニュー画面。「監督就任」からプレイが始まる |
目標は、ズバリ、甲子園で優勝すること。月単位で練習メニューを組み立て、紅白試合や対外試合を行ない、合宿や3年生の引退など様々なイベントを過ごしながらチームの育成に努める。
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実名ではないが、それに近い名前で全国の高校が登録されている |
高校を選んだら、次は校章とユニフォームを決める。直接プレイには関係ないが、気分を盛り上げるためにもここはしっかり選びたい。「高校野球道2」ではさらに、校歌や野球部教訓を決めることもできる。生徒たちの指導にどれだけ影響があるのかは不明だが、監督としての方針を明確に示そう。
続いて監督自身の能力を設定する。与えられたボーナスポイントを各パラメータに配分するという、RPGでお馴染みのスタイルだ。どの能力も重要だが、監督としてもっとも重要な資質はリーダーシップ。迷わず「統率力」と「魅力」にすべてのポイントを配分した。もちろん、どうするかはプレーヤーであるあなた自身が決めてほしい。
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校歌を作詞する機能がなんともユニーク!! | 監督の能力を決める。どの数値も大切だが、やはり「統率力」重視でいこう | 部費を使って備品を購入。知名度がアップすれば、部費の総額も上がる |
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まずA~Cの3種類の練習メニューを設定し、それをカレンダーに割り振る |
ポジションの設定も重要だ。生徒たちがその持てる能力を発揮できるポジションを見極め、同時にレギューラーと補欠の決定も行なう。単に技術的なレベルで判断するのではなく、練習への意欲や野球に対する興味も考慮しなければならない。他の生徒からの人気が低ければチームワークが損なわれてしまうし、高校生なのだから学業をおろそかにしている生徒も外さなければならないだろう。悩むところだが、実はこれが今回「高校野球道2」をプレイして一番おもしろく感じたところでもあった。
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野球部教訓は「根性」に決定。世の中、根性だ!! | 試合前にオーダーを確認。表示されている顔のアイコンで体調がわかる | 夏の地方大会、東東京。3回戦の相手は、強豪で知られるあの高校だ |
試合は、他校と行なう練習試合のほか、夏の地方大会と秋の地方大会が中心だ。練習試合はこちらから申し込んでもいいし、逆に申し込まれる場合もある。極端に実力差がある相手と戦っても得ることが少ないので、一覧表示の中から戦力的に近いところを選ぶといいだろう。練習試合をすればするほど選手たちの経験値がアップし、新しい能力を身につけることもある。したがって、練習試合は勝敗よりも経験値を重視して臨みたい。一方、地方大会は各県ごとにトーナメント形式で行なわれ、優勝すれば甲子園への出場権を得ることができる。
試合が始まると、キャッチャーからの視点でプレイが表示される。キャラクタは丸くデフォルメされていて、高校野球にありがちな泥くささは感じない。もうちょっと熱血な画面でもよかったと思うが、シンプルで見やすいデザインだ。プレイ中は試合の流れを見守るだけだが、ピッチャーに伝令を飛ばしたり、守備のシフトを命ずることはできる。伝令はかなり効果があるので、ピンチのときや大量得点を許してしまったときは、一言伝えるといいだろう。
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試合中はこんな画面。2.5頭身にデフォルメされた生徒たちがかわいい。シーンによっては燃えたり、逆にやる気を失ってしまう場合もある |
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生徒たちの能力は個別の画面で詳しく見ることができる。「やる気」に注意しよう |
もっとも、プレイ中はいつでも保存/読み込みができるし、プレーヤーに変わってコンピュータが自動的に最適なポジションやトレーニングメニューを設定してくれるモードもある。ゼロから組み立てるのではなく、こうした補助機能をうまく使いながら注力したい部分を修正すると、かなり楽に、そして効果的にチームを育成することができる。操作そのものは簡単だし、データの表示も見やすい。プレイヤーに必要なのは「どの生徒をどう育てるか」、「どんなチームにまとめるか」という、文字どおり監督としての手腕なのだ。
実をいうと、プレイはようやく2年目を終えたところで、まだまだ始まったばかり。部室の器材も十分とはいえないし、甲子園どころか予選の3回戦進出がやっとという状態だ。東東京を選んだこともあり、ちょっと勝ち進むとすぐ強豪にブチ当たってしまうところがつらい。何度も甲子園に出場しているような強豪を、この先本当に破ることができるのかどうか不安になる。序盤、かなりいい加減な指導をしてしまったので、練習メニューからもう一度組み立てなおす必要があるだろう。
同時に、高校野球ならではのおもしろさと難しさも実感している。どんなに優秀な生徒も、3年目の夏の地方大会が終わると引退していく。生徒たちが全力で部活に取り組めるのは、たったの2年しかない。激しく入れ替わる生徒たちを相手に、チームとしての戦力を高めるのがいかに困難か。選手層の薄さも深刻な問題だ。優秀な生徒……とくにエースに無理をさせてしまいがちで、結果的に体調不良やケガを招くこともある。ローテーションやリリーフが必要なことはわかっているのだが、地方大会が始まると、どうしてもエースに頼らざるをえないのだ。
池田高校の故・蔦監督や、取手二高から常総学園へ移った木内監督など、高校野球界には優れた監督がいる。どちらも有名校だけに並の高校よりは選手層が厚いのだろうが、それでも、監督としての手腕に感嘆を禁じえない。生徒たちが次々に入れ替わる中、いったいどうやってチームの戦力を維持しているのか? どんな練習を行っているのか? 今後プレイを続ける前に、研究してみようと思っている。
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出た、ツーランホームラン!! 試合が順調なときは、ベンチで交わされる会話も楽しい |
「高校野球道2」
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(2001年8月31日)
[Reported by 駒沢 丈治]
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